ChatGPTプラグイン廃止後|GPTsで作る記事作成の環境

GPTsによる記事作成環境の構築を象徴するツールアイコンとタブレット

ChatGPTのプラグイン機能は、すでに提供を終えています。記事作成をプラグイン前提で組み立てていた人は、工程の作り直しを迫られました——そして、ここにAI時代の本質的な教訓があります。特定のツールの特定の機能に依存した工程は、提供側の方針変更ひとつで崩れるということです。

当社は数百本規模のAI記事制作を運用し、この間に何度もツールの仕様変更・機能廃止を経験してきました。その実務から言えるのは、プラグインの後継的な位置づけであるGPTs(自分用にカスタマイズしたChatGPTを保存できる機能)への乗り換えだけでは不十分で、ツールが変わっても崩れない「乗り換え可能な工程設計」こそが本当の備えだということです。

この記事では、GPTsへの移行の考え方と工程設計に加えて、AI時代の学習投資すべてに関わる判断基準——「その時間で得るものは、ツールが消えたら消えるか、残るか」——まで掘り下げます。

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目次

先に結論:ツールに載せるのは「資産の写し」だけ

まず最初に、結論からお伝えします。

  • プラグインでの記事作成の大半は、GPTsと標準機能で置き換えられる
  • 資産の「原本」はツールの外に置き、GPTsには写しを載せる
  • 投資は「ツールが消えても残る技能」に厚く配分する

1つ目。むしろ自社の指示文を保存・再利用できるぶん、運用は安定します。

2つ目。スタイルガイド・プロンプトの型・チェックリストは自社の文書として管理し、GPTsにはその写しを載せる——この順序なら、次の仕様変更にも数時間で対応できます。

3つ目。機能の知識は仕様変更で消えますが、工程の設計は移植できます。学ぶ対象を選ぶ物差しは、判断基準の章で説明します。

プラグイン廃止から学ぶべき教訓

複数のツールを併用する記事制作のデスク環境

プラグイン廃止で困った人と、困らなかった人の差を整理すると、教訓がはっきりします。

困った人 困らなかった人
特定プラグインの機能を工程に直接組み込んでいた 工程は自社の文書で定義し、ツールは実行手段と割り切っていた
プロンプトや設定がツールの中にだけ存在した 指示文・スタイルガイドの原本を自社で管理していた
「そのツールでしかできない方法」に習熟した 「どのツールでも通用する工程」に習熟した

AIツールの機能追加と廃止は、今後も続きます。総務省の情報通信白書(令和7年版)が示すとおり生成AIの利用は社会全体に広がり、提供側の競争も激しいままです。つまり「今の機能」を前提にした最適化は、常に賞味期限つきです。ツールの優劣より工程を重視する考え方は、ClaudeとChatGPTの使い分けでも一貫して述べているとおりです。

この構図は、プラグインに限った話ではありません。特定のAIモデルの癖に合わせて磨き込んだプロンプト、特定サービスの画面操作を前提にしたマニュアル、特定機能で自動化したワークフロー——どれも同じ「賞味期限つきの最適化」です。作ってはいけないのではなく、作るなら「消えたら作り直せる状態」(=原本が外にある状態)で作る。これが変化の速い道具と長く付き合う唯一の作法です。

GPTsで記事作成環境を作り直す方法

GPTsは、指示文・参考資料・回答の方針をまとめて保存し、自分専用のChatGPTとして呼び出せる機能です(機能の最新仕様は変わり続けるため、詳細は公式の案内で確認してください。本記事は2026年7月時点の情報です)。記事作成では、次の作り方が実務的です。

1

工程ごとに分けて作る

「構成案づくり」「本文化」「推敲・表記チェック」など、工程ごとに専用のGPTsを分けます。1つに全部任せる万能型は、指示が薄まり品質が不安定になるため避けてください。

2

自社のスタイルガイドを載せる

使う言葉・使わない言葉、文体のルール、記事の型を指示に含めます。ここが「自分用」の価値の中心です。

3

材料の渡し方を固定する

「承認済みの構成と箇条書きメモだけを使う。事実の追加はしない」という制約を組み込み、AIの知識で書かせない設計にします。

4

出力の置き場と確認の手順を決める

生成物は下書きとして保存し、公開前チェックを通す——道具の設定だけでなく、GPTsの外側の運用まで含めて初めて「環境」と呼べます。

ポイントは、GPTsを「便利な自動化」ではなく「自社の型の保存場所」と捉えることです。型そのもの(原本)は自社の文書にあり、GPTsにはその写しを設定する。この関係を守ると、ツールがまた変わっても、原本から次の環境を数時間で再構築できます。指示文の型の作り方そのものはChatGPT効率化のプロンプト4要素をご参照ください。

工程別の分け方のイメージを示します(架空の構成例です)。①「構成案づくり用」——読者像とテーマを渡すと、見出し案と各見出しの要点を返す。スタイルガイドは不要で、構成の型だけを載せる。②「本文化用」——承認済みの構成とメモを渡すと、スタイルガイドに沿った本文を返す。事実の追加禁止の制約つき。③「推敲用」——完成した下書きを渡すと、表記ゆれ・冗長・一文の長さだけを直して返す。内容には触れない制約つき。1つのGPTsに1つの仕事——この分割が、出力の安定と修正のしやすさの両方を生みます。

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プロの判断基準:その技能は、ツールが消えても残るか

鉢ごと持ち運べる植物のように移植可能な工程資産のイメージ

プラグイン廃止の教訓は、実はもっと大きな問いにつながっています。AIの機能は次々に増え、そのたびに「学ぶべきか」の判断を迫られます。当社が使っている物差しはひとつです。この時間で得るものは、ツールが消えたら消えるか、残るか。記事作成に関わる資産を、この物差しで2つに分けてみます。

ツールの中に宿る資産(消える) ツールの外に宿る資産(残る)
特定機能の操作の習熟 工程の設計(何を人間が判断し、何を任せるか)
ツール内にだけある設定・プロンプト 文書化されたスタイルガイド・指示文の原本
「この機能ならこう動く」の知識 読者の質問リスト・一次情報・判断基準
特定ツールの裏技・小技 品質チェックの観点と確認の習慣

左の列が無価値なわけではありません。日々の効率は左の列が支えますし、道具に習熟すること自体は良いことです。問題は投資の配分です。左は仕様変更のたびにゼロになる消耗品、右は何年でも使える耐久財——だから学習時間の主力は右に置き、左は「必要になったら都度覚える」で十分です。新機能のニュースを追いかけるより、自社の指示文を1本文書化する方が、1年後に残る価値は大きいのです。

この物差しは、チームの育成にも使えます。「ツールの使い方に詳しい人」を育てると、その知識は次の仕様変更で目減りします。「工程を言葉で説明できる人」を育てると、どのツールが来ても立ち上げられる人になります。求人や外注の見極めでも同じで、「何のツールが使えるか」より「工程をどう設計するか」を語れる相手が、長く頼れる相手です。

原本の管理場所は、凝る必要はありません。社内の共有フォルダに「記事制作」のフォルダを作り、スタイルガイド・指示文・チェックリスト・工程の流れ図の4ファイルを置くだけです。大切なのは場所より運用で、「GPTsの指示を直したら、同じ日に原本も直す」という同期のルールを決めておくこと。写しだけが進化して原本が古びると、いざという時に古い型で再構築してしまいます。

今泉の視点:数百本を運用する間に、ツールの仕様変更は何度も経験しましたが、痛手だったことは一度もありません。原本がツールの外にあったからです。この経験から確信しているのは、ツールの機能に一番詳しい人が一番強い時代は終わった、ということ。いま一番強いのは、工程を言葉にできる人です。言葉になった工程は、どんな新しいツールの上でも動きます。ツールの寿命は提供側が決めますが、工程の寿命は自分たちで決められる——ここに投資する理由があります。

ツールが変わっても崩れない工程設計

ツールに依存しない工程設計を象徴するノートパソコン

最後に、どのツールの時代でも変わらない工程の骨格を確認します。

  • テーマ選定と構成の承認は人間が行う(品質の分岐点)
  • 数字・固有名詞・手順は原典で確認してから公開する
  • スタイルガイド・チェックリストの原本は自社文書で管理する
  • 生成→確認→公開の流れを文書化し、ツール名を差し替え可能にしておく

当社の数百本規模の運用でも、品質が崩れるのは決まって構成の人間承認を省いたときで、これはプラグイン時代もGPTs時代も変わりませんでした。GoogleのAI生成コンテンツに関する公式ガイダンスが明言するとおり、検索エンジンの評価も「どう作ったか」ではなく品質そのものです。ツールの変化に強いのは、機能に詳しいチームではなく、工程が文書になっているチームです。工程の文書といっても、1枚で足ります。「①テーマと構成を人間が決める→②承認した構成でAIが下書き→③自分の経験と事実確認を足す→④チェックリストで最終確認→公開」——この5行に、各段階の担当と使うツール名を添えるだけです。ツール名の欄だけを書き換えれば、どんな新環境でも同じ品質で走り出せます。なお、検索ボリュームの取得のような外部データは引き続き専用ツールの領分です(キーワードプランナーとの分担)。

GPTsを作り込む時間がありません。もっと簡単な方法はないでしょうか?

あります。まずは「よく使う指示文をテキストで保存して、毎回貼り付ける」だけでも、実務の8割はカバーできます。GPTsはその指示文が固まってからの保存先と考えれば十分です。順序を逆にしない——先に道具を作り込むのではなく、先に型を固める——ことが、結局は一番の近道です。また、工程そのものが組み込まれたAIライティングSaaSを使えば、環境づくり自体を省略できます。ワークスペース型のNotion AIという選択肢や、AI利用の開示ルールもあわせてご参照ください。

よくあるご質問

ChatGPTのプラグインはもう使えないのですか?

プラグイン機能は提供を終了しており、後継的な位置づけとしてGPTs(カスタマイズしたChatGPTを保存・共有できる機能)があります。機能の仕様は継続的に変わるため、最新の状況は公式の案内で確認することをおすすめします。

GPTsとは何ですか?

GPTsとは、指示文・参考資料・回答の方針をまとめて保存し、自分専用のChatGPTとして繰り返し呼び出せる機能です。記事作成では、自社のスタイルガイドや記事の型を組み込んだ「構成案づくり用」「本文化用」など、工程別に作ると品質が安定します。

新しいAI機能は、どこまで追いかけて学ぶべきですか?

「その時間で得るものは、ツールが消えたら消えるか、残るか」で選別することをおすすめします。特定機能の操作は仕様変更で消える消耗品、工程の設計や文書化された指示文は移植できる耐久財です。学習時間の主力は残る側に置き、機能の知識は必要になったら都度で十分です。

また機能が廃止されたら、と不安です。どう備えればよいですか?

資産の原本をツールの外に置くことが最善の備えです。スタイルガイド・プロンプトの型・チェックリスト・工程の文書を自社で管理し、ツールにはその写しを設定します。この体制なら、仕様変更があっても原本から数時間で環境を再構築できます。

まとめ:機能に習熟するより、工程を文書にする

  • プラグイン廃止の教訓は「特定機能への依存」の危うさ
  • GPTsは工程別に分けて作り、自社の型の「写し」を載せる
  • 投資の物差しは「ツールが消えたら消えるか、残るか」
  • 構成の承認と事実確認は、どのツールの時代も人間の仕事
  • 工程が文書になっていれば、次の仕様変更にも数時間で対応できる

次の一歩は、いまChatGPTでよく使っている指示文を1つ、テキストファイルに書き出して保存することです。それが「ツールの外の原本」の最初の1つになります。5分で終わる作業ですが、次の仕様変更の日に、この1ファイルの価値を実感するはずです。道具の流行に振り回されず、工程という土台から積み上げる体制づくりのご相談は記事制作・メディア支援で、全体像はAIライティング完全ガイドでどうぞ。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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