囲碁ってブランクができても弱くなりにくいと言われますよね。
でも長らく囲碁から離れるのは心配です。
囲碁を辞めてから弱くなったと言う人はいても、囲碁を辞めて強くなったと言う人はあまり聞いたことがありません。
「囲碁で不調になった時の3つの打開策」で紹介したように、ブランクと言うよりもリフレッシュで囲碁を止めるのは効果があるそうです。
囲碁ブログを始めたのも、囲碁を止めるときに当時の研究を忘れないようにするためでした。
そして4年経った今、たまーにネット碁を打っています。
AIの打ち方はよくわかりませんが、自分自身、実はそんなに弱くなってないような気もします。
この記事では私が4年間の囲碁ブランクを経て感じたこと、ブランクから復帰する時に気をつけるべきことを紹介しようと思います。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
目次
4年間の囲碁ブランクを経験して思ったこと
冒頭でも言いましたが、私は囲碁ブランクが4年間あります。この4年間は月1回ネット碁に触れるかどうか…のレベルで囲碁から離れていました。
そのようなブランクを経て、今ネット碁を打っていて感じることをまとめました。
囲碁はブランクがあっても意外と勝てる
囲碁のブランクがあっても意外と勝つことができます。
囲碁は自分で考えて身につけるものです。これはスポーツで実際に体を動かしてフォームを覚える行為に似ています。
長年自転車に乗っていなくてもいざ乗ってみると意外とすぐに感覚を思い出すことができるように、囲碁も簡単には忘れません。
このような記憶は「手続き記憶」と言われ、長期記憶の一種です。
ちなみに私は現役時代、東洋囲碁で七〜八段でした。一番良かった時期は八段を維持するのがギリギリって言うくらいでした。
一方4年のブランクを挟んだ今は、野狐囲碁の七段でちょっと勝ち越すくらいです。
2019年現在の野狐囲碁はAIの登場によってレベルが上がっているので、4年前の東洋囲碁八段と2019年の野狐囲碁七段は同レベルだと思います。
つまり、私の成績を例に挙げると、4年間の囲碁ブランクを挟んでも棋力はさほど変わらないと言えます。
その疑問を考えてみた記事が「囲碁が強い人の特徴から考える上達のコツ【どのような工夫があるの?】」です。
ぜひ読んでみてくださいね。
1局を楽しんで打てるようになった
囲碁のブランクを挟んで私が感じたことは、「囲碁を打つことがすごく楽しくなった」ことです。
4年前の私は道場に通い、常に勝つことを求めてシビアに囲碁を研究していました。
一方今は、1週間に1回、ちょっと時間が空いた時にネット碁を打ちます。
当時ほど勝つことを求めなくなったせいもあるかもしれませんが、一番は「戻ってきたなぁ」と言う懐かしい感覚と普段使わない頭を使う新鮮さが理由だと思います。
もちろん棋力アップを目的とする場合、私みたいにのんびり囲碁を楽しんでいる場合ではないです。
「囲碁でストレス解消する方法【強くなるトレーニング法】」で紹介したように、ストイックに囲碁に打ち込む方が圧倒的に強くなれます。
だからもし囲碁でブランクができてしまっても、そこまで問題ないと思います。
囲碁に打ち込んできた人が囲碁から離れるほど、復帰した時のモチベーションは高くなる傾向にあります。
たとえ囲碁のブランクがあっても、ここからまた現役復帰を目指すことも十分に可能です。
このように現役選手として頑張るのも良いですが、お友達と一緒に囲碁を楽しむのもおすすめです。
「くまぽろさんが語る!囲碁会とイベントで楽しもう!【初コラボ】」ではくまぽろさんが囲碁界について熱く語ってくれているので、ぜひ読んでみてくださいね。
囲碁のブランクは棋風を変える
これは私がふと感じたことですが、ブランクがあると棋風が少し変わる可能性があります。
囲碁の棋風とは、その人が好む戦術のことで、自分の性格にも大きく左右されます。
実は囲碁でブランクができると、「穏やかな棋風」になっていることが多いです。
ブランクの間囲碁に触れないことによって、流行りの打ち方がどんどん研究されて、知らない形を打たれると一瞬で潰されると言う恐怖心が付きまといます。
なるべく変化が少なく、安全な序盤戦を選択することで地力の勝負に持ち込むのが一番安定した勝ち方です。
だから復帰した直後は序盤で戦いを仕掛けず、ヨセでじっくり勝つ打ち方の方が打ちやすく感じ、自然と穏やかな棋風になるのだと考えられます。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
ブランクで囲碁が弱くなったと感じた部分
ここまで囲碁のブランクはそんなに問題じゃないと言う紹介をしましたが、実はブランクのせいで弱くなったなぁと感じる部分もあるんです。
囲碁の布石
まずブランクによって困るのが、「布石」です。
囲碁の布石は時代によってたくさんの流行が生まれ、かなりの手数まで研究されています。それを知らずに打ってしまうと、一瞬で潰されて対局が終了することも珍しくありません。
でも自分が得意な定石を打っていたはずでも、布石で頭を抱えてしまうことはよくありました。
私が現役時代よく使っていた布石は「囲碁の定石とは?級位者でもすぐに使えるおすすめ布石を大公開!」に全て書いていますが、これらは2019年現在、あまり主流ではないようですね。
現役時代は布石でなんとなくここかなって言う検討はついたのですが、復帰後は本当にわかりません。
覚えていないものはしょうがないので、もう難しい変化は打たないようにしました。
布石は勝負に直結しないので、ちょっとくらい不利でもそれなりの碁になりますし、勝率を大きく下げるものではありません。
それだけが救いでしたね。
ちなみに私が一番好きなのはミニミニ中国流です。
攻め合いの手数を読むこと
もう一つ、ブランクの影響が出ているなと思ったのは、「攻め合いを読むこと」です。
2手3手のような簡単な攻め合いならまだしも、中盤の10手を超える攻め合いになると読めなくなっているのに気づきました。
このような攻め合いの時、脳内碁盤に石を並べていって考えます。
しかし長年のブランクがあると、脳内碁盤が薄れていってしまうようです。
最近はちょっとずつ読みのスピードが速くなりつつあるので、復帰してしばらく囲碁に触れていればある程度は戻ってくるのかもしれません。
有段者レベルではある程度の感覚もあるので、読めなくてもなんとなく攻め合い勝ちかなって言う部分で打てたりもします。
ブランク直後には読めなくなっていることを絶望的に感じるかもしれませんが、徐々に戻ってくるので安心して囲碁に向き合いましょう。
「【保存版】囲碁の攻め合い手数のまとめ!これでもう困らない!」の記事を読み返して、基本から勉強し直そうと思います。
\完全無料!毎日1問詰碁配信/
囲碁のブランクを埋めるために必要なトレーニング
最後に、私が実感した囲碁のブランクを埋める方法を紹介します。
囲碁のブランクを埋めるためには、脳内碁盤の再生を一番に取り組むべきだと思います。
脳内碁盤を再生するためには、以下の2つのトレーニング方法が効果的です。
- とにかく実践を積む
- 詰碁を解きまくる
詰碁を解くのは考えを鍛える良い方法ですが、総合的に囲碁を思い出すためにも実践を積んだ方が良いと思います。
そのほかにも最新布石への対応など課題はたくさんあります。
ただ、布石は古い定石を使っていても野狐七段レベルで十分に通用するので、あまり最新布石にこだわる必要もないでしょう。
囲碁のブランクから復帰したと言うことは、きっとこれまでの壁を一つ乗り越えて新しい生活に変わったと言うことですよね。
本当にお疲れ様でした。
【人気記事】絶対に読むべきおすすめ囲碁本・棋書
\完全無料!毎日1問詰碁配信/