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中国棋院の囲碁棋士は日本とどう違う?【海外メディア完全翻訳】

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国際戦の結果を見ても、残念ながら日本のプロ棋士はまだまだ中国・韓国の棋士には勝てていないですよね。

では、なぜ中国の棋士はこんなにも強いのでしょうか?

今回の記事では、中国の一般投稿サイトに寄せられた多くのコメントをもとに、中国囲碁界の現状をなるべくわかりやすくみなさんにお伝えしようと思います。

中国の囲碁界の成長は、私たちがいる日本囲碁界の成長の道しるべにもなるかもしれません。

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中国棋院のプロ囲碁棋士は日本とどう違う?【海外メディア完全翻訳】

中国棋院のプロ囲碁棋士は日本とどう違う?【海外メディア完全翻訳】
全国定段戦は毎年1回開催されており、「囲碁のセンター試験」と言われます。

そう言われるのは、全国定段戦は中国の大学受験と同時期に開催されることと、どちらも激しい競争を勝ち抜かなければ成功できないことが似ているからです。

中国の囲碁プロ試験(全国定段戦)は日本とかかなり違っており、以下の流れでプロ棋士を決めます。

中国棋院のプロ試験
  1. 男子は25歳以下の全国定段戦予選を行い50名が通過
  2. 男女別で本戦を行う(女子は予選なし)
  3. 14歳以下の参加者で上位3名をプロ初段に認定(男子)
  4. 残りの参加者で上位17名をプロ初段に認定(男子)
  5. 14歳以下の参加者で最高順位者をプロ初段に認定(女子)
  6. 残りの参加者で上位9名をプロ初段に認定(女子)
  7. プロ認定以外の男子上位25名、女子上位12名にアマ6段の称号を与える

つまり、一年に男女合わせて30名のプロ棋士が誕生することになります。

【参考】囲碁のプロ棋士になるには?プロ試験の年齢・制度を解説!(日本)

【中国流】中国が開発した古代日本の布石

【中国流】中国が開発した古代日本の布石
中国が開発した布石といえば、「中国流」ですね。

実は、中国流は江戸時代に本因坊道策が使っていました。
日本で度々打たれていた中国流だけど、そこまで注目されなかったのです。

中国では日本で打たれた棋譜をもとに研究を進めていたようです。
1965年の日中囲碁交流会で中国チームが多用したことで注目を浴び、日本へ逆輸入されました。

【参考】囲碁流行定石!中国流の打ち方まとめ!

中国ルールは日本ルールとどう違う?

中国ルールは日本ルールとどう違う?
日本ルールと中国ルールの違いは地の数え方です。

日本ルールは囲った地の数を競うが、中国ルールでは地と盤上の石の数を合計します。つまり、中国ルールでは地に手を入れても、地が1目減る代わりにその石1つが1ポイントになるので損になりません。

その代わり、セキによる地合い計算の狂いだったり、隅の曲がり4目はコウに仕掛けなければならないなど、日本ルールとの違いは若干見受けられます。

【関連記事】囲碁ルールの「難しい」を「簡単」に!【初心者・子供でも大丈夫】

日本の囲碁ルールと中国のルールには以下のような違いがあります。

  1. 地合い計算方法(セキの扱い方)
  2. コミ
  3. 曲がり四目
  4. 対局中のアゲハマ処理

地合い計算方法(セキの扱い方)について

日本ルールでは黒、白が囲った碁盤の交点を地として数えますね。セキは両者0目として数えます。

対して中国ルールでは、地の数と石の数を合わせて数えます。セキ時は地は0目ですが、その部分の石数は数えるので完全に0目ではありません。(セキ部分の黒と白の石数が違えば日本ルールと結果が変わる)
石数を数えるので、最後のダメとしてもその1手が1目同党の価値を持ちます。

中国ルールを用いた場合、黒の地と石の合計値が185を超えれば黒勝ちです。
白を数える場合は時と石数の合計が177を超えれば白勝ちです。
(理由は次の項目)

日本と中国のコミの違いについて

中国ルールのコミは4目3分の1です。
先ほどの勝敗決定を見てみてください。

黒は185を超えれば勝ち
白は177を超えれば勝ち
これから4目1/3を引き算してみます。

黒:185ー4、1/3 =180、2/3
白:177+4、1/3=181、1/3

19路盤は交点が361なので、その半数である180.5を超えるようになっています。

これが中国式の勝敗決定法です。

ちなみに目算するときはこんな数え方めんどくさすぎるので、中国の棋士も日本ルールで計算しています。
このときはコミ7目半で数えるとちょうど良いので、地合い計算法ではコミ7目半というルール設定になっています。

隅の曲がり4目の処理の違い

特殊な形です。
日本ルールでは無条件死に。
中国ルールでは終局時の放置禁止、コウをして生き死にを確定させるという規約があります。

対局中のアゲハマ処理の違い

日本ルールではアゲハマを終局時まで取っておきます
中国ルールではアゲハマを相手の碁笥に戻してOKです。

これは先ほどのルールと関係しています。
日本ルールでは地合いのみを数えるので、取った石は相手の地を減らすのに使います。
中国ルールでは石数をそのまま数えるので、アゲハマは使いません。(石を取られれば石数が少なくなるのでアゲハマを計算する必要がない)

とはいえ対局中にアゲハマを相手の碁笥に戻すのはちょっとマナーが良い行為とはいえず、中国人でもマナーの良い人や正式な対局ではアゲハマを別の場所に置いておいて、事実上除外したような形で扱うそうです。

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中国のプロ棋士はなぜ強いのか?

中国のプロ棋士はなぜ強いのか?
では、なぜ中国のプロ棋士はこんなにも強くなったのか?

この疑問に対して、中国囲碁界の父「聶衛平さん」がコメントしています。

私なりに翻訳してみましたので、中国の成長が感じられるこの文章をぜひ読んでみてください。

私はよく「国がよくなれば囲碁界もよくなる」と主張している。
半世紀近く囲碁界の発展をこの目で見た証人として、私は中国が強いチームになり、成績を残していることに喜びを感じている。

中国囲碁界は年々強くなっており、この背景には多くの囲碁ファンがいて、人材育成の基礎が出来上がっていることが挙げられる。

中国の人口は多いが、優秀なプロ棋士は1箇所に集まってしまって他の地方の棋士と交流を持てないのが悩ましい部分であった。

その点を考慮して、中国囲碁界を盛り上げてくれたのは甲級リーグの存在だろう。

甲級リーグができる前、国内最強の棋士だったのは常昊だった。彼は国際線での交流の機会が多かったが、他の棋士は少なく、良いトレーニングができていなかった。

甲級リーグが始まってからは、古力が若手棋士の代表として早く成長した。甲級リーグはゆっくりと変化しているが、それよりも早く変化が起こった。それはインターネットの普及だ。

インターネットは急速に成長し、多くの情報を瞬時に伝えることができるようになった。それによって多くの人が自分にぴったりの相手をすぐに見つけ、対局できるようになった。

柯潔はインターネット時代の申し子で彼は一つのアカウントで毎年100局もの対局を行った。

私たちはいつも奇跡を築き上げることができる。しかし囲碁界がだんだん成長を遂げたのは、きっと時代の流れにうまく乗ることができたためだろう。

囲碁は最高のマインドゲームであり、日中対決で和たちたち中国チームが目立ってきてからは中国人が自分たちの実力の高さを誇るようになり、私も政府から大きな激励を受け、受け取りきれないほどの手紙を多くの人からもらった。

1960~1970年代の中国囲碁界は日本囲碁界に比べて1子以上の差が確かにあり、基本的に勝つことはできなかった。

かつて北京にはたった7人のプロ棋士しか在籍せず、彼らはいつも北京郊外の工場で肉体労働をしていたものだった。

その時代の私たちは自分たちが勝てるなんて思っていなかった。

聶衛平さんの話をまとめると、「時代の流れを利用して、その時代に最適な方法で棋士のトレーニングを行うことで世界1になることができた」ということでしょう。

囲碁界のみならず、中国の方々は勝負に対して非常に熱心です。

もし私たち日本人が勝負の世界で彼らに勝つことを目標とするのならば、並並ならぬ努力と時代の流れを十分に生かした工夫をしなければいけないでしょう。

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中国メディアが日本のプロ棋士に伝えたいこと

中国メディアが日本のプロ棋士に伝えたいこと
次に紹介するのは、中国版Twitterの「微博」に投稿された文章です。

その文章の一部には次のような言葉がありました。

日本が他国に遅れをとったのは制度上の理由に原因があるだろう。

中国で聶衛平が、韓国で李昌鎬が時代を作り上げた時に両国は棋士育成の重要度をあげた。しかし日本はその波に乗ることはなかった。

中国や韓国の研究生(院生)は、全国から1箇所に集められた特別トレーニング施設で囲碁一筋の生活をしている。昼間は学校、夜だけ囲碁をする日本の子供とは比べ物にならないトレーニングをしているのだ。

日本には井山裕太に憧れてプロを目指す子供がたくさんいて、日本囲碁界へ良い影響をもたらしている。日本にはまだまだ可能性が秘められているので、これからの活躍に期待するばかりである。

中国の囲碁メディアは日本を下に見ることがありますが、彼らは日本が中国を引っ張ってきた歴史を忘れていません。

中国には「养狼计画」(ライバルを育てて共に成長する)というポリシーがあります。

中国が期待するのは一人勝ちではなく、日本を含め世界戦で各国が熱い戦いを繰り広げることです。

最近の日本囲碁界はなんとか立ち上がろうとする工夫が見られるので、中国もワクワクしてみているのではないでしょうか。

日本でも中国人とレベルの高いトレーニングができる

日本ルールと中国ルール
そんなわけで中国囲碁界の良いところを取り入れて、私たちアマチュアも強くなれる機会があります。

それはみなさんご存知の、インターネット囲碁です。

ネット碁ではいつでもどこでも誰とでも打てるので、トレーニングには最適です。

さらに中国は完全無料で対局観戦のできる野狐囲碁を公開しており、日本語版も対応しています。

野狐囲碁にはスマホ版もあって、こちらは中国語版しかないのですが、非常に便利だと思ったので私が完全解説ガイドを作っています。
【関連記事】野狐囲碁スマホアプリの登録方法、使い方まとめ!日本語で完全図解!

野狐囲碁には中国人がたくさんいますが、彼らは非常に戦い特化の打ち方をしてくるので読みの力と実践力が鍛えられます。

みなさんも日本囲碁界を応援しつつ、自分も切磋琢磨できる相手を見つけて成長しましょうね。

以上、「中国棋院の囲碁棋士は日本とどう違う?【海外メディア完全翻訳】」でした!

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yuki
福岡県出身 東京都在住 ・6歳で囲碁を始める ・14歳:初段 ・現在:野狐囲碁七~八段 ・主な実績 ・CCTV全国大会 ベスト32 ・ゆうちょ杯全国大会出場 ・全国高校選手権 全国大会出場 ・関東世界アマ選手権予選ブロック決勝進出

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