囲碁ニュース PR

囲碁はスポーツなのか?【元陸上選手VS脳科学者】

記事内に商品プロモーションを含む場合があります
囲碁って体を動かさないから、スポーツとは言えないよね
囲碁は頭をすごく使う競技で、実はスポーツと同じくらいの運動量があるんだよ

みなさんはこのような議論をしたことがありませんか?

囲碁って知らない人からすると、地味だし静かだし何やってるかわからないし、スポーツからかけ離れていると思われがちです。

ところが囲碁の世界大会では、囲碁をスポーツとして取り扱う団体も増えてきており、スポーツと同様のドーピング検査が導入されるほどになりました。

この記事では、囲碁とスポーツの関係について元陸上選手の為末大さんのコメントを引用してご紹介します。

\完全無料!毎日1問詰碁配信/

囲碁はスポーツなのか?

囲碁はスポーツなのか?
結論から言うと、囲碁はマインドスポーツという競技に分類されています。

マインドスポーツとは、「mind(知性の)」+「spotrs(スポーツ)」という意味です。

毎年ワールドマインドスポーツゲームズという世界選手権が開催されており、囲碁はこの中の1つの競技です。
【参考】ワールドマインドスポーツゲームズ (World Mind Sports Games) とは

この大会ではブリッジ、チェス、チェッカー(ドラフツ)、囲碁、シャンチー(中国象棋)の計5競技35種目 + 併催2種目が開催され、毎年多くの注目を集めています。

スポーツの定義とは?

スポーツの定義とは?
みなさんはスポーツとそうでないものについて、何を基準に区別していますか?

「スポーツ」という言葉には以下のような定義がつけられています。

「陸上競技・野球・テニス・水泳・ボートレースなどから登山・狩猟などにいたるまで、遊戯・競争・肉体的鍛錬の要素を含む身体運動の総称。」
出典:広辞苑

囲碁とスポーツについて為末大さんのコメント

囲碁とスポーツの関係について、元陸上選手の為末大さんのコメントを紹介されている記事がありました。

為末さんの定義は「競技」について。「スポーツ」を定義する重要な要素である「個人(または個人の集合体)の肉体の能力向上に資する」という性格が抜けている。これがなければじゃんけんやにらめっこもスポーツになり得る。

「食べるエネルギーの3分の1を消費する脳という肉体機能の向上につながるゲームならそれはスポーツ」と考えるのが語源国である英仏では一般的。「囲碁」は勝敗が明確に決まり、脳の広範囲な鍛錬とその集積を駆使する知的ゲーム。マインドスポーツとしてはもちろん、(脳をフィジカルと考えれば)フィジカルスポーツとも言える。

議論を終えて為末さんはこんな風に総括する。「スポーツの範囲はどこまでか」という思考実験にさまざまなご意見をいただいた。こうした議論の場合、根拠を語源などに求めてしまうことが多いが、それすら取っ払ってスポーツと呼ばれるものの正体はいったい何なのかというところまで降りていけるととても面白いと思う。

このように、答より思考プロセスの楽しさを味わったり学んだりする機会が日本の教育にもう少しあればいいのではないかと。

出典:「囲碁はスポーツだろうか」~囲碁歴半年の元陸上選手為末氏の問い掛けに議論白熱

実は為末大さんは2014年の春に囲碁を始められたそうです。当時は月に1回囲碁教室に通っていたそうで、なかなかの腕前なのでは…と思っております。

脳科学的にみた囲碁の効果

囲碁というと、「ボケ防止」の効果がよく言われますね。

囲碁はボケ防止に効果がある?今からできる認知症対策!」に書いたように、囲碁はボケ防止にかなり効果が期待されます。

囲碁で頭を使うというのは、脳の神経活動が増える、と考えていただけるとわかりやすいかと思います。

神経細胞は活動時に「エネルギー」を消費することがわかっていて、この「エネルギー」は僕たちが運動で消費するものと分子的には全く同じものです。

仮にスポーツの定義が、「その行為によって体の一部で大きなエネルギーを消費すること」だとすると、科学的に囲碁はスポーツであることがはっきり言えます。

「エネルギー」になりうるものは、糖質・脂質・タンパク質がありますが、脳で消費されるのは主に糖質のエネルギーです。

糖質はエネルギー吸収が早いうえに効率が良く、最も良質なエネルギーなので最も重要な脳へ優先的に送られるように私たちの体はプログラムされています。

甘いものを食べると頭の活動がよくなるというのは、このような背景のもとでの言い伝えです。

結局囲碁はスポーツなの?

結局囲碁はスポーツなの?
以上の議論を踏まえて、みなさんはどのように思われましたか?

一部の人の間では「囲碁=スポーツ」という認識が広まっていますが、世間的には「囲碁=芸術文化」の流れが非常に強く感じます。

もちろん、囲碁が芸術文化であることはとても嬉しいことです。実際に僕も囲碁の対局を見ていると、美しい一手に感動することがよくあります。
ただ世界的にはスポーツとしての認識が広まり、「勝ちにこだわる姿勢」を強く持つ中国、韓国が世界戦を独占してしまっているのも現状です。

囲碁はスポーツなのか芸術なのかという議論は今後も続いていくと思います。

僕は日本の囲碁界が大好きだし、中国・韓国・台湾の囲碁界も尊敬しています。

囲碁はマインドスポーツと言われるだけあって、その国の性質を強く反映する部分があるようにも思えます。

礼儀・マナーを重んじる日本の文化を取り入れつつも、結果を求めて情熱的に勝負する中国・韓国の良さも取り入れていけると、さらに良い囲碁界を築き上げることができるのではないかと思っています。

【人気記事絶対に読むべきおすすめ囲碁本・棋書
【人気記事】囲碁フォーカス出演の黒嘉嘉(こくかか)が語る囲碁への想いを完全翻訳

\完全無料!毎日1問詰碁配信/

ABOUT ME
yuki
福岡県出身 東京都在住 ・6歳で囲碁を始める ・14歳:初段 ・現在:野狐囲碁七~八段 ・主な実績 ・CCTV全国大会 ベスト32 ・ゆうちょ杯全国大会出場 ・全国高校選手権 全国大会出場 ・関東世界アマ選手権予選ブロック決勝進出

\完全無料!毎日1問詰碁配信/

COMMENT

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA