SEOペナルティは公式用語ではない|確かめ方と解除の手順

順位が下がった原因を調べるためノートパソコンで分析画面を確認する担当者

順位が落ちた翌朝、「ペナルティを受けたのかもしれない」と考えるのは自然なことです。ただ、その言葉はGoogleの資料には出てきません。Googleが使っているのは「手動による対策」で、しかも該当しているかどうかはSearch Consoleの決まった画面を開けば数十秒で確定します。

街中文学は、東証プライム上場企業のECサイトから月間4,500万セッション級のメディアまで、技術面のSEO支援を担当してきました。そこで繰り返し見てきたのは、ペナルティを疑って始めた作業のほとんどが、別の原因の前で空振りしていたという光景です。

読み終えるころには、自社が該当しているかを自分で判定でき、該当しなかった場合に次に見る場所まで分かります。

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目次

SEOペナルティはGoogleの公式用語ではない

順位が落ちた原因を探すとき、最初につまずくのは言葉のほうです。「SEOペナルティ」という呼び方は調べればいくらでも出てきますが、Googleが自社の資料でその言葉を使っているかというと、話が違ってきます。ここを整理しないまま解除の方法を集めても、存在しないものを解除しようとして時間を使うことになりかねません。まずはGoogleが何と呼んでいるのかを、公式の資料から確かめます。

Googleが使う正式な言葉は「手動による対策」

Googleがサイトに対して行う措置には、正式な名前がついています。「手動による対策」です。英語では manual action と書かれています。

Search Consoleのヘルプには、こう説明されていました。「Google では、担当者がサイト上のページを目視で審査し、Google のスパムに関するポリシーに準拠していないと判断した場合、そのサイトに対して手動による対策を実施します。」(Search Console ヘルプ「手動による対策レポート」

大事なのは「担当者が」「目視で」という部分です。プログラムが機械的に決めているのではなく、Googleの人が実際にページを見て判断しています。だからこそ、直したあとに「もう一度見てください」と申し出る手続きが用意されているわけです。

そして措置の中身も、同じページに書かれています。「手動による対策が実施されると、そのサイトの一部またはすべてが Google 検索の検索結果に表示されなくなります。」あわせて「レポートに表示される問題のほとんどは、ページやサイトの掲載順位が下がる、または検索結果から除外される原因となりますが、ユーザーに対して視覚的に識別できるような表示は行われません。」とも書かれていました。結果は掲載順位の下落か、検索結果からの除外で、しかも画面には何の印も出ません。訪問者が見て気づける種類のものではないのです。

この記事でも、読者に伝わりやすい場面では「SEOペナルティ」という言い方を使います。ただしそれは世の中で通っている呼び名であって、Googleの資料に載っている名前ではない、という前提でお読みください。

「自動ペナルティ」は公式には存在しない

SEOの解説記事では、ペナルティを「手動」と「自動」の2種類に分ける説明をよく見かけます。人が判断するものが手動、アルゴリズムが判断するものが自動、という分け方です。

ところが「自動ペナルティ」という言葉は、現行のGoogle公式ドキュメントに1度も出てきません。当社が2026年8月6日に、スパムポリシー・手動による対策レポート・コアアップデート・検索の基本事項など日本語の公式ページを全文で確認したところ、「自動ペナルティ」も「アルゴリズムペナルティ」も見つかりませんでした。Googleのドメインに絞った検索でも、Googleが書いた公式ページのヒットはゼロでした(ヒットするのは、利用者どうしが質問し合うコミュニティの投稿だけです)。

ではGoogleは何と書いているのでしょうか。スパムに関するポリシーの冒頭には、次のようにあります。「Google では、自動システムと、必要に応じて行われる人間による審査によって、ポリシーに違反した行為を検出しています。場合によっては、手動による対策を実施します。Google のポリシーに違反しているサイトは、検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります。」(Google 検索セントラル「Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー」

読み比べると、書き分けがはっきりしています。自動システムのほうは「検出しています」までで、その結果は「掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります」と書かれるだけです。そこに「ペナルティ」という名前は与えられていません。名前がついているのは、人が審査して実施する「手動による対策」のほうだけなのです。

現行のガイドに残る「ペナルティ」の1か所

とはいえ、Googleが「ペナルティ」という語をまったく使わないわけではありません。当社は2026年8月6日に、Googleの日本語の主要ページ10本を全文で確かめました(スパムポリシー、手動による対策レポート、セキュリティの問題レポート、コアアップデート、検索の基本事項、トラフィック減少のデバッグ、noindex、構造化データのポリシー、サイトの評判の不正使用、SEOスターターガイドの各ページです)。本文にこの語が出てくるのは、そのうち1ページだけでした。そしてその文脈が、この記事の主張をそのまま裏づけてくれたのです。

場所はSEOスターターガイドの「Google が重要でないと考えること」というセクションです。ここは、かつてベストプラクティスだと思われていたものの実際には重要でないこと、つまりSEOの俗説を並べた一覧になっています。メタキーワード、URLの中のキーワード、コンテンツの最小長と最大長、見出しの数や順序などが並ぶなかに、こんな見出しがありました。

「重複コンテンツは「ペナルティ」になる」

そして本文はこうです。「複数の URL からアクセスできるコンテンツがあっても問題はなく、気にする必要はありません。非効率ですが、手動による対策が必要になることはありません。ただし、他人のコンテンツをコピーすることは、また別の話です。」(Google 検索セントラル「SEO スターター ガイド」

整理すると、いま挙げたページのなかで「ペナルティ」と書かれているのは、誤解を否定する文脈で、しかもカギ括弧をつけたこの1か所だけでした。そのうえ直後の説明では「手動による対策」という正式な言葉に置き換えています。なお2009年ごろの検索セントラル ブログには、この語を普通に使った日本語の記事がいまも残っています。かつては使われていた言葉が、現在のドキュメントでは正式な用語として扱われていない、というのが実際のところです。

言葉が変われば、やるべきことも変わります。手動による対策なら、確認する場所も、直す範囲も、申し出る手続きも決まっています。一方でアルゴリズムによる順位の変動には、そもそも解除という手続きが存在しません。次の章では、自分がどちらの状況にいるのかを数分で見分ける方法を見ていきましょう。

SEOペナルティを受けているかを確かめる手順

ここが、この記事でいちばん実用的な部分です。手動による対策を受けているかどうかは、推測でも診断ツールでもなく、Search Consoleの決まった画面を開けば確定します。かかる時間は数十秒です。順位の推移を眺めたり、アクセス解析のグラフとにらめっこしたりする前に、まずここを見てください。

表示回数とクリック数の推移をダッシュボードの画面で確かめる様子

手動による対策レポートを開いて確認する

確認する場所はSearch Consoleの「手動による対策」レポートです。Search Consoleは、Googleが無料で提供している、自分のサイトが検索でどう扱われているかを見るための管理画面です。左側のメニューから開けます。サイトをまだ登録していない場合は、まず所有権の確認から始めてください。登録していないサイトには、対策が実施されても通知が届きません。

ここに問題が検出されなかった旨が表示されていれば、そのサイトに手動による対策は実施されていません。逆に何かが実施されていれば、対策の名前と、影響を受けているページの範囲が表示されます。判定はこれで終わりです。

加えて、対策が実施されたときには連絡も届きます。「サイトに対して手動による対策が行われた場合は、[手動による対策] レポートと Search Console メッセージ センターでお知らせします。」とSearch Console ヘルプ「手動による対策レポート」に書かれていました。

ここから、ひとつ重要なことが読み取れます。自分のサイトを登録して所有権の確認まで済ませているのなら、対策が実施されたときには通知が届きます。ただし判定はあくまでレポートの画面で行ってください。通知はそれを補助するものです。「自動ペナルティだから通知が来ないのだろう」という説明を目にしますが、Googleの資料に照らすと、通知が来ない状態は単に手動による対策の対象になっていない状態を指しています。

なお、Search Consoleには「セキュリティの問題」という別のレポートもあります。こちらはマルウェアやフィッシングなど、訪問者に危険が及ぶ種類の問題を扱う画面です。画面上は同じグループにまとまっていますが、ヘルプ上は別々のレポートとして掲載されています。順位の話とは限らないので、両方を見ておくと安心です。

影響を受けるページはパターンで表示される

対策が表示された場合、次に知りたいのは「サイト全体がやられたのか、一部だけなのか」でしょう。ここでひとつ、他の解説記事との違いをお伝えしておきます。

SEOの解説記事や用語集では「サイト全体一致」「部分一致」という2分類を見かけることがありますが、現行のGoogle公式ヘルプに、この用語は日本語版にも英語版にも存在しません。当社が全文を検索して確認した結果、いずれもゼロ件でした。

実際の公式ヘルプはこう説明しています。「手動による対策の説明を展開すると、影響を受けるページのパターンが一覧で表示されます。このリストは、サイトの一部だけのこともあれば、サイト全体に及ぶこともあります。パターンに一致するすべてのページが必ずしも影響を受けるわけではありません。」

表示のされ方も例示されていました。

レポートの表示 意味
https://example.com/real-estate/* そのディレクトリ下の一部またはすべてのページが影響を受けている
すべてのページに影響があります サイト全体が影響を受けている

つまり分類名を覚える必要はなく、レポートに出ているパターンをそのまま読めばよいのです。「real-estate/」の下だけに印がついているなら、直すべき範囲もそこです。サイト全体を作り直す必要はありません。

何も表示されなかったときの読み方

実務でいちばん多いのは、レポートに何も出ていないケースです。この場合、原因はペナルティではありません。ここから先は別の調べ方に切り替える必要があります。

その前に、確認しておきたいことがあります。「どのページの、どの検索語の話なのか」を先に確定させることです。思い込みで対象を決めると、まったく違うページを直しにいってしまいます。

当社が自社で運営している比較サイトで、実際にそれが起きました。2026年7月10日、Search Consoleを見ていたところ、掲載企業の名前とネガティブな語を組み合わせた検索語句およそ10種に、合計40回の表示が立っていたのです。最初は「掲載していない企業の名前で出てしまっている」と考えましたが、調べるとその企業はきちんと掲載していました。

さらに意外だったのは、検索結果に出ていたページです。当たっていたのはその企業の詳細ページではなく、会社の一覧ページ(31位)と、条件で絞り込んだ結果のページ(16位)でした。一覧や検索結果のページが各社の紹介文をそのまま抱えていたため、本文の語がそちらにマッチしていたのです。ちなみにクリック数は0回で、40回表示されていても誰も開いていませんでした。

下がったと感じているページと、検索結果に実際に出ているページは、しばしば別です。Search Consoleの検索パフォーマンスで、対象のページと検索語句を先に特定してください。範囲と日付で原因を2つに絞り込む手順は検索順位が下がった原因の見つけ方で詳しく扱っています。ペナルティ以外の原因については、この記事の後半でGoogle公式の整理をもとに見ていきましょう。

Googleが手動による対策として挙げる問題

手動による対策が実施されていた場合、レポートには対策の名前が表示されます。その名前は、Googleがヘルプ上で一覧にして公開しているものです。何が対象になるのかを先に知っておけば、心当たりを探すときの見当がつくはずです。ここでは現行のヘルプに載っている類型を、掲載されているとおりに並べます。

手動による対策の一覧を2人で画面に映して確認している打ち合わせ

レポートに並ぶ16種類の対策

現行の日本語ヘルプには、手動による対策として16の類型が掲載されていました。掲載順にそのまま挙げます。

# 対策の名前(公式表記)
1 [戻る] ボタンのハイジャック
2 第三者のスパムにより悪用されているサイト
3 ユーザー生成スパム
4 スパム行為のある無料ホスト
5 構造化データに関する問題
6 サイトへの不自然なリンク
7 サイトからの不自然なリンク
8 価値のない質の低いコンテンツ
9 クローキング、不正なリダイレクト
10 スパムに関する重大な問題
11 画像のクローキング
12 隠しテキスト、キーワードの乱用
13 AMP コンテンツの不一致
14 不正なモバイル リダイレクト
15 ニュースと Discover のポリシー違反
16 サイト評価の不正利用

聞き慣れない名前が並ぶので、いくつか補足を添えておきましょう。1番の「[戻る] ボタンのハイジャック」は、公式の説明では「サイトがブラウザ履歴やその他の機能を操作してユーザーのブラウザ ナビゲーションを妨害し、ユーザーが [戻る] ボタンを使用して元のページにすぐに戻れないようにする行為」とされています。9番と11番にある「クローキング」は「ユーザーに配信するコンテンツとは異なるコンテンツを Googlebot に配信する行為」で、訪問者と検索エンジンに違うものを見せることを指します。13番の「AMP コンテンツの不一致」は、スマートフォン向けの高速表示用ページと元のページで内容が食い違っている状態のことです。

一覧を眺めると気づくことがあります。「順位が思うように上がらない」「アクセスが伸びない」といった悩みに当てはまる項目が、ひとつもありません。並んでいるのはいずれも、検索結果を操作しようとする行為か、訪問者をだます種類の行為です。

2番の「第三者のスパムにより悪用されているサイト」だけは性質が違い、自分ではなく他人がサイトに何かを仕込んだ場合を指しています。掲示板やコメント欄を開放しているサイト、あるいは不正アクセスを受けたサイトが該当します。

リンクと質の低いコンテンツが中心を占める

16の類型のうち、中小企業のサイトで実際に問題になりやすいのは、リンクに関する2つとコンテンツに関する1つです。それぞれ公式の説明を見ておきましょう。

1つ目は6番の「サイトへの不自然なリンク」です。これは外部から自分のサイトに向けられたリンクに問題がある状態を指します。ここからの引用はいずれもSearch Console ヘルプ「手動による対策レポート」からのものです。「サイトへの不自然なリンク、人為的なリンク、偽装されたリンク、または不正なリンクのパターンが検出されました。Google 検索の検索結果でのランキングを操作することを目的としたリンクの購入やリンク プログラムへの参加は、Google のスパムに関するポリシーに違反しています。」

2つ目は7番の「サイトからの不自然なリンク」で、こちらは自分のサイトから外部へ向けたリンクの話です。広告として報酬を受け取ったリンクを、通常のリンクと同じ形で貼っている場合などが当てはまります。方向が逆なので、対処する相手も変わってきます。

3つ目が8番の「価値のない質の低いコンテンツ」でした。公式の説明は「サイト内で質の低いページや内容の薄いページが検出されました。」と短く、該当例として「内容の薄いアフィリエイト ページ」「他のソースからのコンテンツ(例: 無断複製されたコンテンツ、質の低いゲストブログ投稿)」「誘導ページ」が挙げられています。

ここで注意したいのは、「文字数が少ない」ことと「価値がない」ことは別だという点です。挙げられている例はいずれも、他所から持ってきた内容か、訪問者を別の場所へ送るためだけのページです。自分で調べて自分の言葉で書いた短い記事が、この類型に当たるわけではありません。AI生成の記事がどこから問題になるかについては、AI記事はGoogleペナルティを受ける?境界線と安全な設計で境界線を整理しています。

なお、12番の「隠しテキスト、キーワードの乱用」を見て、SEOのやりすぎで罰を受けるのではないかと心配される方がいます。公式の説明は「一部のページに隠しテキストが含まれているか、ページ内でキーワードが乱用されている可能性があります。これらの手法は、Google のスパムに関するポリシーに違反しています。」というものでした。問題にされているのは、訪問者からは見えない形で文字を仕込むことと、不自然な密度で語を詰め込むことです。対策したい語を本文に自然に入れることと、そこは別の話になります。

スパムポリシーとは一対一で対応しない

ここは、ほとんどの解説記事が触れていない論点です。Googleには「スパムに関するポリシー」という別の文書があり、そこにも違反行為の一覧が載っています。この2つは別物で、項目が一対一で対応していません

スパムポリシーには、次の16項目が並んでいました。

# スパムに関するポリシーの項目(公式表記)
1 クローキング
2 誘導ページの不正使用
3 期限切れのドメインの不正使用
4 ハッキングされたコンテンツ
5 隠しテキストと隠しリンクの不正使用
6 キーワードの乱用
7 リンクスパム
8 機械生成トラフィック
9 悪意のある行為
10 誤解を招く機能
11 大量生成されたコンテンツの不正使用
12 スクレイピング
13 サイトの評判の不正使用
14 不正なリダイレクト
15 内容の薄いアフィリエイト サイト
16 ユーザー生成スパム

この表と、ひとつ前の16類型の表を見比べると、ポリシーにはあっても手動による対策の一覧には無いものが見つかります。3番の「期限切れのドメインの不正使用」は、手動による対策の類型には掲載されていません。11番の「大量生成されたコンテンツの不正使用」も独立した項目としては無く、対策側の10番「スパムに関する重大な問題」の説明文に「大規模なコンテンツの不正使用」という別の言い方で出てくるだけでした。逆に13番の「サイトの評判の不正使用」は、対策側にも16番「サイト評価の不正利用」として独立して載っています。Googleは2つの一覧の対応表を公開していません。名前が似ていても、片方にあるからもう片方にもあるとはかぎらないのです。

2024年3月にGoogleは3つのポリシーを追加すると発表しています。「本日新たに発表したのは、日増しに増えている悪質なスパム行為である、期限切れのドメインの不正使用、大量生成されたコンテンツの不正使用、サイトの評判の不正使用に対処するための 3 つのポリシーです。」(Google 検索セントラル ブログ「2024 年 3 月のコア アップデートとスパムに関する新しいポリシーについてウェブ クリエイターが知っておくべきこと」

このうち手動による対策の類型として独立して載ったのは、16番の「サイト評価の不正利用」だけです。他社に自社サイトの一部を貸し出して記事を載せてもらう、いわゆる貸しドメインのような形が該当します。ポリシーに書かれていることと、手動による対策として名前がついていることは、範囲が違うと覚えておいてください。

SEOペナルティの解除手順と再審査リクエスト

手動による対策が実施されていた場合、解除には決まった手続きがあります。問題を直したうえで、Googleに「もう一度見てください」と申し出る再審査リクエストです。ここは他の解説記事の多くが「送りましょう」の一行で済ませている部分なので、公式が何を求めているのかを原文から確かめていきます。

影響を受けた全ページを直しきる

順序としては、直すことが先で、申し出はそのあとです。しかも公式は、直す範囲についてはっきりと釘を刺していました。以下、この章の引用はいずれもSearch Console ヘルプ「手動による対策レポート」からのものです。

「影響を受けているすべてのページで問題を修正します。一部のページでのみ問題を解決しても、検索結果は変わりません。サイトに対して手動による対策が複数実施されている場合は、それらすべてを確認して解除してください。」

複数の対策が同時に実施されることがある、という点は見落とされがちです。ひとつ直して申し出ても、残りが残っていれば結果は変わりません。レポートを開いたら、表示されている対策をすべて数えてから作業に入ってください。

もうひとつ、送信の前に確かめておくことがあります。「Google が各ページにアクセスできることを確認します。つまり、影響を受けるページが、ログインが不要であること、有料コンテンツでないこと、robots.txt または noindex ディレクティブでブロックされていないことを確認します。」

これは意外な落とし穴です。問題のあるページを「とりあえず見えなくしておこう」と考えて、検索エンジンからの読み取りを止めてしまうと、Googleが直した結果を確認できなくなります。隠すのではなく、直したうえで見られる状態にしておく必要があるのです。

なお、そのサイトを最近買い取った場合の書き方も公式に用意されていました。「最近購入したサイトが、所有する前からスパムに関するポリシーに違反していた場合は、レポートに記載されている問題を修正したうえで、サイトを最近取得したことと、ポリシーに違反しなくなったことを再審査リクエストでお知らせください。」前の持ち主がやったことでも、直す責任は現在の所有者にあります。

再審査リクエストに書く3つのこと

では、申し出の本文には何を書けばよいのでしょうか。公式ヘルプは3つの点を挙げています。

「レポートに記載されているすべての問題をすべてのページで修正したら、このレポートで [審査をリクエスト] を選択します。再審査リクエストには、修正した内容を記述します。再審査リクエストを明快なものにするために、次の 3 つの点にご留意ください。」として、続けて次の3項目が並んでいました。

  • サイトの品質に関する問題を正確に説明する。
  • 問題を修正するために行った手順を記述する。
  • 取り組みの結果を記述する。

3つとも、事実を書くよう求めているところが特徴です。反省の言葉や謝罪を書けとは、どこにも書かれていません。何が悪かったのかを正確に把握できているか、それに対して何をしたか、その結果どうなったか。この3点が伝われば要件は満たされます。

当社が社内で使っている手順書でも、ここに「再発を防ぐしくみ」を1項目足して運用しています。同じ担当者が同じ判断を繰り返さないよう、外注先との取り決めや公開前の確認手順をどう変えたかまで書いておくと、審査する側から見て状況が伝わりやすくなるためです。

逆に、承認されない書き方も公式が示しています。リンクの問題で対策を受けた場合について、こう書かれていました。「すべてのバックリンクをやみくもに否認ファイルに追加しても最善を尽くしたとは見なされず、再審査リクエストの承認を得るのに十分ではありません。」「バックリンクの削除を試みずに単にすべてのバックリンクを否認するだけでは、リクエストが不承認となる場合があります。」

まずは削除を依頼し、それでも消せなかったものだけを否認する。この順序を踏んだかどうかが見られています。あわせて「削除したリンクと削除できなかったリンクに関する説明を合わせてお送りいただければ、リクエストの処理の参考になります。」とも書かれているので、依頼した相手と結果の記録は残しておいてください

審査にかかる期間は数日から数週間

気になるのは、どれくらいで結果が出るのかでしょう。他の解説記事では、1週間前後とするもの、1週間から1か月程度とするもの、数週間から数か月とするものがあり、数値がばらばらでした。しかも、いずれも出典が示されていません。

Search Console ヘルプ「手動による対策レポート」の記載は次のとおりです。「ほとんどの再審査は、数日から数週間かかりますが、リンク関連の再審査リクエストなどの一部のケースでは、リクエストの審査に通常よりも時間がかかる場合もあります。」

「数日から数週間」、ただしリンク関連はさらに長くなることがある。Googleが言っているのはこれだけです。日数を約束したものではありません。

進行の連絡についても書かれていました。「再審査には時間がかかることがあります(下記をご覧ください)。進行状況はメールでお知らせします。再審査リクエストを送信すると、審査が進行中であることを伝える確認メッセージが届きます。」そして「リクエストに対する最終決定が通知されるまではリクエストを再送信しないでください。」と続きます。返事が来ないからと催促のつもりで送り直すと、かえって遅れることにもなりかねません。

そしてもうひとつ、心づもりが必要なことがあります。対策が解除されても、順位がその日のうちに元へ戻るわけではありません。解除は「検索結果に表示されない状態」から抜けるだけで、そこから先の順位は通常の評価に委ねられます。当社の運用手順でも、この局面では順位ではなく表示回数の回復から確認するようにしています。急な変化を期待して次の施策を重ねると、何が効いたのか分からなくなるためです。

ペナルティ以外で順位が下がる6つの原因

手動による対策のレポートに何も出ていなかった方は、ここからが本題です。実務で「ペナルティではないか」と相談を受ける案件の多くは、実際には別の原因で起きています。しかもGoogle自身が、検索からの流入が減る原因を整理した専用のページを用意していました。まずその枠組みを確認し、そのうえで当社が自分のサイトで踏んだ落とし穴をお見せします。

canonicalや転送の設定を確かめるためページの中身を直接読んでいる画面

Googleは順位下落の原因を6つに整理している

Google 検索セントラルには「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」というページがあり、流入が減る原因を6つに分けて説明しています。

原因 どういう状態か
アルゴリズムの更新 評価のしくみ自体が変わった。コンテンツに問題があるとは限らない
技術的な問題 検索エンジンがページを読みに来る、検索結果の候補として登録する、表示する、のどこかを妨げるエラーが起きている
セキュリティの問題 マルウェアやフィッシングの警告が表示されている
スパムに関する問題 ポリシー違反。ここに手動による対策が含まれる
季節性、興味や関心の変化 そもそも検索する人が減っている
サイトの移転と移行 URLを変えたあと、再認識されるまでの間の変動

この表で最も大事なのは、いわゆるペナルティに当たるのは4番目の一部にすぎないということです。6分の1どころではありません。にもかかわらず、順位が落ちるとまずペナルティを疑ってしまうのが人情です。

Googleは1番目についても、はっきり書いていました。「アルゴリズムの更新が原因でトラフィックが減少していると思われる場合、コンテンツには根本的な問題はないかもしれないと推測することが大切です。」(Google 検索セントラル「Google 検索トラフィックの減少をデバッグする」

当社が調べる順番としては、2番目の技術的な問題を最初に見ます。理由は単純で、ここが原因だった場合は数時間で戻せる可能性があるからです。コンテンツの作り直しは数か月かかりますが、設定のミスは直せばその日のうちに解決に向かいます。時間あたりの見返りがまるで違うので、順番を後ろに回す理由がありません。

画面では正常に見える設定ミスがある

技術的な問題を先に見る理由は、もうひとつあります。この種のミスは、ブラウザでページを開いても何も異常が見えないからです。目視の点検では見つかりません。ここは当社が自分のサイトで実際にやってしまった例をお話しします。

当社が運営している比較サイトで、検索条件のページのcanonical(同じ内容が複数のURLで見られるとき、どれを本物として扱うかをGoogleに伝える指定)が、本番の環境でだけ別のURLに化けていました。プログラムが内部で条件の並び順を入れ替えてしまい、そのあとに作られるcanonicalが並べ替え後の順番を読んでいたためです。

やっかいだったのは、ページのタイトルは元の順番のままだったことでした。画面を開いても、タイトルは正しく出ています。指定が食い違っていることは、ページの中身を直接読まないかぎり分かりませんでした。2026年7月10日に、並び替える前に一度コピーを取るという1行の修正で解決しています。

同じ点検では、転送の設定でも問題が見つかりました。転送とは本来、ページを開こうとした瞬間に「こちらへどうぞ」という合図だけを返して、別のURLへ送る動きのことです。ところが当社の設定では、その合図がページの中身として書き込まれた状態になっていて、合図そのものが返っていませんでした。ページをあらかじめ作り置きするしくみを使っていたことが原因です。設定した画面の上では転送が効いているように見えるのに、実際にアクセスすると転送になっていなかったわけです。配信の手前で確実に合図を返す構成に変えて直しました。あわせて、業種別ページのURLを揃えたときに旧いURLからの転送を追加したところ、それまで存在しないページを指していたフッターと検索結果からのリンクが、ようやく実際のページにつながるようになりました。

この2つに共通するのは、「設定したつもり」と「実際にそう動いている」が別だったという点です。設定画面を見て確認するのではなく、公開されているページが何を返しているかを実際に測ってください。Search ConsoleのURL検査ツールを使えば、Googleがそのページをどう見ているかをそのまま確認できます。

原因を仮説で決めつけると外れる

もうひとつ、当社が学んだことがあります。思い当たる原因と、実際の原因は違うということです。

同じ比較サイトで、一部の会社ページが noindex(そのページを検索結果に出さないという指定)になっていました。当社は当初「地域の項目が空欄になっているオンライン専業の会社が落ちているのだろう」と見当をつけ、その会社を救うしくみを作ろうとしていたのです。

ところが実際に数えてみると、noindex になっていたのは209社のうち10社だけでした。しかも原因は地域ではなく、手数料や入金スピードや金額が未入力で、口コミも特徴も無いという「情報が薄い」ことでした。地域の未入力が原因だった会社は2社にとどまり、用意しようとしたしくみで救える会社は0社だったのです。

結果として、プログラムは1行も変えませんでした。対処はCMSへのデータ入力です。その後の入力で noindex は10社から9社、さらに4社まで減りました。残る4社はウェブ上に固有の情報が無いため、検索結果に出さないままにしておくのが適切だと判断しています。

仮説を立てるところまでは正しい進め方です。問題は、数えないまま対処に入ってしまうことでした。もし最初の見当を信じて作業を始めていたら、時間をかけて何も解決しないものを作っていたことになります。ペナルティを疑って解除の準備を始める前に、まず数えて確かめてください。

ちなみに noindex と robots.txt の関係にも、よく知られた落とし穴があります。robots.txt とは、検索エンジンの読み取り役に対して、どのページを読みに来なくてよいかを伝えるファイルのことです。Googleはこう説明しています。「robots.txt ファイルでページがブロックされている場合、またはクローラがページにアクセスできない場合、クローラは noindex ルールを認識しません。」(Google 検索セントラル「noindex を使用してコンテンツをインデックスから除外する」)読み取りを止めてしまうと、出さないでほしいという指示そのものが届きません。似た内容の記事が自サイト内で競合している場合の直し方は、カニバリとは?SEOで起きる原因と確かめ方・直し方で扱っています。

今泉の視点:noindexの件で私が一番こたえたのは、外した仮説そのものではありません。あのとき私は、救済のしくみを実装する段取りまで頭の中で組み立てていました。数えるのに使った時間は30分ほどで、実装しようとしていたのは数日がかりの作業です。先に数えていなければ、数日を使って0社しか救えないものを作っていました。

順位が落ちたときにも、同じ構図が待っています。ペナルティを疑った時点で、頭の中ではもう解除の段取りが始まってしまうからです。私は、思いついた原因が正しいかを確かめる作業に、いちばん短い時間を割り当てるようにしています。外れていたと分かるのは気持ちのよいものではありませんが、外れたまま進むよりはずっと安いのです。

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直近で自分が変えたことを疑う

最後に、原因の候補として真っ先に挙げてほしいものをお伝えします。ここ数週間で自分たちがサイトに加えた変更です。

変更のなかには、影響が予想しにくいものがあります。当社の自社メディアは、不正アクセスを防ぐためのプラグインを導入しているのですが、その結果として外部から記事を更新する経路に3つの制限がかかりました。特定のタグを含む更新が拒否されること、削除の操作が通らないこと、画像は決まった送信形式でしか受け付けられないことです。2026年6月24日に実際の環境で検証して確定しました。

安全のために入れたものが、別の動作を静かに変えていたわけです。プラグインは「入れると何ができるか」ではなく、「入れると何ができなくなるか」で見たほうがよいと考えるようになりました。だからこそ、一度に複数を入れないこと、入れた日と目的を1行だけ残しておくことの2つで備えています。

自社の未解決の課題も正直にお伝えします。2026年7月16日に当社はこのメディアのトップページを作り替え、記事の一覧を別のURLへ移しました。切り替えの前にSearch Consoleで旧URLの実績を確認し、クリックが0回だったことを確かめたうえで実施しています。ただしその旧URLは、いまも新しい一覧へ転送されていません。サーバー側の権限を得た時点で転送を追加すると記録に残したまま、対応が済んでいない状態です。

転送の漏れは、特別に珍しい事故ではありません。権限や作業のタイミングの都合で、こうしてふつうに残ります。だからこそ、順位が落ちたときに開くべき最初の資料は、Search Consoleではなく自分たちの作業記録なのです。いつ何を変えたかが並んでいれば、下落した日と照らし合わせるだけで候補が絞れます。

当社は東証プライム上場企業のECサイトや大手の転職エージェント、東証スタンダード上場企業の大規模な物販メディア、予約プラットフォーム型のサイトで、こうした技術面のSEO支援を担当してきました。そこで繰り返し確認してきたのは、ペナルティではない不振の多くは、技術と設計で戻せるということです。株式会社ヒューマンインデックス様のご支援では、クロール済みでインデックスに登録されていないページを約80%減らし、9,000件を対象とした集計で1位の比率が3ポイント上がり、CVRは15%改善しました。罰を受けたわけではなく、見つけてもらえていなかっただけの状態は、実際に存在します。

SEOペナルティを疑ったときの危険な対処

ペナルティを疑った人がやりがちで、しかも取り返しがつきにくい対処があります。リンクの否認と、記事の大量削除です。どちらも「悪いものを取り除く」という点で正しそうに見えますが、原因が確定していない段階でやると、下落の範囲を自分から広げる結果になりかねません。あわせて、根強く残っている2つの誤解も公式の記述で解いておきます。

リンクの否認や記事の削除に踏み切る前に立ち止まって考えるウェブ担当者

リンクの否認は原則として不要

リンクの否認とは、自分のサイトに向けられた外部からのリンクについて「これは評価に使わないでください」とGoogleに申し出るしくみです。順位が落ちるとまずこれをやろうとする方が多いのですが、Google自身が、ほとんどのサイトには必要ないと書いています

「ほとんどの場合、Google は詳しい情報を提供されなくても、どのリンクが信頼できるものかを評価することができます。そのため、ほとんどのサイトではこのツールを使う必要はありません。」(Search Console ヘルプ「サイトへのリンクを否認する」

では、どういうときに使うのでしょうか。公式は2つの条件を挙げていて、しかもその2つは「かつ」で結ばれています

  • サイトに対して、スパム行為のあるリンク、人為的リンク、品質が低いリンクが数多くある
  • かつ、そのようなリンクが手動による対策の原因になっている、または今後なる可能性がある

片方だけでは足りません。怪しいリンクが並んでいるという理由だけで否認に踏み切るのは、公式の想定から外れています。前の章で見たとおり、手動による対策のレポートに何も出ていないなら、2つ目の条件は満たされていません。

手動による対策レポートのページには、こうも書かれていました。「リンクの否認ツールが不適切に使用されていることがよくあります。」そして「サイトへのオーガニック リンクを否認しないように注意してください。」自然に集まった良いリンクを巻き込んで否認してしまえば、評価を自分で削ることになります。

当社が2026年7月10日に自社の新しいサイトを測ったところ、Search Console上の外部からのリンクは合計0件でした。外部ツールで見ても被リンクは13本、そのうち検索エンジンに評価される形式のものは3本、リンク元のドメインは10という状態です。この状態で、掲載企業の名前と口コミを組み合わせて検索したときの詳細ページの順位は46位から95位に沈んでいました。否認すべきリンクが1本も存在しないのに、順位は低い。1つのドメインの実測値なので一般化はできませんが、順位の低さとリンクの悪さが必ずしも結びつかないことは分かります。リンクの質をどう見分けるかは被リンクとは?SEO効果の実測と質を見分ける5つの物差しで整理しています。

なお、他人にスパム的なリンクを大量に貼られる、いわゆるネガティブSEOを心配する声も少なくありません。Googleは「Google は、第三者サイトでの行為がウェブサイトに悪影響を及ぼすことがないよう、できる限りの取り組みを行っています。」と書いたうえで、「それでも場合によっては、他サイトからのリンクがページやサイトの Google での評価に影響を及ぼすことがあります。」と続けています。絶対に影響しないとは言っていないものの、まず疑うべき原因ではありません。

記事の大量削除は下落を広げかねない

もうひとつの危ない対処が、質が低いと思われる記事をまとめて消してしまうことです。「価値のない質の低いコンテンツ」という対策の名前を見て、心当たりのある記事を一気に削除したくなる気持ちは分かります。

ただし当社は、この作業をリスクの大きい施策として扱ってきました。誤って消せば、そのページは検索結果から外れて流入がなくなります。転送先を用意しないまま消せば、存在しないページへのアクセスが増えます。訪問者にとっての使い勝手も落ち、サイト全体の評価が一時的に下がることもあるのです。だから当社では、削除の基準を先に決めること、そして一度に全部やらずに段階的に進めることを必ず守っています。

直すという行為そのものに副作用があることも、実感として持っています。2026年7月28日、当社の記事で4文からなる段落を読みやすくしようと2つに分けたところ、分けたことによって同じ語尾の3連続が新しく1件生まれました。直す前には無かった粗が、直したことで生まれたわけです。

これは文章の話ですが、構造は同じです。しかも記事の削除やリンクの否認は、文章の手直しとくらべて元に戻すのがずっと大変になります。否認したリストの取り消しがGoogleに反映されるまでには数週間かかることがあり、消した記事の評価が戻るまでにはさらに時間が必要です。原因が確定していない段階で、取り消しにくい手を打たないでください

自サイト内の重複は違反にならない

ここからは誤解を2つ解いておきます。1つ目は、重複コンテンツについてです。

同じ内容が複数のURLで見られる状態は、SEOの世界で長く「ペナルティの対象になる」と言われてきました。Googleの見解は違います。「サイトに重複コンテンツがあっても Google のスパムポリシー違反にはなりませんが、ユーザー エクスペリエンスを損ない、重要ではない URL に検索エンジンのクロール リソースを浪費させてしまう可能性があります。」とSEOスターターガイドに書かれていました。

この記事の最初に触れた「重要でないこと」の一覧でも、同じ趣旨が繰り返されています。「非効率ですが、手動による対策が必要になることはありません。」つまり、もったいないけれど違反ではないというのがGoogleの立場です。

ただし例外があります。同じ引用の末尾には「ただし、他人のコンテンツをコピーすることは、また別の話です。」と書かれていました。他所の記事を持ってくることや、検索結果を操作する目的で大量に似たページを作ることは、スクレイピングや大量生成されたコンテンツの不正使用として別のポリシーの対象になります。

整理すると、自分のサイトの中で同じ内容が複数のURLから見られる状態は問題ではなく、他人の内容を持ってくることや操作目的の大量複製が問題だということです。この2つはまったく別の話なので、分けて考えてください。

コアアップデートは罰ではない

2つ目の誤解は、コアアップデートについてです。大きな順位変動があった日を境に下がったサイトの担当者が、ペナルティを受けたと考えてしまうことがあります。

コアアップデートについてGoogleはこう説明しています。「コア アップデートは、全体として、有用で信頼できる結果を検索ユーザーに提供するという Google の使命を果たすことを目的としています。これらの変更は広範囲にわたるもので、特定のサイトや個々のウェブページを対象とするものではありません。」(Google 検索セントラル「Google 検索のコア アップデートとウェブサイト」

同じページには、おすすめのレストランのリストにたとえた説明もあります。手元の20軒のリストを見直せば、新しい店が加わったり順番が入れ替わったりする。「リストは変わりますが、順位が下がったレストランが必ずしも「悪い」というわけではなく、単に他のレストランがトップ 20 に入ったということです。」という一節です。

そして手続きの面でも、両者ははっきり違います。再審査リクエストは、Search Console ヘルプ「再審査リクエスト」で「手動による対策やセキュリティの問題についての通知に記載されている問題を解決した後に」行うものと定義されており、送信するボタンもそのレポートの中にしかありません。アルゴリズムによる変動には、申し出る窓口そのものが用意されていないのです。

回復までの時間の感覚も違います。コアアップデートによる下落について、Googleは「数か月かかることもあります。数か月経ってもまだ効果が見られない場合は、次のコア アップデートまで待つ必要があるかもしれません。」と書いています。数日から数週間で結果が出る再審査とは、まったく別の時間軸です。この場合の進め方はGoogleコアアップデートで順位が下がった時の対策と手順で詳しく扱っています。

これから施策する人が避けること

ここまでは、すでに順位が落ちた方に向けて書いてきました。前提として、ふつうに記事を作って公開している限り、16の類型に当てはまる項目はありません。そのうえで、これから施策を始める方に避けておいてほしいことを3つ挙げます。

1つ目は、広告として報酬を受け取ったリンクを、通常のリンクと同じ形で貼らないことです。7番の「サイトからの不自然なリンク」は、自分のサイトから外部へ向けたリンクを対象にしています。記事広告やタイアップを受けるときは、リンクの形を分けておく必要があります。

2つ目は、コメント欄や投稿欄を開放したまま放置しないことです。2番の「第三者のスパムにより悪用されているサイト」は、自分ではなく他人がサイトに何かを仕込んだ場合を指しています。自分は何もしていなくても対象になりうる、数少ない類型でした。

3つ目は、道具を増やす前に「入れると何ができなくなるか」を確かめることです。当社がセキュリティ用のプラグインで経験したように、安全のために入れたものが別の動作を静かに変えてしまう場合があります。入れた日と目的を1行だけ残しておけば、あとで何かが起きたときに真っ先に照らし合わせられるはずです。

SEOペナルティについてよくあるご質問

ご相談の場でいただくことの多い質問を4つ選びました。

ペナルティチェックツールで診断できますか

手動による対策を受けているかどうかは、Search Consoleの「手動による対策」レポートだけで確定します。外部のツールにはアクセスの推移とGoogleのアップデート日を重ねて表示するものがありますが、対策が実施されているかを判定する機能ではありません。Googleは対策を実施した場合にレポートとメッセージセンターで知らせると明記しています。まず公式の画面をご確認ください。

前の担当者が買ったリンクが原因かもしれません

まず手動による対策のレポートを開き、リンクに関する対策が出ているかを確認してください。何も出ていなければ、購入したリンクが原因で措置を受けている状態ではありません。対策が出ていた場合は、リンクの削除を依頼することが先で、消せなかったものだけを否認します。サイトを買い取った場合については、最近取得したことと違反しなくなったことを再審査リクエストで伝えるよう公式が案内していました。

解除されたら順位は元に戻りますか

以前と同じ位置に戻る保証はありません。とくに、違反の原因になっていたページを削除して解除にたどり着いた場合は、そのページが集めていた流入も一緒に無くなります。解除で戻るのは表示される資格であって、失ったページの分まで戻るわけではないのです。回復を見るときは順位ではなく、表示回数とクリック数の推移で判断してください。

AIで書いた記事はペナルティの対象ですか

作り方そのものが問題になるわけではありません。Googleがポリシーで問題としているのは、検索ランキングの操作を主な目的として、価値を加えずに大量のページを生成する行為です。生成AIの利用はその一例として挙げられていますが、道具の名前で線が引かれてはいません。読む人の役に立つ内容になっているかどうかが判断の軸になります。

まとめ

  • Googleの正式な言葉は「手動による対策」で、自動ペナルティは公式に存在しません
  • 該当しているかはSearch Consoleの1画面で確定します
  • 該当しなければ、探す場所は手動による対策以外に移ります

「ペナルティ」という言葉のいちばんの問題は、原因を1つに決めつけさせてしまうことです。そう思い込んだ瞬間から、リンクの否認や記事の削除といった、取り消しにくい対処のほうへ気持ちが向かいます。当社が実測で仮説を外した経験も、数えないまま動くことの危うさを示していました。

次の一歩として、Search Consoleの「手動による対策」レポートを開いてみてください。何も出ていなければ、探すべき場所はまったく別にあります。技術面の切り分けから一緒に整理したい場合は、街中文学へお気軽にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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