「薬局のホームページ作成、何から手をつければ良いかわからない」「患者様や求職者に、自局の魅力が伝わるサイトをどう作れば…」と悩んでいませんか？
この記事を読めば、薬局の強みを伝え、信頼を獲得するためのホームページ作成の全貌がわかります。
調剤薬局に必須のコンテンツ設計、費用や目的に合わせた制作方法の比較、知っておくべき医療広告ガイドラインの注意点まで、専門知識がなくても理解できるよう丁寧に解説します。
この記事を読み終える頃には、不安が解消され、自信を持って「患者様や地域から選ばれる薬局」への第一歩を踏み出せるはずです。
薬局がホームページを持つべき理由とは？
この章では、薬局がホームページを作成することで得られる具体的なメリットについて紹介します。
薬局ホームページの必要性には主に以下の内容があります。
- 新規患者の獲得による売上向上
- 薬剤師採用の効率化と質の向上
- 地域での信頼性と認知度の向上
理由（1）新規患者を獲得しやすくなる
薬局ホームページの作成により、門前クリニック以外からの処方箋獲得が大幅に増加し、新規患者の獲得につながります。
内閣府の調査によると、薬局を利用する患者の57.7%が病院ごとに近くの薬局を選ぶと回答しており、事前にホームページで薬局の情報を確認する傾向が強まっています。
患者の8割は店舗外観、営業時間、電話番号といった基本情報を求めてアクセスするため、これらの情報を適切に掲載することで来局のハードルを下げることができます。
効果的なSEO対策とコンテンツ戦略を実施した地域密着型の薬局では、月間5～20件の新規問い合わせを獲得している事例があります。
理由（2）薬剤師採用の成功率が上がる
充実した採用コンテンツを持つホームページは、薬剤師不足が深刻化する中で、優秀な人材を効率的に確保するための最も重要なツールです。
採用ページを充実させることで、転職サイトに多額の費用を支払うことなく、薬局の魅力に共感する人材を直接集めることができます。
質の高い採用コンテンツへの投資は、一人採用するごとに数十万から百万円以上かかることもある人材紹介会社への手数料を削減する、直接的かつ測定可能な投資収益率を持つ戦略です。
成功している薬局では、社員インタビューで仕事のやりがいや一日の業務スケジュールを紹介し、平均年齢、男女比、有給休暇の平均取得日数といった客観的なデータを公開することで働きやすい職場であることを証明しています。
理由（3）地域での信頼性・認知度を高められる
薬局ホームページは、専門性と透明性を示すことで地域住民からの信頼を獲得し、かかりつけ薬局として選ばれるための重要な基盤となります。
2025年6月以降、厚生労働省の指導により薬局内掲示事項をホームページに掲載することが義務化され、医療DX推進体制整備加算の取得要件にもなっています。
これらの法的要件を誠実かつ分かりやすく開示することは、単にリスクを回避する守りだけでなく、薬局の透明性や専門性、先進性を患者や求職者に伝え、信頼を獲得するための攻めの武器にもなります。
成功している薬局では、薬剤師・スタッフの資格や経歴、在宅医療への注力といった薬局の特色を具体的に記載し、地域における健康相談会の開催レポートを定期的に発信することで地域に根差した薬局であることをアピールしています。
薬局がホームページを持つデメリットはある？
この章では、薬局がホームページを作成する際に考慮すべきデメリットについて紹介します。
薬局ホームページのデメリットには主に以下の内容があります。
- 初期費用や運用コストの発生
- コンテンツ更新の継続的な手間
- 医療広告ガイドラインなどの法規制への対応
デメリット（1）初期費用や運用コストがかかる
薬局ホームページの作成には制作方法によって初期費用0円から200万円以上、月額費用1,000円から5万円以上のコストが発生します。
ホームページ制作は初期制作費と月額の維持・管理費の二階建てで構成されており、制作方法により大きく費用が異なります。
ホームページ制作費用の相場
WixやSTUDIOなどのノーコードツールを使用する自作の場合：初期費用0円から3万円で月額1,000円から5,000円
WordPress自作：初期約5万円から15万円で月額2,000円から10,000円
制作会社外注：初期20万円から100万円で月額5,000円から30,000円
しかし適切な予算設定により費用対効果を最大化でき、段階的なリリースや自治体の中小企業HP制作補助金の活用により初期費用を抑えることも可能です。
デメリット（2）コンテンツ更新の手間がかかる
薬局ホームページでは定期的なコンテンツ更新が必要となり、特に法改正対応や新鮮な情報発信には継続的な手間がかかります。
効果的なSEO対策には健康情報ブログを月2回以上更新し、薬局の新しいサービスやスタッフ紹介など新鮮な情報を定期的に追加する必要があります。
2025年6月以降の法改正により施設基準や加算取得状況の掲載が義務化されており、診療報酬改定に伴う定期的な見直しも必要です。
ただしWordPressなど自分で更新できるシステムを選択し、更新作業のマニュアル化やスタッフ間での役割分担により効率化を図ることで負担を軽減できます。
デメリット（3）法規制への対応が必要になる
薬局ホームページは医療広告ガイドラインや薬機法などの複雑な法規制に準拠する必要があり、違反した場合には措置命令や課徴金のリスクがあります。
医療広告ガイドラインでは虚偽広告、誇大広告、比較優良広告、患者の体験談の掲載などが禁止されており、薬機法では承認前の医薬品等の広告禁止や虚偽・誇大広告の禁止が定められています。
禁止される表現として「地域No.1の在庫品目数」「絶対安全な在宅医療サービスです」「最先端の調剤機器を導入」などがありますが、一方で薬局の基本情報、従業者の氏名・資格・経歴、施設の写真、客観的な治療方針の表明などは広告可能です。
医療業界に精通した制作会社を選ぶか、医療広告ガイドラインの完全チェックリストを活用して自己確認を行い、正しい知識により適切な対応を行うことでリスクを最小化できます。
薬局ホームページの作成方法と費用の目安
この章では、薬局ホームページ作成の具体的な方法と費用について紹介します。
薬局ホームページ作成方法には主に以下の内容があります。
- 自作する場合の手順と初期費用
- 制作会社に外注する場合の費用感
- 月額運営費用と保守管理コストの相場
方法（1）自作する場合の手順と費用（Wix・WordPress）
薬局ホームページを自作する場合、WixやSTUDIOなどのノーコードツールでは初期費用0円から3万円、月額1,000円から5,000円で制作可能です。
これらのツールは直感的なドラッグ&ドロップ操作でプログラミング知識がなくても構築でき、豊富なテンプレートが用意されています。
一方、WordPressでは初期費用約5万円から15万円、月額2,000円から10,000円の費用がかかりますが、世界で最も利用されているCMSとして圧倒的なカスタマイズ性と拡張性を持ち、SEO対策に強い構造を持っています。
個人薬局であればWixの有料プランで月額3,000円程度から開始でき、WordPressの場合はレンタルサーバー代とドメイン代を含めても年間10万円程度の予算で運用できます。
方法（2）制作会社に外注する場合の費用感
薬局ホームページを制作会社に外注する場合、テンプレート型で初期費用10万円から30万円、オーダーメイド型で30万円から200万円以上の費用が発生します。
制作会社への外注では専門家チームによる高品質なデザインと安定した動作、SEO対策やオンライン予約などの専門的機能の実装が可能です。
特に医療業界に精通した制作会社であれば、医療広告ガイドラインや薬機法といった複雑な法規制を遵守したサイト構築が期待でき、経営者は本業である薬局運営に集中できます。
ニチイ学館のMediClipsでは初期費用0円で月額4,800円からのテンプレート型プランを提供し、メディココンサルティングでは制作費349,800円からのオーダーメイド型プランで集患や採用に強いサイト構築を行っています。
方法（3）月額運営費用と保守管理コストの相場
薬局ホームページの月額運営費用は、自作で1,000円から10,000円、制作会社外注で5,000円から30,000円が相場となっており、サーバー代、ドメイン代、保守管理費が主要な構成要素です。
2025年6月以降の法改正対応や診療報酬改定への対応も継続的に発生するコストです。
WordPressの場合はレンタルサーバー代とドメイン代で基本的な運用が可能ですが、制作会社の保守契約では月数回までの更新作業、セキュリティ監視、アクセスレポート提出などが含まれ、サービス内容により月額費用が変動します。
保守費用の重要性を理解し、初期費用の安さだけでなくトータルコストで比較検討することが重要です。
調剤薬局ホームページに必要な要素とは？
この章では、調剤薬局ホームページに掲載すべき必須要素について紹介します。
調剤薬局ホームページの必須要素には主に以下の内容があります。
- 基本的な営業情報とアクセス性の向上
- 提供サービスと専門性の明確化
- スタッフの人柄と専門性の可視化
- 健康情報発信による信頼性構築
- 採用活動の効率化と人材確保
要素（1）営業時間・アクセス・駐車場の情報
調剤薬局ホームページにおいて、営業時間・アクセス・駐車場の情報は患者の来局判断に直結する最重要要素であり、トップページの最も目立つ位置に配置する必要があります。
患者の8割は店舗外観、営業時間、電話番号といった基本情報を求めてアクセスするというデータがあり、これらの情報を適切に掲載することで来局のハードルを下げることができます。
2025年6月以降の法改正により、薬局名・所在地・電話番号・営業日・営業時間の掲載が義務化されており、法的要件としても必須となっています。
要素（2）取扱いサービスや専門分野の紹介
調剤薬局ホームページでは、処方箋受付以外の付加価値サービスや専門分野を明確に紹介することで、他の薬局との差別化を図り、かかりつけ薬局として選ばれる要因となります。
患者の57.7%が病院ごとに近くの薬局を選ぶと回答している現状において、数ある薬局の中から選ばれるためには、利便性だけでなく専門性や安心感といった付加価値を伝えるコンテンツが不可欠です。
対応サービス一覧として、処方箋受付、在宅訪問薬剤管理指導、オンライン服薬指導、一般用医薬品・衛生材料の販売、健康相談、検体測定などを網羅的にリストアップし、在宅医療への注力や近隣クリニックとの連携、漢方薬の品揃えなど、具体的な強みを明文化することが重要です。
オンライン資格確認や電子処方箋対応などの先進的な取り組みをアピールすることで、医療DXに積極的な薬局であることを示せます。
要素（3）薬剤師・スタッフの紹介ページ
薬剤師・スタッフの紹介ページは、薬局の専門性と人間性を同時に伝える重要なコンテンツであり、患者の信頼獲得と相談しやすい雰囲気の醸成に直結します。
薬局における薬剤師との相談は、患者にとって健康に関わる重要なコミュニケーションであり、事前にスタッフの顔や専門性を知ることができれば、患者は安心して相談でき、薬局側も信頼関係を築きやすくなります。
スタッフ一人ひとりの顔写真と共に、氏名、経歴、保有資格（研修認定薬剤師、専門医療機関連携薬局に係る研修修了薬剤師など）、得意な相談分野（糖尿病、漢方）、そして患者へのメッセージを掲載します。
従業者に関する事項として、在籍する薬剤師の氏名、役職、性別、年齢、略歴、顔写真の掲載は医療広告ガイドラインでも認められており、管理薬剤師名の明記は2025年法改正の義務事項でもあります。
要素（4）健康情報やお薬コラムの掲載機能
健康情報やお薬コラムの定期的な掲載は、SEO効果の向上と患者との継続的な関係構築を実現し、地域に根差した信頼できる薬局としてのブランディングに貢献します。
効果的なSEO対策には健康情報ブログを月2回以上更新し、薬局の新しいサービスやスタッフ紹介など新鮮な情報を定期的に追加する必要があります。
専門的な健康情報を発信することで、薬剤師の専門性をアピールし、患者からの信頼獲得につながります。
お知らせ・ブログ機能を活用して地域貢献と先進性の発信を行うことで、地域住民にとって価値のある情報源となります。
要素（5）採用情報・求人ページの設置
採用情報・求人ページは、薬剤師不足が深刻化する中で優秀な人材を効率的に確保するための最重要コンテンツであり、転職サイトへの依存を減らし採用コストを大幅に削減できます。
質の高い採用コンテンツへの投資は、一人採用するごとに数十万から百万円以上かかることもある人材紹介会社への手数料を削減する、直接的かつ測定可能な投資収益率を持つ戦略です。
薬局の魅力に共感する人材を直接集めることで、価値観のミスマッチを防ぎ、長期的な雇用関係を築くことができます。
また、平均年齢、男女比、平均勤続年数、有給休暇の平均取得日数といった客観的なデータを公開し、働きやすい職場であることを証明することが重要です。
薬局のホームページ制作時の注意点
この章では、薬局のホームページ制作時に必ず押さえておくべき法的・技術的注意点について紹介します。
薬局ホームページ制作時の注意点には主に以下の内容があります。
- 医療広告ガイドラインの厳格な遵守
- 薬機法に基づく適切な表現の使用
- 患者の個人情報保護とセキュリティ対策の実装
注意点（1）医療広告ガイドラインを遵守する
薬局ホームページは医療広告ガイドラインの対象となり、虚偽広告、誇大広告、比較優良広告、患者の体験談掲載などが厳格に禁止されており、違反した場合には措置命令や課徴金のリスクがあります。
医療広告ガイドラインの目的は、患者が不適切な情報に惑わされることなく、自らにとって適切な医療を選択できるよう支援することにあり、薬局のホームページは内容に関わらず原則として広告と見なされるため、患者を不当に誘引するような広告は厳しく制限されています。
禁止される表現として「地域No.1の在庫品目数」「絶対安全な在宅医療サービスです」「最先端の調剤機器を導入」などがありますが、一方で薬局の基本情報、従業者に関する事項、施設に関する事項、客観的な治療方針の表明などは広告可能です。
医療業界に精通した制作会社を選ぶか、医療広告ガイドラインの完全チェックリストを活用して自己確認を行うことが重要です。
注意点（2）薬機法に準拠した表現にする
薬局ホームページでは薬機法の規制を受け、承認前の医薬品等の広告禁止、虚偽・誇大広告の禁止、他社製品の誹謗広告の禁止が定められており、これらに違反すると刑事罰が科される可能性もあります。
薬機法は医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器の品質・有効性・安全性を確保するための法律で、ホームページ上の表現も規制対象となり、薬局のホームページは薬機法上の広告の3要件を満たすため厳格な規制に従う必要があります。
典型的な違反例として、健康食品やサプリメントを販売する際に医薬品であるかのような効果を謳うことや、厚生労働省の承認を得ていない医薬品や医療機器について、その名称や効能効果を広告することが挙げられます。
制作会社に任せきりにするのではなく、経営者自身が最終的な責任を持つという意識を持ち、薬機法の基本的な理解を深めて客観的事実に基づく情報提供を心がけることが重要です。
注意点（3）個人情報保護とセキュリティ対策
薬局ホームページでは患者の個人情報を取り扱う可能性があるため、個人情報保護法に基づく適切な管理体制とSSL暗号化などのセキュリティ対策の実装が必須となります。
薬局は患者の健康に関わる機密性の高い情報を扱う医療機関であり、ホームページを通じた問い合わせフォームや採用応募フォーム、オンライン服薬指導などで個人情報を収集する場合があり、個人情報の漏洩は患者の信頼失墜や法的責任を問われるリスクがあるため適切なセキュリティ対策が不可欠です。
基本的なセキュリティ対策として、SSL証明書の導入によるデータ通信の暗号化、定期的なシステムアップデートとセキュリティパッチの適用、強固なパスワード設定とアクセス権限の管理、定期的なバックアップの実施などが必要です。
制作段階からセキュリティを考慮した設計を行い、制作会社に外注する場合はセキュリティ対策とその継続的な管理がサービスに含まれているかを事前に確認することが重要です。
薬局向けホームページ制作会社の選び方
この章では、薬局のホームページ制作を外注する際の制作会社選びのポイントについて紹介します。薬局向けホームページ制作会社の選び方には主に以下の内容があります。
- 薬局業界での制作実績と専門知識の有無
- 医療広告ガイドラインや法規制への対応能力
- SEO対策や集客支援サービスの提供体制
- 制作後の継続的な保守サポート体制
- 適正価格設定と見積もり比較の透明性
ポイント（1）薬局制作の実績が豊富か確認する
薬局向けホームページ制作会社を選ぶ際は、調剤薬局での制作実績が豊富で、薬局業界特有のニーズや課題を深く理解している会社を選ぶことが成功の鍵となります。
薬局のホームページは一般的な企業サイトとは大きく異なり、医療広告ガイドライン、薬機法、2025年6月施行の掲載義務事項など、複雑な法規制への対応が必要です。
また、患者の行動心理である営業時間・アクセス・処方箋受付の確認や薬剤師採用の特殊性を理解した設計が求められるため、薬局業界の経験が豊富な制作会社でなければ効果的なサイトは構築できません。
制作会社を検討する際は、薬局・医療機関の制作実績ページを必ず確認し、自院の規模や目的に近い事例があるかを重点的にチェックすることが重要です。
ポイント（2）医療広告ガイドラインへの対応力
薬局ホームページ制作会社は、医療広告ガイドラインや薬機法などの複雑な法規制に精通し、法令遵守を保証できる専門知識と対応体制を持っていることが必須条件です。
医療広告ガイドラインでは虚偽広告、誇大広告、比較優良広告、患者の体験談掲載などが厳格に禁止されており、違反した場合には措置命令や課徴金のリスクがあります。
また、2025年6月以降は薬局内掲示事項のホームページ掲載が義務化され、診療報酬改定に伴う定期的な更新も必要となるため、これらの法改正に継続的に対応できる制作会社でなければ長期的な運用は困難です。
制作会社選定時は、医療広告ガイドラインへの対応方針と具体的なチェック体制を詳細に確認することが重要です。
ポイント（3）SEO対策や集客支援の有無
薬局ホームページ制作会社は、地域特化型SEO対策と集客支援サービスを提供し、新規患者獲得と薬剤師採用に直結する成果創出能力を持つ会社を選ぶべきです。
効果的なSEO対策には地域名を含むキーワード最適化、Googleビジネスプロフィールとの連携、スマートフォン対応、コンテンツの定期更新などの専門知識が必要です。
単にホームページを作るだけでなく、月間5から20件の新規問い合わせ獲得や採用応募増加などの具体的な成果を生み出せる制作会社を選ぶことで、投資対効果を最大化できます。
成果重視の制作会社では、Googleアナリティクスやサーチコンソールを活用したアクセス解析、地域での競合分析、検索キーワード戦略の立案、コンテンツマーケティング支援などを包括的に提供します。
制作会社のSEO対策能力を評価する際は、過去のクライアントでの検索順位向上実績、アクセス数増加事例、具体的な問い合わせ件数向上データを確認することで、真の専門性を見極めることができます。
ポイント（4）制作後の保守サポート体制
薬局ホームページは制作後の継続的な保守・管理が成功の鍵となるため、法改正対応、セキュリティ更新、コンテンツ更新支援を含む包括的なサポート体制を持つ制作会社を選ぶことが不可欠です。
2025年6月以降の法改正対応、診療報酬改定に伴う施設基準情報の更新、WordPressなどのシステムアップデート、セキュリティパッチの適用、SSL証明書の更新など、ホームページの安全で効果的な運用には専門的な継続管理が必要です。
また、健康情報ブログの月2回以上の更新や新サービスの追加など、集客効果を維持するためのコンテンツ管理支援も重要な要素となります。
保守契約の詳細を必ず確認し、長期的な運用コストを正確に把握した上で契約することが重要です。
ポイント（5）適正価格かつ見積もり比較が可能
薬局ホームページ制作会社選びでは、初期費用だけでなく月額保守費用を含めたトータルコストで比較し、サービス内容と価格のバランスが適正な会社を複数社から選定することが重要です。
ホームページ制作費用は制作方法により大きく異なり、テンプレート型で初期費用10万円から30万円、オーダーメイド型で30万円から200万円以上と幅があります。
しかし、一部の業者は初期費用を極端に安く設定する代わりに高額な月額保守費用を長期契約で課す場合があるため、3年間や5年間の総額で比較検討することが不可欠です。
適正な価格設定を行う制作会社では、初期制作費、月額保守費、追加作業費の内訳を明確に提示し、他社との比較検討を推奨します。
制作会社選定時は必ず3社以上から相見積もりを取得し、初期費用・月額費用・追加料金の仕組みを詳細に比較検討し、自院の予算と目的に最も適した会社を選択することで、費用対効果を最大化しつつ長期的に安心してホームページを運用できます。
ホームページ公開後の効果測定と改善方法
この章では、薬局ホームページ公開後の成果を測定し、継続的に改善していく方法について紹介します。
ホームページ公開後の効果測定と改善方法には主に以下の内容があります。
- アクセス解析ツールを活用した数値の分析と把握
- 問い合わせや来局増加のための具体的改善施策
- 集客と採用における現実的な目標設定と評価基準
方法（1）Googleアナリティクスで見るべき数値
薬局ホームページの効果測定には、Googleアナリティクスを活用して月間セッション数、ページ滞在時間、直帰率、コンバージョン率の4つの基本指標を継続的に監視することが重要です。
ホームページは作って終わりではなく、Google Search ConsoleやGoogle Analyticsといった無料のアクセス解析ツールを導入し、どのようなキーワードで検索されているか、どのページが多く見られているかといったデータを定期的に確認することが、サイト改善の第一歩となります。
月間セッション数は薬局の認知度を示し、地域密着型薬局では月間100から500セッションが目安となり、ページ滞在時間は内容への関心度を表し、薬剤師紹介ページで2分以上、サービス紹介ページで1分30秒以上が理想的です。
まずはGoogleアナリティクスの基本設定を行い、月1回の定期レポートを作成する習慣を作ることが重要です。
方法（2）問い合わせ増加のための改善施策
薬局ホームページからの問い合わせを増加させるには、電話番号の視認性向上、お問い合わせフォームの最適化、患者の不安解消コンテンツの充実の3つの施策を実施することが効果的です。
患者が薬局を選ぶ際の心理として、今この薬局に行けるか、すぐに連絡を取りたいという即時性のニーズが強く、これに対応できるサイト設計が問い合わせ増加の鍵となります。
電話番号は全ページのヘッダー部分に大きく表示し、スマートフォンでタップするだけで発信できるリンク機能を設置し、お問い合わせフォームは入力項目をお名前、電話番号、お問い合わせ内容の3項目に絞り、送信完了後の自動返信メールで安心感を提供します。
方法（3）アクセス数や採用応募の目標設定
薬局ホームページの目標設定は、月間アクセス数、問い合わせ件数、採用応募数について、薬局の規模と地域特性を考慮した現実的な数値を設定し、3ヶ月単位で評価・見直しを行うことが成功の秘訣です。
個人薬局の場合、月間アクセス数200から500セッション、新規問い合わせ5から10件、採用応募2から4件を目標とし、小規模チェーンでは月間アクセス数500から1,500セッション、問い合わせ15から30件、採用応募5から10件が現実的な目標値です。
目標設定時は競合分析も併せて実施し、同地域の類似薬局のWebサイトの強みと弱みを把握することで、より戦略的な目標値を設定でき、季節要因も考慮した月別目標を設定することで持続的な成果向上を実現できます。
まとめ
本記事では、薬局のホームページ作成について、その重要性から具体的な制作方法、費用相場、必須コンテンツ、そして医療広告ガイドラインなどの注意点まで網羅的に解説しました。
ホームページは、新規患者の獲得や薬剤師採用を成功に導く強力なツールです。
最も重要なのは「誰に、何を伝えたいか」という目的を明確にし、予算や自局の状況に合った最適な方法を選ぶこと。
この記事を参考に、まずはホームページで伝えるべき自局の強みや情報の整理から始めてみてください。
それが、地域や患者様から信頼され、選ばれる薬局となるための確かな第一歩になるはずです。
