SEOキーワード選定のやり方|勝てる選び方と手順・ツール

キーワード候補を付箋で書き出して整理する様子

「どのキーワードで記事を書けばいいのか分からない」「ツールでボリュームは調べたが、そこからの選び方が分からない」——キーワード選定は、SEOの成果の大半を左右する工程でありながら、「調べ方」の情報ばかりで「選び方の判断基準」がほとんど語られていません。

私は月間4,500万セッション級のメディアから、ゼロからの立ち上げまでキーワード設計を担当してきました。支援先には、キーワード設計から始めて立ち上げ1年で月間セッション1万超・毎月安定したリード獲得まで育ったメディアもあります。

この記事では、手順の5ステップに加えて、「勝てるキーワード」を見分ける3条件、優先順位のつけ方、無料ツールの使い分けまでを解説します。検索する人の意図の読み方は検索意図の調べ方とセットでどうぞ。

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目次

先に結論:ボリュームではなく「成果への近さ」で選ぶ

まず最初に、結論からお伝えします。

1つ目。キーワード選定とは「どの検索に、自社が答える価値があるか」を決める作業です。ツールの操作方法ではなく、この判断こそが本体です。

2つ目。検索ボリュームの大きさで選ばないこと。大きいキーワードは競合も強く、流入しても成果から遠いことが多い。見るべきは「成果への近さ×勝てる見込み」です。

3つ目。最良のキーワード源はツールではなく、顧客の質問です。営業やサポートに実際に届いた質問は、検索需要と自社の強みが最初から一致している「外れないキーワード」です。

キーワード選定とは:記事を書く前の「出店計画」

キーワード選定とは、ユーザーが検索窓に打ち込む言葉の中から、自社が記事で答えるべきものを選ぶ作業です。実店舗にたとえるなら「どの街のどの通りに出店するか」の決定にあたります。どれだけ良い店(記事)を作っても、人の通らない場所や、大手百貨店の隣では商売になりません。

選定を誤ったときの損失は、想像より大きくなります。記事制作には1本あたり数時間〜数万円のコストがかかり、順位がつくまで3〜6ヶ月待つことになります。つまりキーワード選定のミスは、数ヶ月後にしか発覚しない投資ミスです。だからこそ、書く前のこの工程に時間をかける価値があります。

キーワードは、検索回数の規模で3つに分けて考えると整理しやすくなります。

区分 特徴
ビッグキーワード(月1万回〜) 「SEO」「経費精算」 流入は大きいが競合最強・成果から遠い
ミドルキーワード(月1,000回前後) 「経費精算 システム 比較」 需要と検討度のバランスがよい主戦場
ロングテール(月10〜100回) 「経費精算 少人数 エクセル 限界」 1本ごとは小さいが、束になると強く成果に近い

後発のメディアの基本戦略は、ロングテールとミドルで実績と評価を積み、その束でビッグキーワードに挑む順番です。立ち上げ期の設計はオウンドメディアの立ち上げ方も参考にしてください。

なお、キーワードは1記事に1つの「主役」を決めるのが原則です。1本の記事で複数の主役を狙うと、どの検索にも中途半端な記事になります。逆に、言い方が違うだけで意図が同じ言葉(「SEO 外注」と「SEO 代行」など)は、1本の記事でまとめて受けます。この判断の根拠になるのが検索意図で、詳しくは検索意図の4分類で解説しています。

キーワード選定の手順5ステップ

キーワード選定の手順をノートにまとめる作業
1

軸キーワードを決める

自社の事業を表す中心的な言葉を2〜3個決めます(例: 経理システムの会社なら「経理 効率化」「経費精算」)。ここは検索データではなく事業戦略から決める工程です。

2

候補を100個集める

軸キーワードの掛け合わせ・サジェスト(検索窓の予測表示)・顧客から実際に受けた質問の3つの源から、候補を機械的に集めます。この段階では選別しません。

3

検索意図でグループ化する

集めた候補を「同じ答えを求めている言葉」ごとにまとめます。グループの数が、必要な記事の本数です。分類のやり方は検索意図の調べ方を参照してください。

4

ボリュームと競合を確認する

各グループの月間検索回数と、実際に検索したときの上位10サイトを確認します。誰が勝っているかを自分の目で見ることが、ツールの数字より重要です。

5

優先順位マトリクスで着手順を決める

「成果への近さ×勝てる見込み」で4象限に分け、右上(成果に近く勝てる)から着手します。次のセクションで判断基準を説明します。

技術的な基本を押さえたい場合はGoogleのSEOスターターガイドが公式の教科書です。手順自体は誰がやっても同じ形になりますが、成果の差が出るのはステップ5の判断です。

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「勝てるキーワード」の3条件と優先順位のつけ方

優先順位マトリクスでキーワードを判断する分析作業

キーワードの筋の良さは、次の3条件の重なりで判断します。

条件 確認する問い 確認方法
需要がある その言葉で毎月検索されているか キーワードプランナー等のボリューム確認
自社の強みと重なる その質問に、自社は競合より深く答えられるか 実績・事例・専門知識の棚卸し
競合に隙がある 上位10サイトに、勝てそうな隙があるか 実際に検索して上位の顔ぶれを見る

ここでの最大の罠が、検索ボリューム至上主義です。月1万回検索される言葉は魅力的に見えますが、大手メディアがひしめき、流入しても「なんとなく調べた人」が大半で成果につながりません。逆に月100回でも、「〇〇 費用 相場」「〇〇 比較 選び方」のような言葉は、検討中の人しか検索しないため、問い合わせへの距離が圧倒的に短い。Googleの有用で信頼性の高いコンテンツに関するガイダンスが問う「ユーザーにとって有用か」も、ボリュームではなく「その検索への答えの質」の話です。

優先順位は「成果への近さ(縦軸)×勝てる見込み(横軸)」のマトリクスで決めます。右上=最優先で今月書く、右下=流入の裾野として後で書く、左上=事業ページ・広告で受ける、左下=書かない。「書かない」と決めることも選定の成果です。全部書こうとする計画は、たいてい全部が中途半端になります。数字への落とし込みはKPI設定の記事を参照してください。

実例:選定が成果をどう変えたか

判断基準が実際にどう効くのか、私が担当した実例を2つ紹介します(守秘義務のため社名・絶対数値は伏せます)。

実例1: 語学スクールのメディア立ち上げ。この案件では、書き始める前にキーワード設計へ時間を投じました。生徒や問い合わせから実際に受けた質問を集め、「大手の教育メディアが浅くしか答えていない×スクールの現場だから深く答えられる」領域に記事を集中させる設計です。結果、立ち上げから1年で月間セッション1万超の規模に育ち、毎月安定してリードが入る状態になりました。派手なテクニックではなく、選ぶ場所を間違えなかったことが最大の成功要因です。

キーワード設計から1年でセッションが成長した推移グラフ

実例2: 店舗ビジネスの「地名×業種」。全国区の大きなキーワードでは大手ポータルに勝てなくても、「地名×業種」の組み合わせなら勝負の土俵が変わります。私が支援したサービス業の店舗では、この型のキーワードで検索1位を獲得し、地図経由の露出も月数千規模で得られるようになりました。商圏が決まっているビジネスにとって、ボリュームの小さい地域キーワードは「小さくて確実な一等地」です。

ツールで調べると、めぼしいキーワードは競合がすでに上位を取っています。後発でも勝てるのでしょうか……。

「キーワード全体」では埋まっていても、「検索する人の状況別」ではまだ空席が多くあります。同じ「経費精算 効率化」でも、上位が大企業向けの一般論ばかりなら、「50人規模の会社の」「経理1人体制の」という状況を絞った記事で勝てます。後発の戦い方は、言葉を変えることではなく、答える相手を絞ることです。絞った分だけ内容は深くなり、その深さが検索でもAI検索でも評価されます。

AI検索の広がりは、この考え方をさらに後押ししています。ユーザーがChatGPTなどに投げる質問は「50人規模の会社で経理1人なんだけど、経費精算はどう効率化すべき?」のような、状況を含んだ長い文章です。AIはその答えを組み立てるとき、状況の近い深い記事を引用します。つまり、ロングテールの深い記事は、検索の裾野とAIの引用の両方を取りにいけるということです。ボリュームの小さい言葉に丁寧に答える戦略の価値は、AI時代にむしろ上がっています。

今泉の視点:選定の実務でおすすめしているのは、ツールを開く前に「顧客に聞かれた質問を10個書き出す」ことです。ツールから入ると、どの会社も同じキーワードリストに行き着き、同じような記事が生まれます。顧客の質問から入ると、ツールには出てこない「検索はされているのに誰も答えていない」言葉が見つかります。ツールは候補を広げる道具で、起点にする道具ではありません。

ツールは無料で始められる

選定に必要なツールは、まず無料のもので揃います。

ツール 用途 料金
Googleキーワードプランナー 検索ボリュームの目安の確認 無料(広告アカウント登録)
ラッコキーワード サジェスト・関連語の一括収集 無料枠あり
Google Search Console 自社がすでに表示されている言葉の発見 無料
Googleトレンド 季節性・話題の増減の確認 無料

意外に見落とされるのがSearch Consoleです。「表示はされているのにクリックされていない」「11〜20位で止まっている」キーワードは、すでにGoogleが自社を候補として認識している言葉であり、新規記事より先にリライトで拾うべき果実です。有料ツール(AhrefsやSemrushなど)は競合分析を深めたくなった段階で検討すれば十分です。道具を増やす前に、いま挙げた無料の4つを使い切ることが、選定の腕を上げる一番の近道です。

よくあるご質問

SEOのキーワード選定はどんな手順で進めればいいですか?

①事業を表す軸キーワードを決める、②サジェストと顧客の質問から候補を100個集める、③検索意図でグループ化する、④ボリュームと競合を確認する、⑤「成果への近さ×勝てる見込み」で優先順位を決める、の5ステップです。判断の本体はステップ5にあります。

検索ボリュームはどのくらいあれば記事にすべきですか?

一律の基準で切らないことをおすすめします。月100回程度でも「費用」「比較」など検討段階の深い言葉は問い合わせに近く、月1万回の情報収集系より成果に貢献することが多いためです。ボリュームは「需要の有無の確認」に使い、選定は成果への近さで判断してください。

キーワード選定に使える無料ツールはありますか?

Googleキーワードプランナー(ボリューム確認)、ラッコキーワード(サジェスト収集)、Google Search Console(既に表示されている言葉の発見)、Googleトレンド(季節性の確認)で一通り揃います。特にSearch Consoleは自社だけのデータが見られる最重要ツールです。

競合が強いキーワードでは後発は勝てませんか?

「答える相手を絞る」ことで勝ち筋が作れます。上位が一般論ばかりのキーワードなら、業界・規模・状況を絞った深い記事で評価を取れます。実例として、地名×業種に絞った選定で検索1位とマップ露出月数千規模を獲得した店舗ビジネスの事例があります。

まとめ:選定は「書かないことを決める」工程

  • キーワード選定は出店計画。ミスは数ヶ月後に発覚する投資ミスになる
  • 手順は5ステップ。成果の差はボリュームではなく優先順位の判断で生まれる
  • 勝てる条件は「需要×自社の強み×競合の隙」の重なり
  • 顧客の質問が最良のキーワード源。ツールは広げる道具
  • Search Consoleの11〜20位は、新規記事より先に拾う果実

次の一歩は、ツールを開く前に「顧客から実際に受けた質問」を10個書き出すことです。その10個を検索意図でグループ化すれば、最初の記事リストがもう完成しています。ツールでの裏取りは、リストができてからで間に合います。選定からの伴走・キーワード設計の壁打ちは記事制作・メディア支援で承っています。書いた記事を成果につなげる設計はオウンドメディアの集客方法、タイトルへの落とし込みはタイトルタグの書き方もどうぞ。

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キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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