「【囲碁定石研究】二間高バサミpart4」では、2間高バサミ定石からの難解変化、ハメ手を紹介しました。
- 超簡単な星の二間高バサミ定石変化
- めちゃくちゃ難しい星の二間高バサミ定石変化
- めちゃくちゃ難しい中でハメる星の二間高バサミ定石変化
まだ読んでない方は、「【囲碁定石研究】二間高バサミpart4」を読んでくださいね。
今日は僕のお気に入りの定石です。
目次
yukiお気に入りの星の二間高バサミ定石変化
変化は多いですが、なかなか面白い定石です。
定石の簡明策は難しい変化を避けて打てる有力な手法です。
しかし時に甘くなってしまうこともある打ち方です。
妥協する打ち方と、簡明に打つ打ち方の違いに注目しましょう。
おだやかな碁になる定石
黒のハネツギは重要な手です。
白からダメをつめられているので、ここを手抜くと味が悪すぎます。
白も、次にツメが厳しいので開くくらいです。
この図の進行の実践例はありますが黒よしの意見が多く、僕もそう思います。
白薄い碁形のため黒がうちやすい定石
この図は白先手ですが、あまりにも薄いため僕は嫌いです。
次に黒からのツメが痛すぎるため、部分的には黒有利でしょう。
この形は、単に19-三にはねられても、デギリが発生するため抑えることができません。
有名な囲碁の三々定石になる変化
この形は互角です。
黒は8で手抜きも考えられ、その図も互角です。
ただし、黒4で逆から抑えると
黒の形は味が悪いのに対し、白は隅でおさまります。
かつ、上辺の石も活力が残っているため、白良しです。
お気に入り定石の最も面白い変化
ツケギリが最強です
これにはたくさんの変化があるので、ひとつずつみていきましょう
ちなみに、これは白ひどいです。
上辺の地が大きく、黒大満足です。
一般的な定石変化図
黒の実利、白の厚みともに十分で互角の図です。
ここで、白は
白2のときにまくるのは、黒7のキリが厳しく、黒有利です。
このように進行しても黒地が大きく、白は厳しい状況です。
もちろん、ケースバイケースなので
右辺の価値が大きいときは例外的に有力だといえます。
そういえば、一昔前の棋聖戦で、
黒番張栩棋聖が反発して、白番の井山祐太名人の手痛い反撃を食らいましたね。
この4が上手い手で、黒は不満です。
実践例はこちら
黒張栩棋聖:白井山祐太名人 黒1目半勝ち
穏やかな定石の変化その2
このあと白には渡る方向が二つあり、
こちらならおだやかです。
方向によりますが、やや白が良いようです。
16-九の石が重複していますね。
白がこちらにわたると、互角です。
しかし、後に
ここに弱点が残っているので注意が必要です。
白の反発
アタリに逃げるのは普通の発想でしょう。
ただし、この変化は複雑です。
黒十分
切ると黒が厚くなります。
この図は黒地も大きく、黒に不満はありません。
白2子はすでに取られているのに注目です。
17-二のアテは中央の利き筋が変わってくるので、打たないほうがいいことが多いです。
反発
白はこれが最強の反発です。
対して黒は
これなら簡明ですが、不満に見えます。
まだ黒の形には狙いがたくさんありますね
(白から14-2や15-7が厳しいです)
黒の最強手は
この1手です。
白は取るよりありませんね
これで一段落に見えますが、まだ終わりません。
これで一段落です。
黒は上辺一帯の地が大きく、不満はありません。
白も、厚みがあるため打てなくはないようです。
この図は僕も何度か実践で打ちましたが、黒での感触はよかったです。
黒のお気に入り定石に対する白の工夫
白にも新手が出てきました。
このトビは、黒の打ち方によってそのあとの打ち方を決めようとしています。
白の注文の意味
上を抑える定石は白の注文です。
この定石はもともと黒満足でしたが・・・
あとからこの狙いを含みにした狙いが残るため、白の言い分が通ったことになります。
とはいっても、若干の狙いなので黒も少しの損です。
ちなみに、あとからのトビは
白が無理です。
そのため、先に打つことで利かしになっているという主張ですね。
反発して戦いの碁にもっていく
さえぎるのが最強です。
このあと白は
このように、戦いになります。
黒としても、戦いをしたくないときは
白の注文にはまっておくのもひとつの戦法かもしれません
ということで以上定石研究でした。
たくさん変化があって混乱したと思いますが
自分の得意なものだけマスターしていれば問題ありません。
まだまだ隠れた変化はたくさんありますので、ぜひ研究してみてくださいね