囲碁の院生って聞いたことがありますか?
院生とはプロを目指す人たちが入る専門塾のようなものです。
ヒカルの碁でも出てきましたね。
このページでは囲碁の院生について詳しく紹介していきます。
- 囲碁の院生って何?
- 日本棋院と関西棋院の院生の違い
- 院生になったらどんな生活をするの?
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目次
囲碁の院生とは
院生はプロ試験の時に有利な条件で参加することができます。
クラスが上がれば外来予選は免除、さらに同率の場合は院生が優先されます。
そのため、プロを目指す子供たちはだいたい院生を目指します。
院生には様々なルールがあります。
- アマチュアの大会に参加することはできない
- 毎週末の院生手合いに参加すること
- 棋院が定めた日時に棋士の対局の記録係を担当する義務を負う(義務教育中は免除)
日本棋院の院生
日本棋院はプロ棋士数、院生数ともに日本一の機関です。
日本棋院の院生は東京・中部・大阪の3か所のいずれかの棋院へ所属します。
院生試験を受験できる年齢と必要な棋力
年齢制限 | 14歳になる年度末まで |
---|---|
必要棋力 | 14歳でアマ六段程度 |
試験日程 | 4月、7月、10月、1月 |
申込締切 | 2月末、5月末、8月末、11月末 |
受験料 | 10800円 |
試験内容 | 書類審査(志願書・棋譜)、試験碁、面接(3者面談) |
必要な棋力は14歳でアマチュア六段程度です。
ここでの六段は東洋囲碁や野狐囲碁で六段レベルで、普通の碁会所六段は棋力不足だと思われます。
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最低年齢の規定はないため何歳でも受験できますが、最低でもアマチュア五段はないと院生に入っても良いことはありません。
合格後、3ヶ月間を試採用期間とし、院生として継続が難しいと師範が判断した場合辞退して頂きます。
という文言も日本棋院院生制度規定記載されています。
これはちょっとした裏話ですが、院生試験の合格率は院生師範によってかなりバラツキがあります。
厳しい師範だと受験者全員を不合格にしたり、優しい師範だと全員合格にしたり。
本当はどっちが優しいのかわからないですが、そのあたりはプロ棋士への縁だと受け止めましょう。
最近は採用多めで3か月の試用期間を設けているようですね。
日本棋院東京本院
〒102-0076 東京都千代田区五番町7-2 日本棋院 総務人事部
日本棋院中部総本部
〒461-0014 名古屋市東区橦木町1-19 日本棋院 中部総本部
日本棋院関西総本部
〒530-0013 大阪市北区茶屋町19-19 アプローズタワー10F 日本棋院 関西総本部
日本棋院の院生序列とレベル
日本棋院東京本院の院生は次のような構成がされています。
クラス | 人数 | 棋力の目安 |
---|---|---|
A | 10名 | 東洋・野狐八~九段 |
B | 10名 | 東洋・野狐八段安定 |
C | 12名 | 東洋・野狐七~八段 |
D | 12名 | 東洋・野狐六~七段 |
E | 不定 | 東洋・野狐五段前後 |
基本的に院生Aクラスの常連は日本アマトップクラスです。
院生を卒業した直後に全国大会で優勝するというのはよくある話で、今の日本アマ囲碁界は元院生が上位をほぼ独占しています。
しかし院生Bクラスレベルだと、県代表クラスといい勝負です。
ネット碁を打っていても、意外と七、八段くらいの人が多いです。
Cクラス以下はほとんど小学生です。
まだまだこれからの棋力で、アマチュアの大会でも予選レベル。
ただし小学生の大会に出たら全国上位は狙えるでしょう。
当然ですが、新規院生はEクラス最下位からのスタートです。
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関西棋院の院生
関西棋院も囲碁の会社で、日本棋院とはライバル関係にあります。
関西棋院でも院生は募集していますが、関西棋院のプロになった場合、日本棋院主催のプロ棋戦に参加するのに苦労します。
日本棋院の院生に対して関西棋院の院生数は少ないです。
しかし院生のレベルは高く、プロになるのが簡単なわけではありません。
院生試験を受験できる年齢と必要な棋力
年齢制限 | 男子13歳未満、女子15歳未満 |
---|---|
必要棋力 | アマ五段以上 |
試験日程 | 常時(基本は週末) |
申込締切 | ー |
受験料 | 15000円 |
試験内容 | 書類審査(志願書・棋譜)、試験碁、面接(3者面談) |
関西棋院院生申込手順
- 関西棋院へ院生志願書を請求する
〒541-0041
大阪市中央区北浜1丁目1番14号 北浜一丁目平和ビル 関西棋院 総務部
電話 06-6231-0186(平日9:30~17:30)
FAX 06-6227-1196 - 院生志願書を送付、受験料を入金
- 試験後、面接
関西棋院の院生序列
関西棋院所属の院生にとって、序列は特別な意味を持ちます。
関西棋院は級制度になっています。
一番下は10級で、アマチュア5段程度。
毎週末の院生手合いの勝敗によって月1回昇給のチャンスがあります。
院生手合いは1級差3目のハンデ戦です。
一番上は初段格。
初段格で12勝4敗以上の成績を収めればプロ入段となります。
そのため定期的にプロ棋士が誕生することはなく、院生の中で突出した実力を持つ人がいるときにプロ棋士が誕生します。
以前、院生上位のレベルが高まりすぎてプロ棋士が誕生せず、インフレ状態になったことがありました。その時は特例措置でリーグ戦を行ってプロ棋士を2名選出しましたが、関西棋院所属棋士のレベルを落とさないこの規定は合理的だと言えます。
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院生たちの生活はどんな感じ?
院生たちの日ごろの様子は、ヒカルの碁にある感じです。
中学生以下の子は学校へ行かなければいけないので、平日の夕方までは学校に通っています。
高校は通っている子も中卒の子もいて、どちらも珍しくないくらいです。
学校帰りは囲碁道場へ来る子が大半です。彼らは週に4~5日道場へ通い、そのほかの日は家で囲碁の勉強をします。
道場で勉強する日は夕方5時から夕食休憩を挟んで夜9時まで。泊まり込みで勉強する子もいます。
週末は院生研修なので、それが終わってから道場で検討します。
院生研修は毎週土日に打つので、平日に勉強して実力を付けなければ院生上位にはなれません。
道場に行かない日はネット碁で対局します。
道場から宿題が出ていればその宿題を終わらせますが、基本は自分で好きな勉強をしているようです。
いくら院生とはいえ子供たちですので、プロ試験期間を除いて毎日道場に通っている子はさすがにいませんでした。
道場内でも息抜きにスポーツをしたり散歩したり、ゲームしたり歌ったり、道場のみんなは仲の良いライバルといった感じです。
僕も朝6時に起きて友達とランニングしたり、いろんな人とフットサルしたり、先生からゲームの攻略を教えてもらったり(?)
囲碁以外の思い出もたくさんあります。
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囲碁の院生を目指す方へのアドバイス
最後になりましたが、院生を目指す方へ僕からささやかなアドバイスを送らせていただきます。
もしプロを目指して、院生を受験しようとしているお子様がいらっしゃったら、ご両親はぜひその夢を応援してあげてください。
ただ、プロになりたいからすぐに院生を受けるのは手順違いです。
プロになるのは本当に難しい道のりです。
「子供に囲碁を習わせるデメリットは?孔子・孟子の大激論!!」でも書きましたが、プロになれる保証は全くないです。
まずは文部科学大臣杯少年少女囲碁大会へ出場して、実績を作りましょう。
院生合格後、Bクラスまで一気に上がれるレベルで入らないとプロにはなれません。
そこまでの棋力になると、たくさんの選択肢が見えてきます。
- 高校大学に進学して就職する
- 囲碁のインストラクターになる
- プロ棋士になる
ここまで来てもプロになりたければ、ぜひ挑戦してみてください。
その夢がかなうことを心から応援しています。
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