サジェストツールは件数で選ばない|実測71回でわかる中身と境界

「サジェストツールって、結局どれを使えばいいのでしょうか」。おすすめを並べた記事を何本か読んでも、名前と紹介文が似ていて決め手が見つからない。そんな足踏みをしている方は少なくありません。

先にお伝えすると、選ぶ基準は機能の多さではなく、取得の条件を固定できるかどうかです。地域の設定をひとつ動かしただけで、返ってくる候補の3割が別のものに入れ替わるからです。

この記事では、実際に測った数値をもとに、一括取得の中身と無料の境界線、そして集めた候補を見出しへ変える手順までをお伝えします。読み終えるころには、今日どの道具で何を取るかが決まっているはずです。

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目次

先に結論|サジェストツールは条件で選ぶ

サジェストツールは、機能の多さや紹介記事での順位で選ぶものではありません。先に取得の条件を決めて、その条件のまま何度でも回せる道具を1つ持つ。これが結論です。

理由は単純です。2026年8月20日の実測では、地域の設定を日本からアメリカに変えるだけで、返ってきた10件のうち3件が別の候補に入れ替わりました。条件が変われば、中身も変わってしまいます。

選ぶときに見るもの 実際に効くかどうか
取得できる件数の多さ 展開のしかたでほとんど決まる。性能差とは言いにくい
紹介記事での順位 掲載されたツールが今も動いている保証にはならない
取得条件を固定して記録できるか これがそろわないと、後から取り直しても比べられない

条件がそろっていない状態で集めた候補は、後から同じものを取り直せません。先週の一覧と今日の一覧のどちらが正しいのか、判断する手立てが残らないわけです。

もう1つ、選ぶ前に押さえておきたい前提があります。サジェストを集めること自体は仕事の目的ではありません

目的は、記事の見出しとよくある質問を決め切ることです。数百件のリストを手に入れた瞬間に手が止まってしまうなら、そのツールは仕事を前に進めていません。

なお、サジェストという仕組み自体の説明はサジェストとは?表示される仕組みとSEOでの活用方法に、関連キーワードとの違いは関連キーワードとは?サジェストとの違いと集め方・使い方にまとめてあるので、用語の確認が必要ならそちらを先に読んでください。

サジェストツールで取れるものと上限

サジェストツールが持ってくるのは、検索窓に文字を入れたときに下へ並ぶ予測候補です。ただし、その候補には見落とされがちな上限と癖があります。ここでは、ツールの紹介ページには書かれていない4つの事実を実測で見ていきます。

1回の取得で返るのは最大10件

1つの語について1回問い合わせて返ってくる候補は、今回測った範囲では多くても10件でした。これは上限であって、いつも10件そろうわけではありません。

2026年8月20日、サジェスト取得ツールが内部で参照しているのと同じGoogleの公開エンドポイントへ語を投げました。条件は言語が日本語、地域が日本、未ログインです。

サジェストは時期によっても動くので、以下はこの条件・この日の観測値になります。同じ手順でも、時期が変われば結果は変わります。

入力した語 返ってきた件数
オウンドメディア 10件
seo対策 10件
サジェスト 10件
ラッコキーワード 10件
サジェストキーワード 5件
サジェストツール 0件

注目してほしいのは下の2行です。「サジェストキーワード」は5件しか出ず、「サジェストツール」に至っては1件も出ませんでした。語のあいだに空白を入れた「サジェスト ツール」でも同じくゼロです。

つまり、この記事が扱っているテーマそのものが、サジェストの出ない語だったわけです。

ここから言えるのは、候補が出ないことと需要がないことは別だという1点に尽きます。なぜ出ないのかをGoogleは公表していないので理由は分かりませんが、誰も探していないという意味ではありません。

Googleと他の窓では候補が違う

サジェストは検索の種類ごとに別々に用意されています。同じ語でも、ウェブ検索の窓と動画サービスの窓では、返ってくる並びが違います。

「オウンドメディア」で取得元だけを切り替えて比べた結果が次のとおりです。

取得元 件数 上位に並んだ候補
ウェブ検索 10件 オウンドメディアとは/成功事例/アーンドメディア
動画サービス 8件 オウンドメディア 戦略/とは/作り方
画像検索 10件 成功事例/オウンドメディアリクルーティング
ニュース 10件 成功事例/オウンドメディアリクルーティング

ウェブ検索では「とは」「事例」が先に来ました。動画サービスでは「戦略」「作り方」が上に来ています。その窓を使う人が知りたいことが違うので、並びも変わるわけです。

ツールの画面では、どの窓の候補も同じ見た目で並びます。取り違えたまま企画を進めてしまうのが、実務での落とし穴です。使い分けはこう考えてください。

  • 記事の見出しを考えるなら、ウェブ検索の候補を見る
  • 動画の台本を考えるなら、動画サービスの候補を見る
  • 取得のたびに、どの窓の一覧なのかを記録に残す

地域設定で3割が別の候補になる

候補は、どこから検索しているかによっても変わります。効いてくるのは表示言語ではなく、地域の設定です。

「オウンドメディア」を、日本語・日本地域の結果を基準にして残る3条件と比べました。

条件 日本語・日本地域の結果との一致
言語 英語/地域 日本 100%
言語 日本語/地域 アメリカ 70%
言語 英語/地域 アメリカ 70%

効いているのは言語ではなく地域でした。海外にサーバーを置くツールや、地域の指定ができないツールを使っている場合、日本の検索窓とは違う一覧を見ている可能性があるということです。

ログインした状態かどうかでも候補は動きます。普段よく調べているテーマが候補に混ざるためです。だからこそ、取得のたびに条件を決め打ちしておく必要があります。

前方一致ではない候補が4割混ざる

サジェストは、入力した語の後ろに言葉が続く形だけを返してくるわけではありません。前に別の言葉が付いた候補も混ざってきます。

「オウンドメディア」を軸に集めた337件を数えたところ、その語で始まっていたのは200件でした。残る4割は「eneos オウンドメディア」「はてな オウンドメディア」「sns オウンドメディア 違い」のように、前に言葉が付いた形です。同じ数え方を「seo対策」で行うと、前方一致は364件中315件で87%まで上がりました。

この差は語の性質によって生まれます。企業名や媒体名と組み合わせて調べられやすい言葉ほど、前に付く形が増えるわけです。

実務上の意味は明快です。「後ろに何が続くか」だけを追いかけていると、指名検索との組み合わせを丸ごと取りこぼします。

事例を探している人がどの企業名と一緒に検索しているかは、そのまま記事に入れるべき固有名の手がかりです。ツールの一覧を眺めるときは、並び順ではなく前に付いている言葉があるかどうかを先に見てください。

一括取得が実際にしている71回の通信

ツールの画面にある「一括取得」のボタンを押すと、数百件の候補がずらりと並びます。あれは魔法ではなく、同じ問い合わせを何十回も繰り返しているだけです。中身を分解すると、取得件数という数字の読み方が変わります。

かなを足すだけで337件まで増える

一括取得の正体は、調べたい語のうしろに1文字ずつ足しながら、同じ問い合わせを繰り返すことです。「オウンドメディア あ」「オウンドメディア い」と送り、返ってきた候補を集めて重複を消す。それだけです。

実際にやってみました。前章と同じ2026年8月20日、言語は日本語・地域は日本・未ログインの条件です。

ひらがな44文字とアルファベット26文字に、素の取得1回を足して71回投げました。「を」と「ん」は語の先頭に立たないので外しています。

調べた語 1回だけの取得 71回で得た延べ件数 重複を消した件数 重複率
オウンドメディア 10件 449件 337件 25%
seo対策 10件 491件 364件 26%
サジェストツール 0件 2件 1件 50%

33.7倍です。ツールが数百件を並べてみせるのは、この繰り返しを裏側で走らせているからにほかなりません。

これは推測ではありません。海外の取得ツールであるKeyword Toolは、自社の仕組みをこう説明しています。指定された検索語の前と後ろにさまざまな文字や数字を付け加えて検索窓に入れ、候補を引き出している。

私たちが手作業でなぞったのは、このうち後ろに足す側だけです。前に足す分まで含めれば、取れる候補はさらに増えることになります。

重なりが4分の1ほど出るのは、ある候補が複数の文字から重ねて返ってくるからでしょう。

ここに、無料のツールが回数制限を設けている理由も見えてきます。1語を調べるだけで通信が71回発生するため、提供する側には相応の負荷がかかります。

数字の展開はほぼ件数を増やさない

足す文字の種類によって、増える量はまったく違いました。「オウンドメディア」で段階を分けて数えています。

展開の段階 問い合わせ回数 累計の件数 この段階で増えた分
1回だけの取得 1回 10件
+ひらがな44文字 45回 267件 +257件
+アルファベット26文字 71回 337件 +70件
+数字10文字 81回 338件 +1件

ひらがなの44文字だけで、全体の8割にあたる候補が取れていました。残りをアルファベットが埋め、数字にいたっては10文字を足しても1件しか増えていません。

先ほどのKeyword Toolの説明には「文字や数字」と並べて書かれていました。ところが少なくとも今回試した日本語の2語では、数字を足す価値はほとんどありません。

もっとも、この配分は語によって動きます。型番や年号と一緒に検索される商品名なら、数字の展開が効いてくるはずです。

逆に言えば、自分の扱うテーマではどの文字が効くのかを一度測っておけば、次からは無駄な待ち時間を減らせます。ツールに全パターンを走らせて数分待つ必要は、必ずしもありません。

元が0件なら一括でも増えない

先ほどの表の3行目に、はっきりした答えが出ています。「サジェストツール」で71回の問い合わせを投げても、得られた候補は1件だけでした。

ツールは候補を作り出す道具ではなく、すでにある候補を集めてくる道具です。元の語に候補が付いていなければ、何回繰り返しても増えません。

「一括取得したのに何も出てこない」という体験は、ツールの不具合ではありません。その語にもともと候補が付いていないというだけの話です。

では、そういう語をどう扱えばよいのでしょうか。実際「サジェストツール」には、社内のキーワード調査表に月あたり170という概算値が記録されています。2026年8月時点の数字で、実測の検索回数ではありません。

取るべき手は、語をずらすことです。「サジェストキーワード」で調べれば5件返ってきて、その中に「サジェストキーワード取得ツール」が含まれていました。

一段階上の言葉や、言い換えた表現で取り直す。詳しい手順は後半の章にまとめました。

取得件数の多さは選定基準にならない

取得できる件数の多さが強みとして掲げられている場合もあるでしょう。ただし件数は、どこまで機械的に展開したかでほとんど決まります。増えた1件が仕事に効くかどうかは、別の話です。

今泉の視点:この記事を書くにあたって最初に測ったのは、対策キーワードである「サジェストツール」そのものでした。返ってきませんでした。取得件数を売りにしたツールを並べて比べる前に、まず自分が狙う語を1回投げてみてください。返ってこない語なら、どのツールを選んでも結果は変わりません。私が提案の場で最初に確認するのも、道具の一覧ではなくこの1点です。

件数の代わりに見てほしいのは、次の3点です。

  • 取得したときの条件を記録として残せる
  • 重複を消したうえで書き出せる
  • 書き出した形式がそのまま次の作業で使える

この3つがそろっていれば、件数が同業のツールより少なくても困りません。

道具を増やすほど仕事が進むわけではありません。工程ごとの割り当て方はキーワードツールの使い分けで整理しています。

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無料のサジェストツールが止まる境界

無料で使えると書かれていても、実際に手を動かすとどこかで止まります。止まる場所は回数のこともあれば、登録のことも、表示される数字の粗さのこともあるでしょう。ここでは、その境界がどこにあるのかを4つに分けて確かめます。

紹介記事の取得ツールが今も動くとは限らない

ツールを選ぶ前に、そのツールが今日も動いているかを確かめてください。当たり前のようでいて、ここでつまずく人がかなりいます。

2026年8月20日、「サジェストツール」で上位に並ぶ記事が挙げている取得ツールに、実際に接続して状態を調べました。

ツール 2026年8月20日の状態
グーグルサジェスト キーワード一括DLツール(gskw.net) ドメイン名を解決できず、到達できなかった
GetKeyword(getkeyword.com) ドメイン売買サイトの販売ページへ転送された
Keyword Tool の日本語ページ 紹介記事にある keywordtool.io/ja は404。正しいアドレスは keywordtool.io/jp で、こちらは現在も動いている
ラッコキーワード(related-keywords.com) rakkokeyword.com へ転送された。旧アドレスのまま紹介されている例が多い
KOUHO.jp 接続できたが、公式のお知らせに調整作業のためGoogleサジェストが使えないとあり、画面のタブはAmazon・楽天・Bing・Twitter共起語の4つのみ
サジェストキーワード一括取得ツール(柏崎剛氏) 接続できた。ページに更新日2026年5月7日の表示あり

とくにKOUHO.jpは、Googleのサジェストを取れるツールとして紹介されている例があります。ところが当日の画面に、Googleのタブは見当たりませんでした。名前が挙がっているからといって、目当ての機能が今も動いているとは限りません。

これは紹介記事を書いた側の落ち度ではありません。無料で提供されているツールは、数年のうちに公開や一部の機能が止まることがあります。この記事も、時間が経てば同じことが起きます

だからこそ、名前を見つけたら自分で開いてみてください。この一手間は誰にも代われません。

選ぶときの目安として、更新日が公開されているツールを優先してください。ページ上で更新日が分かれば、少なくとも直近まで手が入っているかは判断できます。

もっとも柏崎氏のツールにも、公式ページに開発途上のため急に運用を停止する可能性があると書かれています。更新日は継続の保証ではなく、あくまで手がかりです。

無料の境界は登録と回数で切れる

無料という言葉の中身は、ツールによってかなり違います。とくに誤解が多いのがGoogleキーワードプランナーです。

Google広告のヘルプには、次のように書かれています。「新しいキーワードの候補を取得する」などの基本機能を利用するには、お支払い情報を入力して、アカウント設定を完了する必要があるという条件です。

利用料そのものはかかりません。ただし、支払い情報を登録し終えるまで基本機能には届かないわけです。

個人が公開しているツールでは、境界の引き方が変わりました。柏崎剛氏のツールの公式ページには、メールアドレスなどの個人情報を登録せずに使えると明記されています。

ただし送信フォームにはパスワードの入力欄があり、そのパスワードは毎週木曜の午前10時にSNSで公開されると案内されています。個人情報は預けずに済む代わりに、使うたびに最新のパスワードを取りに行く必要があるわけです。

境界の種類は、おおむね次の3つに整理できます。

  • 登録の境界:会員登録や支払い情報の入力が必要になる地点
  • 回数の境界:1日あたり、あるいは連続で使える回数の上限
  • 出力の境界:画面では見られても、書き出しには課金が必要になる地点

自分の作業が止まるのはこの3つのどれなのかを先に見極めておけば、課金するかどうかの判断が具体的になります。

検索ボリュームは実測ではなく概算

ツールが候補の横に並べる検索回数の数字は、実際に数えた回数ではありません。ここを取り違えると、企画の優先順位を誤ります。

Googleキーワードプランナーの公式ヘルプは、月間平均検索ボリュームをこう定義しています。指定した期間と地域で、キーワードとその類似パターンが検索された平均回数である、と。

既定では言語に関係なく12か月間の平均が表示されるとも書かれています。さらに、マッチタイプを何に設定していても、表示されるのは完全一致にもとづく統計だという補足まで付いています。

Google広告の開発者向けリファレンスでは、もっと端的です。月間検索数の項目は「approximate(概算の)」と定義されています。

ここから読み取れることを3つに整理しました。

  • 表示されている数字は、単一の語ではなく類似する語をまとめた値である
  • 特定の月ではなく、12か月をならした値である
  • 提供元自身が概算だと位置づけている

並び順についても触れておきましょう。予測入力候補の仕組みを説明した公式ヘルプは、予測入力が最もよく使われるクエリを単純に表示するわけではないと述べています。そのうえでGoogleトレンドとは別物であり、比較すべき対象ではないと明記しました。

並び順そのものについて公式は何も言っていませんが、上に出る候補ほど検索されているという読み方を支える根拠もありません。

複数ツールの数字は裏取りにならない

数字が信じられないなら別のツールでも調べてみよう。そう考えるのは自然ですが、この方法は思ったほど機能しません。

理由は2つあります。1つは、供給元が重なっている場合があるためです。提供元が公式に何と説明しているかを並べると、次のようになります。

ツール 提供元自身の説明
ラッコキーワード Googleキーワードプランナーで取得できる情報であり、推測データではないと明記
Keyword Tool GoogleとBingの数値はそれぞれのプランナー由来。YouTubeやAmazonなど他の窓は閲覧履歴をもとにした推定値と明記
SE Ranking 自社のクローラーと閲覧履歴のデータをもとに独自のアルゴリズムで算出。類似する語をまとめず1語ずつ別々に扱うと説明
Ubersuggest 複数のデータ提供元による推定値と説明。提供元の名前は公開していない

上の2つは、どちらもキーワードプランナー由来だと述べています。この2つの画面で数字を突き合わせても、同じ大元を2回見ているだけで、確かめたことにはなりません。

逆にSE Rankingは、類似する語をまとめず1語ずつ扱うと説明しています。キーワードプランナーが類似パターンを合算するのとは設計が逆です。両者の数字が食い違うのは不具合ではなく、そもそも数え方が違うためだと分かります。

もう1つは、同じ画面に並んでいるものの出所がそろっているとは限らないためです。Keyword Toolは、GoogleとBingの数値がそれぞれのプランナー由来だと説明しています。一方でYouTubeやAmazonなどは、閲覧履歴をもとにした推定値だとしています。

1つのツールの中でさえ、窓を切り替えると数字の性質が変わるわけです。画面の見た目ではなく、提供元の記述で判断してください。

そのうえで、数字を採用する前に3つだけ確かめる習慣をおすすめします。

  • どの検索窓の数字なのか(ウェブ検索か、動画サービスか)
  • 実数なのか、概算や相対的な目安なのか
  • いつ時点のデータなのか

この3点が答えられない数字は、順位づけの参考にとどめてください。基準にする道具は1つに決めて動かさない。それが、食い違いに振り回されないいちばん確実なやり方です。

集めた候補を見出しに変える手順

サジェストツールの本当の難所は、集めた後にあります。数百件のリストを前にして何から手を付けるか決まらず、そのまま画面を閉じてしまう。この止まり方を避けるための手順を4つに分けて説明します。

取得条件を先に決めて記録する

取得ボタンを押す前に、条件を決めて書き留めてください。後から同じ一覧を取り直せるかどうかが、ここで決まります。

決めておくのは次の4つです。

  • どの検索窓の候補を取るのか
  • 言語と地域をどう設定するのか
  • ログインした状態で取るのか、切って取るのか
  • 取得した日付

私たちは日本語・日本地域・未ログインの3点をそろえ、取得日と一緒に一覧のファイル名へ書き込んでいます。地味な作業ですが、これがないと一覧を再現できません。

ここで1つ補足させてください。ログインを切るだけでは、条件をそろえたことになりません

Googleの公式ヘルプは、予測入力の候補を決める材料のひとつに利用者の過去の検索を挙げています。ログイン中はさらに検索履歴やアクティビティにもとづく候補も表示される、という説明です。

そこで予測入力候補を管理する公式ヘルプを見ると、切り替えられる設定が2つ案内されています。

設定項目 オフにすると止まるもの
検索のカスタマイズ 過去の検索内容にもとづく候補
急上昇ワードに基づく予測入力 いま話題になっている語に由来する候補

いずれもパソコンの検索設定から変更できます。後者は「その他の設定」を開いた先の「デスクトップ」の項目です。なおこの設定は画面ごとに独立していて、パソコンで切ってもスマートフォンのアプリ側には反映されません。

ただしこのページの冒頭には、Googleが設定画面を更新中のため実際の表示と一致しない場合があるという注記が置かれています。2026年8月20日時点の手順として読んでください。

私たち自身、以前の記事では未ログインで調べることを条件のひとつとして挙げていました。公式の記述に当たり直した結果、それだけでは足りないと分かったので、ここで手順を改めます。ブラウザで目視する場合は、ログインを切ったうえで検索のカスタマイズと急上昇ワードの両方をオフにしてください。

複数のツールを比べたい場合も同じです。条件を固定して初めて、比較という作業が成立します。

SEO記事の見出しとFAQに振り分ける

集めた候補は、記事の見出しになるものと、よくある質問に置くものに分かれます。まずこの2つに仕分けてください。

見分け方はシンプルです。その候補が記事の一節を丸ごと支えられるだけの中身を持っているなら見出し、答えが2〜3文で終わるならよくある質問に置きます。先ほど337件が取れた「オウンドメディア」で言えば、「オウンドメディア 成功事例」なら一節が立ち、「オウンドメディアとは」は定義を短く返すだけで済みます。

候補の性質 置き先 判断の目安
1節分の中身がある H2またはH3の見出し 表や手順で説明したくなる
2〜3文で答えが終わる よくある質問 定義文で言い切れる
既存記事が扱っている 内部リンクで渡す 同じ検索意図の記事が社内にある
前に企業名が付いている 本文中の固有名の手がかり 事例や比較対象として使える

3行目を飛ばさないでください。候補の中には、自社がすでに書いた記事と同じことを求めているものが必ず混ざります。それを新しい記事にしてしまうと、社内で検索順位を奪い合う状態を自分で作ることになります。

1記事に入る量には上限がある

337件の候補を集めても、1本の記事に入るのはそのうちのごく一部です。器の大きさには限りがあります。

2026年8月20日時点で公開済みの自社メディア262本を全数集計しました。

測ったもの 結果
本文の長さ 平均6,639字/中央値5,047字
5,000字から8,000字に収まった記事 183本(全体の7割)
H2見出しの数 平均7.3本(最少5本・最多12本)

この分量に収まる候補の数は、私たちの経験則で多く見積もっても20から30といったところです。ここは実測ではなく肌感覚ですが、集めた337件のうち実際に使えるのが1割に届かないことは、作業をすればすぐ分かります。

だからこそ、全部を使おうとしないでください。仕分けの段階で「使わない」と決めた候補を消さずに残しておけば、次の記事や既存記事の書き足しに回せます。集めた一覧は1本の記事の材料ではなく、そのテーマ全体の在庫として扱うほうが無駄になりません。

サジェストが出ない語の代わりの手

候補が1件も返ってこない語に当たったときの手順を決めておきましょう。この記事のテーマである「サジェストツール」がまさにその例で、候補はゼロでした。

やることは3つあります。

  • 語をずらす:一段階広い言葉や、同じ意味の別の言い方で取り直す
  • 検索結果を自分の目で見る:上位に並ぶ記事の見出しは、候補が出ない語でも確認できる
  • 社内に届いた質問を使う:同じ質問が3回届いていれば、それは需要の証拠になる

1つ目の効きは実際に確かめられます。「サジェストツール」では出ませんでしたが、「サジェストキーワード」なら5件返り、その中に「サジェストキーワード取得ツール」が含まれていました。語をひとつずらすだけで景色が変わります。

サジェストツールのよくあるご質問

サジェストツールを使いはじめる段階で寄せられることの多い質問を4つ取り上げました。

サジェストツールは無料で使えますか

サジェストツールの無料は、登録・回数・出力のどこかに境界がある無料です。完全に制限なしで使えるものは、確認した範囲では見つかりませんでした。Googleキーワードプランナーは利用料こそ無料ですが、公式ヘルプによれば基本機能を使うには支払い情報の入力が必要です。個人が公開しているツールには登録不要のものもあり、その代わり連続した利用を控えるよう求めている例があります。

一括取得ではどれくらいの数が集まりますか

集まる数は元の語しだいです。2026年8月20日の実測では、「オウンドメディア」に文字を足して71回投げたところ、1回なら10件の候補が重複を除いて337件になりました。一方で「サジェストツール」は同じ手順でも1件だけです。ツールは候補を作り出すのではなく集めてくる道具なので、元の語に候補が付いていなければ増えません。

サジェストが1件も出ないときはどうしますか

サジェストが出ないときの手は、語をずらす・検索結果を自分で見る・社内の質問を使うの3つです。候補が出ないことと検索されていないことは別で、理由をGoogleは公表していません。一段階広い言葉や言い換えた表現で取り直すこと。検索結果の画面を自分の目で見て上位の見出しを確かめること。そして営業や問い合わせの窓口に届いている質問を材料にすることです。

候補の上にあるものほど検索されていますか

サジェストの並び順は、検索回数の順ではありません。Googleの公式ヘルプは、予測入力が最もよく使われるクエリを単純に表示するわけではなく、Googleトレンドとは別物であり比較すべき対象ではないと明記しています。並び順そのものについては公式も述べていませんが、順位から人気を読み取る根拠はありません。量の判断は別の材料に任せます。

まとめ

サジェストツールは、取得できる件数の多さで選ぶものではありません。件数は、かなや英字をどこまで機械的に展開したかでほとんど決まります。実際に71回の問い合わせを投げたところ、10件だった候補は337件になりました。

選ぶ基準は、取得条件を固定して記録に残せるかどうかです。地域の設定ひとつで候補の3割が入れ替わる以上、条件の分からない一覧は後から比べられません。

まずは調べたい語をひとつ決めて、次の3点を書き留めてから取ってみてください。

  • どの検索窓の候補を取るのか
  • 言語と地域、ログインの状態をどうそろえるか
  • 取得した日付

手順の設計から一緒に整えたい場合は、記事制作の相談としてお声がけいただければ対応します。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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