囲碁の歴史は4000年とも言われ、現在使われている言葉にも囲碁に由来するもの、囲碁を語源とするものが数多くあります。
囲碁というとマイナーなイメージですが、実は今の日本語では囲碁に由来する言葉がたくさんあるんです!
ふとしたときに使ってしまう言葉には、実はこんな歴史が隠されていたというのはちょっとした話題にもなるかもしれないと思い、この記事では囲碁に由来する言葉をまとめてみました。
囲碁を知らない人に囲碁を紹介するとき、ちょこっと小ネタとして挟むだけで印象が変わるかもしれませんね。
今回の言葉の意味は広辞苑から引用しています。
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囲碁に由来する意外な言葉の語源を紹介
囲碁由来の語源1,囲碁
「囲碁」とは碁石(棋子)と碁盤を用いて黒と白の石を交互に並べ、領地の面積を競うゲーム。
囲碁由来の語源2,名人
「名人」はいろんな分野で使われる言葉ですが、実は最初に使ったのは囲碁です。
織田信長が本因坊算砂の実力を認めて「そちはまことの名人なり」と言ったことから名人という言葉が誕生しました。
囲碁由来の語源3,死活問題
「人の生き死にや物事の存亡を結するような重大な問題」
囲碁での死活問題とは石の生き死にに関する問題で、「死活」というときは答えが2つ以上ある場合に用います。基本的に死活問題は囲碁の基礎的な形に多く使われます。
答えが一つしかない死活問題は「詰碁」と言って中には絶妙な手順で芸術的な美しさを評価されることもあります。
林修先生の番組で出題されたクイズの答えは、赤です。
囲碁由来の語源4,一目置く
「相手の力量に敬意を評し、一歩譲って接すること」
広辞苑には「囲碁で弱いほうが石を1つ置いてから始める」と書かれていますが、実際は決まった場所に石を置いて始めるのは2つ以上の場合なので、一般の方にはちょっと誤解があるかもしれないですね。
囲碁では定先(先番有利な条件での対局)の場合、先番の黒は1つ目を好きなところに打てるため、「置く」という言い方はしません。
囲碁由来の語源5,岡目八目
「事の当事者よりも、第三者の方が情勢や利害得失などを正しく判断できること」
これは囲碁の対局を横で見ていると実際に自分が打つときよりも8目先まで見通せるということから生まれた言葉だそうです。
「8目先」の意味はちょっとわからないですが、「8手先」あるいは「8目得」と解釈できそうです。何れにせよ、観戦している方が盤面を広く冷静に見れるので正しく判断できますね。
【参考】強くなりたいなら上手の対局の観戦をおすすめする理由…【現在執筆中】
囲碁由来の語源6,布石を敷く
「囲碁で対局のはじめの段階に、作戦を立てながら要所に石を配すること」
これには「将来のための用意をすること」という意味もあります。
囲碁では布石の研究がすごく盛んですが、正直なところいくら布石を極めても中盤以降それを活用できなければ意味がありません。自分が中盤以降最も得意な形に持っていける布石こそが最強の布石だと思っています。
囲碁由来の語源7,序盤
「囲碁・将棋で初期の布石、駒組みの段階。また、その局面。転じて、一続きの物事の初期の状況」
これも布石と同じですね。
序盤→中盤→終盤も囲碁でよく使う言葉です。
囲碁由来の語源8,結局
「囲碁を1局打ち終わることから物事の結末」
「結局」という言葉は誰しも使う言葉ですが、その発祥が囲碁だと知っている人はほとんどいないと思います。それにしても、囲碁の終わりからこの言葉が生まれたのならば、碁打ちの言葉が全く別の世界に影響を与えるほど昔は囲碁の存在が大きかったのでしょうか。
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囲碁にまつわる面白いことわざ
碁打ち鳥飼馬鹿の中(ごうちとりかいばかのなか)
「時間を浪費するとして、碁打ちや鳥飼いを嘲る言葉」
囲碁を打つことは時間の浪費だというコメントは、古代中国の孔子や孟子の時代にもよく議論された内容ですね。中国での評価は日本にも伝わって言葉として残されていたのかなと思います。
【参考】子供に囲碁を習わせるデメリットは?孔子・孟子の大激論!!
碁に凝ると親の死に目にも逢わぬ
「碁は親の死に目にも逢えぬほど耽りやすいものである」
どうにも、囲碁のことわざにはこういう系が多いですね。囲碁に没頭して大切なことを見失わないようにと、今の若者にも通じる言葉かもしれませんね。
碁に負けたら将棋で勝て
「一方で失ったらそのことをくよくよせず、他方で取り返せという例え」
碁と将棋は昔から一括りで扱われてきました。碁も将棋も両方強い人はなかなかいないため、違う土俵に切り替えれば今まで歯が立たなかった人にも勝てるかもしれないという意味です。
琴棋書画
手を使う4つの芸術、すなわち琴・囲碁・書道・絵画のこと。士君子のたしなみとされ、日本や中国で好まれる趣味の代表例。
囲碁が語源だけどあんまり使わない言葉
囲碁由来の語源9,定石
「囲碁で長年の研究によって部分的に双方とも最善とされる決まった形の打ち方」
ある決まった手順に従って処理するときも、「〜の定石」という使い方をしますね。
囲碁由来の語源10,先手を打つ
「囲碁で先番を握る」
「予想される事態に備えて、あらかじめ手段を講じる」
先手とは先に打つ手番のことで、黒を持っている方です。
ちなみに囲碁では黒番の方が先手を取りやすいため、先番と後手番の差を埋めるために「コミ」という制度が設けられています。
囲碁由来の語源11,後手に回る
「相手に先を越され、受け身の立場になる」
囲碁では後手を引くことが必ずしも悪いこととは限りません。1手の価値があればあえて後手を選んでも良い形に整えることもよくあります。
囲碁由来の語源12,ダメを詰める
「囲碁で双方の境にあってどちらの地にもならない場所」
「ダメ押し」「ダメを踏む」という言葉も、「ダメ=無駄なこと」という意味なので「ダメ押し=もともと勝っているがさらにひと押しする事」「ダメを踏む=無駄なことをする」という意味です。
初心者さんにとっては「ダメ」の判断が難しく、囲碁の終わりがわからないということがよく起こります。「ダメ」がわかるようにな流のは囲碁でも日常生活でも成長の表れかもしれないですね。
囲碁由来の語源13,目論む(もくろむ)
「囲碁で目算すること」
「目論む」の「目=碁盤の目」、「論む=論理立てて考える」なので、碁盤の上で論理的に考えることが語源になっています。日常的には「企む」という意味があります。
以上、「碁打ちなら知ってて当然?囲碁に由来する意外な言葉の語源を紹介!」でした!
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