今日のテーマはミニミニ中国流(ベトナム流)です。
ミニミニ中国流とは
現代の流行布石です。
別名として、ベトナム流とも呼ばれてます。
関西でよく言われてるみたいですね。
由来は中国の下はベトナムだからだそうです(笑)
今回は、白の打ち方を研究していきましょう。
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目次
ミニミニ中国流(ベトナム流)対策①ワリウチ
最も多い打ち方でしょうか。
黒から3つほど打ち方があります。
白に最も圧力をかけるうち方です。
ここでも、白には選択肢があります。
2間ヒラキ
世界戦を中心に今流行っている形です。
変化がすごく長いので、間違えないように注意します。
カケ
これは、簡明形と難解型があります。
簡明型
穏やかなワカレで、互角です。
次に
このように打つ人が多いです。
難解型
これは長いので最後にまとめを入れます。
前図
白3のとき
こちらに反発するのはどうでしょう?
白はスミに手をつけて行きます。
一昔、流行った定石はこちらです。
このあと白は手順が重要です。
一見、白がバラバラなようですが
ここで白3のアテが上手い手です。
続いて
白は解消します。
ここで、左下の形は部分的な定石なので
覚えておきましょう。
結論から言うとこの図は白良しです。
右下の白が厚いのと
下辺黒がやや苦しいためです。
また
白は気楽にこのコウができます。
1線のコウですが、白が勝つと黒の形が崩れるので嫌なところです。
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しかし
黒から新手が登場しました。
この黒12で・・・・
単に抜くのがいい手です。
白はコウをすると
コウ材が足りないので
このように進行しますが、5と辺を守ると
黒5まで、攻め合い黒勝ちです。
よってスミを守りますが
辺の白石が浮いているので黒よしです。
また
これは白崩壊です。
変化まとめ
この黒の反発について
1、白よし(旧型)
4=(16-十六)、11=(16-十五)、21=(17-十六)
2、黒の工夫
コウは黒勝ち
2ー①黒の工夫(白の最善)
黒優勢。
2-②黒の工夫(白つぶれ)
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ミニミニ中国流(ベトナム流)の失敗例
這う前に、出てから這います。
キリ
黒は同じく反発してみます。
対して白はキリがいい手です。
ノビ
黒は捨石を狙って逃げます。
こちらが、一時期定石化された形です。
多くの人が白良しの結論を出しています。
なぜなら
①白地が大きい
②黒の厚みに傷がある(ハネダシ等)
③右辺の白石に活力がある
外アテ
ということで黒は外からアテます。
これは互角です。
黒はしっかりと外を固めているので不満ありません。
白もまだ右辺に味があり打てる形です。
キリ
単純につなぐと
これは白地が大きいという判断です。
まだ右辺の白1子には活力があります。
ここで登場するのが中国のトッププロ古力さん。
何度となく日本を苦しめた世界のトップ選手です。
古力さんが打った新手はこちら
ぱっと見よくわからないですが
取ると戻ります。
白の最強手は
デギリが厳しい手です。
下を取るのは
外へ脱出して白十分です。
ここで
這う手はどうでしょう?
ここで抑えるのは
封鎖されて黒満足です。
ということで
外へ脱出を試みます。
ここでノビると
戻ってしまうので
切るよりありません。
このあとが難解ですが
続いて
黒は3のブツカリが急所ですが
攻め合い白1手勝ちです。
よって、黒は
この図で我慢するしかありません。
これは白が良いため黒の
このハネは損です。
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ミニミニ中国流(ベトナム流)の一般的な定石
これを踏まえて
この進行が多いです。
この図は互角です。
このあとの継続手段もあります。
黒の壁を攻めていきます。
この戦いも互角です。
実は、黒は
5のカケで4の石をとることはできます。
しかし
攻め合いは黒勝ちですが
白は周りを厚くできる上に
黒地も大きくないため白有利です。
ミニミニ中国流(ベトナム流)の穏やかな定石
前回まで
この変化を見てきましたが
黒には別の手もあります。
こちらのオサエです。
白を強化してしまうものの
黒は下辺の勢力を大きくできます。
これが普通の進行です。
まだカタツキやデギリの味があります。
ここで白は
切るのは黒地が固まってしまうため
いいことはありません。
これをもとに
たまに打たれるこの定石ですが
黒良しとされています
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ミニミニ中国流(ベトナム流)の新手
少し前に韓国の朴廷垣さんが打ち
密かに打たれ続けている手です。
では、白の応手に対する黒の研究です
①上ハネ
真っ先に思い浮かぶのは
このハネでしょうか。
ただし、これは白の打ちすぎです。
黒のキリが鋭い手です!
このように
黒は弱い石が1つなのに対して
白は2つあるため
黒有利な戦いです。
②ノビ
冷静な手です。
この図は互角です。
右下の黒地はおよそ35目
白は厚く、先手なので不満ありません。
また、様子見でツケてきたときは
こうすると定石に戻りますが
この交換は黒が損なので
内側から抑えます。
白は隅の石を逃げると
右辺と絡み攻めにされてしまいます。
③下ハネ
このハネは、地に辛い手です。
黒の最強手は
キリです。
白は伸びたいところですが
黒のノビが冷静な好手です
出てくると、右辺と裂きます
白からのキリが怖いところですが。。。
この隅の攻め合いは
単純に攻め合うと黒1手勝ちです。
よって白は
渡るよりありません
ツギを決めて3が好手です。
また放りこみます
コウは争えないので白はツギます
黒は生きることができました。
こうしてみると
白は分断された上に
両方生きてないので苦しいですね。
この手筋はほかの場面でも使えるので
ぜひ覚えてくださいね
ということを踏まえて
このキリに対して
このくらいの相場です。
これは白が先手なので互角です。
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ミニミニ中国流(ベトナム流)の一時的な流行図①
一時期打たれていたのがこのトビです。
日本の囲碁界でも浸透していて、井山名人もこの手を打ったことがあります。
しかし
それも昔の話となってしまいました。
現代でこのトビを打つと一気に劣勢に立たされてしまいます。
黒からの好手は、ノゾキです。
黒のノゾキがいい手で白はうまくいきません。
変化一例です。
これは黒有利です。
ミニミニ中国流(ベトナム流)の一時的な流行図②
ここにツケる手が
中国で研究されているようです。
残念ながら僕はこの変化にあまり詳しくないので
変化一例という紹介をします。
この先は参考程度に流してください。
白の狙いは
先に利かすことで相手の研究を外すことができる点です。
黒の有力手は
ハネです。
アマチュアの実践図です。
これは黒成功で白の新手は失敗のようです。
よくある手筋で
単にあてる手はありますが
ここでは白に地をもって生きられてしまうため
黒不満です。
では、白はサバキの手段っぽく
ハネ返してみます。
黒はカケツギが良さそうです。
ある実践では
ハネが打たれていました。
しかし、白が打ちすぎということです。
だからと言って隅を生きるのは
右辺に回られて白崩壊です。
よって
このツケが有力かどうかわかりません。
様々な新手はありますが
白は受けていて文句はないので
黒の注文といえど、受ける人がほとんどです。
色々試したい派の人は研究してみてくださいね
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ミニミニ中国流(ベトナム流)でおすすめしない定石
全然問題ありません。
たとえプロが打っても、この手のせいで負けることはないでしょう。
強いて言えば、ぬるいこと。
せっかくミニミニ中国流を打ってるので
もう少し主導権を握れる打ち方をしてみたいところです。
ミニミニ中国流(ベトナム流)の工夫
実戦で最も打たれているのがこのトビです。
では、白の応手を見ていきましょう。
(1)オサエ
単に抑えるのは失敗です。
この後右辺の白には
ツケがあります。
白は反発したいですが
この黒3子は取れないので
分断された白のほうが苦しい戦いです。
ここで思い出し欲しいのは「ミニミニ中国流研究part3」で紹介した
この定石。
右辺、黒のノゾキ(16-11)と白の受けの交換があって互角という話でした。
しかしここでは黒からさらに厳しい狙いの手が存在するため、黒有利であるという結論です。
また
このタイミングでつけるのは危険です。
内から抑えられる可能性が高く、白が取られてしまうかもしれません。
(2)角
ここに打つ手もあります。
隅から抑えると
この図は白が黒を押さえつけており黒不満です。
黒の最善はオシです
白のオサエに3と守るのが大切。
まだ隅には
ここから手を付けることができます。
欲張って広げても
これは隅の味が気持ち悪すぎて、白満足の図です。
(3)ツケ
このタイミングのツケが良い手です。
最も実践で打たれるのは
この進行です。
右辺白にはツケの狙いがあり
隅にはまだ味が残っています。
この進行は本当に多く、中韓のプロの棋譜にはミニミニ中国流を打つたびに出現した定石です。
黒から隅を守るときは
カケツギが普通です。
ツケに対して内側から抑えるのは
あるいは
このような進行が予想されますが、いずれも白満足です。
ミニ中国流の場合
これは黒が厚く、黒良しの図です。
隅には
コウが残っています。
ミニミニ中国流の場合
ちょっと位置が微妙です。
というのも、抑えると
ココの傷が気になるため、白のさばきが楽になります。
よって
この定石のほうが良さそうです。
これは隅をえぐられている分
右辺の白を厳しく攻めなければいけません。
僕は白のサバキのほうが苦しそうに見えるので、黒持ちです。
棋風にもよりますが、この定石は黒持ちが少し多いようです。
これを嫌うなら
この手もあります。
ここで一つ。以前のミニミニ中国流研究part3で紹介した
この図を研究しましたが、いいところは
これに比べて隅の味が少ないところです。
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北朝鮮産のミニミニ中国流(ベトナム流)
白のすべりです。
この手は北朝鮮の方が打ち始めたという説があります。
よく打つ方もいらっしゃいますが、大半の人が黒良しと結論付けています。
では、黒の応手をみていきましょう。
積極的な打ち方
ある棋戦で登場した手法です。
黒1から白10までを利かしとみています。
この図は次に白番で
黒のダメづまりもあるため互角とされています。
普通に受ける定石
黒は受けで十分です。
白は2,4がカライという主張ですが
もともとこの形は
このような味がある場所で
必ずしも白が得しているわけではありません。
また、白6はほぼ必須で手抜くと
将来的に薄みが気になるため白怖いです。
ここには見えない黒の壁があると考えてもよいくらいです。
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ミニミニ中国流(ベトナム流)に対する白の変化
では、次のテーマ図です
3間ヒラキです。
受け
白は後手ながらゆったりと治まれます。
しかし、白は2手かけて治まっており、次は黒が好きなところに打つことができます。
黒もこれで悪いわけではありません。
打ち込み
白は下ツケで応手します。
これで黒にいい図ができないようです。
変化図は大量にありますが、ここでは変化一例をご紹介します。
恐らく実戦によって手が変わると思うので、皆さんも気を付けて打ってください。
ハネだし
これは白が厚くなってはっきり白よしです。
黒は7で切れますが
捨てられて白満足です。
まだ利きがあり、右上の黒に薄みが残ります。
こちらからはねだしても
白が厚く満足です。
同じように7で切れますが
これも白が厚く、満足です。
こんな手もありますが
ナラビをこんな場面で打つの?
と思われた方は「冷静な強手。ナラビを研究する」の記事を参照ください。
さて、本題に戻って
渡るとツケがぴったりなので・・・
白1のツケが急所です。
黒は受けるとうまく外されるので
全力で反発します。
このあとはどうなるのか難しいです。
以下はちょっとした補足資料です
白の割りうちに対して
あるいは
と打つのもあります。
その理由は
このようにな進行になったとき、
より隅に近いほうが黒の薄みが無いためです。
ただし
この図になると
次のツケが狙えないという欠点があります。
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ミニミニ中国流(ベトナム流)の実戦例
実践例1
黒:朴廷桓9段 白:江維傑9段 黒中押勝ち
この結果は黒良し。
黒15では17の単オシが定石です。
白18はやや打ちすぎで
21へ割りつぐべきだったでしょう。
実戦例2
黒:朴廷桓9段 白:金志錫9段 黒中押勝ち
穏やかな布石です。形勢互角。
白20はより局面を忙しくして黒の薄みを狙っていこうという手法。
左下黒の打ち方はサバキの常套手段です。
実戦例3
黒:朴廷桓9段 白:李銘4段 黒中押勝ち
以前の記事 でも紹介した定石です。
この後黒は⒗‐⒑のツケが厳しいねらいです。
黒が先手を取って足早なので、白が仕掛けていく展開が多いです。
いかがだったでしょうか?
全6回にわたったミニミニ中国流でしたが
まだまだたくさん変化があり、僕も全てはわかりません。
たくさん実戦を重ねて、自分のミニミニ中国流を見つけてくださいね!
おしまい
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