碁会所などの対局ではよく置き石が登場しますね。
置き石は、強い人と弱い人が対等な条件で戦えるようにするハンデのことです。
この記事では、置き石の意味や、置き石をうまく活用した黒番のコツ、そして置き石に対する白番のコツも紹介します!
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目次
置き石とは?
置き石とは、棋力差を埋めるためのハンデです。
基本的に棋力が1つ違うごとに1つの置き石をもらえます。
棋力差は単純に引き算するだけです。
例えば、15級と10級なら
15 – 10 = 5
なので棋力差は5です。
棋力差 | 置き石の数 |
---|---|
1 | 定先(次の項目で解説します) |
2 | 2個 |
3 | 3個 |
4 | 4個 |
5 | 5個 |
6 | 6個 |
7 | 7個 |
8 | 8個 |
9 | 9個 |
10以上 | 星目風鈴など(下の項目で解説します) |
置き石の基本形と並べ方のマナー
置き石は、置く石の数によって場所が決められています。
実は並べる順番にもマナーがあります。マナーは絶対守らなきゃいけないわけじゃないけど、マナー通りの並べ方をすると「この人は囲碁を知っている人だな」って思われます。
置き石2つの場合(2子局)
置き石3つの場合(3子局)
置き石4つの場合(4子局)
置き石5つの場合(5子局)
置き石6つの場合(6子局)
置き石7つの場合(7子局)
置き石8つの場合(8子局)
置き石9つの場合(9子局)
星目風鈴の場合
置き石の特殊な形
置き石で特殊な形となるのは、「定先」と「星目風鈴」です。
定先(コミなし)とは?
定先とは、黒番のコミをなくしたハンデです。
置き碁ではなく、「コミなし碁」と表現した方がわかりやすいかもしれないですね。
コミがない以外はハンディなしの対局と同じ条件なので、かなり互先(ハンディなし)に近い条件と言えます。
定先には特殊ルールを設定することもできて、
- 定先黒3目半コミ出し
- 定先逆コミ6目半
のように、盤面に置き石をおかずにハンデを設定することが可能です。
【参考記事】囲碁ルールのコミとは?9路盤でも6目半は適正?
星目風鈴とは?
星目風鈴とは、棋力差が10以上ある場合に用いられる置き石の形です。
星目風鈴は9子局に三々を付け加えた形ですが、これだけでかなりのハンデが加わります。三々1つで棋力3つ分と考えても良いくらいです。
ちなみに星目風鈴は公式ではなく、公式戦では棋力が10以上離れていても9子局での対局となります。
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置き石を利用した黒番の打ち方のコツ
置き石があるのになかなか上手に勝てない!
という級位者の方は多いと思います。級位者じゃなくても、置き石をうまく活用した打ち方って難しいですよね。
みなさんの周りには「置き碁が得意」、「置かせ碁が得意」という人はいませんか?
実は置き碁には戦術のコツがあって、互先とは全く違う打ち方が求められるのです。
置き石なし(定先)の黒番の打ち方のコツ
定先の場合、序盤の形作りが非常に大事です。
定先のハンデはたった6目で、戦いが起こると6目なんてあってないようなものですよね。
定先の場合は、序盤で地の取り合いに持っていき、ヨセ勝負の形にすると勝率が上がります。
置き石2〜3個の黒番の打ち方のコツ
実は難しいのが、置き石2〜3個の場合です。置き石2〜3個くらいの棋力差では、実は互先でもワンパン入る可能性があります。
そのくらいの棋力差では、あなたの方が相手より上回っている部分があるはず。よく知った相手なら、得意分野での勝負に持ち込んでみると良いでしょう。(読みが得意なら戦いに、ヨセが得意なら長期戦に)
ちなみに2子のハンデは15目ほど、3子は25目ほどです。
これくらいのハンデでも、少し緩んだだけで一気に逆転されてしまうので、なるべく緩まずに打つ必要があります。
置き石4〜6個の黒番の打ち方のコツ
置き石が4つ以上になると、全ての隅を黒が制覇しています。
この条件を生かして、置き石が4〜6の場合は隅の地を確保しつつ、白に大きな模様を作らせないように意識します。
6子の場合、上手は辺の石を攻めながら主導権を握ろうとしてくるため、無理に逃げ出さず適度に捨てる発想を持つと打ちやすいです。
置き石7個以上の黒番の打ち方のコツ
置き石が7子を超えると、白はかなり大変です。
というのも、置き石4〜6の場合は辺や中央が狙えるのに、7子以上ではどこに打っても黒が待ち受けています。
したがって黒は、すでに置かれている置き石同士を繋げるように意識すると打ちやすくなります。
これだけの置き石があると、黒石が全部つながれば白地は大して出来ません。
もし余裕があるなら、黒が繋がって白が繋がらない場所を見つけて打っていくと良いですね。
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置き石を利用した白番の打ち方のコツ
置かせ碁では、ちょっと焦った打ち方をしてしまうことがありますよね。
もちろん置き碁で最初は白が絶望的に見えますが、その後を打てばなんとかなったりします。
だからなるべく焦らず、黒石を切断していくように考えておきましょう。
そして、味の悪い形を残したり、ちょっと難しくて読みきれない場所に戦いを仕掛けたりしていくと、黒が1手パスの手を打ったり、隙を見せて目がなくなったりします。
特に序盤で戦いを仕掛けると置き石の効果を発揮されて白が不利なので、少し盤面が進んでから有利な場所で戦いを仕掛けるのがおすすめです。
置き碁でも勉強になる?
結論から言うと、置き碁でも勉強になります。
ちょっとだけ僕の先生から聞いた話をします。
ある生徒さんはとても強かったのですが、自分よりも強い人としか打ちたがらない性格でした。
自分より強い人と打つと勉強になると思う反面、やや萎縮して手が伸びないことが多く、互先でもその影響が出て負けることが多かったそうです。
それを見た先生は無理に置かせ碁を打たせるようにすると、下手の隙を探すようになり、攻めの手が増えました。
その生徒さんは置かせ碁を打つようになってから一つ壁を打ち破り、全国優勝するまでに成長しました。
このように、置き碁でも置かせ碁でも、互先では得られない刺激を受けることができます。
置き石を置いて上手と打つことで、新しい手を勉強したり、全局を生かした打ち方を練習できたりします。
置き石を置かせて下手と打っても、相手の隙を突く練習になったり、逆転の手段を考えるトレーニングにもなります。
何れにせよ、置き碁は置き碁で立派な囲碁のトレーニングです。
ぜひ「置き碁だから…」と思わずに新しい勉強と思っていろんな手を試してみてくださいね!
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