Googleコアアップデートで順位が下がった時の対策と手順

コアアップデート後の順位変動を分析する担当者

「コアアップデートの後、検索流入が3割減った」「何が悪かったのか分からないまま、とにかくリライトを始めるべきか迷っている」——Googleコアアップデートによる下落は、原因が名指しされないぶん、担当者を最も混乱させるSEOの出来事です。

最初に押さえてほしいのは、コアアップデートが「あなたのサイトへのペナルティ」ではなく「評価基準そのものの見直し」だということです。この違いが分かると、やるべきことと、やってはいけないことが整理できます。

私は東証上場企業を含む多くのサイトで、アップデート前後の分析と立て直しを支援してきました。この記事では、被弾直後の初動、原因の切り分け手順、回復に向けた実務、そして変動に強いサイトの条件までを解説します。

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目次

先に結論:慌てて動くほど回復は遠のく

まず最初に、結論からお伝えします。

1つ目。展開中の大規模な修正は禁物です。コアアップデートの展開には通常2週間前後かかり、その間は順位が揺れ続けます。確定していない変動に対策を打つと、原因分析が永久にできなくなります。

2つ目。回復の主戦場は「個別記事の手直し」ではなく「サイト全体の品質」です。コアアップデートはサイト全体の評価軸の見直しであり、下がった記事だけを直しても戻らないことが多いのはこのためです。

3つ目。最大の対策は普段の運用です。変動のたびに一喜一憂するサイトと、ほぼ無風のサイトの差は、アップデート後の対応ではなく、日々の品質運用で生まれています。この記事の後半で、その条件を実例つきで示します。

コアアップデートとは:ペナルティとの決定的な違い

検索アルゴリズムの評価基準が見直されるイメージ

コアアップデートとは、Googleが年に数回実施する、検索アルゴリズムの中核部分の大規模な見直しです。Googleのコアアップデートに関する公式ドキュメントが明言しているとおり、これは特定のサイトを罰するものではなく、「ユーザーにとって役立つ結果を見極める精度」を上げるための更新です。

コアアップデートによる下落 手動対策(ペナルティ)
通知 来ない(自分で気づくしかない) Search Consoleに通知が届く
原因 評価基準の変化。違反ではない ガイドライン違反の指摘
対応 サイト全体の品質向上 違反の修正と再審査リクエスト
回復時期 多くは次回以降のアップデート時 再審査の承認後

この表で最も重要なのは回復時期の行です。コアアップデートで大きく下がった評価は、改善を重ねても、多くの場合、次のコアアップデートのタイミングでまとめて見直されます。つまり回復は数ヶ月単位の取り組みであり、「今週リライトして来週戻す」類のものではありません。この時間感覚を社内で共有することが、無駄打ちと焦りを防ぐ第一歩です。

なお、Googleの大きな更新にはコアアップデート以外の種類もあり、対応が異なります。混同しないよう整理しておきます。

更新の種類 見直されるもの 下落した場合の対応
コアアップデート 検索全体の品質評価の中核 サイト全体の品質向上(本記事の内容)
スパムアップデート ガイドライン違反の検出精度 違反施策(不正リンク・自動生成の乱用等)の除去
ヘルプフルコンテンツ評価 「ユーザー第一」かどうかの評価(現在はコアに統合) 検索エンジン向けに量産したページの整理

2024年以降、ヘルプフルコンテンツの評価はコアアップデートに統合されました。つまり現在のコアアップデートは、「ユーザーの役に立つために作られたか」という問いを、以前より強くサイト全体に向けています。

被弾直後の初動:最初の2週間にやること・やらないこと

下落に気づいたら、次の順で動きます。

1

下落がアップデート起因かを確認する

Google Search Statusダッシュボードでアップデートの実施時期を確認し、Search Consoleの表示回数・クリック数の下落開始日と照合します。時期が一致しなければ、原因は別(技術問題・季節性・競合)です。

2

影響の範囲と偏りを記録する

サイト全体か、特定のテーマ・記事群か。順位で言えば1位→3位程度の後退か、圏外への転落か。この「下落の形」が後の切り分けの材料になります。スクリーンショットと数値をスプレッドシートに残しておくと、展開完了後の分析が正確になります。

3

競合と検索結果の変化を観察する

主要キーワードの検索結果で、誰が上がって誰が下がったかを記録します。上がったサイトの共通点が、新しい評価基準のヒントです。

4

展開完了までは大規模な変更を凍結する

展開中の順位は暫定値です。記録と観察に徹し、リライト・削除・構造変更は展開完了の公式アナウンス後に判断します。

逆に、この期間にやってはいけないことも明確です。

  • 順位が確定する前の大量リライト・記事削除
  • 「下がったから」という理由だけのタイトル・構成の総入れ替え
  • 被リンク購入など、焦りにつけ込む営業への飛びつき
  • 日付だけ更新して新しい記事に見せかける小細工
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原因の切り分けと回復の実務

下落原因を切り分けるための計画とメモ

展開が完了したら、下落の形から原因を切り分けます。

下落の形 疑うべき原因 回復の方向性
サイト全体が一様に下落 サイト全体の品質・信頼性の評価低下 E-E-A-Tの証拠整備・低品質ページの統合整理
特定テーマの記事群だけ下落 そのテーマでの専門性・網羅の不足 テーマの深掘りと関連記事の拡充・統合
検討・購入系クエリだけ下落 検索意図と記事の形のズレ 検索結果の新しい顔ぶれに合わせた意図の再分析
古い記事群だけ下落 情報の鮮度・正確性の劣化 実質的な情報更新と、更新できない記事の整理

回復の実務で最も効果が大きいのは、地味ですが「低品質ページの整理」です。どのサイトにも、誰にも読まれず、薄く、重複した記事が溜まっています。これらはサイト全体の品質評価の分母を下げる荷物です。統合・リダイレクト・削除で身軽にする作業は、Googleの有用で信頼性の高いコンテンツに関するガイダンスが示す「ユーザー第一のサイト」への最短の近道になります。整理の考え方はメディアサイトの記事統合運用、意図の再分析は検索意図の調べ方を参照してください。

品質を削る要素の除去も効きます。当社が改善を請け負ったサイトでは、1記事に問い合わせボタンやバナーが12個も挿入されていた実例がありました。過剰な広告・CTAは、ヘルプフルコンテンツの評価軸では明確なマイナス材料です。この案件では3個に整理しました。「足す改善」の前に「引く改善」——下落からの回復では、この順番が特に重要です。

また、医療・金融・法律など、お金や健康に関わる領域(YMYL)のサイトは、コアアップデートの影響を特に受けやすいことが知られています。この領域では、専門家の執筆・監修体制と根拠の明示が回復の前提条件になります。体制なしに記事の手直しを重ねても、評価の土台が変わらないためです。該当する場合は、コンテンツ改善より先に体制づくりを検討してください。

変動に強いサイトの条件:実例から

私が支援してきた中で、コアアップデートのたびに強くなっていくサイトには共通点があります。実例を紹介します(守秘義務のため社名・絶対数値は伏せます)。

東証上場企業のDB型サイト(ライフエンディング業界)では、派手なコンテンツ施策ではなく、①サイト構造と内部リンクの技術的健全性、②テーマを絞った専門特化、③検索意図とページの一致率、という基本の徹底を開発チームと共同で続けました。その結果、モニタリング対象カテゴリの1位獲得数が9倍に。注目してほしいのは、この間に何度もコアアップデートが実施されているのに、伸び続けたことです。

アルゴリズム変動に強いサイトづくりを進める様子

もう1つ、観察からの学びを共有します。アップデートのたびに検索結果で入れ替わる顔ぶれを見ていると、「どこかで見たような記事の寄せ集めサイト」が沈み、「その分野を本業にしている事業者のサイト」が浮上する傾向が回を追うごとに強まっています。評価基準の細部は毎回変わっても、向かう方向は一貫して「本物の専門性」です。だからこそ、アップデートの予想に時間を使うより、自社にしか書けない中身を増やすほうが、確実な投資になります。

アルゴリズムの変動に強いとは、「変動を予測して当てる」ことではありません。Googleがどの方向に精度を上げても、評価される側に居続けることです。ユーザーの課題に深く答え、専門性の証拠があり、技術的に健全——この状態を保つサイトにとって、コアアップデートはむしろ競合をふるい落としてくれる追い風になります。実際、先の上場企業の案件でも、アップデート直後に伸びが加速する場面が何度もありました。土台づくりはE-E-A-Tの高め方SEOの内部対策で解説しています。

下落してから3ヶ月、改善を続けていますが順位が戻りません。方向性が間違っているのでしょうか……。

3ヶ月で結論を出すのは早すぎます。コアアップデート起因の下落は、次のアップデートで評価が見直されるまで、改善の成果が順位に反映されにくい構造だからです。方向性の確認は、順位ではなく先行指標で行ってください。具体的には、①新規記事や更新記事のインデックス速度、②クリック率の変化、③検索結果での競合との顔ぶれ比較の3つです。これらが良化していれば、順位が動く前でも方向は合っています。数字の追い方はKPI設定の記事も参考にどうぞ。

今泉の視点:アップデート被弾の相談で、私が最初に見るのは下落のグラフではなく「直近1年で何をしてきたか」の作業ログです。品質より量を優先した時期、外注記事をチェックなしで公開した時期——下落の種は、たいていアップデートの何ヶ月も前に蒔かれています。グラフが答えを教えてくれることは少なく、作業ログが教えてくれることは多い。逆に言えば、種を蒔かない運用を続けるサイトにとって、コアアップデートは怖いイベントではなく、ただの定期試験です。

よくあるご質問

コアアップデートで順位が下がったら、まず何をすべきですか?

最初の2週間は、大規模な修正をせず記録と観察に徹してください。具体的には、下落がアップデート起因かの確認、影響範囲の記録、検索結果で上がったサイトの観察の3つです。展開中の順位は暫定値のため、慌てたリライトは原因分析を壊します。

下がった記事をリライトすれば回復しますか?

個別記事のリライトだけでは戻らないことが多いです。コアアップデートはサイト全体の評価軸の見直しであるためです。低品質ページの統合・整理、E-E-A-Tの証拠整備、テーマの専門特化など、サイト単位の品質改善を軸に据えることをおすすめします。

回復までどのくらいかかりますか?

多くの場合、改善の成果は次回以降のコアアップデートのタイミングでまとめて見直されるため、数ヶ月単位の取り組みになります。その間は順位ではなく、インデックス速度・クリック率・競合との顔ぶれ比較などの先行指標で方向性を確認してください。

コアアップデートに事前に備える方法はありますか?

普段の運用が最大の備えです。ユーザーの課題に深く答える記事づくり、低品質・重複ページの定期整理、著者情報や出典などE-E-A-Tの証拠整備、過剰な広告・CTAの抑制を続けているサイトは、変動の影響を受けにくく、むしろ競合の下落で相対的に浮上します。

まとめ:定期試験に強いサイトをつくる

  • コアアップデートはペナルティではなく評価基準の見直し
  • 展開中の2週間は凍結。記録と観察に徹する
  • 回復の主戦場は個別記事ではなくサイト全体の品質
  • 「足す」前に「引く」。低品質ページの整理と過剰要素の除去が先
  • 基本を徹底したサイトは変動の中でも伸びる(1位獲得数9倍の実例)

次の一歩は、Search Consoleを開いて、下落の開始日とアップデートの実施時期を照合することです。原因の切り分けができれば、やるべきことは絞られます。時期が一致しないなら技術問題や競合動向など別の原因を、時期が一致するならこの記事の切り分けフローを使ってください。下落の分析・回復計画の設計・品質整理の実務はSEO診断・メディア支援で承っています。サイト構造から見直す場合はサイトリニューアルのSEOもあわせてどうぞ。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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