囲碁が強くなっていくと、どうしても勝てなくなる段階が訪れます。
しかも不思議なことに、棋力が止まる段階は多くの人で共通していて、鬼門と呼ばれる時期があります。
よく鬼門とされるのは、10級、初段、三段、五段、県代表です。
しかし、それぞれの段階で棋力アップに必要な勉強をすることで確実に乗り越えることはできます。
この記事では、囲碁歴18年、元県代表の僕の経験談を踏まえて、囲碁で五段の壁を打ち破る方法について考えてみようと思います。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
目次
囲碁で五段の壁を乗り越えるには
囲碁の五段はかなり大きな壁があります。多くの人は五段で一度ストップするといわれています。
実は僕は初段から五段までは比較的スムーズに昇段したのですが、五段になった途端勝てなくなってしまった時期がありました。
その時に自分で必死に抜け道を探し、周りの協力も得て、半年で壁を抜け出しました。
その時に頑張ったのは以下の3つの方法です。
- ネット碁を打つ
- 棋譜並べをたくさんする
- 詰碁
ネット碁で強い人たちと切磋琢磨する
ネット碁で鍛えるのは、五段の壁を乗り越えるためにかなり効果的な方法です。最近のネット碁は全体的なレベルが上がっているので、リアル碁で五段ならネットで二、三段くらいでしょうか。
五段になると囲碁教室でも上の方になって、ライバルと呼べる人が減ってしまいます。
一方ネット碁では上を見るときりがないほど強い人がいます。これだけ強い人に囲まれていると、自分の実力に満足することもないし、かなりの刺激を受けることができます。
しかしネット碁は検討するのに向いておらず、打ちっぱなしになってしまうのが問題点としてあげられます。
なので、ネット碁を打つだけでは十分に強くなることはできないでしょう。しっかりとした成果を出すためには、ネット碁で得たモチベーションを活かして他の勉強も一緒に頑張りましょう。
棋譜並べで序盤の得意形を研究する
棋譜並べは五段の壁を乗り越えるために必須というわけではありません。ただ、棋譜を理解できなくても棋譜並べするメリットは確実にあります。
棋譜並べはプロの対局の感覚を体に覚えさせる効果があります。詳しい勉強方法は「囲碁の棋譜並べを効率的に行う方法」を読んでくださいね。
僕がおすすめする棋譜の並べ方は、一人の棋士の棋譜に特化して並べまくることです。
一人の棋士に特化すると感覚や考え方をそのまま吸収しやすくなります。どの棋士でも良いので、自分が好きな棋士、並べていてモチベーションに繋がる棋士を選びましょう。
棋士を選んだらその棋士の棋譜をできるだけたくさん集めてファイルにまとめ、ひたすら量をこなします。
棋譜並べはじっくり考えるよりも手順だけをひたすら並べていくほうが効率的だといわれているので、1局並べるのに時間をかける必要はありません。
五段くらいになれば基本的な形は見て理解できると思います。もし気になった定石や打ち方があれば、今度はさらにそれに特化して自分の得意布石を作ります。
自分の得意な布石を一つ固定して持っておくと、大会での勝率は上がります。
序盤を勉強したいなら序盤だけ50手くらいに絞って並べるのもOKです。
基本死活を理解する
五段になると高段者と呼ばれますが、意外にもほとんどの人が基本死活を理解していません。
基本死活とは例えば隅の8目型です。
これらの2つの死活の違いをきちんと説明できるか考えてみてください。
このように、基本的な形でも配置によってたくさんの変化があります。
さらにこのような基本死活は即実践で使えるので、知っているだけで勝てる対局が多くなります。
まだまだ基本死活を勉強できていないという人は、「基本死活事典」を読むことをおすすめします。
ちなみにさっきの8目型の答えは「囲碁の基本死活を身に付ける22の変化図」の記事に書いています。
囲碁五段と六段の違い
囲碁では五段でストップする人が多いというのは先ほど紹介しましたが、では五段と六段は何が違うのでしょうか?
僕が実感した五段と六段の違いは、死活に対する敏感さだと思います。
六段に上がれる人は何かしらの経験を持っており、簡単に石が死ぬことを極端に嫌います。
特に序盤、中盤では自分の石が死なないかしっかりと考えます。
不安な場所はしっかり守る、弱い石は作らないなど、地に足がついた打ち方ができます。
この辺りの考え方、打ち方は古碁から学べることが多いので、気になったら「江戸時代に活躍したおすすめ囲碁棋士!【本格的に強くなるには】」の記事を読んでみてくださいね。
五段の壁を乗り越えて得すること
囲碁で五段を乗り越えたら、アマチュアとして上位の打ち手になります。
実は「囲碁初段はすごい?強さの秘密を完全攻略!【免状取得のコツ】」でも少し紹介しましたが六段になれる人はすごく少なくて、囲碁六段と言えるだけでもかなり価値があります。
- 貴重な高段者になれる
- 五段の壁に悩む人へアドバイスを送れる
- 県師範、公認審判員の資格を取れる
日本棋院の免状を取得すると、県師範、公認審判員の資格を取ることができます。日本棋院公認の師範、そしてメンバーが数人集まれば支部を設立することができます。
最後に、五段の壁を乗り越える最も大きなメリットは六段より上の世界を見れることです。
一度五段の壁を乗り越えると、自分なりの勉強方法をつかむことができて、さらに棋力を伸ばしていくことができます。
意外にも五段から六段より、六段から七段の方がやりやすい感じもあります。
五段を乗り越えるとさらに上のステージへ上がることができて、努力を重ねていけば県代表のステージまで上り詰める可能性があります。
実は僕も五段の時、ちょっとだけ「五段までこれたならもう十分かな」って思った時期がありました。
それでもなんとか六段を目指して囲碁を続け、六段に上がった半年後、初めて全国大会個人戦に出場することができたんです。
今はきついかもしれないけど、少しずつ頑張りましょう!
以上、「囲碁で五段の壁を乗り越えるには【棋力アップに困った時に見る記事】」でした!
【人気記事】絶対に読むべきおすすめ囲碁本・棋書
\完全無料!毎日1問詰碁配信/