「テンプレートは手に入れたのに、3列目で手が止まった」。カスタマージャーニーマップのテンプレートを開いて、そんな経験をされた方は少なくありません。調べ直しても埋まらず、そのうちファイルを閉じてしまう。
実は、埋まらない欄には2種類あります。調べれば埋まる欄と、構造上どうやっても埋まらない欄です。後者を自分の力不足だと思い込んで調べ続けることが、マップが完成しない最大の原因でした。
この記事では、ダウンロードもフォーム入力も要らない6列の枠と、BtoBのサービスで記入した例をそのままお渡しします。読み終えるころには、埋まらなかった欄から次に手を付ける1本を決められるようになるはずです。
先に結論:テンプレートは穴を数える道具です
まず最初に、結論からお伝えします。カスタマージャーニーマップのテンプレートは、すべての欄を埋めるために使うものではありません。埋まらない欄を見つけて、その大きさを数えるための道具です。
枠を手に入れて書き始めると、たいていどこかの欄で手が止まります。そのとき多くの方が「自分の調査が足りない」と考えて、調べ直しに時間を使ってしまうのです。
けれども、埋まらない欄には2つの種類があります。
- 調べれば埋まる欄:営業担当に聞く、問い合わせ内容を見返すなどで埋まります
- 構造上どうしても埋まらない欄:自社からは見えない範囲なので、調べても出てきません
2つ目の存在を知らないまま調べ続けると、いつまでも完成しません。そして完成しないマップは、社内で共有されないまま消えていきます。
この記事では、順番に次のものをお渡しします。ダウンロードもフォームへの入力も必要ありません。
- コピーしてそのまま使える6列の枠
- BtoBのサービスで記入した例
- 配布されているテンプレートを実際に確認した比較
- 埋まらなかった欄から次の一手を決める手順
カスタマージャーニーそのものの意味や作り方の原則は、カスタマージャーニーとはを解説した記事で扱っています。ここでは枠と埋め方に絞ってお伝えしましょう。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
カスタマージャーニーマップのテンプレート6列
ここからが本題です。ダウンロードせずに使える枠をお渡しします。スプレッドシートでもホワイトボードでも、この6列をそのまま作れば始められます。

BtoB向けに絞った6つの列
列は6つで始めてください。10列の立派な枠より、埋め切れる6列のほうが続きます。
これは当社が自社メディアのキーワード台帳を運用して学んだことです。列を増やしたとき、埋められない列が1つあるだけで、その日から台帳全体の更新が止まりました。1か所の空白が気になって、他の列まで手を付けなくなるのです。
| 列 | 何を書くか |
|---|---|
| 1. 段階 | 顧客が進む順番。認知/比較検討/決定の3つで始める |
| 2. 登場人物 | その段階で動く人。手を動かす人と決める人を分けて書く |
| 3. 行動 | 実際に何をしたか。検索した・資料を集めた・上司に相談した |
| 4. 疑問と不安 | その時点で頭にある問い。「これ、うちでも使えるのか」など |
| 5. 自社の受け皿 | いま自社が置いているもの。記事・資料・面談など |
| 6. 次の一手 | その段階で押してほしい行動を1つだけ |
この6列は、ジャーニーマップの定義を整理しているNielsen Norman Groupが挙げる5つの要素のうち4つと対応しています。登場人物、段階、行動と心の動き、そして機会です。残る1つは場面と期待で、これは表の外に1行書いておけば足ります。
ただし1つだけ外したものがあります。感情の変化を折れ線で描く欄です。BtoBの購買では動く人が1人ではないため、誰の気持ちの線なのかが決まりません。当社は感情を独立した欄にせず、4列目の疑問と不安に寄せています。
各列に何をどう書くか
各列の書き方には順番があります。2列目の登場人物から埋めてください。ここが決まらないと、3列目以降が誰の話なのか定まらないためです。
当社は支援の相談を受けるとき、工程を並べて「手を動かすのは誰か」「決めるのは誰か」に1つずつ印をつけています。この2つはずれるほうが普通です。
BtoBでは顧客に直接インタビューできない場面が多くあります。THE MOLTSもこう書いていました。「BtoB企業のように顧客へのインタビューが難しい場合、日ごろから接点を持っている営業担当にヒアリングを行うことも有効な手段です。」
「導入コストの妥当性を検証したい」ではなく「これ、いくらかかるんですか」と書きます。要約した瞬間に、その段階で本当に引っかかっている点が消えるためです。
資料請求も相談も見積もりも、と3つ並べると読者はどれも押しません。その段階で最も自然な行動を1つ選びます。
完璧に埋めようとしないでください。BtoBマーケティングの支援を行う才流も、テンプレートの解説でこう書いています。「精度は50点でいいから、まずは言語化しよう」
50点の1枚が机の上にあるほうが、100点の構想が頭の中にあるより議論が進むのです。
根拠の1行が後から効く
6列を埋めたら、右端にもう1列だけ足すことをおすすめします。その欄をなぜそう書いたのか、根拠を1行で残す列です。
当社はコンサルティングの支援先に、定例のたびに「何を決めたか」ではなく「なぜそう決めたか」を1行残すようお願いしています。決めたことだけを記録しても、状況が変わったときに応用が利きません。理由が残っていれば、自分たちで判断し直せるからです。
ジャーニーマップでも同じことが起きます。3か月後にマップを開いた人は、その欄が実際のデータから書かれたのか、会議で誰かが言っただけなのかを区別できません。
- データ:問い合わせ履歴、検索データ、アクセス解析など
- 社内の見立て:営業担当や既存顧客との会話から出たもの
- 想像:根拠がなく、その場で書いたもの
この分類には効果があります。「想像」と書かれた欄は、埋まっているように見えて実は空欄と同じだと分かるためです。
マップが完成した気になってしまう原因の多くは、ここにあります。全部の欄に文字が入っていると、埋まったように見えてしまうものです。根拠の列を持つと、見た目は埋まっているのに中身が想像だけ、という状態が表に出ます。
BtoBサービスで記入した例と埋め方
空の枠だけを渡されても手は動きません。当社が実際に記入した例をお見せします。BtoBのサービスを扱う会社を想定した1枚です。

段階ごとの読者像と次の一手
当社は業務システムを開発するBtoB企業の支援で、検索されている言葉を3段階に分類し、段階ごとに読者像と次の一手を割り当てました。その考え方を6列の枠に落とすと、次のようになります。
| 段階 | 登場人物 | 行動 | 疑問と不安 | 自社の受け皿 | 次の一手 |
|---|---|---|---|---|---|
| 認知 | 現場の担当者(決める人はまだ登場しない) | 用語を検索する。社内の課題に当てはまるか確かめる | これはうちの状況に関係あるのか | 用語を解説する記事 | 資料の配布・メール登録 |
| 比較検討 | 稟議を書く担当者と、声をかけ始めた経営層 | 複数社に問い合わせる。選択肢を並べる | 選択肢の全体像は。よくある失敗は何か | 選び方と失敗例の記事(当時は不足) | 無料の相談・診断 |
| 決定 | 予算を取りにいく担当者と決裁者 | 相見積もりを取る。社内の承認を通す | 金額の内訳と根拠は。会計上どう扱うか | 料金の内訳を示す記事・事例 | 見積もりの依頼 |
ここで注目していただきたいのは、いちばん上の段階の次の一手です。認知の段階に相談窓口を置いていません。
この段階の読者は、自社の課題がまだ言葉になっていない状態にあります。そこへ相談を促しても、話す材料がないため動けません。段階ごとに押してほしい行動を変える必要があるのは、このためです。
このとき同じ調査で「競合が手薄な話題」も7つ見つかりました。表を埋める作業そのものが、空白の発見につながっていました。マップは顧客を理解するためだけの道具ではありません。
行動の欄は実際の連絡から埋める
行動の欄こそ、想像で書いてはいけない場所です。自社に届いた連絡を数えれば、そのまま材料になります。
当社に届く最初の連絡は、大きく4通りに分かれていました。
| 最初の連絡 | その方が置かれている状況 |
|---|---|
| 資料がほしい | 社内で回覧して決裁者と話す材料を探している |
| 相談したい | 進め方の方向をまだ決めかねている |
| 見積もりがほしい | 金額を先に知りたい。ただし範囲が決まっていない |
| まず1本試したい | 相性を確かめたい。成果より進め方を見ている |
面白いのは、この4つで返せるものがまったく違うことでした。資料は誰が読んでも同じ内容なので、社内で回す道具になります。相談では見立てと進め方をお返しできます。
一方で見積もりは、範囲が決まっていないと出せません。それでも求められた場合は範囲を仮に置いた金額になり、その仮の数字が後の会話に前提として残ってしまうのです。
ここまで書けると、行動の欄は想像ではなく観測になります。自社の問い合わせフォームやメールを30分だけ見返してください。顧客が実際に使った言葉が、そのまま欄に入ります。
想像で埋めた欄がずれていた実例
想像で埋めるとどうずれるのか。当社自身の失敗をお見せします。
2026年8月、あるテーマの検索結果を実際に取得して調べました。当社はそのテーマの読者を「手口を知りたい人」だと想定して記事を書いていたのです。
ところが上位10件の中身は違いました。法律相談の掲示板が2件、個人の体験談が1件、質問サイトが1件です。
10件のうち4件が、被害に遭った当事者の生の相談でした。ほかに動画も1件ありました。
関連する検索として並んでいた8つの言葉のうち4つも、違約金や契約解除といった契約後の扱いを指していました。読者が知りたかったのは一般的な手口ではなく、自分の契約がどうなるのかという判断だったのです。
このずれは、社内で議論しているかぎり見つかりません。検索結果を開いて上から10件を眺めるだけで見つかりました。疑問と不安の欄を埋めたら、必ず一度は検索結果と突き合わせてください。
無料テンプレートの選び方と入手条件
配布されているテンプレートを使いたい場合の選び方をお伝えします。当社が2026年8月5日に、配布元のページを1つずつ開いて条件を確認しました。

入手条件で比べた無料テンプレート
最初に見るべきは形式ではありません。入手に個人情報の入力が必要かどうかです。ここで作業が止まる方が多いためです。
| 配布元 | 形式 | 入手条件 | BtoBの明示 |
|---|---|---|---|
| 才流 | PowerPoint | 入力不要 | あり |
| Strh | PowerPointとGoogleスライド | 入力不要 | あり |
| THE MOLTS | Googleスプレッドシート | 入力不要 | 作例はBtoC中心 |
| Nielsen Norman Group | PDF(Excel版は別記事) | 入力不要 | 汎用(BtoBの例は本文中) |
| HubSpot | 7種類の雛形が資料に同梱 | フォームの入力が必須 | ページ上の明示なし |
| Miro | オンラインのボード | アカウント登録が必要 | 作者により異なる |
差がはっきり出たのはHubSpotでした。フォームの中身を確認したところ、姓名とメールアドレスに加えて、電話番号・会社サイトのURL・従業員数・部署までが必須になっています。社内で試しに1枚作りたいだけの段階では、重く感じられるでしょう。
一方で才流は、ページにこう明記していました。「※個人情報の入力は必要ありません。クリックするとファイルがダウンロードされます。」実際にファイルの取得まで確認できています。
なお、CanvaとFigmaでも同じキーワードでテンプレートが上位に出てきます。ただしこの2つは編集部で条件を裏取りできませんでした。使う場合はご自身で開いて確かめてください。
形式はチームの共有しやすさで選ぶ
形式で迷ったら、見た目の美しさではなくチームの全員が開けるかどうかで決めてください。
この考え方は、Nielsen Norman Groupも採っています。同社は表計算ソフト版のテンプレートを配布する記事で、その理由を説明していました。
ドラッグ操作のツールやデザイン向けのツールと違い、表計算ソフトは分野を問わず広く使われています。だから参加者が新しくアカウントを作り、使い方を覚えてから参加する時間が要らない、というのがその理由です。
予算がなく人数も少ないチームでは、この差が決定的になります。ツールの使い方を覚える時間が必要なだけで、参加できる人が減ってしまうのです。
- Googleスプレッドシート:複数人で同時に書き込みたい。修正の履歴を残したい
- Excel:社内の共有ドライブが決まっている。オフラインで触りたい
- PowerPointやGoogleスライド:そのまま会議の資料や役員への説明に使う
- オンラインのボード:付箋を貼るように複数人で発散させたい
無料でも使い続けられるとは限らない
もう1つ確かめてほしいことがあります。無料で始められることと、無料で使い続けられることは別だという点です。
たとえばMiroの無料プランは、公開されている料金ページによると編集できるボードが直近の3枚までとなっています。それ以前のボードは閲覧はできても編集できません。また、高い解像度で画像やPDFに書き出す機能は、有料プランの機能として案内されています。
マップを作る目的が「社内に配って議論の土台にすること」であれば、きれいに書き出せないという制約は目的に直撃します。始めるときには見えず、共有しようとした段階で初めて気づく種類の制約です。
1. 入手条件を最初に見る(フォームが必要なら、その場では始められません。今日1枚作りたいなら入力不要のものから選びます)
2. チームの誰もが開ける形式にする(新しいツールの使い方を覚える時間は、そのまま参加できない人を生みます)
3. 配り方まで確認する(作った後に印刷や書き出しができるか。無料の範囲で完結するかを先に見ておきましょう)
4. 出発点として扱う(配布されている枠は、あくまで出発点です。自社の言葉に置き換える工程が本体で、置き換えた定義も半年に一度は見直します)
この4つに加えて、枠そのものを見比べるときの軸がもう1つあります。「次の一手」を書く欄があるかです。
段階ごとに押してほしい行動は変わります。そして1つの段階に複数の行動を並べると、読者はどれも選びません。段階ごとに1つだけ選ぶ設計ができる枠かどうかを見てください。
なお各社の配布条件は予告なく変わります。ここに書いた内容は2026年8月5日に確認したもので、実際に使う際は配布元のページをご確認ください。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
埋まらない欄が教える自社の穴
ここがこの記事の中心です。埋まらなかった欄をどう読むのか、そして穴の大きさをどう数えるのかをお伝えします。

1枚に1人しか置けない構造の限界
登場人物の欄で手が止まった方に、まずお伝えしたいことがあります。それはあなたの調査不足ではありません。テンプレートの構造と、BtoBの現実が食い違っているためです。
Nielsen Norman Groupは、1枚のマップには1つの視点だけを置くよう勧めています。理由は、強く明確な物語を組み立てるためです。複数の人物を1枚に詰め込むと、話が誰のものか分からなくなります。
ところが実際のBtoBの購買は、1人では進みません。6senseの2025年版の買い手調査によると、典型的な購買には10人を超える人が関わり、検討には1年近くかかっていました。
対象はおよそ4,000人のBtoBの買い手です。検討にかかった期間は平均10.1か月で、2024年の11.3か月からは短くなっていました。同社は購買グループを解説した別の記事でも、そこにはおよそ10人が集まると書いています。
才流もテンプレートの解説で同じ点を指摘しています。BtoBの購買プロセスには複数人が関わるため、特定のペルソナだけを対象にすることはほとんどない、というものです。
1枚1人という原則と、10人が関わる現実がぶつかります。この食い違いが「埋まらない欄」の正体の1つです。
無理に1枚へ詰め込まないでください。対処は2つあります。
- 役割ごとにマップを分ける(動かす人用と決める人用の2枚にする)
- 登場人物の欄を2段にして、同じ段階に2人を並べて書く
検討の6割は観測できない区間
行動の欄にも、調べても埋まらない部分があります。顧客が自社に接触する前の区間です。
先ほどの6senseの2025年の調査では、買い手が売り手に初めて接触する時点が、購買プロセスの61%地点でした。2024年はおよそ69%だったので、前倒しにはなっています。それでも検討の6割は、こちらから見えないところで進んでいます。
この区間について、自社の記録には何も残りません。問い合わせ履歴にも、営業担当の記憶にも出てこないためです。ここを想像で埋めるのは避けられません。
大切なのは、埋められないことを失敗と捉えないことです。ここで先ほどの根拠の列が効いてきます。見えない区間の欄に「想像」と書いておけば、後から検証すべき箇所として残せるはずです。
顧客との接点そのものは、デジタルへ寄ってきています。総務省の令和7年版 情報通信白書は、経済産業省の調査を引きながら、企業間取引の電子商取引化率が2023年に40.0%になったと記しています。見えない区間は短くなってきてはいるものの、それでも6割はこちらから見えないという状態です。
自社552キーワードで穴を数えた
ここからが「穴の大きさを数える」の実演です。当社が自社メディアで行った作業をそのままお見せします。
当社は2026年7月、自社メディアで狙う552個のキーワードを、認知・比較検討・今すぐ客の3段階に振り分けました。今すぐ客は、先ほどの記入例で「決定」と呼んだ段階にあたります。ジャーニーマップの段階の列に、自社のコンテンツを並べたのと同じ作業です。
まず分かったのは、需要の大きさが段階でまったく違うことでした。
| 段階 | キーワード数 | 検索需要の合計 | 構成比 |
|---|---|---|---|
| 認知 | 429件 | 1,407,070 | 94.5% |
| 比較検討 | 74件 | 42,560 | 2.9% |
| 今すぐ客 | 49件 | 39,430 | 2.6% |
マップの上では横に3つ並んで見える段階が、需要の大きさでは30倍以上ちがっていました。認知に9割以上が集中し、比較検討と今すぐ客はほぼ同じ規模です。次に、実際に記事を作れた割合を数えます。
| 段階 | 記事化できた数 | 充足率 | 1本あたり表示回数 |
|---|---|---|---|
| 認知 | 65 / 429件 | 15.2% | 32.9回 |
| 比較検討 | 9 / 74件 | 12.2% | 6.7回 |
| 今すぐ客 | 19 / 49件 | 38.8% | 6.0回 |
ここで自社の穴が数字になりました。比較検討の充足率が、3段階のなかで最も低いのです。
とくに目を引いたのは、今すぐ客との差でした。この2つは検索需要の規模がほとんど変わりません。それなのに手を付けた割合は12.2%と38.8%で、3倍以上の開きがあります。
つまり当社は、売上に近い今すぐ客の記事から書き始め、その手前にある比較検討を後回しにしていたわけです。マップの真ん中が抜けるという現象が、自社の数字にそのまま出ていました。
1本あたりの表示回数にも差が出ています。後ろの2段階は、認知の5分の1程度の露出しかありません。
一方で、平均の掲載順位は3段階とも40位前後にとどまっていました。検索結果の1ページ目に届いていない点は共通しています。
差がついているのは順位ではなく、そもそも検索結果に出る機会の数でした。
限界も正直にお伝えします。実績はSearch Consoleで2026年7月6日から8月2日までの28日間を集計したものです。この期間のクリックは全体で11しかないため、クリック数での比較は成立していないとお考えください。
また当メディアは2026年6月から8月にかけて集中的に記事を公開したため、評価が固まる前の記事が多く含まれます。段階ごとの公開時期のばらつきもそろえていません。1本あたりの表示回数は、URLが確定した92本を対象にしています。
それでも、この作業には価値がありました。「比較検討の受け皿が足りない気がする」という感覚が、「74件の設計に対し9本しか書けていない」という数に変わったからです。感覚は会議で反論されますが、数は次の行動に直結します。
空欄のままでよい欄とそうでない欄
すべての空欄を埋める必要はありません。空欄のままでも先へ進める欄と、空欄だと以降が全部決まらない欄があるためです。
当社は初回の相談で、この線引きを実際に使っています。目標の数値・対策する言葉・予算の上限・着手の時期は、その場で「決まっていません」で構いません。一緒に決める部分だからです。
逆に、答えがないとその日の話が進まないものが2つあります。サイトを触れる人が社内にいるかどうかと、いつまでに何かを変えたいかです。前者は相手が代われず、後者がないとどの進め方が合うかを一緒に選べません。
ジャーニーマップの欄も同じように分けられます。
- 後でよい:感情の変化、細かいタッチポイント、将来の施策案
- 後でよい:認知段階の細かい行動(見えない区間なので想像でよい)
- 先に埋める:登場人物(決まらないと全列が誰の話か定まらない)
- 先に埋める:段階の区切り方(列の数が決まらないと表が引けない)
そして、埋める作業にはやめる条件を先に決めておいてください。当社はキーワードを調べる作業で、着手前に2つの条件を決める運用にしています。時間と件数です。どちらかに達したら、その時点の材料で判断します。
2つ決める理由は、片方だけだと抜け道ができるからでした。時間だけを決めると中身が数行で終わり、件数だけを決めると集まらないまま日が暮れます。別の作業ではありますが、マップを埋めるときにも同じ考え方が使えるでしょう。
今泉の視点:正直に書きます。当社が比較検討の薄さに気づいたのは、マップを眺めていたときではありませんでした。552件を段階ごとに数えて、表計算ソフトの上に並べたときです。それまでは「そろそろ比較の記事も要るな」と思いながら、認知の記事を書き続けていました。
数えると行動が変わります。実はこの記事も、比較検討の段階に分類されたキーワードで書いています。穴を数えた結果として選ばれた1本です。マップを作る目的は、きれいな図を完成させることではありません。次に書く1本が決まることだと、自分の手を動かして分かりました。
カスタマージャーニーマップのよくある質問
まとめ
カスタマージャーニーマップのテンプレートは、すべての欄を埋めるための道具ではありません。埋まらなかった欄が、自社の穴を教えてくれます。当社も552のキーワードを段階ごとに数えたことで、比較検討の受け皿が最も手薄だと分かりました。
- 列は6つで始める。埋められない列を置くと更新が止まる
- 登場人物の欄から埋める。動かす人と決める人は分けて書く
- 埋まらない欄は失敗ではなく、次に手を付ける場所の合図
まずは6列の枠を作り、登場人物の欄から書いてみてください。1枚できたら、段階ごとに自社のコンテンツが何本あるかを数えます。その数がいちばん少ない段階が、次に取りかかる場所です。
自社の受け皿が足りているかを判断しかねる場合は、当社の無料相談でも承っています。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
