今回は、このような疑問に答えます。
囲碁って難しいイメージがあるので、年齢が低すぎると理解できないと思われがちですが、実は囲碁を始める年齢は3歳以上が推奨です。つまり、3歳くらいになれば十分、囲碁を楽しむことができるんです。
この記事では以下の内容を紹介します。
- 囲碁を始めるのに適した年齢がわかる
- 子供に囲碁を楽ませる勉強法がわかる
この記事を書いている僕は、元囲碁インストラクターとして子供囲碁教室を担当していました。
6歳から12歳の子供に囲碁を教え、僕が担当した1年間で1人もやめることなく囲碁を続けてくれました。今でもみんな囲碁を続けてくれているそうです。嬉しいですね。
今回はこの経験をもとに、何歳から囲碁を始めさせたら良いのかや、子供に囲碁を習わせる時の注意点について触れていこうと思います。
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目次
囲碁を始めるなら何歳からがいい?元インストラクターが薦める勉強法!
一般的には3歳からが最低ライン
結論から言うと、囲碁は3歳以上の子供であれば習わせて良いでしょう。実際に僕が教えていた囲碁教室にも3歳のお子さんがいました。
3歳と言うのは一人で座れる、ある程度言葉がわかってくる時期です。上手なインストラクターであれば、一緒に遊ぶ感覚で囲碁を楽しませてくれることでしょう。
でも長時間の囲碁は疲れるし飽きてしまうので、親がそばにいてあげて1時間くらい教室に行って遊ばせるくらいで良いかと思います。この時期は無理せず囲碁に触れさせるだけでものちのち全く違ってきます。
子供囲碁教室に小学生から通うのがおすすめ
子供囲碁教室とは、子供だけを対象に囲碁のレッスンを行う教室です。最近は囲碁を習う子供が減ってきているので、子供囲碁教室を探すのはちょっと大変かもしれません。
もし子供囲碁教室がなければ、一般の囲碁クラブへ入るのもおすすめです。囲碁を打つ子供はどこへ行っても歓迎されるので、静かにできる年齢であれば特に心配する必要はありません。最近はほとんどの囲碁クラブは禁煙になっているので、環境もかなり改善されています。
子供囲碁教室を開いている囲碁クラブはだいたい環境が整っていて、棋力や年齢に応じて教材やレッスンがあります。
小学生から始めれば相当な上達が期待できる
小学生から囲碁を打っていると、かなりの確率で高段者になれます。
と言うのも、囲碁を打つのは大人が多いので、小学生はすごく大切に扱われるんです。強いお客さんが来た時に優先的に教えてもらえたり、先生から優先的に教材をもらったりアドバイスを受けたりします。そうすると自然と環境が整ってくるので、本人がしっかり囲碁を勉強すれば実力は着実に伸びていきます。
都心部を除いて、小学生だとまだまだレベルが低いので、高段者になれば全国大会出場のチャンスは十分にあります。小学4年生くらいから囲碁を始めても、6年生で全国大会へ出場することは十分にあり得る世界です。
囲碁を子供に習わせるメリット
囲碁を知らない両親にとっては、子供に囲碁を習わせるのに不安がある人も多いかもしれません。でも実は、子供に囲碁を習わせると最終的に親がメリットを受けることが多いんです。
囲碁は理性を育てる
「囲碁と将棋の違いを徹底分析!今から始めるならどっち?」でも紹介しましたが、囲碁を打つ子供は理性が育ちやすいようです。
その根拠として、囲碁では「前頭葉」と言う脳の部位が活性化されることが考えられます。前頭葉は長期記憶や理性をつかさどる脳の部位なので、理性的な性格になるのではないかと言う仮説です。実際に、囲碁を打つ人は穏やかな性格の人が圧倒的に多く、この仮説は正しい可能性が高いと思います。
囲碁は正解の見えない広い範囲から答えを探すので、思考力がかなり鍛えられます。囲碁を打つと「脳の容量」が増えるので、東大早稲田慶応を始め授業に囲碁を取り入れる動きも広がりつつあります。囲碁の強豪校は偏差値が高い学校が多く、囲碁と勉強の両立は十分に可能なようですね。
家族で一緒に囲碁を楽しめる
家族で一緒に囲碁を始めると、家族共通の趣味が持てるので家庭での話題も広がります。囲碁は年齢に関係なく平等に遊べるゲームなので、親子で一緒に遊びやすいですよ。意外と大人の方がハマるので、お子さんに負けないように頑張っているお父さんお母さんもたまに見かけます。
囲碁は認知症への予防効果もかなり期待されていて、大人が始めるのにも動機は十分です。囲碁教室で知り合った友達とならたくさん話も弾んでいい時間が持てていると言う声も多く聞きます。
【参考記事】囲碁はボケ防止に効果がある?今からできる認知症対策!
囲碁を子供に習わせるデメリット
子供に囲碁を習わせると、年齢層の広い友達ができるだけではなく、親と一緒に始めれば家族で共通の趣味が持てるメリットがあることは先ほど紹介した通りです
しかし囲碁にはちょっと気をつけるべき注意点があります。
時間を忘れて囲碁に没頭しがち
「子供に囲碁を習わせるデメリットは?孔子・孟子の大激論!」の記事で紹介しましたが、古代中国の孔子や孟子が囲碁に毒舌コメントを残しています。
囲碁を打つことは時間の浪費で、大切なことを見失いがちがと言う意見です。今でも子供に囲碁を習わせるかで賛否両論あるようですが、約3000年前にも同様の議論があったと言うのは面白いですね。
確かに囲碁を打つのには時間がかかるし、一度囲碁に手をつけると6時間くらいぶっ通しでやってしまいます。それを集中力があっていいねと思うか、他のことが手につかなくなると思うのかはお子さんとご両親の判断です。
学外活動がメインになる可能性も
基本的に囲碁部のある学校は少なく、さらに大会に出場できる囲碁部というのもかなり限られています。
囲碁を打つ子供は少ないので、学校でも十分なメンバーが集まらずに出場を断念するのは珍しいことではありません。ちなみに僕は中学校の頃、2人高段者がいたのにあと一人がどうしても見つからず、たまたま囲碁に興味を持った野球部の子に声をかけて初心者ながら全国大会へ連れて行ったという経験があります。
先ほど囲碁を打つ子供は少ないので全国大会は十分に狙えるというお話をしましたが、団体戦ならメンバー次第では級位者でも全国に行けたりするので、本当に穴場の世界です。囲碁を知らない人からすると「囲碁の全国大会」っていうだけでかなりインパクトがあるのでそんな内部事情関係ありません。
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囲碁のプロになれるのは何歳から?
囲碁のプロは何歳からでもなれる
「囲碁のプロ棋士になるには?プロ試験の年齢・制度を解説!」に詳しく書いていますが、囲碁のプロは「23歳未満の男女」であればOKです。年齢の下限はありませんので、0歳でもOKです。
最近だと仲村菫さんの10歳0ヶ月での入段が話題になっていますね。実は他にも11歳や12歳でプロになった棋士は数名いて、そんな年齢の棋士でも他の棋士と互角に勝負しています。
プロ棋士を目指すなら何歳から囲碁を始めるべき?
プロを目指すのであれば囲碁を始めるのは早ければ早いほど有利です。仲村菫さんを採用した「英才特別採用推薦棋士」と言う制度も、より早い時期から訓練することで世界を狙える棋士になると言う理由のもと設立されています。
ちなみにプロ試験の一般枠で採用されるためにはアマチュアの全国大会で優勝するくらいの実力が必要で、プロ試験を受けれる年齢でこれに到達するのは至難の技です。
芝野虎丸さんや一力遼さん、藤沢里菜さんなど数々の有名トッププロを輩出している「洪道場」では、小学1年生の子供から20歳前後の人までが週5日、平日3時間、休日10時間以上道場で囲碁の勉強に取り組んでいます。中には高校進学を捨ててまで道場で囲碁の勉強に打ち込む道場生もいて、プロになるには彼らを打ち負かす必要があるのです。
囲碁のプロになるのはごく一部ですが、囲碁の世界で生きていくのはプロ以外の道がたくさんあります。囲碁インストラクターとしてたくさんの生徒さんを育てる人もいれば、ライターとして囲碁のことをたくさん発信している人もいます。
お子さんが囲碁のプロになりたいと言い始めた時は、まず大会へ出場して実績を残すところから始めてみるといいでしょう。具体的には全国優勝するか、小学3年生以下で全国大会ベスト8以上に残ればプロを目指しても後悔しないかもしれません。
ずっと続けた囲碁をやめる人が多いのは何歳から
一番多いのは高校受験の年齢
囲碁をずっと続けてきた子供が囲碁をやめるタイミングが、高校受験です。
高校受験というのは一つの大きな壁で、高校に入ると新しい生活が始めるので囲碁からも離れてしまう子供が多いです。
さらに高校の大会は中学までの大会とは桁違いにレベルが高いです。その理由はプロを目指す訓練生である「院生」を中学でやめる生徒が多く、高校入学で一般アマチュアとして大会に参加してくるためです。
中学生にとって高校受験は人生で始めて出会う試練になる人も多いですが、囲碁をやっていればそのような緊張感はなんども経験するはずなのできっと有利に働くことは間違いありません。最初に紹介したように、囲碁を打つと学校の成績が向上しやすいことも今注目を集めています。不思議と偏差値の高い学校で囲碁の強い学校はめちゃくちゃ多いので、何か関係があるのかもしれませんね。
有名校への進学を希望する場合は、高校受験までを目処に趣味として囲碁を楽しむことも考えてみてはいかがでしょうか?
大学生になってから囲碁を再開する人も多い
このようにして一度は囲碁をやめた人でも、大学生になってから囲碁を再開するパターンは一定数います。
大学生になると時間的余裕もできるし、勧誘を受けて久々にやってみようかなと思うみたいです。さらに大学の囲碁部は初心者も多く、囲碁がさほど強くなくても十分に楽しめる環境があるのでみんな楽しくサークルに来ています。
もし子供が中学生で囲碁をやめてしまっても、将来再開する可能性を考えてあたたかい目で見守ってあげましょう。
子供に囲碁を楽しませる勉強法
親も一緒に囲碁を始める
子供が囲碁を楽しく続けてくれる方法として、親と一緒に囲碁を始めるのがかなり有力な方法です。
子供が親と同じ視点で勝負したり意見したりできる機会は意外と少なく、囲碁はそのような機会を設けてくれる貴重な存在です。囲碁教室に子供がいなかったとしても親に勝つことを目標にできるし、家庭でも囲碁の話題で会話を盛り上げることができます。
最初の頃は親の方が強くて子供を負けさせてしまうのですが、ちょっとだけ手加減して負けてあげることも必要です。親子で対局するときも子供の意見をしっかり聞き入れて尊重してあげることが大切で、そうすれば教育的にも良い効果があるとされています。
生徒が多い子供教室に通わせる
それでもやはり、子供にとって1番のライバルになるのは同世代の子供です。
近くに子供囲碁教室がある場合は積極的に子供を通わせてみましょう。囲碁は勝負事なので毎回笑顔で帰ってくることはないでしょうが、勝ち負けを繰り返すライバルと競い合うことで囲碁へのモチベーションが限りなく上がります。さらに狭い囲碁界では、囲碁を通して繋がった友達は将来ずっと顔をあわせることになる大切な友達です。
友達がいれば囲碁に関係なくとも囲碁教室へ足を運んだりするので、自然と囲碁のある生活を送ることができます。
囲碁教室はだいたい月謝5000円くらいが相場です。
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囲碁を始めるなら何歳からがいい?元インストラクターが薦める勉強法のまとめ
ここまで囲碁を子供に習わせるなら何歳から始めたらいいのかについて紹介しましたが、ちょっと長くなりすぎてしまったのでまとめます。
- 3歳以上推奨
- 小学生から始めれば全国大会も現実的
- プロを目指すなら年少時代から専門的なトレーニングが必須
- 囲碁は学校の成績アップに効果的
- 意外と親の方がハマるケースもある
子供に囲碁を習わせてみたいと思ったら、まずは自分が子供の最初の相手をしてあげることが効果的なので、ぜひご両親も一緒に囲碁に触れてみてくださいね。
もし囲碁を始めてみようと思ったら、「ゆかり先生の頭がよくなる囲碁入門」が良いルールブックなのでぜひ読んでみてくださいね。
碁盤は、初心者のうちは9路盤セットがちょうどいいです。
以上、「囲碁を始めるなら何歳からがいい?元インストラクターが薦める勉強法!」でした!
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