今回はこのような悩みに答えます。
私は2018年からこのブログを運営してきて、今までで一番多くお問い合わせされたのがこのような質問です。
実際にご両親の世代で囲碁がわかる人は少なくて、子供の囲碁をどのようにサポートすれば良いかわからなくて悩んでいる方はたくさんいらっしゃいます。
この記事を書いている私は囲碁暦18年、元県代表の経験があります。
私の家で囲碁ができるのは遠く離れた祖父だけで、小中高時代は囲碁初心者の両親にサポートしてもらっていました。
この記事では私の囲碁インストラクター経験も踏まえて、子供の囲碁を支える親の役割について考えてみようと思います。
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目次
【囲碁】子供を強くする親のあり方を考える【プロを目指す?教室で楽しむ?】
ご両親の世代で囲碁ができる人はかなり少なくて、しかも子供の囲碁のトレーニングをサポートできるのは稀です。
だから自分が囲碁を打てないことを悔やむ必要はなくて、今の自分にサポートできることはないか考えてみましょう。
強い子供の親は囲碁が打てるわけじゃない
これは私が実際に見てきた経験談ですが、囲碁で全国上位に入る子供たちの親はほとんど囲碁を知らないです。親に囲碁を習っている子は1人いるかどうかです…
親がプロ棋士という場合を除いて、全国上位に入る子供たちは何かしら自分なりのトレーニングをしています。
最近はネット碁で強くなる人も増えていて、小学生でも自分から行動すればできることはたくさんあります。
特に県大会レベルでは地方の格差は関係ありません。
県大会レベルで活躍したいと目標を立てるなら、自分の努力で十分に達成できる目標です。
とはいえ、環境の影響が大きいのは事実です。
全国大会でも、環境が恵まれている首都圏、関西の方が結果を残しているように感じます。特に東京神奈川はレベルがめちゃくちゃ高いですね。
ちなみに女子世界3位の黒嘉嘉さんのご両親も囲碁ができませんでした。さらにアメリカ移住で周りの環境に恵まれなかったにも関わらず強くなり続けた努力はぜひ参考にしてください。
【参考】女流棋士黒嘉嘉七段が語る囲碁への想いを完全翻訳
親が子供の囲碁生活をサポートする方法
親が子供の囲碁をサポートするとき、強くすることだけがサポートではありません。
囲碁の世界はとても狭くて、囲碁で繋がった友達は一生の友達になります。大会へ出場するために送迎してあげたり、囲碁クラブへ入会させてあげたり、囲碁と関わる機会を増やしてあげれるのも親のサポートです。
プロを目指したいと思うなら、東京か大阪へ引っ越して強い道場に通うのがよくある流れです。
これには相当の覚悟が必要なので、先に少年少女囲碁大会で全国ベスト8以上を目指すのもありです。
子供が本気でプロを目指したいと願っているなら、「囲碁の院生試験と年齢・必要な棋力まとめ!普段どんな生活してるの?」で紹介したように院生になるのが一番わかりやすいルートです。
院生の制限年齢は14歳で棋力は六段が必要です。でもプロを目指すには一般的に小学3年生くらいで覚悟を決めておくのがベストです。
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強くなる子供のトレーニング方法
先ほど紹介したように、強い子供は自分で何かしらトレーニングをしています。日本では特に「自分で考えて自分で強くなる」という教育観念があるようです。
とはいえ、どのような囲碁のトレーニング方法があるのかを知っておかないと充実した内容にはなりません。
まずは一般的な囲碁のトレーニング方法を確認して、どの方法なら続けることができるのかじっくり考えましょう。
- ネット碁で切磋琢磨する
- 詰碁で戦いの力を鍛える
- 棋譜並べでプロの感覚を学ぶ
- 県代表の人から上達のコツを教えてもらう
- 強い人に検討してもらう
どれも効果的な方法ですが、独学ではどうしても独りよがりになってしまうところがあります。
さらに、自分では気づけない甘さ、弱点を指摘してもらうためにも、強い人がいる囲碁クラブへ出向いて鍛えてもらうのが一番のおすすめです。
子供の工夫を支えるのが両親の役目
両親のサポートは、囲碁に関わることだけではありません。
正直、子供にとって親が囲碁をできるかどうかは関係ありません。それよりも、子供のチャレンジを応援してあげようという気持ちが何よりも嬉しいものです。
最後に、私が親にしてもらって嬉しかったこと3つを紹介します。
親子で囲碁を始める
子供が初心者レベルの場合、ご両親も一緒に囲碁を始めてみるのはおすすめです。
子供にとってライバルの存在は非常に重要で、絶対に負けたくないというモチベーションに繋がります。
親が一緒に囲碁を始めると、子供にとって身近なライバルができます。親に負けたくないという気持ちで一生懸命対局したり、囲碁教室に通うモチベーションになったりします。
私の家でも父親と母親が囲碁を覚えてくれて、初期の頃よく相手をしてくれていました。途中から相手にならなくなってやめてしまいましたが、子供の私でも楽しく囲碁を続けられた理由の一つだったと思っています。
ちなみに私がインストラクターをしていた囲碁教室でも親子で囲碁を習うパターンが3例ほどあって、例外なく子供のモチベーションが高かったです。
中には、いつも子供の対局を待っていたお母さんの方が囲碁にはまってしまって、いつしか子供がお母さんの対局が終わるのを待っているようになったケースもあります。
その子は今年で高校3年生になりますが、当時から6年以上囲碁教室に通い続け、今では七段になったそうです。嬉しいですね。
優秀な囲碁教室に通わせてあげる
優秀な囲碁教室に通うと、子供は一気に成長します。
優秀な囲碁教室には優秀な先生、モチベーションの高いライバルがいるので、子供は多くの刺激を受けます。
ちなみに良い囲碁教室の場所は県大会などで上位の人たちから聞くのが一番手っ取り早いです。子供を強くしたいという理由であれば、間違いなく良い場所を紹介してくれます。
私の地方では県内トップレベルだけが集まるクローズドな研究会があって、完全紹介制で研究会を開いていました。この研究会に参加してから、私は目標を高く持つことができたし、日々強い相手と切磋琢磨するのでモチベーションも高く保てました。
良い囲碁教室はちょっと距離が遠かったり、月謝や参加費が高かったり(うちは5000円/月だった)ですが、ぜひご両親はサポートしてあげてください。
ちなみにプロを目指す子供が韓国へ囲碁留学するのはよくある話で、仲邑菫さんもその一人でしたね。
私のある友達も韓国へ1ヶ月囲碁留学しました。これまで超がつくほど不真面目だった彼が帰国後、人が変わったように囲碁に打ち込むようになって、環境が人に与える影響をすごく実感させてくれた思い出です。
精神的なサポートが一番重要
意外に思われるかもしれませんが、両親のメンタルサポートはかなり大きいです。
囲碁を打つ子供にとって、一番辛いのが勝ち負けの世界の残酷さです。勝ったり負けたりを繰り返しているとかなりのストレスになりますし、精神的プレッシャーで押しつぶされてしまう子供もいます。
私の個人的な意見なのですが、
- 勝ち負けに関して口を挟まない
- 囲碁のことは先生に任せる
- リフレッシュを与える
ご両親が子供をサポートするときは、このようなことを意識してみてください。
子供は囲碁の対局で疲れ果てるので、家に帰ってからも勝ち負けを突っ込まれると本当にしんどいです。囲碁に関して具体的なアドバイスができない場合は、メンタルサポートに徹する方が無難です。
とはいえ厳しい親でも成功する例はあって、世界女王の於之瑩(ユージーイン)さんのご家庭はかなり両親が厳しくて、負けるとめちゃくちゃ怒られたそうです。
この辺りはご両親のコーチングスキルによりますが、無難なのは先生に任せることです。
ちなみに私の親は囲碁に関して全く関心、勝手も負けても良いから好きにしなって感じでした。そのおかげでプレッシャーもなく試合の臨めたので、今思えば良い環境を作ってくれたんだなと感謝しています。
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【囲碁】子供を強くする親のあり方まとめ
子供の囲碁をサポートする親のあり方には、実は正解がありません。
プロ棋士でも黒嘉嘉さん、於之瑩さんのように対極の環境で育った人がいますし、どちらが正解ということも言われていません。
でも共通して言えることは、両親が子供のチャレンジを応援してあげていたということです。
以上、「【囲碁】子供を強くする親のあり方を考える【プロを目指す?教室で楽しむ?】」でした。
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