aiリライトで直るのは半分|995段落と指摘408行で引いた線

「AIに投げたら文章はきれいになったのに、記事としては良くなった気がしない」。AIリライトを試した担当者から、いちばん多く聞く感想です。なめらかになったぶん、どこを直したのか自分でも説明できなくなる、という声もよく聞きます。

先にお伝えすると、AIに任せて成果が出るのは読みやすさの層だけで、記事の良し悪しを決める部分は人の手に残ります。ここを分けずに全部を投げると、努力の割に手応えが出ません。

この記事を読めば、AIに渡していい範囲と、自分で決めなければいけない範囲の線が引けます。読み終えるころには、明日どの工程から任せるかが1つに決まっているはずです。

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目次

先に結論|AIリライトは半分しか任せられない

AIリライトは、記事を丸ごと投げて完成品を受け取る道具ではありません。任せて成果が出るのは、文の長さ・語尾・段落の割り方といった「読みやすさ」の層だけです。

この章では、自社の記事制作で実際に測った数字から、任せられる範囲の輪郭を先に示します。995段落の比較が示すのは書き換えの量。任せられる範囲の線は、指摘408行の分類から引いたものです。

初稿の48.7%しか残らなかった

当社では記事を公開する前に、評価と修正のループを必ず通しています。そのループに入る前の原稿と、実際に公開した確定版を、2026年8月時点の自社記事プロジェクト9件ぶん、段落単位で全数比較しました。

結果は、初稿の995段落のうち、一字も変わらずに残ったのは485段落=48.7%でした。判定は段落の文字列が完全に一致するかどうかで、一字でも直せば「書き換えた」に数えています。

項目 実測値
比較した記事数と段落数 9記事・初稿995段落
記事ごとの残存率の幅 32.0%〜60.3%(平均48.2%・中央値50.0%)
本文字数の増減 平均 +13.9%(9記事とも増加)
段落数の変化 9記事すべてで増加(例 89→114、142→199)

注目したいのは、字数が減るのではなく増えている点です。リライトの実態は「余計な文を削る」ではなく、長い段落を割り、足りない説明を足す作業でした。文章をなめらかにするだけの道具では、この作業は終わりません。

指摘の最多は文章のうまさではない

では、修正のときに何を指摘されているのか。同じ9記事の評価ログに残った指摘408行を、正規表現で機械的に分類しました。集計日は2026年8月25日です。

指摘のカテゴリ 件数 AIに任せられるか
視覚ブロック・表・箇条書き 129 案出しは任せられる
事実・数値・出典 86 任せられない
構成・見出し・目次 80 任せられない
段落・一文の長さ 79 任せられる
独自ナレッジ・一次情報 39 任せられない
重複・再掲 32 検出は任せられる
語尾・文体・NG表現 25 任せられる
導入文・タイトル 21 案出しは任せられる
結論ファースト・納得感 20 判断は任せられない
匿名化・競合表現 4 任せられない

分類は正規表現による機械的な割り当てなので、1行が複数のカテゴリに数えられることがあります。それでも傾向ははっきりしていました。文章そのものの巧拙にあたる「語尾・文体」は25件で、下から4番目です。

いちばん多いのは誌面の作り、次が事実と出典。どちらもAIに文章を書き換えさせても解決しません。

同じ方向の結果は、外部の調査でも出ています。Semrushが2026年4月に公開した調査は、2025年11月に2万キーワードの上位10位からURLを取得しています。そのうちブログページ4万2千件を分析したもので、AIかどうかの判定にはAI検出ツールが使われました。

そこでは、純粋にAI生成と判定されたコンテンツが1位に現れたのは9%、人間が書いたと判定されたコンテンツは80%だったと報告されています。同じ調査のSEO実務者224名へのアンケートでは、87%が自社のコンテンツを「完全に人が作っているか、人が主導している」と答えました。

ただし、AIを使うこと自体が不利になるわけではありません。Ahrefsが2025年7月に公開し2026年8月に更新した調査は、10万キーワードの上位20位から集めた60万ページを分析しています。

そこではページ内のAI生成率と検索順位の相関が0.011で、実質ゼロだったと報告されました。

同じ調査で「純粋に人が書いた」と判定されたページは13.5%にとどまり、81.9%は人とAIの混在でした。使うか使わないかではなく、人がどこに手を入れているかで差がついているという読み方になります。

任せる前に決めておく2つのこと

AIリライトを始める前に、2つだけ決めておきましょう。この順番を守るだけで、手戻りがはっきり減ります。

1つめは、直す順番。事実と出典を人が直してから、文章をAIに回します。逆にすると、AIが整えた文をもう一度事実確認で崩すことになります。

2つめは、回す回数。2026年8月時点の自社9記事の実測では、1記事あたり平均3.67ラウンドを回していました。

初回で合格ラインの90点に届いたのは9本中2本、22.2%だけです。最初の1回で仕上がらないのが普通だと分かっていれば、回数を決めて始められます。

なお、ラウンド数は評価ログの見出しで数えており、点数の平均は点数が記録に残っている回だけで計算しています。

逆にいえば、3回前後で止める前提を持っておけば十分です。回数を決めずに始めると、直すたびに新しい違和感が見つかって終われなくなります。

AIリライトで実際にできること

AIリライトが確実に効くのは、機械で検出できる崩れです。文末の繰り返し、長すぎる文、詰まった段落。どれも「どこが崩れているか」を数えられるので、直した結果も確かめられます。

ここでは、自社の公開記事267本を機械チェックにかけた実測とあわせて、任せられる4つを挙げます。

語尾と文のリズムをそろえる

いちばん任せやすいのが語尾です。同じ語尾が3文続くと文章は単調になりますが、書いている本人はまず気づきません。

2026年8月25日時点の公開記事267本を機械チェックにかけたところ、同じ語尾が3文以上続く箇所を持つ記事は181本ありました。検出は903箇所で、主な内訳は「ます」が749、「です」が150でした。

判定は語尾を「ます」「です」に正規化してから数えています。当社の記事では、直さずに置くとこの割合で残っていました。

この直しは、指示さえ具体的なら任せられる部類です。「文章を自然にして」ではなく「同じ語尾が3文続いている箇所だけ、意味を変えずに語尾を変えて」と渡すと、返ってくるものが安定します。

長い文と長い段落を割る

2つめは、文と段落の長さです。同じ267本の実測では、60字を超える文が全39,699文のうち4,385文=11.0%ありました。

4文以上が詰まった段落は、全15,091段落のうち2,492=16.5%です。どちらも2026年8月25日時点の集計になります。

これも機械で数えられるので、直した効果がそのまま数字に出ます。指示は「60字を超える文を2文に分けて。引用部分は分けないで」のように、閾値と例外の両方を書くのがコツです。

ツール側にも同じ発想の機能があります。GoogleドキュメントのGeminiは「クイック操作で修正する」として、言い換え・短縮・詳細化・箇条書き化・要約を選べると公式に案内しています。やってほしい操作を先に決めてから渡すという点は共通です。

ただし割り方には向き不向きがあります。引用を含む文や、条件がつながっている文を機械的に割ると、意味が切れてしまいます。閾値は判断の入口であって、答えではありません。

表や箇条書きの候補を出す

3つめは、誌面の作りです。前章で見たとおり、当社の指摘でいちばん多かったカテゴリがここでした。

ただし任せられるのは「案を出す」ところまでです。この段落を表にするならどんな列になるか、この説明は箇条書きと文章のどちらが向くか。こうした問いにはAIがよく答えます。

一方で、その表を置くかどうかは人が決めます。同種のブロックが3つ続いていないか、同じ数字を表と本文の両方に書いていないか、といった判断は記事全体を見ないとできません。

なお、ルールを決めておけば守れる項目もあります。当社は「箇条書きは1項目70字以下」という基準を置いていて、267本の箇条書き6,134項目のうち超過は4項目、0.07%でした。基準が明文化されている項目は、AIに渡す前の段階でほぼ潰れます。

別の言い回しを複数案並べる

4つめは、案出しです。1文を5通りに書き換えさせて選ぶ、という使い方はAIリライトの得意分野になります。

この使い方の利点は、選ぶ主体が人のまま残ることです。AIに書き換えさせて終わりにすると、なぜその表現になったのか説明できなくなります。案を並べさせて選べば、選んだ理由が自分の中に残ります。

  • 語尾・文長・段落など、数えられる崩れの修正
  • 表や箇条書きへの整理案、見出しの言い換え案
  • 1文に対する複数の書き換え候補の生成
  • 数字・出典・固有名詞の正しさの判断
  • 章の並びや粒度など、記事全体の設計
  • 自社の実測値や体験など、元データが要る内容

AIリライトツールの選び方

ツールは一覧から選ぶものではなく、任せたい工程から逆に決めるものです。書き換えまでやってほしいのか、指摘だけほしいのかで、向いている道具がはっきり分かれます。

ここでは公式ページに記載のある仕様だけを使って、選ぶときの4つの軸を示します。以下の内容はいずれも2026年8月25日時点の記載です。

何を任せるかでツールが変わる

道具は大きく2つに分かれます。文章を書き換えて返すものと、直す場所を指摘して人に返すものです。

前者を担うのが汎用の生成AIです。Claudeのアーティファクトでは、Markdownの文書上でテキストを選んで「Claudeで編集」をクリックします。その場で書き換えを指示できると公式に説明されています。

前章で触れたGoogleドキュメントのGeminiも、操作名が先に決まっている型です。どちらも、やってほしいことを指定して書き換えを受け取る流れになります。

後者は日本語の校正・推敲に特化したツールです。Shodoは「日本語に特化した AI校正・校閲 クラウド」と掲げ、勝手に書き換えず変更を提案する設計を公式に明記しています。文賢は「ルール校正」「ルール推敲」に加えてAIアシストを持ち、その項目名に「読みやすくリライト」「フォーマルにリライト」「情緒的にリライト」が並びます。

前章で見たとおり、当社の指摘でいちばん多かったのは誌面の作りと事実でした。自社の記事でどちらの指摘が多いかを先に数えると、どちらの型の道具から入るかが決まります。

もうひとつ、AI以外の道具も選択肢に入れてください。当社は語尾の3連続・一文の長さ・箇条書きの字数を検査するスクリプトを制作工程に組み込んでいて、数えられる崩れはAIに渡す前にここで洗い出しています。

入力した原稿の扱いを確認する

次に見るのは、貼りつけた原稿がどう扱われるかです。未公開の記事やクライアントの原稿を入れるなら、ここが最優先の判断材料になります。

提供元によって方針が違い、同じ提供元でもプランで変わります。

提供元・プラン 公式に書かれている扱い
Shodo(全プラン) 「無料プラン、有料プランに関係なく学習をしません」
文賢 「お客様が入力した文章は、AIの学習データとして使用されません」。AIアシストに送信した文章は監視・調査を目的に30日間保管
Anthropic 商用製品 デフォルトでは学習に使わないと明記
Claude 消費者向け(Free/Pro/Max) 利用者が許可した場合に使用されるオプトイン型
OpenAI Business・Enterprise・API 料金ドキュメントのプラン比較表で、業務データを既定では学習に使わない扱いがこの3つに適用されると示されている
Geminiアプリ(個人向け) 人間のレビュアーがチャットの一部をレビューすると明記。レビューされたチャットは最大3年間保持
Google Workspace の生成AI 顧客コンテンツは人間によるレビューを受けず、許可なくドメイン外でトレーニングに使用されないと明記

とくに注意したいのが、個人向けと法人向けの差です。Geminiアプリのプライバシーハブには、はっきりとこう書かれています。

「レビュアーに見られたくない機密情報や、Google のサービス(機械学習技術など)の改良のために使用されたくない機密情報は入力しないでください」。

受託した原稿を扱うなら、無料プランや個人向けプランのまま使わない。これは道具の優劣ではなく、契約の種類の話です。

無料で試せる範囲を確かめる

無料枠の設計も、ツールによってかなり違います。恒久的に無料で使えるものと、期間限定のトライアルだけのものがあります。

ツール 無料で使える範囲(公式記載)
Shodo ベーシックが0円/月・1名まで・永年無料。有料プランは14日間の無料トライアルが一度だけ
Claude 無料プラン0ドル。使用容量は「制限付き」、最適な用途は「時々の使用」と記載
Gemini 無料プラン0円。Canvasはすべての Gemini ユーザーが利用可能と明記
ChatGPT Freeプランが0ドル。利用回数の具体的な上限は公式ページに記載なし
文賢 恒久無料プランはなく、14日間の無料トライアルのみ
Notion AI ビジネスプランとエンタープライズプランで利用可能。フリー・プラスは「Notion AIの体験版」の表記

無料枠の条件は変わりやすいので、導入を決める段階で必ず公式ページを開いて確認してください。この記事の数字も、2026年8月25日時点の記載にすぎません。

日本語の推敲に強いかを見る

最後の軸が、日本語をどこまで前提にしているかです。書き換えの精度そのものより、日本語特有の直しどころを持っているかのほうを見てください。

公式に日本語対応を明記しているものもあります。Claudeはサポート言語の一覧に日本語を含めており、Google Workspace の生成AIも対応言語一覧に日本語を挙げています。

日本語特化を公式に掲げているのはShodoです。ウェブライダーの文賢は、対応言語としての明示はないものの、日本語のチェック項目をルール校正13項目・ルール推敲22項目として公式ページに示しています。

実務で効くのは、チェック項目が具体的に決まっていることです。項目が明示されていれば、何が直って何が直っていないかを人が把握できます。

  • 直す場所を指摘して返す設計は、修正の理由が人の手に残る
  • チェック項目が明示されていると、直った範囲を確認できる
  • 書き換えて返す設計は本文に直接反映されるため、どこが変わったかを人が控えておく必要がある
  • 無料・個人向けプランのままでは、未公開原稿を入れる判断がしづらい

道具そのものに優劣があるわけではありません。工程ごとに道具を割り当てるという考え方で選ぶと、迷いは減っていきます。

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AIリライトでは直らないもの

AIリライトの限界は、能力ではなく仕組みのほうにあると考えてください。書き換えは表現を操作する作業なので、表現の外側にある問題は、どれだけうまく書き直しても残ります

実際に指摘として多かった4つを、直らない理由とあわせて見ていきましょう。

事実と出典は書き換えで直らない

指摘の分類で2番目に多かったのが「事実・数値・出典」の86件でした。ここはAIに渡しても減りません。書き換えは文の形を変える作業で、元の数字が正しいかどうかには触れないからです。

むしろ、なめらかにするほど誤りが見えにくくなります。「約7万4千キーワードのうち上位10位以内」という限定が、書き換えの過程で「7万件の調査」に縮むと、文章としては読みやすくなり、事実としては壊れます。

数字を含む文は、AIに渡す前に人が確定させておく。これが実務上いちばん効く順番です。出典の確認手順はAI記事のファクトチェック方法にまとめています。

引用は言い換えると意味がずれる

引用は、AIリライトで最も事故が起きやすい場所です。当社でも実際にやりました。

政府文書からの引用で「学習」という語を「作業」と言い換えたところ、原典が自社の主張を支持しているように読める形になり、品質評価で減点されました。文章としては自然になったのに、引用としては別のことを言っている状態です。

この失敗から決めたルールは2つです。

  • 主張のキーになる語だけは、原文のまま動かさない
  • 引用と解釈は文を分け、主語を変えて書く

この論点には、法律の側からも押さえておきたい整理があります。文化庁の「AIと著作権に関する考え方について」(令和6年3月15日)に、依拠性についての記述があります。

既存の著作物そのものを生成AIに入力して類似したものを生成させた場合、著作権侵害の要件のひとつである依拠性が認められやすくなる、という整理です。

ただし侵害の成立には類似性も必要で、そこは個別具体的に判断されるとされています。

加えて、この資料自体に「本考え方自体が法的な拘束力を有するものではなく」と明記されています。法解釈として断定的に読まないほうが安全です。

他社の記事をAIで言い換えて自社記事にするという使い方は、法律の観点でも検索エンジンの観点でも、避けたほうが安全な領域です。

構成の欠陥は文章では埋まらない

3番目に多かった「構成・見出し・目次」の80件も、書き換えでは解決しません。見出しの並びが読者の疑問の順になっていない記事は、一文ずつどれだけ整えても読みにくいままです。

構成の問題は、たいてい次のどれかとして現れます。

症状 実際に起きること 直し方
章の答えが冒頭にない 読者が結論を探して読み飛ばす 各H2の1文目を答えに差し替える
同じ内容が2つの章にある どちらが本題か分からなくなる 片方を参照に変えて数値を残さない
見出しの粒度がそろわない 目次を見ても全体像がつかめない 見出しの階層を組み直す
読者の次の疑問に答えていない 読み終えても行動が決まらない 足りない章を追加する

いずれも、直すのは文章ではなく設計です。AIに手伝わせるなら「この見出しの並びで読者の疑問に答えられているか」を尋ねる使い方になり、書き換えさせる使い方ではありません。

独自の情報は生成できない

「独自ナレッジ・一次情報」の39件は、AIリライトで最も埋まらない指摘です。自社で測った数字、現場で見た事例、失敗した経験は、書き換えからは出てきません。

この記事に載せている残存率48.7%も、社内のファイルを機械的に集計して初めて出た数字でした。元データが手元にあって、初めて書ける種類の情報です。

逆にいうと、独自の情報さえ人が用意できていれば、その周りの文章はAIに任せられる形になります。素材を先に確定させ、仕上げを任せる。順番はこれで固定できます。

AIリライトの手順と回数の決め方

手順は4つで、順番も決まっています。事実を先に固め、見出し単位で渡し、回数を決め、直したあとに再検査する。この順を守ると、直すたびに壊れるという事故が減ります。

それぞれ、なぜその順なのかを実測とあわせて説明します。

直す順番は事実から始める

最初にやるのは、数字・出典・固有名詞の確定です。文章の手触りを整えるのは、そのあとにします。

理由は単純で、事実を直すと文が変わるからです。数字が変われば前後の説明も変わり、出典を足せば文の構造も動きます。先に文章を整えても、事実の修正でその努力が消えます。

順番を守った場合と、逆にした場合の違いを表にしました。

やる順番 起きること
事実 → 構成 → 文章 直した文章がそのまま残る。AIに渡す範囲がはっきりする
文章 → 事実 → 構成 整えた文を事実確認で崩し、崩れた文をまた整え直す

見出し単位で渡し全文を渡さない

AIに渡す単位は、記事全体ではなく見出しひとつ分にします。全文を渡すと、直してほしくない箇所まで書き換えられて、どこが変わったか追えなくなるからです。

前章の表で見たとおり、リライトを通した記事は9本すべてで段落数が増えていました。段落は割れて増えるものだと分かっていれば、全文を一気に渡す必要はありません。

渡すときは、直してほしい観点も一緒に指定します。「読みやすくして」ではなく、「60字を超える文を分割して。事実と数字は変えないで」と書くほうが、返ってくるものが安定します。

回す回数を先に決めておく

回数の目安は3回です。2026年8月時点の自社9記事・のべ33ラウンドの実測で、1記事あたりの平均が3.67ラウンド、中央値が3ラウンドでした。最小2ラウンド、最大6ラウンドという幅があります。

点数の推移も見ておくと判断しやすくなります。初回ラウンドの平均は86.1点で、最終ラウンドは平均94.4点。伸びは平均で8.3点でした。

最初の1回で完成しないのが普通で、3回前後で大半が仕上がるという形です。

今泉の視点:回数を決めていなかったころは、5回目、6回目まで回して、点数が2点しか動かないということが起きていました。いま止めどきの目安にしているのは「2回続けて伸びが2点未満なら打ち切る」です。直せる場所がなくなったのではなく、直しても効かない場所を触り始めた合図だと考えています。

直したあとに必ず再検査する

最後の手順が、直したあとの再検査です。ここを省くと、修正が新しい誤りを生みます。

当社では実際に起きました。ある記事で95点の合格判定が出たあと、指摘に沿って修正した版を採点し直したら93点に下がり、新しいブロッカーが1件発生しています。直した箇所そのものが、次の問題の発生源になるという現象です。

再検査で使う物差しは、修正の前後で変えないでください。同じ「同じ語尾が3文続く」という指標でも、判定の定義を変えるだけで数字は大きく動きます。

当社では、文末の文字列をそのまま照合したときの該当が262本中10本=3.8%でした。ところが語尾を「ます」「です」に正規化してから数え直すと、267本中181本=67.8%になります。

母数は5本違いますが、その差ではとても説明のつかない開きです。良くなったかどうかを比べたいなら、物差しを固定する。これはリライトの効果測定そのものにあてはまります。

効果測定が難しいのは、当社に限った話ではありません。株式会社ecloreが2025年2月22日に発表した国内調査を見てみます。SEO業務に従事する150名への調査です。

リライト実施時の最大の課題として挙がった1位は「適切な更新のタイミングや優先度付けが分からない」で、37.3%でした。

3位は「リライト・アップデートの効果測定が難しい/手間がかかる」で22.7%です。どこから直すかと、直した効果をどう測るか。この2つが、リライトの現場で最後まで残る問いになります。

効果そのものを対照群つきで測った調査もあります。コンテンツ更新ツールを提供する RepublishAI が2026年3月13日に公開した調査です。

20業種にわたる14,987件のURLを、更新した群と一度も更新していない群に分けて76日間観察しています。

結果は更新群が平均+5.45位、未更新群が平均-2.51位で、差は7.96位。ただしこれは更新自動化ツールのベンダー自身による調査で、第三者の査読は受けていません。数字を借りる前に、誰が何のために測ったのかを確認する必要があります。

AIリライトについてよくあるご質問

AIリライトの導入前によく受ける質問を、公式の記述と当社の運用で答えられる範囲でまとめました。

AIでリライトした記事は検索評価が下がりますか

AIを使ったこと自体が評価を下げるとは、Googleの公式記述からは言えません。公式ガイダンスは「AI を使用したからといってランキングに関して特別なメリットがあるわけではありません」と述べています。「作成方法ではなく、内容が評価の対象となります」という記述もあります。ただし検索ランキングの操作を主な目的とした使い方は、スパムポリシー違反にあたると明記されました。

AIリライトは無料でできますか

無料の範囲でも始められる、というのが答えです。2026年8月25日時点では、Shodoのベーシックが0円で永年無料、ChatGPT・Claude・Geminiにも0円のプランがあります。ただし利用回数の具体的な上限は公式ページに記載がないものが多く、文賢のように恒久無料プランを設けず14日間のトライアルのみのツールもあります。条件は変わるので契約前に公式ページで確認してください。

クライアントの原稿をAIに貼っても大丈夫ですか

使うプランによって扱いが変わるため、契約前に公式の記述を確認してください。個人向けと法人向けで方針が違う提供元があります。GoogleはGeminiアプリのプライバシーハブで「レビュアーに見られたくない機密情報(中略)は入力しないでください」と明記しました。未公開原稿を扱うなら、学習に使われない設定のプランを選ぶのが前提です。

AIリライトと文章添削AIは何が違いますか

添削は誤りや違和感を指摘する工程で、リライトは文章そのものを書き換える工程です。順番としては添削が先で、どこを直すか決まってから書き換えに入ります。指摘を受け取る前に書き換えさせると、直す必要のなかった箇所まで変わってしまいます。

まとめ

AIリライトが確実に効くのは、語尾・文の長さ・段落の割り方といった、数えて確かめられる崩れです。事実、出典、構成、独自の情報は、どれだけうまく書き直しても直りません。

当社の9記事・995段落の全数比較では、品質チェックに出す前の原稿のうち一字も変わらずに残ったのは48.7%でした。半分は書き換わる前提で、事実を先に固め、見出し単位で渡し、3回前後で止める。この順番が実務の骨格になります。

明日からやること
  • 数字・出典・固有名詞を人が確定させてからAIに渡す
  • 記事全文ではなく、見出しひとつ分ずつ渡す
  • 「読みやすくして」ではなく、閾値と例外を指定する
  • 回す回数を先に決め、2回続けて効果が薄ければ止める

自社の記事でどこまでを任せるか、判断の線を一緒に引きたいという段階になりましたら、無料相談でご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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