オウンドメディア記事が続かない理由|在庫として回す4つの視点

「今月の企画会議、また埋まらなかった」。オウンドメディアの担当者から、いちばん多く聞く言葉です。

手が止まっているわけではありません。企画に週3時間も5時間もかけて、それでも出てこない。書き方が分からないわけでもないはずです。

それでも続かないとき、オウンドメディアの記事に足りないのは手順ではなく在庫として回す仕組みのほうです。この記事で扱うのは4つ。ネタが尽きる理由、品質を工程でそろえる方法、溜まった記事を残す・直す・消すに分ける基準、そして引用と画像と外注原稿の権利です。読み終えるころには、明日どこから手をつけるかが1つに決まります。

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目次

先に結論|オウンドメディア記事は在庫として回す

オウンドメディアの記事で行き詰まるのは、たいてい書き方が分からないからではありません。書き続けられないからです。

この章では、記事を1本ずつの作品ではなく切らさず回す在庫として扱う、という考え方の土台を示します。

続かない原因の1位はコンテンツ数の維持

担当者が何に困っているかは、調査にはっきり出ています。

オウンドメディア運用の課題(複数回答) 回答率
コンテンツ数の維持 58.1%
制作の効率化 49.6%
コンテンツ制作の人材不足 48.7%

宣伝会議 広報会議編集部「オウンドメディア活用に関する調査2024」(2024年3月29日〜4月11日実施・回答数117)より。自由記述には「ネタが出ず、企画案が煮詰まっている」という声も載っています。

上位3つはどれも、1本の記事をどう書くかではありません。何本を、どうやって出し続けるかの話です。

ところが検索して出てくる記事は、キーワード選定から構成、執筆、効果測定までの手順ばかり。手順はもう知っているのに、続かない。そこが埋まらないまま残っています。

なお、1本のSEO記事をどう書くかはSEO記事制作の進め方に、必要な本数の考え方はオウンドメディアの目標記事数にまとめてあります。本記事が扱うのは、その先の出し続けるための話です。

供給・品質・鮮度・安全の4点で見る

記事を在庫として扱うと、見るべきものが4つに整理されます。1本ずつ眺めていたときには見えなかった観点です。

観点 切れると起きること 本記事の該当章
供給 ネタが尽きて公開が止まる ネタ切れの正体
品質 書き手ごとに出来がばらつく 工程でそろえる
鮮度 古い記事が溜まって判断できなくなる 残す・直す・消す
安全 引用や画像で権利の事故が起きる 権利の事故

この4つは順番に効いてきます。まず供給が止まり、無理に本数を出そうとして品質が落ち、直せないまま古い記事が溜まり、急いだところで権利の確認が抜ける。

逆にいえば、詰まっている場所を1つ特定すれば、手をつける順番は決まります。

60本量産して全部作り直した話

当社にも失敗があります。街中文学メディアで60本を量産し、結果的に全部を作り直しました。

この経験から、自社の記事品質基準には一文を追加しました。「工程を飛ばして本数を稼ぐことを禁止する。ペースは品質基準を守れる範囲でしか上げない」。

目安のペースも決めてあります。中心となる大型記事は1本に2〜3日、通常の記事は週2本を上限とする、という形です。

制作の工程も9つに固定し、省略を禁止しました。

  • 現状の診断 → 上位3本の分解と勝ち筋を1文で定義
  • 関連ナレッジを読む → 一次情報の割り当て
  • 構成設計 → 執筆 → 写真
  • セルフレビュー → 入稿とライブ確認

それでも供給は途切れます。月40〜60本を出す体制に移ったあと、2026年8月20日に予約投稿の一覧を確認したら、在庫が0本になっていました。

工程を守っていても、仕込みが尽きれば止まる。在庫として見るというのは、そういう意味です。

今泉の視点:60本を作り直したとき、いちばんこたえたのは費用ではありませんでした。「この期間に何も積み上がっていなかった」という事実のほうです。本数は先に決めてはいけない。決めていいのは、守れる工程のほうだと思っています。

ネタ切れの正体はテーマ不足ではなく型の偏り

「もう書くことがない」と言うとき、本当にテーマが尽きていることはめったにありません。尽きているのは、いつも同じ書き方をしているせいで見える範囲が狭くなっているだけです。

自社メディアの記事を数えたら、その偏りがはっきり出ました。

担当者の8割以上がネタ切れを経験

ネタ切れは、あなたのメディアだけの問題ではありません。BtoB事業会社のマーケティング・広報担当者1,003人への調査を見てください。

「とても感じたことがある」27.7%、「やや感じたことがある」55.0%。合わせて8割以上がネタ切れに直面したと答えています。

同じ調査には、競合他社と内容が似てしまう原因も出ています。「ゼロから企画する時間や工数が足りない」31.8%、「自社独自のアンケート調査や統計データといった一次情報を保有していない」25.4%。最多は「ネット上の情報や他社の資料を参考にして企画を作っているから」49.6%でした。

企画とネタ探しにかける時間は「3時間以上〜5時間未満」が39.6%で最多。週3時間以上まで広げると約6割、約2割は週5時間以上を費やしています。

株式会社PRIZMAが2026年5月18日〜19日に実施したインターネット調査です(調査リリース出典元)。調査PRとして公表されたものなので、課題を大きく見せる方向のバイアスは差し引いて読む必要があります。

それでも、企画に週3〜5時間かけながら「ネタがない」と感じている状態は、多くの現場に共通していると考えてよさそうです。時間をかけていないのではなく、かけ方が探し方に偏っているのではないでしょうか。

自社264本は手順記事が3割、事例は1.1%

当社の街中文学メディアで、公開記事のタイトルを機械的に分類してみました。母集団は2026年8月20日取得の公開264本です。

記事の型 本数 構成比
手順(方法・やり方・決め方など) 81本 30.7%
その他 72本 27.3%
定義(〜とは・意味) 39本 14.8%
比較・選び方 37本 14.0%
費用・相場 27本 10.2%
ツール・サービス紹介 5本 1.9%
事例 3本 1.1%

手順と定義で全体の45.5%。一方、タイトルに「事例」と名乗る記事は264本中3本しかありませんでした。

ひとつ断っておくと、これはタイトルに含まれる語だけで分けた機械的な分類です。本文は見ていないので、記事の中身が本当にその型である保証はありません。それでも自分のメディアがどの型に偏っているかを知るには十分でした。

時期にも偏りが出ています。SEO・コンテンツ戦略の84本はすべて2026年5月以降の公開、Webサイト制作・改善の39本はすべて2025年内の公開。同時並行で育てたのではなく、時期ごとに寄せた結果です。

型を足すと同じテーマでも記事が増える

型の偏りが見えると、ネタの探し方が変わります。新しいテーマを探すのではなく、すでにあるテーマを別の型で書くという手が使えるからです。

たとえば「SEO対策」というテーマひとつでも、型を変えれば別の記事になります。

  • 定義型「SEO対策とは何か」/手順型「SEO対策の始め方」
  • 費用型「SEO対策にいくらかかるか」/比較型「内製と外注をどう分けるか」
  • 事例型「自社で3か月やってみた結果」/失敗型「やってはいけなかったこと」
  • 反論型「よく言われる◯◯は本当か」/棚卸し型「去年の記事を今読み直すと」

当社で薄かったのは事例型でした。事例は自分の中にしかない材料なので、探す必要がありません。やったこと・測ったこと・失敗したことは、すべて在庫です。

実際、マーケティングコンテンツに自社独自の業界調査データを盛り込む必要性を聞いた調査があります。「非常に必要」30.6%と「ある程度必要」57.7%で、合わせて88.3%が必要だと答えました。株式会社IDEATECHが2026年1月19日に日本国内で実施したインターネット調査です。対象は、BtoB向け商材を扱う企業でマーケティングやコンテンツ制作を1年以上担当する会社員111名(調査PR「リサピー®」/調査リリース)。

必要だと分かっていても、手が回らない。ここで大がかりな調査を構えると、やはり止まるだけです。自社の管理画面を数えるだけでも、他社が持っていない数字になります。

インタビュー・キュレーション・動画

記事の型を増やすとき、よく候補に挙がる3つがあります。効きどころと注意点は、それぞれ別です。

効きどころ 注意点
インタビュー・導入事例 比較検討段階の読者に効く。社外の言葉が入るので独自性が出る 取材の手間がかかる。写真には肖像の問題が別に生じる
キュレーション(他社情報のまとめ) 短時間で作れる 独自の価値を足さないとスパムポリシーに触れる
動画 別チャネルからの流入。文章では伝えにくい手順を見せられる 記事に埋め込むだけでは動画向けの検索機能の対象になりにくい

キュレーションには特に注意が要ります。Googleのスパムポリシーには「スクレイピング」という項目があり、そこに挙げられているのは、他のサイトのコンテンツをホストする行為です。ただし要件は、検索ランキングを操作する目的であること。

例示の1つ目が、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載する行為です。出所を示すことと、独自の価値を足すこと。まとめるだけでは、どちらも欠けます。

動画も誤解されがちです。Googleは動画のインデックス登録について、動画が主要コンテンツであるページを対象としています。

そのうえで、埋め込み動画をレビューするブログ投稿は動画再生ページではないと明示しました。ただし動画再生ページ以外でも、テキスト検索結果や動画バッジ付きの画像検索結果として表示される場合があるとも書かれています。記事に貼れば動画検索に出る、という単純な話ではない、という理解が正確です。

インタビュー記事の作り方そのものは導入事例インタビューの進め方にまとめています。

品質は書き手ではなく工程でそろえる

書き手が増えると品質がばらつきます。ここで「もっと良いライターを探す」に向かうと、たいてい解決しません。

そろえるべきなのは人ではなく工程です。この章では、当社が自社メディアで実際に回している編集工程の数字を開示します。

初稿で合格したのは7本中2本だけ

当社は記事を公開する前に、100点満点で採点し、90点に届くまで書き直す工程を置いています。直近7記事の記録を全数集計しました。

項目 実測値
初回ラウンドの平均点 85.4点(最低80・最高91)
初回で90点に届いた記事 7本中2本(28.6%)
最終ラウンドの平均点 94.9点(最低92・最高98)
初回から最終への伸び 平均 +9.4点(最小+6・最大+16)
1記事あたりのラウンド数 平均3.43回(中央値3・最大5)
保存されたドラフトの版数 1記事平均13.4版(最小4・最大18)

2026年8月20日から25日にかけて制作した自社7記事の記録を、2026年8月25日に集計したものです。

読み取ってほしいのは、点数の高さではありません。7本とも、初稿のままでは公開していないという事実のほうです。初回で90点に届いた2本を含め、全7本が2ラウンド以上を要しました。

初稿の平均が85.4点というのは、決して低い出来ではありません。それでも合格には届かない。「1回書いて出す」前提のままでは品質がそろわないのは、書き手の力量の問題ではなく、工程が足りていないからです。

外注に出す場合も同じです。編集にかかる往復の回数をあらかじめ見積もっておかないと、納品されたものをそのまま出すか、無限に差し戻すかの両極端になります。

編集チェックを機械と人で分ける

編集を工程にするコツは、機械で判定できるものと人にしか判定できないものを分けることです。当社は前者をスクリプトに任せています。

公開記事267本をそのチェッカーにかけた結果が次のとおりです(2026年8月25日取得・母集団は公開267本)。

  • 同一の文末が3回続く記事は181本で67.8%(検出903箇所)
  • 一文60字超は全39,699文のうち4,385文で11.0%
  • 4文以上の段落は全15,091段落のうち2,492で16.5%
  • 箇条書きの1項目が70字を超えるものは6,134項目中4項目で0.07%

この並びには意味があります。箇条書きの70字ルールは0.07%まで落ちているのに、文末の3連続は67.8%残っている。

どちらも同じチェッカーの判定項目です。差が出たのは、品質ゲートを入れる前の記事に後者がそのまま残っているからでした。

つまり数字は、工程に入れた時期の差をそのまま映します。人の注意力ではなく、いつから工程に入っているかで決まっていました。

実際、チェック工程を1つ入れた前後で数字は動いています。同一文末が3回続く記事の割合は、導入前の175本で92.0%、導入後の92本では21.7%。1記事あたりの検出箇所も5.04から0.23へ減りました。

境界となった2026年7月14日は月の途中なので、7月公開分には導入前後が混ざっている点は差し引いてください。

直したあとに壊れることがある

編集で見落とされがちなのが、直した結果として新しい問題が生まれるという現象です。当社の記録から実例を出します。

ある記事で、採点が95点に達して合格判定が出ました。そのあと残っていた減点項目を反映し、念のため再採点したところ、総合点が93点へ下がり、新たに重大な指摘が1件見つかっています。

同じ種類の失敗は他の記事でも記録されていました。ひとつは「出典を後から足す作業が、新しい誤りの発生源になる」。

もうひとつは「文字数を詰めたあとは、その段落が満たすべき要件を再確認する」。よくある質問を200字以内に圧縮した結果、両論を併記するという必須要件が消えていた、という記録です。

どちらも、部分を直したことで全体の要件が崩れた例です。修正のたびに全体を再判定する仕組みがないと、直すほど壊れます。

難しいことをする必要はありません。直したら最初からチェックをかけ直す。それだけで、この種の事故はかなり防げます。

Googleが公開する自己評価の質問

人が見る項目については、Googleが自己評価用の質問リストを公開しています。「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」という公式ドキュメントです。

そのなかに、制作体制そのものを問う項目があります。

  • 誰が書いたのかを明確にしているか
  • 実際にその分野の経験や専門性を持つ人が書いているか
  • 読んだ人が目的を達成できたと感じられる内容か

Googleは「誰が、どのように、なぜ」という枠組みも示しています。誰が作ったか、どのように作ったか、なぜ作ったか。この3つに答えられる形で記事を作る、という考え方です。

ここで注意が必要です。Googleは同じページで、E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではないと明記しています。E-E-A-Tは経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字で、コンテンツを評価するときの観点をまとめたものです。

あわせて、検索品質評価者のデータが直接ランキングに使われることもないとしています。検索品質評価者とは、Googleが品質の評価を委託している外部の担当者のことです。

質問リストは順位を上げるための手順書ではなく、自己評価のための枠組みです。編集の基準として使えるもの、という位置づけで受け取ってください。

外注に渡すときも、この形が役に立ちます。渡すのは細かい指示書ではなく、何をもって合格とするかの判定基準です。基準を渡せば、書き手は自分で判断できます。

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記事管理は残す・直す・消すの3択

記事が増えると、「これどうするんだっけ」という在庫が生まれます。判断を先送りするほど数が増え、余計に手をつけにくくなるものです。

この章では、溜まった記事に対する判断の枠組みと、判断材料にしてはいけない指標を扱います。

削除は最終手段だとGoogleは書く

古い記事は消したほうがいいのか。この問いに、Googleは公式ドキュメントではっきり答えています。

Google 検索のコア アップデートとウェブサイト」の記述はこうです。コンテンツの削除は最終手段であり、そのコンテンツが修正不可能だと判断した場合にのみ検討すべきこと

まず考えるべきなのは書き換えや再構成のほうだ、という順序です。

同じページには、順位が下がったときの対応も程度で分けて示されています。2位から4位に下がった程度なら抜本的な対策は不要で、すでに調子のよいコンテンツには変更を加えないことをすすめる、という記述です。4位から29位のような大きな下落なら詳細な評価を行う、と続きます。

効果が出るまでの時間についても、数日で出るものもあるが数か月かかることもある、と明記されています。直したのに動かない、とすぐ判断しないこと。

更新日時は直した証拠にならない

棚卸しでいちばんやってはいけないのが、更新日だけを変えて手をつけた気になることです。これもGoogleが名指しで否定しています。

「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」の自己評価リストには、避けるべき行為として2つが並んでいます。

ひとつはコンテンツを実質的に変更していないのにページを新鮮に見せるために日付を変更していないか。もうひとつはサイトを新鮮に見せれば順位が上がると信じて大量に追加・削除していないかです。

後者には「そのようなことをしてもランキングは向上しません」という但し書きまで付いています。

当社のデータでも、更新日時はあてになりませんでした。2026年8月22日に取得した公開266本のうち、2026年7月21日の20分間に122本、全体の45.9%の更新日時が動いています。一括処理が入ったのは明らかですが、その中身までは特定できていません。

言えるのは、管理画面の更新日が新しいことは記事を直した証明にならない、というところまでです。棚卸しの判断材料には使えません。

下書き33本の4割は検証用に見える

公開済みの記事より先に見てほしいのが、下書きです。当社の管理画面を数えたところ、想像と違うものが出てきました。

全297件のうち下書きは33本、全体の11.1%。ところが中身を分けると、こうなります(2026年8月20日取得の一覧を2026年8月25日に集計)。

下書き33本の内訳 本数
スラッグが空でタイトルが test- などの検証用に見える投稿 14本(42.4%)
実際の記事の下書き 19本
うち公開済み記事と同じスラッグ基底の旧版 2本

滞留の期間も測りました。実記事19本の滞留は平均152.8日、中央値45日、最大309日。33本全体では平均123.2日です。

2つ、気づきがありました。ひとつは「下書き◯本」を在庫として数えると実態を見誤ること。4割は、記事の下書きではなく検証用に見える投稿でした。

もうひとつは差し替えた旧版が下書きに残り続けることです。公開済みの記事に対して、末尾に old や draft が付いた同じスラッグ基底の下書きが2本、消されないまま残っていました。

なお、検証用に見える投稿の判定は、スラッグとタイトルの文字列による機械的な切り分けです。実際に何のテストだったかまでは確認していません。

この棚卸しは、いますぐあなたの管理画面でもできます。下書き一覧を開いて、日付順に並べるだけです。

リライトと削除を分ける判断軸

当社が使っている枠組みは、記事を3つに分けるところから始まります。判断の軸は成果・需要・鮮度の3つです。

次に出てくる noindex は、ページを残したまま検索結果に出さないための指定を指します。

プロの判断基準
  • 残す:問い合わせにつながっている/被リンクが付いている/直近でクリックがある/主要キーワードで上位にいる/独自の流入キーワードを持つ
  • 直す・統合する:需要はあるが順位が低い/内容が重複している/情報が古いだけで骨格は使える
  • 消す・noindex にする:一定期間クリックがゼロ/全キーワードで30位以下/被リンクなし/長期間未更新
  • 自動で消さない例外:専門家の監修が付いている/被リンクがある/季節性がある/事業上重要

運用の目安として、サイト全体の20〜30%程度が「消す候補+直す候補」として抽出できる状態が望ましい、と当社では考えています。300本のメディアなら60〜90本です。

逆に、全体の5%も出てこないなら基準が厳しすぎる可能性があります。抽出できないのではなく、判定条件が現実に合っていないことのほうが多いからです。

これは判断の枠組みであって、2026年8月20日取得の公開264本を実際にこの基準で抽出した実績値ではありません。

消すと決めたあとの後始末も、消す前に決めておいてください。

  • 代わりになる記事がある → 301リダイレクトで転送する
  • 完全に不要 → ページが無いことを示す404、または恒久的な削除を示す410を返す
  • URLだけ残す必要がある → noindex にする

そして、一度に全部やらないこと。まず10〜20本で試し、1か月ようすを見てから次のまとまりに進む。全体で3〜6か月かける前提で組むのが安全です。

もうひとつ、増えすぎた記事は自社内でも共食いします。2026年8月25日に取得した公開267本を調べたところ、20字以上の文33,470種のうち2記事以上に登場する文が133種ありました。外部からのコピペを気にする前に、自分のメディアの中の重複は自分で測れます。

リライトすべき記事の見極め方はリライトとは何かにまとめています。

権利の事故は引用・画像・外注原稿で起きる

記事を回し始めると、いずれ権利の話に行き当たるはずです。他社のデータを引きたい、写真を載せたい、外部のライターに書いてもらいたい。

ここは感覚で判断してはいけない領域です。公的な出典に沿って、実務で迷いやすい4点を整理しましょう。

引用は6つの点を満たして成立する

他人の文章を載せる行為が「引用」として認められるには、条件があります。文化庁の「著作権テキスト」が挙げる条件は4つ。その中で例示されている内容まで開くと、実務で見るのは次の6点です。

満たすもの 中身
前提 すでに公表されている著作物であること
必然性 その著作物を引く必要があること。飾りで引かない
明瞭区別 カギ括弧などで引用部分がはっきり分かること
主従関係 自分の文章が主で、引用が従であること
分量 引く量が目的に照らして必要最小限であること
出所の明示 どこから引いたかを示すこと

根拠は著作権法第32条第1項です。条文はまず「公表された著作物は、引用して利用することができる」と定めています。

そのうえで「この場合において、その引用は、公正な慣行に合致するものであり、かつ、報道、批評、研究その他の引用の目的上正当な範囲内で行なわれるものでなければならない」と条件を付けました。

逆にいえば、他人の記事を丸ごと載せる行為は、これらの要件を満たさない限り、原則として著作権者の許諾が必要です。

出所を書けばよいという誤解

実務でいちばん多い誤解が、これです。文化庁が明文で否定しています。

「著作権テキスト」の記述はこうです。「出所の明示」をすれば著作権者の了解を得なくてもよいという誤解がありますが、それは逆で、著作権者の了解を得なくてもよい場合でも「出所の明示」の義務が課されるものであり、「出所の明示」をしても法律上の要件を満たさない場合には了解が必要です。

出所明示は著作権法第48条の義務で、違反には罰則の規定があります(第122条)。つまり出所明示は免罪符ではなく、それ自体が別の義務です。

もうひとつ、当社が実際にやってしまった失敗を挙げます。政府文書から引いた一節を、読みやすさのために言い換えました。原典の「学習」という語を「作業」に置き換えたのです。

結果、その直後に置いた自社の整理を、原典が支持しているように読める形になってしまいました。品質評価で指摘され、書き直しています。

ここから決めたルールがあります。

  • 引用のあとに自社の主張を導く箇所では、主張のキーになる語だけは原文のまま使う
  • 平易にするのは、主張と無関係な語にとどめる
  • 引用と自分の解釈は文を分け、「〜と当社は読んでいます」と主語を変える

要件を満たしているかどうかだけでなく、言い換えたことで原典の意味を変えていないか。ここまで見て、はじめて安全と言えます。

無料の画像は自由に使える画像ではない

写真は、著作権法が著作物の例として挙げているものの1つです(第10条第1項第8号)。実際に著作物にあたるかは、思想または感情を創作的に表現したものかどうかで判断されます。ウェブ上にある画像も同じ扱いです。

政府広報オンラインは、著作権侵害に当たる可能性がある例のひとつに「フリー素材ウェブサイトで見つけた画像をSNSのアイコンに使用」を挙げています。

そのうえで無料で使える曲や画像でも、利用条件をしっかり確認し、ルールに従った使い方をすることが大切だと述べました。無料であることと自由に使えることは別だ、ということです。

取材写真には、写っている人の権利という別の問題も重なります。ただしここは断定できません。

文化庁は我が国では法律で「肖像権」や「パブリシティ権」を規定したものはなく、これらの権利は判例によって確立された権利だと明記しています。そのうえで、パブリシティ権については内容・効果・範囲・期間等がまだ明確になっていないとしています。

つまり「肖像権法に違反する」という言い方はできない、ということです。

当社の失敗も開示します。自社が運営する比較メディアのひとつで、事業者ごとの紹介カードにフリー素材の写真を置いたことがありました。

権利上は問題のない素材でした。それでもその事業者の実際の様子がまったく分からない画像を「その事業者の画像」として見せてしまったことが問題でした。

そこで決めたのが次のルールです。

  • 素材サイトの利用規約を、使う前に必ず開いて確認する
  • 商用利用の可否と、クレジット表記の要否をその場で確認する
  • 事業者固有の画像は、公式サイト画面を撮影したものだけを使う
  • 出典URLと取得日を記録し、公式ドメインとの一致を確認する
  • 撮影できない場合は代替せず、画像枠自体を出さない
  • 他サイトの画像を直接読み込むホットリンクは使わない

最後の1つは権利だけの話ではありません。相手のサーバーに負荷をかける行為でもあります。使うと決めた画像は、必ず自分のCMSにアップロードしてください。

外注原稿の著作権は契約書で決まる

外部のライターに書いてもらった記事の著作権は、誰のものか。文化庁の「誰でもできる著作権契約マニュアル」が、はっきり答えています。

マニュアルの記述はこうです。「著作権法では、現実に著作物を創作した人(執筆者)が著作者となり、その著作者が著作権を持つものと定められています」。

そのうえで「依頼者が報酬を支払ったからといって、それだけで著作権を取得することにはなりません」と続けています。

使うには、利用の許諾を得るか、著作権を譲り受けるかのどちらかです。

同マニュアルのモデル契約書は、既定の形として「著作権は執筆者に帰属する」としたうえで、依頼者に利用を許諾する構成を取っています。譲渡は、差し替えの条項として別に用意されている形です。

公的なひな形のデフォルトは譲渡ではない。ここを知らずに「お金を払ったのだから自社のもの」と考えると、あとで食い違います。

契約の形 できること 契約書に書くこと
利用許諾を受ける
(ひな形の既定)
許諾された範囲で掲載できる 掲載する媒体・期間・範囲
著作権を譲り受ける 掲載に加えて、書き換えや二次利用もできる 「すべての著作権(第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡する」

譲渡を受ける場合には、落とし穴があります。関係するのは第27条(翻訳・翻案など)と第28条(二次的著作物の利用)の権利です。

著作権法第61条第2項は、この2つを契約で特に挙げていなければ、譲渡した側に留保されたものと推定すると定めています。

文化庁のマニュアルの規定例はこうです。「本著作物に関するすべての著作権(著作権法第27条及び第28条に規定する権利を含む)を譲渡する」

この一文があるかどうかで、あとからできることが変わります。

  • 特掲がない:掲載はできるが、リライト・書籍化・動画化・翻訳の段で詰まる
  • 特掲がある:元記事を作り替える運用まで自社で判断できる

オウンドメディアのようにリライトを前提とする運用では、ここが実務上いちばん効く箇所です。

2つ、断定を避けるべき点があります。ひとつは、社員が書いた記事に成立する職務著作の規定についてです。

外部の委託先が「業務に従事する者」に当たるかは、契約書の名称ではなく実態で判断されるとされ、争いのある論点になっています。原則として職務著作は成立せず著作権はライターに残る、という理解にとどめ、契約で定めてください。

もうひとつは、著作者人格権です。作品を勝手に改変されない権利や氏名を表示する権利のことで、著作権とは別に著作者本人に残り、譲渡できません。

実務では行使しない旨を定める特約が使われます。ただし文化庁の資料も「例も見受けられます」「注意が必要です」という書き方にとどめており、有効だと言い切ってはいません。特約を入れたから自由に改変できる、とは考えないほうが安全です。

もうひとつ、事例やインタビューを記事にするときの線引きも決めておいてください。当社が使っているのは「その記述で検索して3社以内に特定できるなら書かない」という基準です。

事例を書くときの粒度
  • 書いてよい:業界の大分類(不動産・人材・医療・EC など)
  • 書いてよい:サイトの型(記事型・データベース型・EC型)と地域の大区分
  • 条件つき:業界の中分類(中古マンション・看護師求人 など)
  • 書かない:業界の小分類と地域の組み合わせ/固有名詞/URL
  • 数値は絶対値を出さず、倍率や増減率で書く(例「CVRが約1.3倍」)

この基準があると、許諾を取りに行く前の段階で「そもそも書ける粒度か」を自分で判断できます。取材相手に確認する手間も減るはずです。

外注の範囲や相場については記事制作の外注はどこまで任せられるかにまとめています。

オウンドメディア記事についてよくあるご質問

ご相談の場でよくいただく4つに、公的な出典と自社の実測からお答えします。

オウンドメディアの記事は何本あればいいですか?

本数の目安より、出し続けられる体制があるかどうかが先です。当社は60本を量産したあとに全部を作り直した経験から、本数を先に決めるのをやめました。必要本数の考え方は「オウンドメディアの目標記事数」に、事業成果からの逆算としてまとめています。

記事のネタが尽きたとき、何から手をつければいいですか?

新しいテーマを探す前に、自分のメディアが何型に偏っているかを数えてください。2026年8月20日取得の公開264本をタイトルで機械分類してみました。手順記事が30.7%を占める一方、「事例」と名乗る記事は1.1%しかありません。薄い型を1つ足すだけで、同じテーマから別の記事が生まれます。

古い記事は消したほうがいいですか?

Googleは公式ドキュメントで、コンテンツの削除は最終手段であり、修正不可能だと判断した場合にのみ検討すべきことだと述べています。まず考えるのは書き換えや再構成です。なお「サイトを新鮮に見せれば順位が上がる」と考えて大量に追加・削除する行為は、ランキングは向上しないと明記されています。

他社の記事を引用してまとめ記事を作ってもいいですか?

引用の要件を満たし、かつ独自の価値を加えていれば可能です。文化庁が挙げる条件を整理すると、公表済みの著作物であること、必然性、明瞭区別、主従関係、必要最小限の分量、出所明示になります。Googleのスパムポリシーも、元のソースを引用せず独自の価値も加えずに転載する行為を挙げています。まとめるだけでは、どちらの基準も満たしません。

まとめ

オウンドメディアの記事は、1本ずつ仕上げる作品ではなく、切らさず回す在庫です。見るべきものは供給・品質・鮮度・安全の4つに整理できます。

まず、いま詰まっている場所を1つだけ決めてください。ネタが出ないのか、品質がそろわないのか、古い記事が判断できないのか、権利が不安なのか。4つ同時には直せません。

手をつけやすいのは棚卸しです。下書き一覧を日付順に並べるだけで、その日のうちに終わります。体制ごと見直したいときは、私たちの無料相談で一緒に整理することもできます。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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