「AIに『おすすめの会社』を聞いたら、出てくるのは競合ばかり」「LLMOという言葉は知っているが、自社が今動くべきかの判断がつかない」——BtoB企業のマーケティング担当者から、こうした声が増えています。
結論から言えば、BtoBはLLMO(AIに引用・推薦されるための最適化)の優先度が高い部類に入ります。ただし先に決めるのは施策ではなく、自社でやる範囲と外に出す範囲の線引きです。
この記事では、支援会社の3タイプと5つの判断軸、費用が何で決まるか、今週から着手できる手順までを整理しました。読み終えるころには、社内の会議にそのまま出せる判断材料が手元に残ります。
ChatGPTやAI Overviewsで、御社は「引用」されていますか? AI検索での現在地の調査から、引用・推奨されるための改善まで、LLMOコンサルティングで支援します。
先に結論:BtoBのLLMOは「先行者が総取りしやすい」
まず最初に、結論からお伝えします。
1つ目に、BtoBはLLMOの最重要領域です。高額で、比較検討が長く、合理的に選ばれる商材ほど、AIに「候補の整理」を任せる動機が強くなります。BtoBの購買は、まさにその典型です。
2つ目に、問い合わせの前にAIで候補が絞り込まれる余地が広がっています。企業の業務での生成AI利用は、公的統計で8割を超えました(総務省の白書。集計の条件は後述)。営業が把握しないところで比較が進む場面に載れるかどうかが、商談の数に効いてきます。
3つ目に、特別な新施策はほとんど要りません。やるべきことの大半は「AIが理解しやすい形で、専門性の証拠を積む」ことで、正しく作られたコンテンツ資産はそのままLLMOの資産になります。
そのうえで、着手より先に決めておきたいのが役割分担です。次の表は、いまの自社の状況から入口を選ぶための地図として使ってください。
| いまの状況 | まず取る行動 | この記事で読む場所 |
|---|---|---|
| AI検索での現在地が分からない | 質問セット10問で、いまの答えを記録する | 「何から着手するか」の章 |
| 社内に手を動かせる人がいる | 観測と一次情報づくりを自社で回す | 「内製でやれる範囲」の章 |
| 情報設計や実装まで手が回らない | 支援会社の3タイプから候補を絞る | 「発注先をどう選ぶか」の章 |
| 予算の根拠を社内に説明したい | 金額を動かす4要素で見積もりを読む | 「費用は相場ではなく」の節 |
なぜBtoBがLLMOの最重要領域なのか
LLMOの優先度は、業界と商材によって大きく変わります。この章では3点を順に見ていきます。優先度を決める2軸の枠組み、企業の業務でのAI利用の広がりを示す公的統計、そしてAIが挙げる候補が数社に絞られる構造です。

「関与度 × 選択の理性度」の2軸で優先度が決まる
判断の枠組みは「関与度(じっくり検討して買うか)× 選択の理性度(実用性で選ぶか、感情で選ぶか)」の2軸です。この2軸に商材を置くと、どこから手をつけるべきかが見えてきます。
| 商材タイプ | 例 | LLMOの優先度 |
|---|---|---|
| 高関与 × 理性的 | BtoBサービス・不動産・金融・自動車 | 最優先。AIに「最適解」を聞く行動と直結する |
| 高関与 × 情緒的 | 高級ファッション・ブランド品 | 重要だが、ブランディング施策との並走が前提 |
| 低関与 × 理性的 | 日用品・消耗品 | 中程度。商品情報の構造化から着手 |
| 低関与 × 情緒的 | 飲料・菓子 | 相対的に低い。当面は既存施策を維持 |
BtoBサービスは左上の「高関与 × 理性的」の典型にあたります。導入の失敗が自分の評価に跳ね返る買い手は、感情ではなく実績・機能・費用対効果で比較するからです。
そして「〇〇業界向けで、この予算で、この要件を満たす会社」という複合条件の相談は、従来の検索よりAIのほうが得意な領域です。買い手にとってAIは、要件を伝えれば候補を整理してくれる相談相手になりつつあります。
総務省の白書が示す、企業でのAI利用の広がり
「実際にAIで調べている担当者は、まだ少ないのでは」と感じる方もいるはずです。公的な統計を見ると、企業の中でAIはすでに日常の道具になりつつあります。
総務省『令和8年版 情報通信白書』(2026年7月公表・PDF)によると、自社の何らかの業務で生成AIを利用していると回答した割合は、日本で86.4%でした。前年度(2024年度企業向け調査)の55.2%から大きく上がっています。ただしこの数字は、活用方針の設問で「わからない」と答えた対象を除いて集計した割合である点に注意がいります。
方針づくりも進みました。生成AIを「積極的に活用する方針である」「活用する領域を限定して利用する方針である」と答えた企業の合計は68.9%で、前年度の49.7%から上昇しています。企業規模別では大企業74.0%、中小企業58.1%という結果でした。
注意したいのは、この統計が測っているのが「業務での利用」であって、「発注先の比較検討にAIを使ったか」ではないという点です。買い手の選定行動そのものを測った数字ではありません。それでも、社内でAIを日常的に開く人が8割を超えた以上、発注先探しに使われる土壌はできたと見るのが自然でしょう。
AIが挙げる候補は数社だけ、という構造
ここまでの構造から、1つの見立てが出てきます。AIの答えに並ぶ候補は、検索結果の10件より少ないという点です。
後述する2026年8月25日の実測でも、AIによる概要が参照していたのは5つのドメインでした。検索結果のように10位まで並ぶのではなく、「その条件なら、例えばA社・B社・C社」で会話が終わります。候補に入る会社と入らない会社の差は検索の順位差より大きく開きやすい、と私は判断しています。
だからこそ、先行して信頼の証拠を積んだ会社が有利になる——これがBtoBでLLMOの優先度が高くなる理由です。
検索の順位とAIの引用は、別のレイヤーで動いている
ここからは、検索順位とAI引用の関係を実際のデータで確かめます。2026年8月25日に取得した検索結果の実測、外部調査の最新値、そしてGoogleの公式ドキュメントという3つの角度から見ていきます。
- 実測した「btob llmo」のAI要約:引用5件のうち4件は検索1ページ目にいない
- Ahrefsの最新調査:上位10位から引かれる割合は約76%から約38%へ
- Googleの公式ドキュメントは「特別な最適化は不要」と書いている
実測した「btob llmo」のAI要約:引用5件のうち4件は検索1ページ目にいない
2026年8月25日に、DataForSEOのSERP APIで「btob llmo」の検索結果を取得しました。この検索語ではAIによる概要(AI Overview)が1枠目を占め、自然検索は2番目の枠から始まっていました。
AIによる概要が参照していたのは5つのドメインです。そのうち自然検索1ページ目に並んでいた9件と重なっていたのは動画の1件だけで、残り4件は1ページ目に入っていませんでした。
- 取得日:2026年8月25日(日本・日本語の検索結果)
- AIによる概要の参照元:5ドメイン
- 自然検索1ページ目と重なった数:1件(動画)
- 1ページ目に不在だった参照元:4件
この検索語で言えるのは、「上位を取れば引用される」という単純な関係が成り立っていないという事実です。1キーワードの観測なので一般則にはできませんが、順位を上げる努力と引用元に選ばれる努力は、重なる部分もあれば分かれる部分もあります。
Ahrefsの最新調査:上位10位から引かれる割合は約76%から約38%へ
外部の大規模調査でも、同じ方向の変化が出ています。Ahrefsが2026年3月2日に公開した調査は、863,000件の検索結果と400万件のAI Overview掲載URLを分析したものです。
その結果、AI Overviewに引用されたURLのうち検索上位10ブロックにも出ていたのは37.9%にとどまりました。残りは11〜100位が31.2%、31.0%が100位圏外です。
同じ調査は、前回(2025年7月時点)は約76%が検索結果からそのまま選ばれていたと記しています。約76%から約38%へ——1年足らずで、上位10位という狭い範囲との重なりはここまで薄くなりました。
ここは読み違えやすいので、2つ補足します。1つ目は、37.9%と31.2%を足した約69%は検索100位以内にランクしているという点。SEOの土台が効いていないわけではありません。
2つ目は、変化の要因についてAhrefs自身が但し書きを添えている点です。前回調査以降に引用元を読み取る解析手法を改善したこと、2026年1月からAI OverviewがGemini 3で動いていることの2つを挙げています。数字の差は実態の変化だけでは説明しきれません。
そのうえで実務的な結論は変わりません。上位表示だけで引用が決まるわけではない——上位表示は今も有力な入口の一つで、そこに引用されるための条件が別に加わったと捉えるのが実務的でしょう。
Googleの公式ドキュメントは「特別な最適化は不要」と書いている
ここで、公式の見解も確認しておきます。Google検索セントラルの「AI 機能とウェブサイト」(最終更新2025年12月31日)には、次の記述があります。
AI による概要や AI モードにコンテンツが表示されるための追加の要件はなく、別途特別な最適化を行う必要もありません。
構造化データについても、同じページに踏み込んだ記述が置かれています。
AI 機能で表示されるために、新たにコンピュータが解読可能なファイルや AI テキスト ファイル、マークアップを作成する必要はありません。また、特別な schema.org の構造化データを追加する必要もありません。
では何をするのか。同じページは、AIによる概要やAIモードでサポートリンクとしてページが表示されるための前提を、3つ挙げています。
- ページがインデックスに登録されている
- Google 検索でスニペットが表示される
- 検索の技術的要件を満たしている
そのうえで「これ以外に追加の技術要件はありません。」と続きます。いずれも従来のSEOで扱ってきた土台です。特別な最適化が不要な代わりに、この土台が抜けていると土俵に上がれない——そういう線引きになります。
出典:Google 検索セントラル「AI 機能とウェブサイト」
従来のSEOとの違いを整理すると、次のようになります。
| 従来のSEO | LLMO | |
|---|---|---|
| 目指す状態 | 検索結果で上位に表示される | AIの答えの中で引用・推薦される |
| 評価するもの | 検索エンジンのランキング | AIが回答を組み立てるときの情報源選び |
| 成果の形 | クリックされて流入が増える | 候補数社に入る。流入前に信頼が作られる |
| 計測 | 順位・表示回数・クリック数 | AIへの質問テストでの言及・AI経由流入 |
ただしこの表は「別々の施策が要る」という意味ではありません。事実が明記され、専門性の証拠があり、構造が明快なコンテンツは、検索エンジンとAIの両方から評価されます。違うのは施策ではなく、成果の現れ方と計測のしかたです。
AI検索の仕組みそのものはAI検索の仕組みと対策で詳しく解説しています。
BtoBのLLMO対策の発注先をどう選ぶか——3タイプと5つの判断軸
ここからが本題です。実際に相談するとなると、どの会社に、何を、いくらで頼むのかを決めなければなりません。この章では支援会社のタイプ分け、見るべき判断軸、費用の読み方、そして発注前に自社で決めておくことの4点を扱います。
支援会社は大きく3タイプに分かれる
LLMOを掲げる会社は増えていますが、得意分野は大きく3つに分かれます。どれが正解ということはなく、自社に足りないものと重なるかどうかが選択の基準です。
| タイプ | 得意なこと | 向いている会社 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| SEOと一体で見るタイプ | 既存の検索流入とAI引用を同じ設計図で扱う | すでにSEOに投資してきた会社 | AI固有の観測は別メニューになることがある |
| 実装まで請けるタイプ | 情報設計の作り替えと構造化データの実装 | 社内に開発リソースがない会社 | 施策の優先順位づけは自社で持つ前提になりやすい |
| 診断・観測に特化するタイプ | AIの回答の定点観測と、現在地の可視化 | まず現在地を知りたい会社 | 記事やページの制作は別に手当てがいる |
実務では「1社にすべてを任せる」より、自社に足りない機能を1つ選んで補うほうが、費用も社内説明もシンプルになりやすいでしょう。
見るべき5つの判断軸
タイプを絞ったら、次は個別の会社を見ます。提案書の見た目ではなく、次の5点にどう答えるかで判断してください。
- AI引用の実績を、どう可視化して見せてくれるか
- 既存のSEO資産と切り離さずに設計してくれるか
- 情報設計や構造化データの実装まで持てるか
- 観測の型(クエリ数・頻度・記録項目)を先に決めるか
- 自社の事業と顧客を、どこまで理解しにくるか
とくに1つ目で差が出ます。「AIに引用されました」というスクリーンショットだけでは、再現性があるのか偶然なのかが分かりません。どのクエリを何件、いつ、どの頻度で観測した結果なのかまで示せる会社は、社内報告の材料もそのまま渡してくれます。
費用は相場ではなく「何で決まるか」で見る
費用の話になると、相場を知りたくなります。ただし公開されている金額レンジは、対象範囲や体制の前提が書かれていないことが多く、そのまま自社の予算根拠にはしにくいのが実情です。
相場を探すより、金額を動かしている要素を分解したほうが、見積もりの比較は速く済みます。次の4要素で見てください。
| 金額を動かす要素 | 小さくなる条件 | 大きくなる条件 |
|---|---|---|
| 対象範囲 | 自社サイト1つに絞る | 関連サイト・SNS・第三者メディアまで含む |
| 観測クエリ数と頻度 | 10問前後を月1回 | 数十問を週次で、複数のAIサービス横断 |
| 実装の有無 | 助言のみで、実装は自社 | 情報設計の作り替えと実装まで委託 |
| 一次情報の制作 | 既存素材の再編集 | 調査・取材から新規に作る |
見積もりを2社以上で比べるときは、この4要素の前提をそろえてから金額を並べます。前提がずれたままの比較は、安いほうが得に見えて、後から追加費用で順位が入れ替わります。
発注前に自社で決めておく4点
最後に扱うのは、発注前に自社で決めておく4点。ここが空欄のまま相談に入ると、提案の良し悪しを測る物差しがなく、価格だけで選ぶことになりがちです。
- どこまで任せるか(作業だけか、方針づくりからか)
- 社内の窓口は誰か(その場で決裁できる人か)
- 自社が月に何時間出せるか(担当者の実働時間)
- 何をもって効果とするか(言及・流入・商談のどれか)
この4点を1枚にまとめておくと、複数社の提案を同じ物差しで比べられます。社内の会議にもそのまま出せるので、稟議の下書きとしても使えるはずです。
ChatGPTやAI Overviewsで、御社は「引用」されていますか? AI検索での現在地の調査から、引用・推奨されるための改善まで、LLMOコンサルティングで支援します。
LLMO対策を内製でやれる範囲と、外に出したほうがいい範囲
発注先の候補が見えてきたら、次は範囲の線引きです。すべてを外に出す前提で考える必要はなく、自社のほうが速く回せる作業もあります。この章では内製に向く作業、外注に向く作業、そして通説の検証の3つを扱います。
自社で回せるのは「現在地の観測」と「一次情報の供給」
内製で回しやすいのは「現在地の観測」と「一次情報の供給」の2つです。どちらも専門の設備はいらず、社内の担当者のほうが精度を出せます。
観測は、主要AIに同じ質問を投げて答えを記録する作業です。むしろ自社の担当者がやるほうが、答えの中の誤り(サービス内容の取り違え、古い実績)に気づきやすくなります。
一次情報の供給も同じです。導入時につまずいた点、見積もりで揉めやすい論点、現場でしか分からない数字——これらは外部の書き手には作れません。素材を出す役割を社内に置き、文章に整える役割を外に出す形が、費用対効果では扱いやすい分担になります。
外に出す判断になりやすい3つの作業
反対に、外に出す判断になりやすいのは次の3つです。
- 情報設計の作り替え(サイト全体の構造を組み直す)
- 構造化データの実装(テンプレート単位での作り込み)
- 観測の型づくり(何を何件、どの頻度で記録するか)
共通するのは、一度きりの設計判断で、あとから直すコストが大きい作業だという点。社内に前例がない領域ほど、外部の型を借りたほうが結果的に安くつきます。
逆に、記事を1本書く、FAQを1問足すといった継続作業は、内製に寄せるほど単価が下がっていきます。「設計は外、運用は内」——これが、多くのBtoB企業にとって現実的な線引きでしょう。
プロの判断基準:構造化データは「入れれば引用される」ものではない
ここは通説と実測が食い違うところなので、判断基準として書き残しておきます。「構造化データを入れればAIに引用される」という説明をよく見かけますが、2026年8月25日に調べた範囲では、その因果は確認できませんでした。
対象は「btob llmo」と「llmo 対策 btob 会社」の2つの検索語の上位6サイトです。各ページのHTMLを直接取得して数えた結果を、社名を伏せて並べます。
| 対象ページ | JSON-LDの有無 | FAQの構造化データ | AI要約への引用 |
|---|---|---|---|
| SEO支援会社のオウンドメディア記事A | なし | なし | なし |
| SEO支援会社のオウンドメディア記事B | あり | あり(6本で唯一) | なし |
| AI要約に引用されていた記事 | あり(パンくず・会社情報・ページ情報のみ) | なし | あり |
| 支援会社を比較したまとめ型の記事 | なし(パンくずはmicrodataで出力) | なし | なし |
この6サイトのうち、FAQの構造化データを実装していたのは1本だけでした。JSON-LDを1つも出していないサイトも2本あります。そしてAIによる概要に引用されていたページは、FAQも記事も構造化データを実装していませんでした。
別のテーマでも同じ形が出ています。2026年8月4日に「seo記事 書き方」の上位5サイトを同じ方法で調べたときは、FAQの構造化データを実装していたページが0件でした(本文の平均は約14,740字)。2テーマ・計11ページの実測なので、1テーマの偶然ではないということです。
ここから引ける判断基準は2つ。1つ目は、構造化データは引用の必要条件ではないということ。これは実測より先に、前掲のGoogle公式が「特別な schema.org の構造化データを追加する必要もありません」と書いていることで裏づけられます。
2テーマの実測は、その記述が実際の検索結果でも観測できたという補強にすぎません。
2つ目は、それでも実装する価値はある、という点です。
理由は、構造化データの効き先が「AIに引用されるか」ではなく「機械が意味を取り違えないか」にあるからです。表記の揺れや対応関係の曖昧さを減らす作業は、検索エンジンにもAIにも効きます。
順序としては、事実を明記して情報設計を整えるのが先で、マークアップは後という判断になります。実装の基本は構造化データの効果と実装にまとめました。
何から着手するか——今週・今月・仕込むの3段階
ここまでの判断を、着手の順番に落とします。BtoB企業向けに、始めやすさで3段階に分けました。上から順に進めれば、社内の合意を取りながら前に進めます。

| 時間軸 | 施策 | ねらい | 効いてくる仕組み |
|---|---|---|---|
| 今週やる | 主要AIに「自社が推薦されるべき質問」を10個投げ、現状を記録する | 現在地の把握。競合の誰が引用されているかも分かる | リアルタイム検索(数週間〜数か月) |
| 今週やる | 会社概要・サービス・実績ページの情報を最新化し、事実を明記する | AIは曖昧なページを引用しにくい。基礎情報が土台になる | リアルタイム検索(数週間〜数か月) |
| 今月やる | 導入事例と「選定基準・費用の考え方」の記事を拡充する | 買い手がAIに聞く比較・検討系の質問への回答を用意する | リアルタイム検索(数週間〜数か月) |
| 今月やる | FAQを構造化データつきで整備する | 質問と答えの対応を、機械が取り違えない形にする | リアルタイム検索(数週間〜数か月) |
| 仕込む | 検討段階に沿った専門記事を積み、業界での言及・登壇・寄稿を増やす | 「この分野ならこの会社」というエンティティの確立 | 事前学習(半年〜年単位) |
今週やる:質問セット10問で現在地を記録する
最初の一歩は、質問セットづくりです。作り方には型があります。
質問は買い手の言葉 × 検討段階の組み合わせで作ります。例えば次の3つの型です。
- 「〇〇(業界)向けの△△でおすすめの会社は」
- 「△△の費用相場と選び方は」
- 「〇〇の課題を解決する方法は」
この型で10個作ってください。自社名を含む質問(「□□社の評判は」)も1〜2個入れておくと、AIが自社をどう説明しているかの誤りにも気づけます。
記録するのは、質問文・投げた日・使ったAIサービス・自社への言及の有無・引用元URLの5項目。表計算ソフト1枚で足ります。この1枚が、翌月以降の比較対象になります。
今月やる:比較・検討段階の問いに答えるページを足す
今月の作業は、検討段階の後半に効くページを足すことです。認知段階の記事(「LLMOとは」)はすでに数多く、AIも要約しやすい素材が揃っています。
足りないのは、比較・検討段階の問いに答えるページです。「他社とどう違うのか」「どんな体制で、いくらかかるのか」「導入して何が変わったのか」——この3つは、買い手が稟議を書くために必要とする情報です。
BtoBは決裁者と利用者が分かれ、検討期間も長くなります。利用者向けの機能説明だけでなく、決裁者が読む前提の「費用対効果」「体制」「リスク」の記述を1本用意しておくと、AIの回答にも社内資料にも使い回せます。設計の全体像はBtoBオウンドメディアの設計図にまとめました。
仕込む:第三者言及とエンティティの一貫性
仕込みの本体は、第三者からの言及と、エンティティの一貫性づくりです。エンティティとは、AIが「この名前はこの会社を指す」と認識するための固有の実体を指します。
ここで地味に効くのが表記の統一です。「〇〇社」「〇〇株式会社」「〇〇(英字表記)」が混在していると、機械の側では別の実体として扱われる可能性が残ります。社名・サービス名・肩書きの表記を1枚のルールにまとめ、サイト・資料・SNS・プレスリリースで揃えてください。
自社発信だけでは限界があるのも、この領域の特徴です。業界メディアへの寄稿、登壇、取材対応といった外部での言及が、時間をかけて効いてきます。
効果が出る速さは「事前学習」と「リアルタイム検索」で違う
施策の効き方が違うのは、AIが答えを作る仕組みに2系統あるからです。片方だけを見ていると、効果が出ないと早合点しがちになります。
| 仕組み | 何を見て答えを作るか | 対策の方向 | 効果の出方 |
|---|---|---|---|
| 事前学習 | 学習時点までに蓄積された情報 | 第三者言及・エンティティの一貫性 | 半年〜年単位 |
| リアルタイム検索 | 質問のたびに取得する検索結果 | 既存SEOの延長・情報設計・事実の明記 | 数週間〜数か月 |
表の「効果の出方」は、当社の支援実績からの目安です。外部の公表データではないため、幅を持って読んでください。
今週・今月の施策はリアルタイム検索側に効き、仕込みは事前学習側に効きます。前者だけでは、AIが自社を「知っている」状態にはなりません。後者だけでは、いま出ている質問に答えられません。
両方に手を置くのが基本ですが、順番は前者からで問題ないでしょう。短い周期で結果が見えるほうが、社内の合意を取りやすいからです。

競合はまだLLMOをやっていないようです。うちも様子見でいい気がしますが……。
支援する側の会社はすでに増えていますが、発注側の着手はこれからという会社も多く残っています。もし競合がまだ動いていないなら、いまは着手の価値が高いタイミングでしょう。
AIの推薦は専門性の証拠の蓄積で決まり、蓄積には時間がかかります。競合が動き始めてから追いかけると、その差を埋める期間はずっと苦しくなるはずです。
幸い、上の表の施策はどれもSEOと共通の資産になります。「LLMOに賭ける」のではなく「どちらにも効く投資」として始められる点が、この領域の扱いやすさです。
効果の測り方と、よくある空振り
施策を始めると、次に来るのは「効果をどう社内に報告するか」です。報告の型を決めないまま走ると、数か月後に「結局どうだったのか」を説明できなくなります。この章では、計測の前提・記録する項目・よくある空振り・自社の失敗例を順に見ていきます。
- Search Consoleの生成AIレポートで、どこまで見えるか
- 月1回の定点観測で記録する3点
- よくある空振り3パターン
- 私たち自身の失敗:LLMOの記事が、LLMOのキーワードで拾われていなかった
Search Consoleの生成AIレポートで、どこまで見えるか
最初に確認したいのは、計測の土台です。Search Consoleには2026年6月3日に「生成AIパフォーマンスレポート」が追加されました。AIによる概要とAIモードで自社ページへのリンクが表示された回数を、公式データとして確認できるようになった機能です。
ただし、できることには範囲があります。2026年8月時点で提供されているのは表示回数だけで、クリック数・CTR・掲載順位・検索クエリは含まれません。ページ・国・デバイス・日付の4つで区切って見る形になります。
さらに段階的なリリースのため、すべてのプロパティで見られるわけではありません。
出典:Search Console ヘルプ「生成 AI パフォーマンス レポート(検索)」
従来のパフォーマンスレポート側の扱いについては、公式ドキュメントの記述がこうです。
他の検索結果ページと同様に、AI 機能(AI による概要や AI モードなど)に表示されるサイトも、Search Console の全検索トラフィックに反映されます。具体的には、検索タイプが「ウェブ」のパフォーマンス レポートに含まれます。
つまり通常のレポートではAI経由のぶんが全体に混ざり、切り分けはできません。報告の設計としては、生成AIレポートの表示回数、通常レポートの全体推移、GA4の参照元の3つを役割分担させるのが現実的です。
月1回の定点観測で記録する3点
定点観測では、次の3点を記録します。
- 言及の有無(自社名が答えの中に出たか)
- どう説明されたか(強みの描かれ方・誤りの有無)
- 引用元はどのページか(自社か、他社か、第三者か)
2つ目と3つ目が、実は使い道の広い記録です。競合が引用されている場合、その引用元ページを見れば「AIがこの分野で信頼している情報の型」が分かります。それはそのまま、自社が次に作るページの設計図にもなるはずです。
GA4側でのAI経由流入の測り方はAI検索経由の流入を測定する方法に手順をまとめています。数字が小さいうちは、流入よりも言及の変化を主指標に置くほうが、判断を間違えにくいでしょう。生成AIレポートの表示回数が見られるプロパティなら、その推移を横に並べると説明が早くなります。
よくある空振り3パターン
空振りは、だいたい3つのパターンに分かれます。どれも観測の設計で防げるものです。
| 空振りのパターン | 何が起きているか | 立て直し方 |
|---|---|---|
| 指名検索の質問しか投げていない | 自社名を含む質問だけで観測し、一般名詞の質問を見ていない | 買い手が最初に使う一般名詞の質問を、半分は入れる |
| 1回の観測で判断する | 答えは日によって揺れるため、1回では変化か誤差か分からない | 同じ質問を月1回、3か月分そろえてから判断する |
| 施策と観測の対象がずれている | 記事を足した領域と、観測している質問がかみ合っていない | 施策ごとに「これで動くはずの質問」を紐づける |
3つ目は見落とされがちです。作ったページと観測している質問がかみ合っていないと、効果が出ていても数字には現れません。施策を決めた時点で、対応する質問を1つ決めておくと、後の説明が楽になります。
私たち自身の失敗:LLMOの記事が、LLMOのキーワードで拾われていなかった
最後に、自社の失敗を1つ共有します。この記事自身のデータです。
2026年5月25日から8月22日までの90日間、Search Consoleで見たこの記事の実測は表示41回・クリック0回・平均掲載順位39.8位。GA4のセッションは、上位302ページの一覧に出てこない水準でした。LLMOを語る記事が、LLMOのキーワードで拾われていなかったことになります。
原因は、表示されていた検索語を並べると分かりました。
| 検索語 | 表示回数 | 平均掲載順位 |
|---|---|---|
| llmo 対策 btob 会社 | 18回 | 54.1位 |
| llmo btob | 7回 | 37.3位 |
| btob向けllmo対策のおすすめ会社は? | 5回 | 20.0位 |
| btob向けaio対策のおすすめ会社は? | 2回 | 17.5位 |
| btob seo llmo | 2回 | 43.5位 |
| llmo btob おすすめ 会社 | 1回 | 18.0位 |
| btob llmo | 1回 | 35.0位 |
表示のあった7語のうち、4語に「会社」「おすすめ」が入っていました。読者が探していたのは「どこに頼むか」で、記事が書いていたのは「やり方」です。書いた内容と、拾っている検索の段階がずれていた——これがクリック0の中身でした。
もう1つ、権威性の話も添えておきます。当社のドメインが検索で評価されていたキーワード約3,300個を調べたところ、ほぼすべてが過去の別テーマに集中していました。SEO・LLMOという新テーマでは、権威性ゼロからのスタートです。
実績のある領域の貯金は、テーマが変われば使えません。
それでも、やることは変わりません。専門テーマに絞った記事群を設計し、事実と実測データを積み、拾われている検索語とのずれを毎月直す——この記事に書いた順番を、私たち自身も同じようにたどっています。
私たち株式会社街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援や東証上場企業のSEO支援に携わってきました。それでも新しいテーマでは、実績の貯金が効きません。一段ずつ積み直すしかないのが実感です。
信頼性の積み方の全体像はE-E-A-Tの高め方にまとめています。

今泉の視点:BtoBのLLMO相談で最初にやってもらうのは、役員やトップ営業に「お客様がAIに聞きそうな質問」を5個書いてもらうことです。マーケ担当だけで作った質問リストは、現場の商談で実際に聞かれる言葉とずれがちだからです。この5個の質問への答えが自社サイトのどこにも書かれていない——という発見が、だいたい最初の宿題になります。
関連記事(次に読むと理解が早い記事)
ここまでの内容から、次に読むと理解が早い記事を並べます。
- LLMO完全ガイド:定義と全体像を最初に押さえる
- AI検索の仕組みと対策:AIが答えを作る流れを知る
- 構造化データの効果と実装:マークアップの考え方
- BtoBオウンドメディアの設計図:検討段階別の設計
- AI検索経由の流入を測定する方法:GA4での計測手順
- E-E-A-Tの高め方:信頼の証拠の積み方を確認する
- LLMO診断・記事制作支援:支援の範囲と進め方
よくあるご質問
まとめ:候補に入る会社の条件をそろえる
最後に要点をまとめます。
- BtoBは「高関与 × 理性的」でLLMOの優先度が高い
- 検索順位とAI引用の重なりは、実測でも外部調査でも小さい
- 先に決めるのは施策ではなく、内製と外注の線引き
- 依頼先は3タイプと5つの判断軸で絞り込む
- 費用は相場ではなく、金額を動かす4要素で読む
- 報告の型を先に決めないと、効果を説明できなくなる
次の一歩は、主要AIに「自社が選ばれるべき質問」を投げてみることでしょう。競合の名前が並び、自社が出てこないなら、それが現在地です。現在地さえ分かれば、この記事の3段階の表がそのまま行動計画になります。
そこから先の設計と実行は、個別の状況に強く左右されます。何を先にやるべきかは、体制・予算・既存の資産で変わるため、一律の正解はありません。
自社の状況に合わせた優先順位づけは、LLMO診断・記事制作支援でお手伝いできます。現在地の診断(質問セットづくりと記録の型)だけのご相談も歓迎です。
ChatGPTやAI Overviewsで、御社は「引用」されていますか? AI検索での現在地の調査から、引用・推奨されるための改善まで、LLMOコンサルティングで支援します。
