今回はこのような疑問に答えます。
囲碁の対局では、持ち時間を設定して打つことがほとんどです。
この記事では以下のことがわかります
- 持ち時間・秒読みとは?
- プロ・アマの対局の持ち時間
- 時間切れ負けを防ぐためのコツ
- プロの対局は1局に6時間以上かかる(主要棋戦)
- アマチュアの対局は1局30分〜1時間半くらいで終わる
この記事を書いている私は囲碁歴18年、元県代表です。
いろんな大会に出場してきて、持ち時間のペース配分をよく考えることが勝率アップの秘訣だと感じています。
初心者さんの大会でもよく時計を使うので、この記事を読んで持ち時間の仕組みをしっかり理解しましょう!
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目次
囲碁の持ち時間や秒読みを徹底解説!【大会で切れ負けしない方法】
片方は自分の持ち時間、もう片方は相手の持ち時間を表示しています。
自分が打ったら時計のボタンを押すことで自分の時間が止まり、相手の時間が動き出す仕組みになっています。
この時間はどんどん減っていって、0になると時間切れ負けです。
囲碁の持ち時間とは?
持ち時間とは、1局の中で1人が考えれる時間の合計を定めたものです。
持ち時間を設定しないといくらでも考え込んでしまって、対局に時間がかかりすぎるので、大会ではほぼ必須のルールになっていますね。
江戸時代には持ち時間という概念がなく打ち続けていて、数日かけて1局を打っていたそうです。
今の時代はそんなことできないので、持ち時間が導入されるのはしょうがないかなと思っています。
先ほど説明したように、持ち時間は自分と相手でそれぞれ設定されます。
持ち時間40分なら、自分が考えれる時間が合計で40分。着手すると時間が止まり、相手が着手すると再び自分の時計が動き始めます。
この持ち時間の残りが0になると、時間切れ負けです。
そして持ち時間を各40分に設定すると、80分以内に必ず対局が終わるので、スケジュールを立てるのが簡単です。
持ち時間という制度は1局全体での時間のため、終盤に時間がなくなると、時間切れ負けが避けられなくなってしまいます。
それを狙って、残り時間が少ない相手の時間切れを狙うマナーの悪い戦術もたまーに見かけます。
(終局に同意せず、意味のない手を打ち続けて時間を削る)
- 持ち時間は1人が考えれる時間の合計
- 1局にかかる時間を明確に設計できるのでスケジュールが立てやすい
- 時間切れ負けが起こりやすい
囲碁の秒読みとは?
囲碁の秒読みとは、1手あたりの考慮時間を定めたものです。
秒読み30秒なら、1手を30秒以内に打たなければいけません。
1手あたりの時間を決めることで、全体の持ち時間を定めるよりも時間切れしにくくなり、対局をもっと楽しめます。
アマチュアの大会ではあまり使われないルールですが、プロの対局ではほとんど秒読みが設定されています。
秒読みでは1手あたりの時間しか定めていないので、手数が長くなると必然的にかかる時間も増え、対局終了時間を把握できないという問題点があります。
秒読みはどんな状況でも一定の考慮時間が保証されているので、「持ち時間」に比べると時間切れ負けの確率が格段に低いですね。
ぼーっとしていなければ普通は0になりません。
- 秒読みは1手あたりの考慮時間
- 対局が長引くと終わる時間を予想できない
- 時間切れ負けが起こにくい
囲碁の対局中にトイレに行く時、時計はどうするの?
日本棋院の規約上では、時間について明記されたルールはありません。
持ち時間、秒読みの扱いについてはそれぞれの棋戦内でしっかりとルールを定めるようにしてあるそうです。
一般的なルールとして、秒読み中にトイレに行きたくなったら時計を止めて離席してOKです。ただ、プロ公式棋戦では秒読みを止めることはできず、たとえトイレに行っていても時間が進むようです。
棋士はトイレに行っても頭の中で考えれちゃうので、そこで時間を止めると逆に不公平になるかもしれないですね。
アマチュアの場合は審判員次第ですが、県大会とか全国大会みたいな大きな試合でなければ時計を止めてもOKだと思います。
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プロの対局での持ち時間、秒読みは?
プロ棋士のタイトル戦の持ち時間
棋聖戦 | 8時間(残り10分から1手60秒の秒よみ) |
---|---|
名人戦 | 8時間(残り10分から1手60秒の秒よみ) |
本因坊戦 | 8時間(残り10分から1手60秒の秒よみ) |
王座戦 | 3時間(残り5分から60秒の秒よみ) |
碁聖戦 | 3時間(残り5分から60秒の秒よみ) |
天元戦 | 3時間(残り5分から60秒の秒よみ) |
十段戦 | 3時間(残り5分から60秒の秒よみ) |
プロ棋士のリーグ戦の持ち時間
プロの棋戦でリーグ戦があるのは、棋聖戦、名人戦、本因坊戦です。
リーグ戦の各持ち時間は名人戦、本因坊戦が共通で、5時間、残り5分から秒読み60秒です。
棋聖戦は特殊なリーグ体系をとっているため、挑戦者決定トーナメント、Sリーグ5時間。Aリーグ4時間。B・Cリーグ、FTは3時間となっています。秒読みは共通して残り5分から秒読み60秒です。
もっと詳しい棋戦情報は「囲碁のタイトル一覧!意外と賞金が多い棋戦はどれ?」をご覧ください
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アマの主な大会での持ち時間、秒読みは?
大会規模 | 1人の持ち時間目安 |
---|---|
主要全国大会 | 持ち時間50分秒読み60秒 |
主要地方予選 | 持ち時間40〜50分 |
段級位認定大会 | 持ち時間40分前後 |
子供棋戦 | 持ち時間30分前後 |
大会で時間切れ負けをしないための注意点
布石を決めて序盤の消費時間を減らす
時間切れを防ぐ有効な戦術が、序盤の打ち方を決めておくことです。
これは名人戦で張栩さんが極端に実践した戦術で、かなり効果を発揮していましたね。
【参考】【全棋譜あり】囲碁タイトル名人戦張栩VS井山裕太!
囲碁って序盤はどう打っても1局になるので、あまり細かいところにこだわりすぎないほうが時間を節約できます。
序盤のミスよりも中盤・終盤のミスの方が勝敗に直結するため、持ち時間の短い対局では序盤は時間を使わずに打ち進めたいところです。
常に時計をチェックする癖をつける
対局時計が付く対局では、1手打つごとに時間をチェックするのが基本です。特に終盤ほど時間に気をつけましょう。
時間切れ負けをする人の半分くらいは時間を忘れて考え込んでしまっていて、「気付いた時にはもう時間がなかった」と言っています。
残り時間がわかれば今後のペース配分も考えれるし、簡単に打つか難しい変化を仕掛けるかの選択にも役立ちます。
秒読みの持ち時間を設定した対局に慣れる
持ち時間や秒読みのルールは、実際にたくさん経験して慣れるのが一番の対策法です。
時間に追われる感覚を知らないと、いざ大会に出てみた時に慌ててしまいます。時間が余っていても、時間ばかり気になって集中できないのもよくある話なんです。
だから普段持ち時間に慣れていない人は、対局時計を使って持ち時間を設定した対局をやってみましょう。
囲碁教室で対局時計があるときは、積極的に使って練習していいですし、もしそれができなくてもネット碁で練習できます。
ネット碁では持ち時間・秒読みがデフォルトなのでかなり練習になります。
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