「被リンクチェッカーを3つ試したら、数字が全部違った」。そんな経験はないでしょうか。片方は6,000件、もう片方は0件。どれが本当なのか分からなくなって、そのまま手が止まってしまう。被リンクを調べようとした人の多くが、ここでつまずきます。
先に答えを言うと、数字は合いません。合わないのが正常です。ツールごとに「何を1件と数えるか」が違うため、そろうほうが不自然なのです。大事なのは正しい1つの数字を探すことではなく、どの数字を判断に使うかを決めることになります。
まず見ていただきたいのは、自社サイトを同じ日に5通りで測った実測です。そこから数字が割れる理由を分解します。読み終えるころには、自分のサイトの状況を自分の言葉で説明でき、次の一手を決められます。
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先に結論|被リンクチェッカーの数字は合わない
被リンクチェッカーを何個か試して、数字がバラバラで戸惑ったなら、その感覚は正しいです。数字は合いません。合わないのが正常な状態です。
自社サイト machibun.co.jp を2026年8月21日の同じ日に5通りで測った結果を、下の表にまとめました。
| 測り方 | 出てきた被リンク数 |
|---|---|
| Search Console(/media/ で登録したプロパティ) | 16件 |
| Search Console(ルートで登録したプロパティ) | 986件 |
| LYNXの被リンクチェックツール | 6,093件 |
| Ahrefsの無料チェッカー(Subdomainsモード) | 約6,400件 |
| Ahrefsの無料チェッカー(Exact URLモード) | 0件 |
同じ会社の、同じサイトです。0件を別にしても、16件と約6,400件では400倍ひらいています。
ここまで割れるのは、どれかが壊れているからではありません。ツールごとに「何を1件と数えるか」が違うからです。
判断に使う数字も同じです。リンク元のサイト数は、LYNXが91、Ahrefsが314。総数はほぼ一致するのに、報告に使うほうの数字は3.45倍ひらきました。
だからこの記事では、おすすめツールを何十個も並べることはしません。代わりに次の3つを渡します。
先に結論だけ言っておきます。まずSearch Consoleを開き、次に無料チェッカーを1つだけ使って参照ドメイン数を見る。
2つの数字が一致しなくても、そろえようとしない。これで十分です。
今泉の視点:私も以前、2つのツールで数字が近かったことを「裏が取れた」と勘違いしていました。後で調べたら、その2つは同じ会社が運営していて、片方はもう片方に転送しているだけでした。数字が一致しても、それは検算になりません。
自分の被リンクはSearch Consoleで調べる
自分のサイトの被リンクを調べたいなら、最初に開くのはGoogle Search Consoleです。無料で、登録も済んでいることが多く、なによりGoogle自身が持っているデータだからです。
ただしこのレポートには、知らないと数字を読み間違える落とし穴が3つあります。全体像を示したうえで、1つずつ確認しましょう。
無料で唯一Googleの数字が見られる
Search Consoleの左メニューにある「リンク」を開くと、外部リンクと内部リンクの合計がすぐに出ます。外部リンクの下には「上位のリンクされているページ」「上位のリンク元サイト」「上位のリンク元テキスト」の3つが並びます。
他社のチェッカーとの決定的な違いは、これがGoogleの検出結果だという点です。順位を決めているのはGoogleですから、外部ツールが何件と言おうと、判断の起点はここに置くのが筋になります。
1つめの落とし穴がここです。同じサイトでも、プロパティの登録単位を変えると数字が変わります。
自社サイトで確かめると、所有権を確認済みのプロパティは4つに分かれていました。このうち被リンクの数字を取った2つを比べます。
外部リンクは冒頭の表のとおり、ルートが986件で /media/ が16件。同じ現象は内部リンクでも起きていました。
- ルートで登録…内部リンク 8,098件
- /media/ で登録…内部リンク 1,154件
そして /media/ プロパティの外部リンク16件について、上位のリンク元サイトとして表示されたのは、自社のコーポレートサイトただ1つでした。
つまりここでいう「外部」とは、ドメインの外側ではなく、登録したプロパティの外側を指しています。メディアをサブディレクトリで運用しているなら、どちらの単位で登録しているかを最初に確認してください。
一方で、使えるのは自分が所有権を確認したサイトだけです。競合サイトの被リンクをのぞくことはできません。Search Consoleは自社確認の道具、外部チェッカーは他社も見られる道具と役割を分けて考えると、ツール選びで迷わなくなります。
見る頻度も決めておくと楽です。街中文学メディアでは、検索パフォーマンスと順位は週次、被リンクとインデックス推移は月次で見ると決めています。被リンクは数日で動く数字ではないので、毎日チェッカーを叩く必要はありません。
表示は1,000行までのサンプルである
2つめの落とし穴です。Search Consoleのリンクレポートは、あなたのサイトへのリンクの全部を見せてはくれません。Googleのヘルプにこう書かれています。
このレポートは、サイト上のすべてのリンクを網羅したものではありません。サイトの全体的なリンク プロファイルを把握するのに役立つ、内部リンクと外部リンクのサンプルが表示されます。
サンプルというのは、全体の傾向をつかむために抜き出した一部という意味です。加えて「表の行数は 1,000 行に制限されている」とも明記されています。リンク元が多いサイトでは、表の途中で切られます。
つまり画面に出ている数字は、Googleが知っている全部ではありません。Google自身が「これは全件ではない」と言っているところから話を始めると、外部ツールとの食い違いも自然に飲み込めます。
出典はSearch Consoleヘルプのリンクレポートです。
削除済みリンクとnofollowが混ざる
3つめの落とし穴は、レポートの中身が「今生きているリンクの一覧」ではない点にあります。ヘルプの記述はこうです。
このレポートには、Google がこれまでに検出したリンクが含まれています。これらのリンクは削除されたか、ページがすでに存在しない可能性があります。このレポートでは、リンクが nofollow としてマークされているかどうかは示されてません。
nofollowとは、リンクに付ける目印のひとつです。これが付いていると、Googleに対して「このリンクは推薦ではありません」と伝えることになります。広告や、内容を保証できないリンクに使われます。
ここから何が起きるか。Search Consoleの外部リンク数には、もう消えたリンクも、推薦の意味を持たないリンクも、区別されないまま入っているわけです。「うちは986件あります」と報告しても、それが今どれだけ生きているかは、この画面からは分かりません。
ちなみにnofollowが付いていても、それだけで無価値と決めつける必要はありません。自治体の公式サイトのバナー広告枠を例にとると、nofollowが付いているケースとそうでないケースが半々くらいです。掲載を検討するなら事前に確認する、という程度の材料として扱えば十分です。
エクスポートなら最大10万行まで出る
1,000行の上限には抜け道があります。リンクレポートのエクスポート機能です。2026年8月21日に画面を開いて確認したところ、右上に「外部リンクをエクスポート」と表示されていました。
ヘルプによれば、こちらは最大100,000行まで出せます。選べるのは2種類です。
- 最新のリンク…最近検出された順に最大10万行
- その他のサンプルリンク…全体から抽出したサンプルを最大10万行
画面の表そのものを落とすダウンロードボタンは、これとは別の機能です。そちらは1,000行までなので、10万行が欲しいときはエクスポートを使ってください。
リンク元が10万件を超えるような大規模サイトでは、「最新のリンク」だけだと古いリンクが落ちます。その場合は「その他のサンプルリンク」を併用すると、抜け落ちが減ります。
この2種類の使い分けは、被リンクチェッカーを紹介する記事ではまず触れられていません。無料で、しかも自分のサイトについては最も信頼できるデータを10万行まで取り出せるのですから、有料ツールを検討する前に一度は試す価値があります。
同じサイトが6,093件と0件に割れる理由
ここがこの記事の中心です。冒頭で見せた5つの数字が、なぜここまで割れるのか。理由を分解すると4つに整理できます。
結論を先に言うと、原因はツールの精度ではありません。入力の解釈、数え方の定義、クロール範囲、そしてリンクそのものの寿命です。順に実測とあわせて見ていきます。
同じURLを4通りで測った実測結果
まず、ツールに入れるURLの形を変えると結果がどうなるかを試しました。LYNXの被リンクチェックツールに、同じサイトを指す4つの書き方を順番に入れた結果です。
- ドメインだけ…machibun.co.jp
- トップページのURL…https://machibun.co.jp/
- メディアのトップ…https://machibun.co.jp/media/
- 記事1本のURL…https://machibun.co.jp/media/suggest-tool/
4つとも完全に同じ数字でした。記事1本のURLを入れても、トップページを入れても、返ってくるのはドメイン全体の数字です。
固定値を返しているだけではないかと疑ったので、同じ手順で総務省のサイトを入れて確かめました。こちらは被リンク5,723,762件、参照ドメイン70,489件と、まったく別の数字が返ります。つまりツールは正常に動いていて、入力されたURLをドメイン単位に丸めているだけです。
これは推測ではありません。LYNXは用語の説明で「被リンク:対象ドメインに向けられた被リンクの総数です」と明記しています。ツール自身が、URL単位ではなくドメイン単位だと書いているわけです。
ここに実務上の落とし穴があります。オウンドメディアをサブディレクトリで運用している会社は少なくありません。
そういう担当者がチェッカーに自分のメディアのURLを入れると、どうなるか。メディアの数字を見ているつもりで、会社サイト全体の数字を見ていることになります。
入力欄の隣のモードで0件になる
さらに極端なのが、Ahrefsの無料チェッカーです。入力欄のすぐ右に、目立たないプルダウンがあります。ここを切り替えるだけで、結果が正反対になりました。
| 入力したURL | モード | 被リンク | リンク元サイト |
|---|---|---|---|
| machibun.co.jp | Subdomains | 約6,400 | 314 |
| https://machibun.co.jp/media/ | Subdomains | 約6,400 | 314 |
| https://machibun.co.jp/media/ | Exact URL | 0 | 0 |
Exact URLを選んだときの画面には「There are no backlinks in our index for your URL」と出ました。あなたのURLへの被リンクは、当社のインデックスには1件もありません、という意味です。
Subdomainsを選んだときの見出しは「Backlink profile for https://machibun.co.jp/media/」でした。入れたURLをそのまま表示しています。
ところが数字はドメイン全体のもの。読み違えやすい作りです。
あわせて画面には「Domain including subdomains. One link per domain」という但し書きが出ます。無料版の一覧は1つのドメインにつき1本しか表示しないという意味です。だから一覧の行数を数えても、上に出ている総数にはなりません。
ここまでを一言でまとめると、こうなります。ツールが違うから数字が違う、という以前に、同じツールの中でさえプルダウン1つで6,400件と0件に割れるのです。
件数の多さでツールを選ばないほうがいい、という点ではサジェストツールを実測で比べたときと同じ構図でした。
何を1件と数えるかが各社で違う
数え方の定義そのものも、会社ごとにバラバラです。しかもこれは、各社が公式に認めています。
まずAhrefsは2021年公開の公式ブログで、1つのページから複数のリンクをもらっても1本としか数えないと明記しています。メニューからも本文からもリンクをもらっている場合、2本ではなく1本です。同じ公式ブログには、ドメインの数え方には多くの流儀があるという趣旨の説明もあります。
Search Consoleも同様です。ヘルプによれば、パラメータを除いたうえで同じ元URLから同じ先URLへ向かうリンクは、重複として統合されます。
説得力があるのは、Semrushの公式サポート記事です。同じ会社が出している2つのツールの間で件数が食い違う理由として、4点を挙げています。
- 取得の上限…片方は1ドメインあたり最大500本まで
- 保持期間…失われたリンクを3か月保持するか、6か月保持するか
- 検知範囲…リダイレクトされたリンクを検知できるかどうか
- データ源…他サービスと連携して不足分を足せるかどうか
この4つは、そのままツール間のズレの一般的な理由として使えます。上限・保持期間・検知範囲・データ源。どれか1つでも違えば、数字は一致しません。
日本語圏のツールも同じことを言っています。LYNXはよくある質問で「他社が提供しているツールの分析結果と異なるのはなぜですか?」という問いを立てました。
回答はデータソースが異なるため。ズレるのは当たり前だと、提供元自身が公式に認めています。
参照ドメイン数は3.45倍ひらいた
ここで冒頭の表に戻ります。LYNXとAhrefsの数字を並べると、興味深いことが起きていました。
| ツール | 被リンク総数 | 参照ドメイン/リンク元サイト | dofollowの割合 |
|---|---|---|---|
| LYNX | 6,093 | 91(参照ドメイン) | 98.8%(nofollow 1.2%からの逆算) |
| Ahrefs(Subdomains) | 約6,400 | 314(リンク元サイト) | 91% |
被リンクの総数は、1割も違わない近さでした。
ところがリンク元の数は、呼び名からして違います。LYNXは「参照ドメイン」、Ahrefsは「リンク元サイト」。そして開きは3.45倍。
総数が近いので同じものを見ていると思いきや、数え方はまったく違っていました。
やっかいなのは、上司やクライアントに報告するときに使うのは、たいてい参照ドメイン数のほうだという点です。総数が一致していたからといって、判断に使う数字まで一致しているとは限りません。
dofollowの割合にも差が出ました。同じ言葉を使っていても、中で数えているものが違うということです。
Search Consoleの数字も並べると、差はさらに大きくなります。ルートで登録したプロパティの外部リンクは986件でした。
チェッカーが6,000件台を出しているのに対して、Search Consoleが表示しているのは1,000件弱。しかもそれがサンプルである、というのがGoogle自身の説明です。
リンクは9年で66.5%が消える
4つめの理由は、リンクそのものが減っていくことです。
Ahrefsが206万サイトを対象に調べた結果があります。2013年以降にこれらのサイトへ向けられたリンクのうち、少なくとも66.5%はすでに機能していませんでした。2024年2月に更新された調査です。
失われた理由の内訳は、リンク先ページの消滅が47.7%、リンク自体の削除が34.2%でした。一時的なエラーやその他の要因まで含めると、SEO上失われたとみなせる割合は74.5%に達します。
ここに、先ほどのSearch Consoleの仕様が重なります。Search Consoleは削除済みのリンクも含めて表示する一方で、他社ツールは保持期間を過ぎたリンクを落としていく。同じ日に測っても数字が合わないのは、この時点で構造的に決まっています。
実務への影響はシンプルです。被リンクは放っておけば減るものだという前提で見ること。先月1,200件だったのに今月800件になっていても、それだけでは異常ではありません。
逆に言えば、何もしていないのに増え続けている場合のほうが、中身を確認する価値があります。
- ドメイン単位かURL単位か…入力欄の隣のモードを必ず見る
- いつ時点のクロールか…更新頻度とキャッシュの有無を確認する
- 何を1件と数えているか…被リンク本数か、参照ドメイン数か
この3つを確認せずに出した数字は、社内で説明できません。逆にこの3つさえ言えれば、数字が他社と違っていても堂々と報告できます。
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被リンクチェッカーの数字とスコアの読み分け
チェッカーの画面には、いくつもの数字が並びます。被リンク数、参照ドメイン、DR、DA、ドメインパワー。全部を追いかける必要はありません。
判断に使うのはごく一部です。どれを見て、どれを見なくていいのかを整理します。
被リンク数より参照ドメイン数を見る
最初に押さえるべきは、被リンク数と参照ドメイン数の違いです。
Ahrefsの説明を借りると、被リンクは他サイトから自サイトへ向かうリンクそのもの。参照ドメインはそのリンク元となっているドメインの数を指します。1つのサイトから2本もらっていれば、被リンクは2、参照ドメインは1です。
LYNXの数字で見ると、1ドメインあたり約67本という計算でした。被リンク6,000本という響きは立派ですが、リンク元の数はその100分の1ほどしかありません。
しかも、その「リンク元の数」自体がツールによって3倍以上ちがうことは、先に見たとおりです。
どちらを判断に使うか。答えは参照ドメイン数です。
- 同じサイトから100本より、違う100サイトから1本ずつのほうが自然
- 1サイトから大量に来るのはフッターやサイドバーへの一律掲載が多い
- それは推薦というより、テンプレートの一部になっている
被リンクという言葉そのものの意味や、質の見分け方については被リンクとは何かを整理した記事にまとめてあります。
視点を変える材料も1つ添えておきましょう。被リンクは、相手から見れば外部リンクです。
自社メディアの公開263本を数えると、他サイトへ向けた外部リンクは1記事あたり平均2.84本でした。2026年8月20日の全数集計です。
参照先の上位はGoogleの開発者向けドキュメントが352件、総務省が111件。誰かの被リンクは、誰かが意図して貼った1本にすぎません。
DR・DA・ドメインパワーは比較できない
次はスコア系です。ここは結論がはっきりしています。別々のツールのスコアを並べて比べてはいけません。
すべて各社が独自に作った、自社データベースの中でだけ意味を持つ相対値だからです。
| スコア名 | 提供元 | 提供元自身の説明 |
|---|---|---|
| Domain Rating(DR) | Ahrefs | 自社データベース内の他サイトと比べた被リンクの強さを100点満点で示す相対指標 |
| Domain Authority(DA) | Moz | 検索結果での上位表示のしやすさを予測するスコア。Googleのランキング要因ではないと明記 |
| Authority Score | Semrush | 被リンクだけでなくオーガニック流入やスパム指標も混ぜた複合スコア。2週間に1回更新 |
| Trust Flow / Citation Flow | Majestic | 自社のウェブマップの分析に基づく。アルゴリズム改定でスコア自体が変動すると明記 |
| パワーランク(ドメインパワー) | 株式会社パンケーク(アクセスSEO対策ツールズ) | ドメインパワーを表す独自の採点スコアと自ら説明 |
特に重いのは、Moz自身の記述です。公式ページには、Domain AuthorityはGoogleのランキング要因ではなく検索結果に影響しない、という趣旨が明記されています。作った会社が、これは指標であって成績表ではないと言っています。
スコアの不安定さを示す実例も見つかりました。2026年8月21日にパワーランクチェックツールで自社サイトを測ると、パワーランクは48.4点。7項目の内訳のうち「ドメインエイジ」は0点でした。
ところが同じ画面にはドメイン年齢3年7ヶ月と表示されています。サイト上部には、外部の履歴サービスが仮復旧中で一部データを測定できない場合がある、という告知が出ていました。
つまり、外部のデータ源が止まると、サイトの中身が何も変わっていなくてもスコアは下がります。同じツールが同じ画面の中で矛盾した表示をすることさえある、ということです。スコアは順位でも通知表でもなく、大きく動いたときに理由を探すきっかけくらいに扱うのが安全です。
dofollowの比率もツールでズレる
nofollowが付いているリンクの割合も、画面によく出てきます。この数字も、そのまま鵜呑みにはできません。
自社サイトで測ると、LYNXとAhrefsのdofollow比率は7ポイント以上ひらきました。同じ日の同じサイトです。
さらにややこしいのは、Ahrefsがリンク元サイト単位でも「30%がdofollow」という別の比率を出すことです。被リンク単位の数字と並んで表示されるので、どちらを見ているのか意識しないと取り違えます。
- LYNX…nofollowの本数を表示(割合は本数からの逆算)
- Ahrefs…被リンク単位とサイト単位で2つの比率を表示
- Search Console…nofollowかどうかを表示しない
実務上の判断としては、nofollowが付いているから無価値、という切り分けはしないのが妥当です。自治体や公的機関の掲載枠は、nofollowが付いていても付いていなくても、掲載されること自体に意味があります。比率は参考程度に見て、リンク元がどこかを見るほうに時間を使ってください。
無料で見られる範囲の一覧(2026年8月)
無料でどこまで見られるのかを整理しました。公式ページの記載と、2026年8月に実際に使って確認した内容を合わせたものです。
| ツール | 無料で使える回数 | 1回で見られる件数 | 登録 |
|---|---|---|---|
| Google Search Console | 制限なし(自サイトのみ) | 画面1,000行/書き出し10万行 | 所有権の確認 |
| Ahrefs 無料チェッカー | 記載なし | 上位100件 | 不要(詳細なDR・URは拡張機能と無料アカウントが必要と記載) |
| LYNX 被リンクチェックツール | 記載なし | 記載なし | 不要 |
| hanasakigani.jp | 1日1回 | 記載なし | 不要 |
| パワーランクチェックツール | 1日3回(無料会員は10回) | スコアと7項目の内訳 | ゲスト可 |
| Moz Link Explorer | 月10回 | 記載なし | 要(メール認証あり) |
| Semrush 無料アカウント | 1日10回 | 1レポート10件 | 要 |
無料枠の条件は変わりやすいので、実際に使う前に各公式ページで確認してください。
逆に、無料では見られないものもはっきりしています。次の3つは有料の領域です。
- リンク元の一覧を全件ダウンロードする
- アンカーテキストを網羅的に分析する
- 時系列で被リンクの増減を追う
裏を返せば、この3つが必要になった時点が有料ツールの検討時期になります。逆にそこまで不要なら、無料の範囲で十分でしょう。
もう1点、無料ツールを並べるときに知っておきたい事実があります。ohotuku.jpの被リンクチェックツールに実際にURLを送信したところ、hanasakigani.jpへ自動的に転送されました。フォームのHTMLには送信先を指定する値が埋め込まれており、両者は同じ会社が運営しています。
ohotuku.jp側のページは稼働していますが、被リンクの算出そのものは自前ではないわけです。
だとすると「2つのツールで調べたら数字が同じだった」は、検算になっていないかもしれません。ツールを増やさずに工程へ割り当てる考え方は、被リンクでもそのまま当てはまります。
なお、これとは別に同サイトが提供していた「被リンク一覧抽出ツール」のほうは、現在は提供が終了しています。トップページのHTMLでは該当リンクがコメントアウトされており、直接アクセスするとページが見つかりません。
まとめ記事には今も掲載されていることがあるので、確認せずに引き写すと古い情報になります。
被リンクを調べたあとの分岐と否認の扱い
数字を見たあとが本番です。ここで判断を誤ると、調べなかったほうがマシだった、という結果になりかねません。
実際、初心者が最もやりがちな事故は「怪しいリンクを見つけて、すぐ否認する」ことです。この章では、やるべきこととやってはいけないことを分けます。
数字を見たあとの3つの分岐
被リンクの一覧を眺めたあと、取れる道は3つしかありません。放っておく、活かす、対処する。ほとんどのサイトは1つめで終わります。
- 放っておく…順位も流入も安定しているとき。月1回だけ見る
- 活かす…質の高いリンク元が見つかったとき。同種を増やす
- 対処する…手動対策の通知が届いたときだけ。削除依頼が先
2つめの「活かす」は、実際にやってみると発見があります。自社サイトのリンク元を見ていくと、評価の高いものはすべて「参画団体一覧」「加盟企業一覧」「パートナー企業・団体一覧」といった掲載枠からでした。
厚生労働省系の啓発事業や、スポーツ庁系のプロジェクトの参加企業ページなどです。営業もしていなければ、購入もしていません。
ここまで分かると、次にやることが決まります。同じ種類の掲載枠、つまり自社が本当に参加している取り組みの一覧ページに、正しく載っているかを確認していく。チェッカーは、増やすべきリンクの種類を教えてくれる道具でもあるわけです。
リンクの質を見るときの軸も挙げておきます。リンク元のドメインの力、テーマの関連性、アンカーテキストの自然さ、nofollowかどうか、そしてリンクが置かれている位置です。位置については、本文中がいちばん強く、サイドバーやフッターは弱いと考えます。
否認は原則やらなくていい
リンクの否認とは、特定のリンクを評価しないようGoogleに申告する機能です。そしてほとんどのサイトには必要ありません。
根拠はGoogle自身の説明です。リンク否認ツールのヘルプには、ほとんどの場合Googleは詳しい情報を提供されなくてもどのリンクが信頼できるかを評価できる、と書かれています。そのうえで「ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません」という一文が続きます(リンク否認ツールのヘルプ)。
それでも否認したくなる気持ちは、よく分かるのです。ただ、誤って使えば実害が出るのも事実です。
Ahrefsが自社ブログで行った実験が参考になります。3記事について合計3,476本の被リンクをすべて否認し、1か月後に解除して、その後の推移を追ったものです。
| 対象記事 | 否認していた期間の流入 | 否認を解除したあと |
|---|---|---|
| 記事A | 約18%減 | すぐには戻らず、さらに4%下落。その後で損失の半分以上を取り戻したが、全体では戻りきらず |
| 記事B | 13.3%減 | 元の99%まで回復 |
| 記事C | ほとんど落ちず | 44%増 |
Ahrefs自身の結論は、リンクは今も効いている、というものでした。同時に「テストしたページは開始時点の水準に戻っていない」とも書いています。
健全なリンクまで否認すると、流入は素直に落ちる。しかも否認を解除しても、元の水準にきれいに戻るとは限りません。
順位が落ちたときに否認から手をつけるのは、社内でも禁じ手にしています。原因が被リンクにあることを確かめる前に触ると、切り分けができなくなるからです。
例外の条件も、ヘルプに明記されています。スパム行為のあるリンクや品質の低いリンクが数多くあり、かつそれが手動による対策の原因になっている、または今後なりうる場合です。この2つがそろったときだけ使います。
該当したときも順番があります。
- 1…リンク元のサイトに削除を依頼する
- 2…削除できなかった分だけをリストにする
- 3…そのリストに限って否認する
順番を逆にしないでください。いきなり否認から入ると、切り分けができなくなります。
Bingは否認機能そのものを廃止した
否認が不要だという話は、Googleだけの事情ではありません。Microsoftはさらに踏み込んでいます。
Bing Webmaster Toolsは、2023年9月の公式ブログで、同年10月に否認機能とその関連APIを削除すると告知しました。
公式ブログの説明はこうです。人工知能の能力に大きく投資してきた結果、自然なリンクと不自然なリンクを区別できるようになった。だから後者を、前者に影響を与えずに無視できる。
そのうえで、サイト運営者はもうリンクの監査と否認に時間とリソースを費やす必要がなくなる、と書いています。機能を提供する側が、この作業自体を不要と判断したわけです。
なお、被リンクレポートそのものは残すと同じ記事で説明されています。しかもBingのレポートは、自分のサイトだけでなく任意のサイトの被リンクデータを表示するとのこと。競合を見たいときの無料の選択肢として覚えておくと役に立ちます。
検索エンジン2社の姿勢を並べると、方向ははっきりしています。
| 検索エンジン | 否認ツールの扱い |
|---|---|
| 提供は続けるが「ほとんどのサイトでは使う必要がない」と明記 | |
| Bing | 2023年10月に機能ごと廃止 |
否認ツールに手を伸ばす前に、まず自分がその例外に当たるかを確認する。それが正しい順番です。
被リンクを売る営業への向き合い方
被リンクを調べ始めると、なぜか「被リンクを増やしませんか」という営業が目に入るようになります。断る根拠を持っておきましょう。
Googleのスパムに関するポリシーには、こう書かれています。
リンクスパムとは、検索ランキングを操作することを主な目的として、サイトへのリンクやサイトからのリンクを作成する行為です。
ランキング操作が主な目的なら、それはポリシー違反にあたります。
ここで正確に押さえておきたいことがあります。お金を払ってリンクを得ること自体が、一律で違反になるわけではありません。
広告としてリンクを掲載するなら、rel=”sponsored” や rel=”nofollow” の目印を付ける。それならポリシー違反にはならないと、Googleは明記しています。
目印を付けずにランキング操作のためリンクを売買すること。それが違反にあたります。
- リンクに sponsored や nofollow の目印を付けるか
- 掲載先は実在し、内容と関連があるか
- 「順位を保証」と言っていないか
1つめに曖昧な答えが返ってきたら、その時点で見送って構いません。Googleはこれらの目印をヒントとして扱い、原則としてそのリンクをたどらないと説明しています。「順位が上がる」と「目印を付ける」は、そもそも両立しにくい関係にあるわけです。
買うより確実な道は、先ほど見たとおりです。自社が実際に参加している取り組みの一覧ページに載る。事例やデータを公開して引用される。
地味ですが、これがいちばん消えにくいリンクです。
被リンクチェッカーについてよくあるご質問
最後に、実際によく寄せられる質問を4つ取り上げました。
まとめ
被リンクチェッカーの数字は割れます。同じサイトを同じ日に測って16件、986件、6,093件、約6,400件、0件と出た実測がその証拠です。原因は精度ではなく、数え方の定義とクロール範囲の違いにあります。
- Search Consoleの「リンク」を開き、外部リンクの合計を見る
- プロパティがルート登録かサブディレクトリ登録かを確認する
- 無料チェッカーを1つ使い、参照ドメイン数を控えておく
- 次に見るのは1か月後。毎日は見ない
2つの数字が合わなくても、そろえる必要はありません。控えた参照ドメイン数が月をまたいでどう動くか。見るべきはそちらです。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。