ライティングとは?種類と基礎・Webでの書き方をやさしく解説

白い背景に置かれたタイプライターと差し込まれた白紙の用紙

「ライティングを勉強したい」と思って調べ始めたら、Webライティング、コピーライティング、SEOライティングと似た言葉が次々に出てきて、かえって分からなくなった。そんな経験はないでしょうか。しかも記事の多くは、いきなりWeb限定の手順から始まります。

当社は月間4,500万セッション級メディアの支援現場で、書く仕事に向き合ってきました。この記事では、ライティングという言葉そのものの意味と、種類の地図、そして基礎として何を身につけるかまでを順に整理します。

基礎の部分では、国が公用文の作り方として示している考え方を引いていきましょう。経験則ではなく、公の根拠のある土台からお伝えします。

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目次

先に結論:読み手に伝わる文章を書く技術のことです

まず最初に、結論からお伝えします。

  • ライティングは、目的をもって読み手に伝える文章を書く技術
  • 種類は媒体ではなく「何をしてほしいか」で分けると整理できる
  • 基礎は、国が公用文の作り方として示した考え方とほぼ同じ
  • センスではなく、練習で伸ばせる技術

1つ目は、ライティングが「目的をもって書く技術」だということです。日記のように書くこととの違いは、読み手と目的がはっきりしている点にあります。誰に何を伝え、読んだあとどうなってほしいのかが決まっているかどうかが分かれ目です。

2つ目は、種類を目的軸で分けると混乱しないということです。Web、コピー、セールスといった呼び分けを媒体で区切ると、重なりが出て分からなくなります。「読み手に何をしてほしいか」で並べ直すと、地図として使えるようになります。

3つ目は、基礎に公の裏づけがあるということです。文化審議会が示した公用文の考え方には、読み手に合わせて書くこと、伝えることを絞ること、通じる言葉を選ぶことが並んでいます。ライティングの基礎として語られてきた内容と、驚くほど重なります。

4つ目は、これがセンスではなく技術だということです。基礎はどれも守れるかどうかの問題であって、才能を必要としません。文章が書けないと感じるときは、才能ではなく手順の問題であることがほとんどです。

ライティングとは目的をもって文章を書く技術です

まずは言葉の意味からです。範囲が広い言葉なので、まず輪郭をはっきりさせておきましょう。

屋外でタイプライターに向かって文章を打っている手元

「書く」との違いは目的の有無

ライティングとは、読み手と目的をはっきりさせたうえで文章を書く技術のことです。英語の write が「書く」を意味するので、直訳すれば書くことそのものになります。ただ、日本のビジネスの場面で使われるときは、単に文字を並べる作業とは区別されています。

違いは目的の有無です。日記は自分のために書きますが、仕事の文章には必ず届けたい相手がいて、その人に何かをしてもらいたいという狙いがあります。この狙いを持って書く行為を、ライティングと呼んでいると考えてください。

Webライティングとの関係

「ライティング」と検索すると、Webライティングの記事がたくさん出てきます。Webライティングは、ライティングという大きな枠の中の一分野です。全体と部分の関係だと考えると整理できるでしょう。

Web特有の事情としては、読み手が検索から来る点があります。GoogleのSEOスターター ガイドも「ユーザーがコンテンツを探すときに検索しそうなキーワードを考えてみましょう」と述べ、「読者を意識して執筆することで、検索結果でのパフォーマンスに良い影響を与えることができます」としています。

紙の文章とWebの文章で、何が変わるのでしょうか。大きな違いは読む姿勢です。紙の資料は最初から順に読まれる前提で作れますが、Webでは見出しだけを拾い読みされ、答えが見つからなければ数秒で別のページに移られてしまいます。

そのため、Webでは結論を早く出すこと、見出しだけで内容が分かるようにすることの重みが増します。一方で、誰に向けて何を伝えるのかを決めるという土台は、紙でもWebでもまったく変わりません。Webライターとして仕事を受ける場合も、身につける順番は同じだと考えてください。

うまい文章と伝わる文章は違います

苦手意識を持つ方の多くが気にしているのは「うまく書けない」ことです。けれども、仕事のライティングで求められるのは文学的な巧みさではありません。

求められるのは、読み手が理解して次の行動に移れる文章です。文化審議会の建議も、公用文について「読み手に理解され、信頼され、行動の指針とされる文書を作成する」と書いています。

大事なのは、理解され、信頼され、行動につながることです。この3つが揃っていれば、表現が地味でも文章は役目を果たしています。

センスではなく技術として学べます

技術という言葉を使っているのには理由があります。決まった手順と判断基準があり、練習すれば伸びるものだからです。

技術と言えるかどうかは、同じやり方で誰がやっても近い結果になるかで見分けられます。絞る、言葉を選ぶ、図や表で助ける。このどれもが、意識すれば今日からできることばかりです。

もちろん、心を打つ表現を生み出す力には個人差があります。ただ、仕事で必要になる文章の大半は、そこまでの表現力を求めていません。手順を知っているかどうかで差がつく領域のほうが、はるかに広いのです。

ライティングの種類は目的で5つに分かれます

次に、似た言葉の整理です。ここが最も混乱しやすいところなので、分け方の軸から説明しましょう。

木の机の上に真上から写した白いタイプライター

目的で並べると地図になります

種類の説明でよく見かけるのは、媒体で分ける方法です。広告ならコピー、Webならウェブ、という区切り方になります。ただ、この分け方だとWeb広告のように重なる領域が出てきて、かえって混乱してしまうのです。

そこで当社では「読み手に何をしてほしいか」という目的軸で並べ直しました。こうすると重なりが減り、自分が学ぶべきものも選びやすくなります。

種類 読み手にしてほしいこと よく使う場面
コピーライティング 覚えてほしい・印象に残してほしい 広告の見出し、キャッチフレーズ
セールスライティング 買ってほしい・申し込んでほしい 販売ページ、案内メール
コンテンツライティング 知ってほしい・理解してほしい ブログ記事、解説ページ
SEOライティング 検索から見つけて読んでほしい 検索を意識した記事
テクニカルライティング 迷わず操作してほしい 説明書、手順書、社内マニュアル

なお、この5つに分ける区切り方が唯一の正解というわけではありません。7つに分ける説明もあり、公式に定まった分類はないからです。大事なのは数ではなく、目的が違えば書き方も変わるという一点に尽きます。

コピーとセールスの違い

この2つは特に混同されがちです。どちらも商品を売るための文章ですが、担う役割が違います。

コピーライティングは、短い言葉で印象に残すことを狙います。対してセールスライティングは、読み手の疑問や不安に順番に答えて、申し込みまで連れていく文章です。前者が一瞬の勝負なのに対し、後者は長い文章で寄り添っていくという違いがあります。

SEOライティングの位置づけ

SEOとは、検索エンジンから自社のページを見つけてもらいやすくする取り組みのことです。SEOライティングは、コンテンツライティングにこの検索の視点を足したものだと考えると分かりやすいでしょう。読み手に理解してもらうという目的は同じで、そこに「検索から見つけてもらう」という条件が加わります。

特別な文章術が必要になるわけではありません。検索する人がどんな言葉を使い、何を知りたいのかを踏まえて構成を組む点が違うだけです。具体的な手順はSEOライティングとはでくわしく扱っています。

基礎は国が示す考え方とほぼ同じです

ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。ライティングの基礎として語られてきた内容には、実は公の裏づけがあります。

タイプライターに差した紙に文章が打ち込まれている様子

読み手とのやり取りとして捉える

文化審議会が令和4年1月7日に、意見として国に示したのが「公用文作成の考え方」という建議です。文化庁のウェブサイトに掲載されており、役所が作る文書の書き方をまとめたものです。

その基本的な考え方の最初に置かれているのが「読み手とのコミュニケーションとして捉える」という項目になります。そこにはこう書かれています。「多様化する読み手に対応する。広く一般に向けた文書では、義務教育で学ぶ範囲の知識で理解できるように書くよう努める」。

さらに解説や広報については、「特別な知識を持たない人にとっての読みやすさを優先し、書き表し方を工夫する」とも述べられています。文章を一方通行の発信ではなく相手とのやり取りとして捉える姿勢こそが、あらゆるライティングの出発点だと言えるでしょう。

伝えることを絞る

同じ建議には「分かりやすく書く」という項目があり、6つの内容が並んでいます。中でも実務で効くのが「伝えることを絞る」という考え方です。

なぜ絞る必要があるのでしょうか。1本の文章に主題が2つあると、読み手はどちらが本題か分からないまま読み進めることになるからです。書き手は親切のつもりで足しているのに、受け取る側の理解は薄くなってしまいます。

文化審議会が挙げる「分かりやすく書く」6項目
項目 ライティングの現場での言い換え
読み手が十分に理解できるように工夫する 書いた本人ではなく読む人の目で読み直す
伝えることを絞る。副次的な内容は、別に対応する 1本の記事に詰め込まず、別の記事に分ける
遠回しな書き方を避け、主旨を明確に示す 結論を先に置く
専門用語や外来語をむやみに用いないようにし、読み手に通じる言葉を選ぶ 使うなら文中で補足する
図表等によって視覚的な効果を活用する 表や箇条書きで整理する
正確さとのバランスをとる やさしくしすぎて意味を損なわない

この6つを並べて眺めると、ライティングの入門書に書かれていることとほとんど同じだと気づくはずです。基礎とは、誰かが思いつきで決めたものではなく、伝わる文章に共通して必要なことだったと分かります。

読み手に通じる言葉を選ぶ

専門用語の扱いは、実務でいちばん判断に迷うところです。建議は「専門用語や外来語をむやみに用いないようにし、読み手に通じる言葉を選ぶ」としています。

ここで大事なのは「むやみに」という限定です。専門用語を一切使ってはいけない、という意味ではありません。

実務で迷うのは、どこまでを専門用語とみなすかという線引きです。当社では「その言葉を知らない読者が1割でもいそうなら補う」を目安にしています。書き手にとって当たり前の言葉ほど、この判断が甘くなりがちです。

補うときは、カッコ書きの注釈をつけるより地の文でさらりと説明したほうが読みやすくなります。読者は注釈を読み飛ばすことが多いからです。

図や表で目からも伝える

「図表等によって視覚的な効果を活用する」という項目も挙がっています。文章だけで説明しきろうとせず、整理できるものは表にするという発想です。

とくに、比べるもの・手順・条件によって変わる話は、表にしたほうが読み手の負担が減ります。文章で3回読み返さないと分からないことが、表なら一目で分かる場合があるからです。

逆に、表にしないほうがよいものもあります。理由や背景のように、順を追って読ませたい内容を無理に表へ押し込むと、かえって伝わらなくなってしまうのです。表が向くのは、並べて比べられる情報だと覚えておいてください。

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型を使うと書き出しで迷いません

基礎を押さえたら、次は書き出しの助けになる型です。よく使われる2つを見ておきましょう。

タイプライターとコーヒーとノートを並べた木の机の俯瞰

PREP法は結論から始める型

PREP法は、結論を先に置く型です。英語の頭文字を並べた呼び方で、順番は下の表にまとめました。

この型が効くのは、読み手が最初の一文で「自分に関係がある話か」を判断できるからです。文化審議会の建議にある「遠回しな書き方を避け、主旨を明確に示す」とも合っています。

SDS法は全体から入る型

もうひとつのSDS法は、全体像から入る型です。細部の前に地図を渡すので、話が複雑なときに読み手が迷いません。

順番 向いている場面
PREP法 結論→理由→具体例→結論 主張を伝えたいとき、説得したいとき
SDS法 要約→詳細→まとめ 事実を整理して伝えたいとき

どちらを使うかは、伝えたいものが主張なのか事実なのかで選びます。迷ったらPREP法から試すとよいでしょう。

型は思考の順番を決める道具

型について、ひとつ補足があります。型は文章を機械的に量産するためのものではありません。

型が助けてくれるのは、書くときの思考の順番です。結論から書くと決めておけば、書き始める前に結論を考えざるを得なくなります。つまり型は、文章の形を整える道具である前に、考える順番を決めてくれる道具だと言えます。

基礎の身につけ方には順番があります

最後に、どこから手をつけるかの話です。文章術をあれこれ集める前に、やるべきことがあります。

花を飾った淡い色のタイプライターを明るい背景で写した様子

書く前に決める3つ

当社の記事制作では、書き始める前に3つを1枚に書き出す工程を必ず置いています。これが決まっていないまま書き始めた原稿は、途中で話が広がり、たいてい書き直しになるからです。

プロの判断基準:書く前に決める3つ
  • 誰に向けて書くのか(読み手を1人まで絞る)
  • 何を伝えるのか(1本につき1つに絞る)
  • 読み終えたあと、どうなってほしいのか

この3つには、当社なりの線引きがあります。1つ目の「誰に」は、年齢層のような幅ではなく、実在しそうな1人まで絞り込んでください。2つ目の「何を」が2つ以上になったときは、無理に1本へ収めず記事を分けます。3つ目は「知ってほしい」で止めず、読み終えたあとに取ってほしい行動まで書ききるのが要点です。

書く速さの差は、実は文章力ではなくここで生まれます。この3つを先に決めた原稿と、決めずに書き始めた原稿とでは、初稿を差し戻す回数に目に見えた差が出ています。筆が止まるのは語彙が足りないからではなく、何を書くべきかが決まっていないからです。

読み手を絞る考え方はペルソナとはでくわしく扱っています。

書いたら声に出して読む

書き終えたあとにおすすめしたいのが、音読です。特別な道具も知識も要らないのに、効果の大きい方法だと考えています。

声に出すと、息継ぎの場所がない長い文、同じ語尾の繰り返し、意味の通らないつながりが自分で分かるはずです。目で追うだけでは気づけないものが、耳では引っかかってくれます。

学ぶ順番はこうなります

身につける順番にも、効きやすい並びというものがあるのです。細かい表現の技術は、実は最後で構いません。

最初に「書く前に決める3つ」を習慣にし、次に結論を先に置く書き方を身につけてください。そのうえで、専門用語の補足や表の使い方といった読みやすさの工夫に進みます。表現の磨き込みは、その後で十分に間に合うでしょう。

Webライターとして仕事を受ける場合も、案件で最初に問われるのはこの順番の前半にあたる部分です。誰に何を伝えるのかを確かめ、結論を先に置く。独学で進めるときも、まずここから固めてください。

組み立ての練習には構成案とはもあわせてご覧ください。

今泉の視点:「文章が書けない」というご相談を受けたとき、私はまず書けなかった原稿ではなく、書く前に何を決めていたかを聞きます。ほとんどの場合、詰まっている原因は語彙でも表現でもありません。誰に向けて書くのかが決まっていないか、1本に2つも3つも詰め込もうとしているか。原因はたいていこのどちらかにあります。逆に、この3つさえ決まっていれば、文章が多少ぎこちなくても伝わるものです。書く力を上げたいときに最初に鍛えるべきなのは、書く前に決める力だと考えています。

ライティングのよくある質問

ライティングにセンスは必要ですか?

仕事のライティングは、練習で伸ばせる技術です。求められるのは文学的な巧みさではなく、読み手が理解して次の行動に移れる文章だからです。伝えることを絞ること、結論を先に置くこと、通じる言葉を選ぶこと。どれも意識すれば実行できるもので、才能を必要としません。

どの種類から学ぶとよいですか?

まずコンテンツライティングから入るのが取り組みやすいでしょう。読み手に理解してもらうという目的が最も基本的で、ほかの種類にも応用が利くからです。売る文章や広告の言葉は、その土台の上に載る技術だと考えると学ぶ順番に迷いません。

AIがあればライティングは学ばなくてよいですか?

誰に何を伝えるかを決める工程は、今も人が担っています。AIは書く速さを助けてくれますが、読み手を絞ることや、伝える内容を1つに絞る判断までは肩代わりできません。むしろ指示の質がそのまま出力に表れるので、基礎を知っているほど使いこなせます。

未経験からでも仕事にできますか?

未経験から始める人は珍しくありません。ただし、いきなり書き方の細かい技術に手を出すより、書く前に決める3つを習慣にするほうが早く形になります。書いたものを声に出して読み直す習慣も、独学で伸ばすうえで効果の大きい方法です。

まとめ

  • ライティングは、読み手と目的をはっきりさせて書く技術
  • 種類は媒体ではなく「何をしてほしいか」で分けると整理できる
  • 基礎は文化審議会が示す「分かりやすく書く」6項目と重なる
  • 最初に鍛えるのは表現力ではなく、書く前に決める力

まず取りかかるなら、次に書く文章について「誰に」「何を」「読み終えたあとどうなってほしいか」の3つを紙に書き出してみてください。この3行が書けたら、本文はもう半分できたようなものです。

AIを使って書く場面での考え方はAIライティングの完全ガイドもあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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