みなさんは、中国語の発音が難しいと感じたことはありませんか?
僕も発音にはかなり苦労しました。
だから僕は、感覚に頼らず上手くなる方法を探してきました。周りには中国語を知ってる人が一人もいない、スクールに通うお金もない、そんな環境でも上達を諦められず、今までたくさんの方法を試してきました。
口のこの部分をこう動かせばこんな音が出る、というように、筋肉の動かし方や空気の軌道まですべての発音をマニュアル化したんです。
どんなに才能がなくてもどんなに環境が整っていなくても、このマニュアルさえあれば、ある程度、きれいな発音ができるようになっています。
中国人の私からもアドバイスするよ!
だから、僕と同じように発音に悩みを抱えている方のお役に少しでも立てればいいなと思い、このマニュアルを公開することを決めました。
この記事では、中国語の発音について紹介します。
ゆうきの中国語
ゆうき
yuki
ブログやYouTubeで中国語についての情報を発信しています。YouTubeとWeiboを使って中国語を独学しました。中国語が好きです。2019年4月HSK6級・2019年9月〜2020年1月復旦大学へ留学。現在、中国語検定準1級目指して勉強中!
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僕も独学で中国語を学んだ身として、同じ悩みを抱えていました。
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中国語の発音とは
まず最初に、中国語の発音記号について確認しましょう。実は中国語には、2種類の発音記号があります。
1つ目は、声調
2つ目は、ピンインです。
このように、中国語には発音記号が2種類あるんです。この2つを使いこなさないといけないので、中国語は発音が難しいと言われるんですね。
では、1つずつ紹介します。
ピンインの発音とは
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続いてはピンインについて紹介します。
ピンインとは
まずはピンインとはどんなものなのかを確認しましょう。
ピンインとは、漢字のふりがなのようなものです。つまり、その漢字がどのような読み方をするのか表しているものです。
中国語のピンインとは?覚え方とおすすめの発音変換アプリ余談になりますが、ピンインにはちょっと面白いエピソードがあるので、紹介します。
ピンインの起源
今のピンインができたのは1958年、実は意外と最近のことなんですね。
ピンインができる前の中国では、識字率の低さが課題となっていました。当時の識字率はわずか20%ほどと言われていて、同じ中国という国なのに文字も発音も統一されていなかったという状態でした。
それを解決するために作られたチームの立役者が、周さんという人です。
難しかった漢字の画数を減らして簡略化してみたり、各地でバラバラだった発音を統一する発音記号を作っていった結果、出来上がったものが今の簡体字とピンインです。つまり、今僕たちが勉強している標準中国語ですね。
そして正式に標準中国語の普及が始まったのが1958年です。今から100年も経っていない時期に新しい言葉が作られたって、本当にすごいことですよね。
ピンインの普及前、識字率は20%ほどだったと言われていますが、2018年のデータでは識字率は96.8%となっています。
若者の識字率 | 99.8 % |
若者の文盲 | 375,315 number |
若者の女性の文盲 | 46.9 % |
成人の文盲 | 37,038,398 number |
成人の女性の文盲 | 75.3 % |
高齢者の識字率 | 85 % |
高齢者の文盲 | 23,457,964 number |
高齢者の女性の文盲 | 77.6 % |
さらにピンインは、外国人が中国語を学ぶ際にも大きなメリットがあります。ピンインはアルファベットを元に作られているので、普段漢字を使っていない欧米圏の人たちでも中国語にとっつきやすくなったんです。
実はこれも当時の戦略の一つで、世界基準の文字を使うことで中国語が世界に受け入れられるように工夫したそうです。
まさにピンインの発明とともに、中国語が一気に進化を遂げたと言っていいですね。
そして僕たちが今から勉強するのが、このピンインです。
このピンインさえ知ってしまえば世界共通の中国語を話すことができるので、ぜひここからもじっくり見ていってくださいね。
中国語の単母音の発音
まずは単母音を紹介します。単母音とは、1音で表される母音のことです。
単母音には7つの種類があります。
aの発音
1つ目は、aです。
aは、日本語の「あ」よりも少しだけ口を大きく開けます。
具体的には、喉を通る空気の量を一段階増やすイメージです。
oの発音
続いては、oです。
oも、日本語の「お」よりも少しだけ口を大きく開けます。
具体的には、日本語の「お」の口で口を上下に少し開くと良い感じになります。
eの発音
続いては、eです。これはちょっと難しいですよね。
eの発音は、次のステップで練習するのがおすすめです。
- まず、日本語で「え」と発音します。
- そして、「え」の口のまま「お」と発音します。
- さらに口の両脇をちょっと斜め下に押し下げます。
- これで、eという発音ができあがります。
上手くできない場合は、舌の真ん中くらいに力を入れるように意識してあげると、ちょっと声が低くなって、eの発音に近づきますよ。
iの発音
続いては、iの発音です。これは割と簡単です。
まず日本語の「い」と発音して、口の両脇をちょっとだけ広げます。
日本語よりも少し歯に入る力が強くなります。
uの発音
続いては、uの発音です。個人的には、これが一番難しいと感じています。
まずは日本語の「う」と発音します。
次に、口を少しすぼめて、空気の出口を小さくします。この時、あんまり唇を前に出しすぎないで、どっちかというと綺麗にすぼめる意識をするのがおすすめです。
そして次が超重要なんですけど、のどを通る空気の軌道を変えます。
日本語の「う」だと、空気は喉の下側を伝って口から出てきていると思うんですけど、中国語の場合は、喉の上側を伝って、のどの奥のてっぺんに当たってから口へ向かって出てくるイメージです。
この空気の軌道を上手く変えられたら、uの発音が上手になれますよ。
üの発音
続いては、üの発音です。
まず日本語の「ゆ」と発音します。
続いて、その口の形のまま、日本語の「い」と発音してみましょう。
最後にその状態の唇のちょうど上下が離れている場所に力を入れて発音すると、yuの発音になります。力を入れる瞬間、ちょっと口が横に引っ張られたらうまくいっている証拠です。
erの発音
最後は、erです。これはいわゆる巻き舌の発音ですね。これもちょっと苦労する部分なのですが、口の筋肉の使う場所を意識して練習しましょう。
まず最初に知っておくべきことは、巻き舌とはいえ下をぐるっと回すわけではないということです。口の中で、下が動く範囲は角度で言うと90度くらい。ちょうど下顎についている下が、ぴょんって立つ感じ、これくらいの動き幅です。
これを踏まえて、次の練習をしてみましょう。
まず、中国語のaの発音をします。その時、下はちょっと下に寄せるのがポイントです。
続いて、息を吐いたまま、先ほど説明したように下をぴょこっと立てます。ここで息を出したまま舌だけ動かすのがポイントですよ。
最後に下顎をちょっとだけ後ろに引きます。ほんとに少しだけでよくて、5mmくらい動かす感じです。
そして、これを素早くやると、erの発音になります。
erは他の発音に比べて、ちょっとゆっくりやっても違和感がありません。まずは丁寧に口の動きを確認しながら、きれいな音が出るように練習してみましょう。
それでは、もう一度7つの母音の発音練習をしてみましょう。
単母音の序列
さてここまで、aoeiuyuerという7つの母音を紹介してきましたが、実は僕は、適当に「a/o/e/i/u/ü/er」という順番で紹介したわけではありません。
この並び順は、ピンインの序列を表しています。
このピンインの順番は、ピンインの序列そのままの並び順です。1が一番序列が高く、erは最も序列の低い母音です。
序列の高い母音と序列の低い母音が一緒に組み合わさった時、序列の高い方のピンインに声調記号がつくというルールがあります。
例えば你好で考えてみましょう。你好のピンインはni haoですね。
niの部分は、母音が1つしかないので、iの上に声調記号がつきます。
続いて、haoの部分ですが、ここではaとoの2つの母音が組み合わさっています。
ピンインの序列ではaの方がoよりも上です。従って、声調記号はaの方について、ha3oという表記になります。
ピンインの序列の特殊ルール
ところで、iとuにはイコールがついているのですが、これは同じ序列の順位であることを表しています。iとuのピンインに関しては、後ろに置かれた方に声調記号がつくというルールがあります。
例えば会を例に考えてみましょう。会のピンインはhuiなので、iの方が後ろに来ていますね。従ってこの場合は、iの上に声調記号が着くのでhui4となります。
逆に就の場合は、jiuなので今度はuが後ろに来ていますね。従ってこの場合は、jiu4となります。
このように、iとuの序列の順位は同じで、後ろに置かれた方の上に声調記号がくるというルールがあります。
以上をまとめるとピンインの序列にはこの2つのルールが存在します。
ちなみに声調記号がつくということは、その発音に重点が置かれるということなので、ちょっと強めに読まれます。。
以上のように、母音のピンインには序列があって、その序列の順位によってアクセントが決められるというルールがあります。
以上が、中国語の母音のルールです。
中国語の子音の発音
続いては、中国語の子音の発音についてみていきましょう。
子音の種類と分類
それではここからは、中国語の子音の発音について紹介します。
子音は、2つの分類の仕方があります。
息の出し方による分類
1つ目の分類は、息の出し方による分類です。これには有気音と無気音があります。
有気音とは、発音した時に空気がたくさん吐き出される音です。
無気音とは、発音した時に空気が少ししか入らない音のことです。
でも空気の吐き出しといっても、ちょっとイメージしづらいですよね。
僕も正直、なんだそれってずっと思っています。
だから僕が意識しているのは、子音に重きを置くか、母音に重きを置くかという発音の違いです。
- 有気音は、発音した時に母音の方がよく聞こえます。
- 無気音は、子音の方がはっきり聞こえます。
口の使い方による分類
子音の2つ目の分類方法は、口の使い方によるものです。これは6つのグループに分けられます。
細かい名前はついているんですけど、この名前は一切覚えなくて大丈夫です。
ただ発音練習はこの分類に従ってやるのが一番やりやすいので、ここからは、この口の使い方による分類を元に子音の練習をしていきましょう。
唇音(しんおん) | bo | po | mo | fo |
舌尖音(ぜっせんおん) | de | te | ne | le |
舌根音(ぜっこんおん) | ge | ke | he | |
舌面音(ぜつめんおん) | ji | qi | xi | |
舌歯音(ぜっしおん) | zi | ci | si | |
捲舌音(けんぜつおん) | zhi | chi | shi | ri |
唇音(しんおん)の発音
bo | po | mo | fo |
まずは唇音(しんおん)からです。まずはこちらをご覧ください。
唇音とは、唇を振動させて発音する音のことです。本来子音とは、この赤文字の部分だけなんですけど、それだけだと発音しづらいので、母音のoをつけて発音練習するのが一般的です。
唇音の中で注意するポイントは、fの発音です。fの発音では、軽く唇を噛んで発音します。
具体的には、山なりになっている唇の内側を、前歯の前面の先端に触れさせるくらいです。
もし唇で歯が当たっていることを感じられない場合は、歯の当て方が弱い可能性があるので、もう少し歯を当てに行くような感じで位置を調整してみましょう。
舌尖音(ぜっせんおん)の発音
de | te | ne | le |
続いては舌尖音(ぜっせんおん)についてです。舌尖音では、母音のeをつけて発音練習します。
舌尖音では、舌先が上顎と擦れて音を出します。
d,tでは下の先端からちょっとだけずれた場所を上顎に当てて、そこから弾くように発音します。
n,lではdとtよりもちょっとだけ舌の先端を上顎に触れさせて、同じように舌を弾いて発音します。
舌根音(ぜっこんおん)の発音
ge | ke | he |
続いては舌根音(ぜっこんおん)についてです。舌根音も母音のeをつけて発音練習します。この3つはなかなかコツのいる発音です。
発音のポイントは、のどとお腹に力を入れて発音することです。
下顎を水平に少し引っ込めて、喉の奥で発音するようにします。
- gの時はちょっと鼻にかけるような意識を持って空気を通します。
- kの時は、最初に喉をくっと締めて、そこから空気を出すように発音します。
- hの時は、喉で空気をひっかけずにkの発音をします。
全体的なポイントとして、口の中で発音するのはNGです。口先で発音してしまうと、めちゃくちゃカタカナっぽい音になるので、喉とお腹に力を入れて発音するように意識しましょう。
舌面音(ぜつめんおん)の発音
ji | qi | xi |
続いては、舌面音(ぜつめんおん)の発音についてです。舌面音は、母音のiをつけて発音練習します。
舌面音は、実は日本人が得意な発音です。というのも、カタカナにすごく近い音なんですよね。注意点としては、舌の面が上顎に触れるような意識で発音すること。
jiはジ、qiはチ、xiはシの音をイメージすると近い音が出ます。
舌歯音(ぜっしおん)の発音
zi | ci | si |
続いては、舌歯音(ぜっしおん)の発音についてです。
舌歯音で注意するべきポイントは、アルファベットのイメージで発音しないことです。例えばcaiは、英語ではカイと読みますが、中国語ではツァイという音になります。
特に、iと組み合わさることでウにちかい発音になるのもポイントです。
舌歯音では、iの母音と組み合わさった時は、iの口をしてuの音を出します。ちょっと難しく聞こえますが、実はこの時の発音って、日本語のズ・ツ・スに似てるんですよね。
イの口をして、両橋に唇を引っ張りながら日本語のズ・ツ・スといえば、zi,ci,siの音が出せます。
捲舌音(けんぜつおん)の発音
zhi | chi | shi | ri |
続いては、捲舌音(けんぜつおん)の発音についてです。捲舌音とは、つまりそり舌音のことです。まずはこちらをご覧ください。
そり舌音の発音を確認しよう
まず、そり舌のコツから確認しましょう。そり舌の形は、母音のerで説明した通りです。
そり舌音のときも、口の中で舌が動く範囲は角度で言うと90度くらい。ちょうど下顎についている下が、ぴょんって立つ感じ、これくらいの動き幅です。
ここで、そり舌音の子音の時のコツを紹介します。ここでのコツとは、舌の両端に力を入れることです。口の中の形で言うと、この部分。
zhiの発音のコツ
zhiの時は、舌の先端部分を上顎に軽く触れさせます。先端部分とは舌の先っぽではなく、舌の面の先端です。舌の側面が触れないようにしましょう。
その状態でジと発音してみましょう。またこの時、空気は舌と上顎の間を通ります。
そして、その状態で舌にぐっと力を入れます。
すると、zhiの発音になります。発音している時、舌がブルブルと震えていたらうまく発音できている証拠です。
chiの発音のコツ
続いてchiを練習してみましょう。
zhiと同じように発音して、空気が出る瞬間に舌を外へ弾いて空気を通してあげると、chiとなります。この時、舌に力を入れつづけるのがポイントです。
力が抜けるとチーとなってカタカナ発音になってしまうので、しっかり舌に力を入れて、舌の上を空気が通っていくのを感じましょう。
shiの発音のコツ
続いて、shiです。
shiでは、zhiの口の動きのまま、空気を舌の中央で受け止めてあげるイメージで発音してみましょう。
舌の中央で受け止めるので、空気は舌の上からは出ていきません。喉から通ってきた空気は一度舌にぶつかって、そこから漏れていくように出ていくようになります。
この時も、舌の力を抜くとカタカナのシーになってしまうので、しっかり舌に力を入れて固定するのがポイントです。
riの発音のコツ
最後に、rの発音です。
rの時は、shの口のまま、舌の側面にも力を入れてみましょう。こうすることで空気を外に逃がさないように塞いであげます。
すると空気は舌の先の方へ移動して、この部分だけzhのように舌が振動していくと思います。この状態で「イー」と発音すると、濁ったイーの音になって、これがrの発音となります。
実際、中国人でもrの発音って人それぞれなんです。巻き舌が強めの地域ではこのように濁りが強かったり、巻き舌が弱い地方では日本語のラ行に近い音に聞こえたりと言う感じです。
中国語の複合母音の発音
ここからは応用として、もっとたくさんの種類の発音を見ていきましょう。
中国語の母音には、単母音の他に複合母音や鼻母音があります。
これもコツを掴むことで発音がしやすくなるので、1つずつ見ていきましょう。
まずは複合母音から紹介します。
ai,ei,ao,ouの発音
ここでのポイントは、この4つの発音のコツは、1つ目のピンインを強めに読むことです。
先ほど紹介したピンインの序列に当てはめると、全て1つめのピンインが、2つめのピンインよりも上の序列ですね。つまり、これらの複合母音では、1つめのピンインに声調記号がつきます。
したがって1つめのピンインにアクセントがつくので、1つめのピンインを強めに読むのがコツとなります。
ia,ieの発音
この2つのピンインは、序列で言うとどちらも2つめのピンインの方が序列が高いですね。なので今回は逆に、2つめのピンインの方が少し強く読まれます。またこれらは、1つめのiの発音の時に、しっかりと口の両端を横に引くのがコツです。
また、iaとieを単体で使うとき、iがyiに変わります。つまりiaはya、ieはyeとなります。表記は変わっても、発音自体は全く同じです。
なのでよく見かけるこの単語も、実は発音としてはia、ieなんですね。
ua,uo,üeの発音
こちらの複合母音も、序列で考えると2つめのピンインの方が序列が高くなっています。なので重点は2つめのピンインに置かれます。
そしてこれらの3つの複合母音も、このピンイン単体で使うときは先頭の文字が変わります。
uはwに、vはyに変わるので
uaはwa、uoはwo、veはyueとなります。
よく見かける単語としてはこれらがありますね。
このように、woがuoであることを知ったら、woの発音をカタカナでウォーと読むのが正しくないのか、説明できます。
カタカナのウォーでは、ウの方に重点が置かれてしまっているので、発音の中身でuが占める割合が高くなっています。しかし実際には、uoの序列ではoの方が序列が上なので、oの発音に重点が置かれなければいけないんです。
従って我の発音はウォーではなく、ゥオーというようにoの音の方を強めに読むのがポイントです。
uaもyueも同じ原理で、2つ目の方を強めに読まなければいけません。yueはこれをするのがちょっと難しいので、口の使い方をしっかり練習しましょう。
iu,uiの発音
さて、こちらはちょっと特殊なピンインです。
文字だけをみるとiu、uiなのですが、実はこの2つとも真ん中に1つピンインが省略されています。
iuは省略せずに書くと、iou
uiは省略せずに書くと、uei
という発音です。
文字表記では省略されていますが、発音するときはわりとはっきり聞こえるので注意が必要ですよ。
このように、1,2,4声の時は真ん中のピンインは弱く発音されます。この時も弱くというのがポイントで、弱くでもちゃんと読んであげることで中国人っぽい発音になります。
これを完全に無視してしまうと、一気に外国人っぽさが出ちゃうので注意しましょう。
そして、この2つの発音が3声になると、真ん中のピンインが強く発音されますね。
iuとuiの声調のポイント
iuとuiは、声調によって声調記号のつく場所が変わるんです。みなさん、この現象にお気づきでしょうか?
今紹介したように、1,2,4声の時は真ん中のピンインは弱く発音されます。つまりこの時はiouはuに、ueiはiに声調記号をつけて発音します。
しかし3声になると真ん中のピンインに重点をおいて発音するので、iouはoに、ueiはeに声調記号をつけて発音することになります。
という感じで、iuとuiは複合母音の中でもちょっと特殊な組み合わせです。
でもこの発音を上手にできたら中国語が上手に聞こえるので、ぜひ練習してみましょう。
iao,uaiの発音
こちらは3つの母音が組み合わさった複合母音ですね。
3つになっても、基本的な考え方は同じです。
これらのピンインの序列を考えてみるとiaoはa、uaiはaが最も序列の高いピンインです。なのでどちらもaを重視して読んであげると上手に聞こえます。
また、先ほどと同じように先頭のiはyに、uはwに置き換わります。
なのでiaoはyao、uaiはwaiになります。
よく使う単語だと、こちらがありますね。
これもよくカタカナでヤオとかワイとか書かれますが、実際のピンインはiaoとuaiです。
2音ではなく、母音は3つあるので、3つの音をしっかり発音しましょう。
中国語の鼻母音の発音
続いては、鼻母音について紹介します。鼻母音とは、母音にnまたはngがついたピンインのことです。
鼻母音には、全部で16種類があります。
では、これらの鼻母音について詳しくみていきましょう。
nとngの違い
まずはnとngの違いから紹介します。
nとngの違いは、2つあります。
1つ目は舌の動かし方です。
nでは、発音が終わった時に舌先からちょっとずれた場所が歯の付け根くらいに当たります。一方でngでは発音し終わった時に舌が下顎に残っています。
2つ目は、口の動かし方です。
nの場合は、前につく母音はやや口を横にひいて発音されます。
一方でnghの場合は、口を少し縦に開いて発音されます。
このように鼻母音になるとnがつくかngがつくかによって母音の音まで変わってくるので、同じ母音を使っていても発音がかなり違うという現象が起こります。
では、それぞれの鼻母音について1つずつみていきましょう。
an,angの発音
まずはanとangの違いから紹介します。個人的に、anは難しい発音トップ3に入る、というか僕が個人的に苦手だなって感じる発音です。
anとangの発音の違いは2つあります。
まず1つ目は、nとngの違いです。先ほど紹介したように、nでは発音し終わった時に舌が上顎についているのに対して、ngでは発音が終わった時に舌が下に残ったままです。
2つめの違いは、aの発音です。
anの場合、aは口を横にひいてaと発音します。
一方angの場合、aは気持ちだけ口を縦に開けてaと発音します。
では、実際に違いを聞き比べてみましょう。
みなさんはanの発音、いかがですか?僕はこれが本当に苦手なんです。昔の動画とかもみてくれている人はわかると思うんですけど、anの発音でうまく口を横に引けて「an」と言えている時もあれば、カタカナの「アン」みたいになっちゃっている時もあります。
看とかがそうですね。
でもこれをうまく言えたらなんだかネイティブの発音に近づける気がして、僕も練習中です。
en,engの発音
続いては、enとengです。これはnとngの違いがはっきり出る発音ですね。
enの場合、eは口を横に引くので、日本語の「え」に近い音になります。
一方、engの場合は、口を縦に開けるので、eというちょっと響く音になります。
という感じで、enとengっていう1文字違いのピンインなんですけど、発音上ではかなり差が出てきます。しかしこの差は、nとngの区別ができていれば、理解ができるはずです。
engはそのままの発音も、子音と組み合わせた時の発音もちょっと難しいんですけど、乗り越えるべき壁として練習していきましょう。
in,ingの発音
続いてはinとingについてです。
これも先ほどと同じ考え方をします。
inは口を横に引くので、iは日本語の「い」に近くなります。
ingの場合、iを発音したあとに、舌をそのままの状態で動かさずに「ン」と発音します。こうすると、ingという発音になります。
また、こちらの鼻母音は単体で使う時、先頭のiがyiに置き換わります。つまり、yinとyingになります。例えば、こんな漢字が当てはまりますね。
ian,iangの発音
続いてはianとiangです。
この2つも、注意が必要な鼻母音です。
ianの場合は、ここのaの発音がeの音に変わります。つまり、ianの発音は、イエンとなるんです。
一方で、iangは、ngの前の2つの母音を口を少し縦に開いて発音します。
すると、iangになります。こちらのaはaのままですね。
という感じで、ianとiangは文字表記は似ているけど、ianのaはeの発音をしてiangのaはaのままの発音をするという違いがあります。
また、こちらの鼻母音は単体で使う時、先頭の文字がyに置き換わります。
つまり、yanとyangになります。例えば、こんな漢字が当てはまりますね。
yをつけるとカタカナでヤンって読めてしまうんですけど、上手な発音をするためには、もともとの母音を1つ1つ丁寧に発音してあげるのがコツです。
uan,uangの発音
続いて、uanとuangの発音についてです。
これも同じようにルール通り発音します。
uanは、少し口を横に開き、発音が終わった時に舌先からちょっとずれた場所が歯の付け根くらいに当たるように。
一方でuangは、舌が下顎に残ったままの状態で発音します。
すると、このような違いになりますね。
また、こちらの鼻母音は単体で使う時、先頭の文字がwに置き換わります。
つまり、wanとwangになります。例えば、こんな漢字が当てはまりますね。こちらもカタカナでワンと言わずに、1つ目のuの時にしっかり口をすぼめて発音するのがコツです。
un,uengの発音
続いては、unとuengの発音についてです。
ピンインの序列を紹介した時に、おまけでunのルールについて紹介しましたね。unの真ん中に省略されているピンインは何だったでしょうか?
unは、真ん中にeが省略されています。つまり、省略せずに書くとuenとなります。
ところが、うしろにngがつく場合、このeは省略されずにそのまま残ります。従ってuengというピンインになります。
発音はnとngの違いのルールを意識してみましょう。
unは、少し口を横に開き、発音が終わった時に舌先からちょっとずれた場所が歯の付け根くらいに当たるように。
一方でuengは、舌が下顎に残ったままの状態で発音します。
また、こちらの鼻母音は単体で使う時、先頭の文字がwに置き換わります。wenは、问题の问ですね。これもカタカナでウェンと言うのではなく、しっかりuの口を作って、uenと発音することで上手な発音に聞こえます。
wengはなかなか珍しいピンインなので、日常会話ではほとんど見る機会はないですね。
ün、üanの発音
続いては、ün、üanの発音についてです。
これは先頭に発音のちょっと難しいüがついているだけで、鼻母音としては同じルールに則って発音されます。
これはどちらもnで終わっているので、少し口を横に開き、発音が終わった時に舌先からちょっとずれた場所が歯の付け根くらいに当たるように発音します。
また、ピンインの序列ではüよりもaの方が序列が高いので、üanの時にはaの方に重点が置かれます。
また、こちらの鼻母音は単体で使う時、先頭の文字がyuに置き換わります。
つまり、yunとyuanになります。例えば、こんな漢字が当てはまりますね。これらはどちらもyuで表されていますが、yuの音はユではなくüの音なので、発音の時は注意しましょう。
ong、iongの発音
最後は、ongとiongの発音についてです。
実はこれも、先ほどと全く同じ考え方で発音できます。
ongは、先頭に母音のoがついてngで終わっているので、舌が下顎に残ったままの状態で発音します。
また、iongについてピンインの序列はoの方がiより高いので、oの方に重点が置かれて発音されます。従って、iは短くoは大きく発音してみましょう。
また、iongは単体で使う時、yongとなります。これは「yo」で「ヨ」と読みたくなりますが、正しい発音は「io」なので注意しましょう。
また、ongは単体で使う場面がないため、単体表記はありません。
中国語のピンインの表記ルール
では、ピンインの表記の仕方について、3つだけ特殊なルールがあるのでおさらいしましょう。
i,u,üが先頭の時は書き換えられる(yi,wu,yu)
まず1つ目は、先頭のピンインがi,u,üの時は、それぞれyi(y)、w、yuに置き換えられると言うことです。
まとめると、このようになります。基本的に僕たちが目にするのは置き換えられたピンインなんですけど、そのピンインの元の形を知っていないと正しい発音することができないので、i,u,üのこの3つの変化だけは頑張って覚えてしまいましょう。
ピンイン | 置き換えられたピンイン |
ia | ya |
ie | ye |
ua | wa |
uo | wo |
üe | yue |
iao | yao |
uai | wai |
in | yin |
ing | ying |
ian | yan |
iang | yang |
uan | wan |
uang | wang |
ün | yun |
üan | yuan |
ピンインの省略形
続いては、省略されるピンインの形があることです。これは途中でもしっかり説明してしまいましたね。
省略される形は、iuとuiです。
- iuは省略せずに書くと、iou
- uiは省略せずに書くと、uei
このピンインが1声、2声、4声の場合、真ん中の省略されている部分は弱く読まれます。弱くなので、完全になくなるわけではないですよ。また、、3声の場合は省略されている真ん中のピンインが1番強く読まれます。
これらのピンインは、上手な発音をする上でも大切なポイントになる部分なのでiuとuiをみたら、もう条件反射的にiou、ueiを思い浮かべるようにしましょう。
j,q,xにつくüはuと書く
3つ目のルールは、j,q,xにつくüはuと書くことです。
子音のところで舌面音と紹介したのがj,q,xでしたね。
実はこの3つの子音はちょっとおかしな特徴を持っています。
それは、üと組み合わさった時、発音はüのままなんだけど、文字にするときはüの上の点々を書かないということです。なんでこんなややこしいルール作ったんですかね…
つまり、以下のような表記になります。
jü | ju |
qü | qu |
xü | xu |
じゃあ、本当にuを使いたいときはどうするのっていう疑問が生まれてくるのですが
j,q,xは母音のuと組み合わさることはありません。なので、üをuで表しても、他の母音と被ることがないんです。
これが舌面音のj,q,xが持つ発音の特徴です。
日本人が苦手な中国語の発音とは
ここまで中国語の発音について細かく解説しましたが、日本人にとって苦手な発音を以下にまとめました。
- 母音「e」
- 母音「u,ü」
- 捲舌音「zhi,chi,shi,ri」
- 「n」「ng」の区別
日本人が苦手な発音は、日本語にない発音かRとLのように区別をしない発音の2パターンに分類できます。特に、热「re」の発音は苦手な「r」と「e」の複合であるため難しいでしょう。
発音の壁にぶつかるとすれば上記の発音であるため、本コンテンツを参考にゆっくり練習しましょう。また、練習の仕方やコツが知りたい人は、後述の「中国語の発音が上達するための練習方法やコツは?」を参照してくださいね。
中国語の声調
まず最初に、声調記号について紹介します。声調記号とは、発音のイントネーションを表すものです。
中国語の声調の発音
中国語の声調には、5つの種類があります。
1声の発音
まず最初は1声です。1声とは、高く伸ばす音のことです。
この時、めっちゃ無理して高い声を出す必要もありません。人によって地声の高さは違うので、他の音と比べて相対的に高くなっていれば大丈夫です。
自分なりの高さを見つけるのにも何回か練習が必要なので、そのうちこれくらいかなってわかればOKです。
2声の発音
続いて2声です。2声は、下から上に上がってくる音です。
実は中国語の声調で一番難しいのが2声です。2声を読む時は、このグラフの上がってくる部分を意識して強めに読むと、きれいな音になりやすいですよ。
3声の発音
続いて3声です。3声は、低く下げる音です。
3声は、まず低く抑えることを意識しましょう。グッと下まで押さえて、その反動で自然と少しだけ音が上がるような発音になればOKです。
4声の発音
続いては4声です。4声は、上から下に落ちる音です。
4声で意識すべきことは、鋭さです。ゆっくりではなく、スパッと落とすのがコツです。
軽声の発音
最後は軽声です。軽声には声調がついておらず、短く軽く発音されます。
軽声は声調をつけず軽く発音するものですが、実は場合によっては声調がついているように聞こえることもあります。これはまたあとで紹介しますね。
声調の覚え方
という感じで声調には4つの種類があります。
実は、この声調を覚えるおすすめの方法があります。ちょっと前にTwitterでバズった方法なんですけど関西弁で「それなにええなあ」が、中国語の声調にバッチリ当てはまっているということです。
- 「それ」が1声
- 「なに」が2声
- 「ええ」が3声
- 「なぁ」が4声
声調のイントネーションがうまく掴めないなというときは、「それなにええなあ」のイントネーションに合わせて発音してみると、意外ときれいに声調が発音できますよ。
声調の組み合わせ
それでは、これらの声調の組み合わせも確認してみましょう。
2つの声調の組み合わせの発音
1声 | 2声 | 3声 | 4声 | |
1声 | mā mā | má mā | mǎ mā | mà mā |
2声 | mā má | má má | mǎ má | mà má |
3声 | mā mǎ | má mǎ | mǎ(á) mǎ | mà mǎ |
4声 | mā mà | má mà | mǎ mà | mà mà |
軽声 | mā ma | má ma | mǎ ma | mà ma |
2つ繋がった声調を上手に発音するポイントは、1つ1つの声調のグラフを思い浮かべた後に、それらの線を切らさずに発音することです。
つまり、グラフで書くとこのように1つ1つ分けて考えるのではなく、このように1本線として考えることです。こうすることでよりスムーズな発音になります。
でも、場合によってはそれができない組み合わせもありますよね。実はそのような場合、声調の発音変化が起こることが多いです。
この組み合わせの中でポイントとなる組み合わせが4つあるので、紹介します。
特殊な声調変化1
1つ目は、2声+2声の組み合わせです。
もともと2声は下から上へ上がってくる音でしたね。このグラフで言うと、終わりのポイントは一番上の線まできています。
しかし、2声が2つ繋がっている時、1つめの2声は下から半分を少し過ぎたところ、2つめの2声はそのちょっとだけ下の位置から一番上まであげるというイメージで発音すると、スムーズに発音できます。
特殊な声調変化2
2つ目は、3声+3声です。この時、1つめの3声が2声に変わります。
つまり、mǎ mǎは、má mǎと言う発音になります。この変化は初級の試験問題としてもよく出題されるくらい、中国語の発音変化の中で有名なものですよ。
ちなみに、3声が3つ以上の時は、2声2声3声になる場合と、3声2声3声になる場合があります。これはその時のフレーズのニュアンスで決まるので、実は人によって発音の仕方が違ったりします。
ただし、2つの3声の組み合わせの場合は、例外なくこの変化が起こるので、ぜひ覚えておきましょう。
さて、これから紹介する3つめと4つめに関しては割と個人差のある発音なので、そういう発音の仕方もあるんだくらいにみてくださいね。ちなみに僕は上海の中国語からたくさん勉強してきたので、上海方面の影響を強く受けています。
特殊な声調変化3
3つ目は、4声+4声です。この時、2つめの4声が軽声っぽくなります。
mà màは、mà maという風に聞こえます。
標準中国語のルールとしてはこのような変調はないのですが、日常会話の中で中国人はこのような発音の変化をしていることが多いようです。特に上海の方ではこの屁かが顕著に表れています。
僕のチャンネルで公開しているフレーズの聞き流しなどを聞いてもらうとわかるんですけど、このフレーズを録音してくれている燕ちゃんは4声+4声の発音はほぼ全て4声+軽声になっています。
僕からそこ発音違うよって何回か行ったことがあるんですけど、4声の後に4声を言うのは疲れるからあまり言わないらしく、基本的に軽声として発音しているみたいですね。
たしかに、聞いた感じとしてもmà màよりは、mà maと言う方がスムーズに聞こえるし、発音も楽に感じます。
特殊な声調変化4
4つ目は、2声+軽声です。このとき、軽声が4声っぽく聞こえます。
これは声調変化というより、こういう意識を持つと発音が上手に聞こえるというコツです。2声の後に軽声がくると、その軽声はちょっと弱い4声っぽく聞こえます。
こちらのグラフでも表しているように、もともと軽声は3本目の線の高さなので、2声で上がり切った後に軽声にすると、4声と同じような動きになりますね。
声調に関する復習
それでは最後に、声調について軽く復習しましょう。
声調には、次の5つの種類がありました。
声調は人それぞれ声質によって高さが変わるので、何度も練習して自分の声にあった高さを見つけていきましょう!
中国語の発音の変調
それではここからはちょっとだけ応用編として、日常会話でよくみられる2つの発音の変調について紹介します。
「不」の発音変化
まず1つ目は、「不」の発音変化です。
不には、次の発音のルールがあります。
不は直後に1声、2声、3声がある場合は4声で発音されますが、不の直後に4声がきた場合のみ、不は2声になります。
という感じで、不は直後にくるピンインによって発音を変えてしまいます。
一の発音変化
2つ目は、「一」の発音変化です。
「一」には、次のような発音記号の変化が起こります。
条件 | 「一」の声調 |
「一」の直後に4声がある | 2声 |
「一」の直後に4声以外がある | 4声 |
「一」が最後尾の文字である | 1声 |
たとえば、以下の単語を見てみましょう。
一杯 | yì bēi |
一瓶 | yì píng |
一起 | yì qǐ |
一样 | yí yàng |
十一 | shí yī |
中国語の発音が上達するコツ
最後に、中国語の発音が上達するコツを紹介します。
中国語の発音が上達するために、練習で意識することが以下の4点あります。
・音源をたくさん聞く
・声に出してモノマネをする
・子音と母音を分けて発音する
・声調を重視して練習する
この4点を詳しく解説します。聞くこと・話すことは中国語だけでなく、英語等の他言語の勉強でも大切なコツになるので、ぜひ参考にしましょう。
たくさん聞く
まず1つ目はたくさんの中国語を聞くことです。発音が上手くなりたいと思っている人は、とにかく、何よりもまずはたくさんの中国語を聞くことからはじめましょう。
最初に中国語をたくさん聞く理由は、2つあります。
- 中国語学習が習慣化される
- 中国語の音を認識しやすくなる
中国語学習が習慣化される
1つめは、中国語に触れることを習慣化することです。中国語を始めたばかりの時に一番大きな壁になるのが、発音でもなく文法でもなく、継続です。
中国語を始めたばっかりの時って、やっぱり張り切って大きな目標を立てちゃいがちです。
僕もそうでした。
ペラペラになって中国語を使った仕事をやろう!って張り切って分厚い参考書を買った結果、ちゃんと勉強したのはその日だけ。次の日には、やっぱり無理だったって挫折してたんです。
だから最初は、まず中国語に触れることに慣れるという小さな一歩から始めましょう。
ちなみに、使う教材は、なんでもOKです。好きなドラマでも、テレビ番組でも、参考書でも、お気に入りのYouTuberでもなんでもOKです。
この段階では、中国語なんて一つも聞き取れなくて大丈夫です。日本語字幕をガッツリ見てもいいです。
まずは中国語に触れて、中国語の音を耳で感じて楽しいと感じる時間を作ってみましょう。
中国語のリスニングにおすすめのYouTube3選中国語の音を認識しやすくなる
発音上達のためには中国語をたくさん聞く必要がある2つ目の理由は、音を聞いて認識できないものは発音できないからです。
ここまで紹介してきたように、中国語の発音は日本語では表せない音がたくさんあります。つまり、それらの音は実際に耳で聞いて、その音を認識した上で自分で発音する必要があるんです。
ここで「外国語音声の認知メカニズム」という本を紹介します。この本では、僕たちがなぜ外国語をきちんと聞き取れないのかが説明されれています。
この本によると、学習初期に外国語を聞く量が足りないことで脳が日本語と外国語の音の差に混乱し、外国語の音声を認識することができないという原理だそうです。
では、今説明した流れを図に表して考えてみましょう。
- 人間は耳から音声信号を受け取ると、聴覚神経を伝って、大脳へと信号が運ばれます。
- 大脳に運ばれた信号はその信号から適切な情報を引き出して、その情報を認識します。
- そして認識した音声を頼りに、口の筋肉へ命令を出して発音を行います。
たくさん聞くことが発音の上達に役立つ理由は、口へ送る司令の元となるインプットの量が増えることによって脳がその音を正しく認識しやすくなり、より具体的に口へ指令を送ることができるようになるためです。
もちろん、この回路は別の回路なのでそれぞれ練習が必要ですがそもそも、耳からの情報の時点で脳が混乱してしまっていては、何を頼りに口へ指令を送ればいいのかわからないですよね。
そこで既存の知識であるカタカナという代替手段に頼って情報を作ることでなんとか指令を送ったとしても、カタカナを使った発音では癖のある発音になってしまいます。
以上の理論から、上手な発音のためにはまず音を聞いて理解することが重要だということが言えます。
なのでみなさんもこれから発音を上達させようと思ったら、まずはたくさんの中国語を聞いて、中国語の音をしっかり耳に馴染ませる時間をとってみましょう。
中国語はどうして難しい?日本人が苦しむ発音のポイントと対処法を紹介モノマネする
次のステップは、モノマネすることです。
多分、何十回も繰り返し聞いているとどこかでモノマネしてみたくなる時期が来るんですけど、それを意識してやってみましょう。
モノマネする時のポイントは3つあります。
1、発音記号を見ないで、音だけ聞いて真似してみる
2、発音記号を見て、ゆっくり発音を確認する
3、録音して自分の発音を確認する
自分の発音を確認するときにおすすめな方法が、録音です。録音すると客観的に自分の発音を聴くことができるので、どこができていないのかが確認しやすくなります。
録音してみると、本当にびっくりするんです。まず自分の声ってこんな声なのかって思うし、びっくりするくらい発音が下手に聞こえるし。
でも、そこで見つかった課題を1つずつクリアしていけば、一歩ずつ上達することができます。
【無料】中国語の発音を読み上げてくれるおすすめサイト・アプリ子音と母音で分けて発音する
中国語の発音のコツは子音と母音で分けて発音することです。けっこう前にも、Twitterで有名な先生方がこのコツを紹介してくださっていましたね。
子音と母音に分けるとは、例えば次のような感じです。
好という単語を発音するとき、ピンインはhaoなので、hとaoにわけて発音します。
「h + ao」を組み合わせて、haoという発音になります。
もしこれを「ha+o」と発音してしまうと「ハオ」となって、カタカナ発音みたいになってしまいます。
以上のように、中国語の発音をするときは、ピンインを子音と母音に分解して発音するのがおすすめです。
日本人が中国語の発音を身につけるコツ3選!カタカナを使わず基礎から勉強しよう声調を重視する
最後は、中国人と会話する時のちょっとしたテクニックです。
中国人と会話するときは、ピンインよりも声調を間違えないように意識することが大切です。逆に言えば、ピンインの発音がちょっとカタカナっぽくなっていても、声調が正しく言えていれば意外と通じてしまうことが多いです。
例えばピンインの発音がカタカナっぽくなってまちがえてしまったとしても中国人が聞いたら、それは中国語にない音なので、発音を間違えているんだと気づいてくれます。そしてそれに近い音を考えてくれるので、ある程度言いたいことはわかってもらえるんです。
しかし声調を間違えた時は、同じピンインで声調だけが異なる単語を連想してしまい、こちらが声調を間違えているという事実に気づいてもらいにくくなります。
そうするとこちらが本来話している単語と別の単語の意味で伝わってしまうので、こちらの意図が相手に伝わらなくなります。
理想を言えばピンインも声調も間違えずに話せるといいんですけど完璧な発音を身につけるのって、やっぱり難しいです。
だから会話の時は、少しくらいミスしてもいいから、要点が伝わるようにポイントポイントをはずさない発音のスキルがあれば十分です。
その上で、中国人と会話するときは、どちらかといえば声調を間違えないように意識しながら話すと、いつもよりもちょっと伝わりやすくなりますよ。
中国語の発音を独学するメリット・デメリット
中国語を勉強するとき、スクールに通うべきか、独学するべきか迷う人は多くいます。ここでは、独学するメリット・デメリットを紹介するので、自分に合った勉強スタイルを選びましょう。
メリット:時間・場所を選ばず、いつでも練習できる
独学のメリットは以下の通りです。
・時間・場所を選ばず、勉強できる
・スクール代がかからない
・アプリやソフトを使って、自分のペースで勉強できる
独学は、自分で教材を買ってアプリやCDを用いて勉強するため、好きなタイミングで発音練習ができます。スクールに通わないので、費用も安く抑えられることもポイントです。
現代ではアプリ・ソフトが普及しており、中国語の発音だけでなく、試験勉強等もスマホ1台あればできます。そのため、スキマ時間を使った勉強も有効です。
デメリット:間違った発音を正しづらい
独学のデメリットは、間違えた発音を正しにくいことです。音源を聞きながら練習しても、異なる発音が定着してしまうことは多々あります。
間違えた発音を正すには、自分の発音を録音し確認することや、スクールの先生に指摘してもらうことが必要です。声調が異なると違う単語が伝わることもあるため、自分で発音矯正できない人や不安な人は、スクールに短期間通うことをおすすめします。
中国語の発音を勉強するうえで、よくある質問
中国語の発音を独学で練習できますか?
ピンインが苦手で克服したいです。
日本人が苦手な発音は何ですか?
発音はうまくできなくていい。自分らしく一歩ずつ前に進むだけ
今回の動画では、中国語の発音について紹介しました。
冒頭でも言いましたが、発音って中国語の中で一番難しいスキルだと思います。完璧な発音を求めても全くできない自分に絶望して、何もかも嫌になった経験がみなさんもきっとあると思います。
最後になりますが、同じく挫折しそうだった僕を救ってくれたある方の言葉を紹介します。
しゃべれるやつと比べるな。しゃべれない方が普通なんだから。
僕たちが発音を勉強するとき、どうしても上手にしゃべれる人と自分を比べてしまいます。
でも、世の中を見てみると、中国語をしゃべれない方が普通だったりします。TOEICの受験者数が2021年度に約230万人だったのに対して、HSKの受験者数は約4万人。
色々背景があるので単純比較はできないものの、英語と比べても中国語ができる人って50分の1程度だという規模感です。僕も留学に行くまでは、周りに中国語をしゃべれる日本人なんて一人もいませんでした。
だから、発音が上手くできないとか、上手にしゃべれないとか、そんなことで深く悩まなくて大丈夫なんです。むしろ日本人として、中国語はしゃべれない方が普通なんです。
そして、そんな真面目に勉強しすぎる必要はありません。常に勉強になるものばかり浴び続けていたら、疲れてしまいます。時には効率が悪くても、そんなに学びが得られなくても、やってみたいことをやればいいんです。
まず大前提として、きれいな発音を身につけることは、相当難易度の高い壁です。発音をマスターすることってみんなが想像しているよりも、はるかに高いレベルの話なんです。一生かかっても達成できない人が多くいるような、難易度Sランクの目標です。
でも、そのゴールに向かって諦めずに一歩ずつでも進み続けることで、今までは見えなかった世界を見ることができるはずですよ。
もちろん僕も、まだまだ勉強中の身です。だから僕はこれからも中国語の発音を練習していきます!
一緒に頑張ろう!