今回は囲碁の整地について説明します。
この記事では以下のことがわかります。
- 囲碁の整地のやり方がわかる
- 整地でズルをしている時の見破り方・対処法がわかる
- 整地ができなくても大丈夫な理由がわかる
この記事では図解としていくつかの画像を使って説明していますが、実際に碁盤に並べながら一緒に考えるとさらに理解が深まります。
もしまだ囲碁のルールに不安があるという方は、「囲碁ルールの「難しい」を「簡単」に!【未経験・子供でも大丈夫】」を先に読んでくださいね。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
目次
囲碁ルールの整地を簡単図解!
ではまず、囲碁の整地のやり方を説明します。
テーマ図はこちらです。
この局面でも囲碁の対局は終わっているのですが、次のような問題点が残されています。
- 石がごちゃごちゃしていて地(交点の数)が数えにくい
- つまりどっちが勝っているのかわかりにくい
ということで、これからやる整地とは、パッと見でどっちの勝ちかわかるようにするための整理です。
整地するときは黒地と白地の数が変わらない範囲で石を動かして良いです。
実際に見た方が早いので、早速整地をしてみましょう。
▼テーマ図▼
この状態だと地の数が数えにくいので、まずは左上の黒地を整理します。
この黒石は動かしても黒地の総数が変わらないのですよね。
なので、動かしてOKです。
すると左上の黒地はこんな形になります。
こう見ると、左上の黒地はすごく数えやすいですよね。
四角形なので、交差点の数は5×3=15って数えることができます。
こんな感じで、ごちゃごちゃした局面を数えやすくするのが整地の役割です。
でもほとんどの人は整地した方が早く数えれるようになるので、整地のやり方をマスターしておきましょう。
続いて他の場所も整地してみましょう。
さっきの続きがこちら
次は上下の白地を数えましょう。
どこを動かせば簡単に数えれると思いますか?
僕ならこうします▼
白地の総数は変わらないので、場所を移動させてもOKです。
このようにして、白地も簡単に整地することができました!
では最後に、左下の黒地ですね。
▼この状態からスタート▼
このまま黒地を数えてもいいんですけど、せっかくだから四角形にしてあげましょう。
この黒石は境界線っぽいけど、動かしても黒地の数は変わらないので動かしてOKです。
このようにして、盤面全体の地の計算が終わりました!
では、地を数えてみましょう。
黒地
右上・・・5X3=15
左下・・・6
合計=15+6=21
白地
左上・・・5
右下・・・2X5=10
合計=5+10=15
最後にコミを合わせて
白地は15+6.5=21.5
なのでこの対局は、白の半目勝ちです。
【参考】囲碁ルールのコミとは?
整地をすることで盤面をパッとみてどっちが勝っているのかすぐに数えることができるので、数え間違いの可能性も格段に減りますね。
整地の作り方は人それぞれで、その人の個性が表れます(笑)
自分ならこう作るのに〜とか考えると面白いですね
慣れないうちはちょっと時間がかかる作業だけど、慣れるとすっごく便利なので、ぜひ練習してみてくださいね!
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
囲碁の整地でズルを見破る方法
囲碁の対局では、「相手の地を整地する」のが普通です。
だから自分が黒番だったら、白地を数えます。
こうやって相手の地を数えるのですが、本当にたまーーに地の計算を誤魔化そうとする人がいます。
(出会う確率は1%くらいだと思うけど)
まずは整地でズルをする方法を知っておきましょう。
- 境界線を動かして地の数を変える
- 隠し持った石で相手の地を埋めて減らす
- 自分側の石をこっそり取って地を増やす
2つ目と3つ目に関しては明らかにズルだとわかりますよね。相手の手がポケットを探ったり不審な行為をしていたら要注意です。
1つ目の「境界線を動かして地の数を変える」に関してはちょっとわかりにくいので、やり方を紹介します。
整地のズル①境界線を動かして地の数を変える
では、さっきの局面を使ってズルをする方法を紹介します。
▼テーマ図▼
さっき途中まで整地したこの図を使います。
まずは、自分の地を増やすために、右側の黒3個を取ってしまいましょう。
(この行為だけではOK。手に持った黒石を左の黒地に戻せば黒地の総数は変わらない)
▼黒3個を取り除いた局面
次に、黒石を白石に交換します。
(この行為もOK。交換した白石で黒地を埋めれば黒地の総数は変わらない)
最後に、交換した白石で白地を埋めます。
この結果作られた盤面がこのようになります。
▼最初のテーマ図はこれ▼
この2つの図を比べると、黒地が3目増えて白地が3目減っていますよね。
これは明らかに反則です。
整地で反則されても同意しちゃうと勝敗が確定する
Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説より引用
日本棋院の規約によると、一度勝敗が決定されたら、いかなる理由があってもその勝敗を覆すことはできないとされています。
だからズルされて勝敗が決定しても、後から文句を言うことはできないんです。
後で見てた人が教えてくれたけど、その時はもうどうしようもなく・・・
気づかなかった自分にもがっかりして、すっごく悔しかった思い出です。
ただし勝敗決定の前にチャレンジをすることはできます。
Ⅱ日本囲碁規約(ルール)逐条解説より引用
対局者は整地計算納得できない時、棋譜を並べ直したり審判員の監督のもと勝敗を検証してもらう権利がある。
アマチュアの大会で棋譜の並べ直しはなかなかできないことですが、境界線がずれていることを相手に認めさせれば可能性があります。
序盤だけでも並べ直して、「この位置がおかしい」と主張するだけでも可能性は高まります。(この時は必ず、別の碁盤を使って整地済みの碁盤はそのままにしておくこと)
整地でズルする人ってかなり稀です。だから1回でもズルすると、囲碁友達の中で噂が流れてきます。
もし噂のある人に当たったら、整地の時はゆっくり、相手の行動をじっくり観察することが大事です。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
整地がわからなくても大丈夫な理由
ここまで整地のやり方、ズルのやり方を紹介しましたが、実は整地ができなくても大会に出れるんです。
もしあなたが整地に自信がない時、審判員を呼んで一緒に整地してもらうことができます。
数年前の全国大会でも、アマチュア6段だけど碁盤で打つのが初めてと言う人が、審判と一緒に整地をしているところを見かけました。
99%の人はズルをしないので対局相手と一緒に整地するのも、親睦を深めるいいきっかけになるかもしれませんね。
このように、整地はできてもできなくても囲碁の対局には関係しない部分です。
ちなみにネット碁では勝敗決定をコンピューターでやるので、整地は必要ありません。最近はネット碁で鍛える人が多いので、さっきの全国大会のようなケースがたまに起こるそうです。
もし実際に碁盤で練習してみたいと言う人は、9路盤セットを使ってこの記事の盤面を並べてみましょう!
以上、「囲碁ルールの整地を簡単図解!【わからないズルを見破る方法】」でした!
【人気記事絶対に読むべきおすすめ囲碁本・棋書
【人気記事】囲碁フォーカス出演の黒嘉嘉(こくかか)が語る囲碁への想いを完全翻訳
\完全無料!毎日1問詰碁配信/