Webライターツールは工程で選ぶ|93種を数えて出た結論

「ツールの名前は10個以上言えるのに、実際に使っているのは2つか3つ」。Webライターツールの話になると、多くの方がこの状態で止まっています。便利そうな道具は次々見つかるのに、導入の順番が決まらないからです。

結論を先にお伝えすると、選ぶ基準は機能ではなく工程にあります。上位に並ぶ記事10本が挙げた93種を数えたところ、全サイトが共通して推した道具は1つもありませんでした。正解の一覧がない以上、自分の作業のどこが空いているかで決めるほかありません。

この記事では、工程ごとの置き場所と、無料と有料が切り替わる場所をお渡しします。さらに、自社の記事267本を検査して分かった「ツールでは直らない部分」まで。読み終えるころには、いま契約すべき数個が決まります。

SEO記事制作のご案内

キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。

目次

先に結論|Webライターツールは工程の穴から選ぶ

Webライターのツール選びで迷いが長引く理由は、選択肢が多いことではありません。選ぶ基準が「便利かどうか」になっていることです。便利な道具はいくらでも見つかりますが、便利さは順番を決めてくれません。

決め手になるのは、自分の作業工程のうちどこが空いているかという一点。ここが決まると、候補は一気に数個まで減ります。この節では、上位記事を実際に数えた結果と、最初に埋めるべき工程、そして無料と有料が切り替わる場所を順に見ていきましょう。

上位10サイトが挙げた93種に共通項はない

「Webライターツール」と、あわせて検索される「SEOライティングツール」。この2語で上位に出た10サイトについて、記事内で紹介されているツールを1つずつ数えました。2026年8月25日の実測です。

結果は、数え方を分けると次のようになりました。

数えた項目 実測値
紹介されたツール(延べ) 167個
重複を除いたツール 93種
1サイトあたりの紹介数 6〜26個
10サイト全部が挙げたツール 0種
5サイト以上が挙げたツール 6種
1サイトにしか出てこないツール 59種(93種の63.4%)

10本すべてが推したツールは、1つもありませんでした。

半数以上のサイトに登場したのは、次の6種だけでした。

  • CopyContentDetector(7サイト)
  • ラッコキーワード(7サイト)
  • Googleキーワードプランナー(5サイト)
  • Microsoft Word(5サイト)
  • Googleドキュメント(5サイト)
  • Ubersuggest(5サイト)

残りの87種は、書き手によって挙げたり挙げなかったりする道具です。

この数字が意味するところは、はっきりしています。おすすめ記事を読み比べても答えは収束しません。

93種の中から自分に必要なものを探すのではなく、自分の工程を先に書き出して、空いている場所に当てはめる。順番を逆にするだけで、候補は数個に絞れます。

最初に埋めるのは校正とコピペチェック

工程の中で最初に埋めるべきなのは、納品の直前に位置する2つ。文章校正とコピペチェックです。

理由は単純で、この2工程の抜けだけがクライアントに見える形で失敗するから。誤字や表記ゆれは相手が最初に気づく傷で、コピペ判定は取引そのものを止めてしまいます。リサーチや構成の甘さは指摘されにくく、修正も自分の中で完結しました。

どちらも無料の選択肢があります。校正では、Shodoのベーシックプランが永年無料で、1回1万文字までの文章校正に対応していました。

コピペチェックでは、CopyContentDetectorが25文字から4,000文字まで、回数の制限なく使えます。

この2つを入れるだけで、納品前の自己確認は形になります。Shodoの料金ページCopyContentDetectorのいずれも、2026年8月25日に内容を確認しました。校正と校閲、推敲の違いを整理したい方は添削・校正・校閲・推敲の違いと使い分けもあわせてご覧ください。

有料に切り替わる境目は需要の数値化

無料と有料の境目は、ツールごとにばらばらに見えて、実は同じ場所に引かれています。キーワードを並べるところまでは無料、その需要を数字にするところから有料という線です。

ラッコキーワードは、この線を公式に明記していました。

いいえ、無料プランでは検索ボリューム(月間検索数)はご確認いただけません。

ラッコキーワードの公式ヘルプにある回答で、2026年8月25日に確認しました。出典は「無料プラン(フリープラン)の使える範囲(検索回数・機能)を教えてください」です。

関連キーワードの一覧は無料プランでも取得できますが、そのキーワードが月に何回検索されているかは有料プランの領域。

この線引きは、そのまま課金の判断基準になります。書く記事のテーマがクライアント側から指定されるうちは、需要の数値は相手が持っているため無料のままで困りません。自分でテーマを提案し、その根拠を示す立場になったときが、切り替えどきです。

ちなみにラッコキーワードのエントリープランは、料金ページで年払いなら月額660円、月払いなら1,320円と示されています。2026年8月時点の表示価格です。

比較記事でよく見る「月660円」は年払いの換算値であり、月払いでは倍になる点も押さえておきましょう。

工程別に見るWebライターツールの置き場所

記事を1本納品するまでの作業は、調査、構成、執筆、校正、コピペチェックの5つに分かれます。画像の用意まで任される案件なら6つ。ツールはこの工程のどこかに置く道具であって、工程をまたいで万能に効くものではありません。

ここでは工程ごとに、無料で届く範囲と、課金が効き始める場所を確認していきます。まず全体像を1枚にまとめました。

工程 無料で足りる選択肢 課金が効き始める場所
調査 Googleサーチコンソール、ラッコキーワード無料プラン 検索ボリュームの取得
構成 手元の表計算ソフト、Googleドキュメント ほぼ不要(判断の工程)
執筆 Googleドキュメント、Notion、WordPress 共同編集の管理機能
校正 Shodoベーシック(永年無料・1万文字/回) 表記ゆれの自動チェック
コピペチェック CopyContentDetector(4,000文字/回・回数無制限) 判定基準の変更、8,000文字への拡張
画像 Canva無料プラン(5GB・商用利用可 ストレージとAI生成の上限

いずれも2026年8月25日に各社の公式ページで確認した内容です。価格や無料枠は動きが早いため、契約前には必ず提供元のページをご確認ください。

この並べ方には下敷きがあります。私たちのメディアは、記事1本を9つの工程で作ると決めています。現状診断、上位記事の分解、関連ナレッジの確認、一次情報の割当、構成設計、執筆、写真、セルフレビュー、入稿とライブ確認の9つ。

そのうえで、工程を飛ばして本数を稼ぐことを社内基準で禁じています。

機械チェックを置く場所は2箇所に固定しました。執筆が終わった直後と、入稿スクリプトの中です。道具を工程に割り当てるという発想は、ここから来ています。

この決め方は自社の記事品質基準に明記しており、2026年7月14日に定めて8月13日に更新しました。

調査工程は無料で届く範囲が明確に切れる

調査工程の道具は、無料で届く範囲がいちばんはっきりしています。境目は前の章で見たとおり、検索ボリュームの数値です。

担当する記事の順位や表示回数を見るなら、Googleサーチコンソールで足ります。クリック数、表示回数、クリック率、平均掲載順位を、検索クエリやページ単位で取得できる無料のツールで、デフォルトの表示期間は過去3か月。自分が書いた記事の実績を確認するには十分でした。

Googleキーワードプランナーには、意外と知られていない条件があります。公式ヘルプは、基本機能を使うには支払い情報を入力してアカウント設定を完了する必要があると案内しており、登録なしには使い始められません。Googleトレンドは無料ですが、表示される数値は0から100の相対値であり、検索回数そのものではない点に注意してください。

もう1つ、無料ツールで見落とされがちなのが取り方の影響です。2026年8月20日に、言語を日本語、地域を日本、未ログインの条件でGoogleのサジェスト機能を実測しました。

1回の取得で返ってきた候補は10件です。ところが、かな44文字と英字26文字を語尾に足した70回に、素のままの1回を加えた計71回に分けて取得すると、337件まで増えています。

同じ無料ツールでも、取り方を変えるだけで結果が33.7倍になりました。工程ごとの使い分けはキーワードツールの使い分けで詳しく整理しています。

構成工程はツールより判断の比重が大きい

構成の工程では、先ほどと同じ2026年8月25日の実測で、上位10サイトのうち3サイトがマインドマップ系のツールを挙げていました。けれども、ここは道具より判断の比重が大きい工程です。

構成で決めるのは、書くことよりも書かないことだからです。競合が扱っている論点のうち、自分の記事では引き受けない範囲をどこに引くか。この判断を代わりにやってくれるツールは、いまのところ見当たりません。

一方で、形式として決められる部分はあります。私たちが自社メディアの記事を集計したところ、1記事あたりの平均は表3.2個、よくある質問3.9問、行動を促すボックス3.0個でした。

こちらは2026年8月20日に公開記事262本を数えたもので、後の章で使う267本の実測とは別の母集団になります。

この種の「いくつ置くか」は数えれば分かるため、ルールにして機械で確認できます。逆に「この記事では何を書かないか」は数えられません。

構成工程でツールに期待しすぎると、埋める作業に時間を使って、削る判断が後回しになります。手元の表計算ソフトで見出しを並べ、削る欄を1列作るだけでも十分に機能しました。

執筆工程は納品形式から逆算して決まる

執筆に使う道具は、好みではなく納品形式から逆算して決めるのが確実です。相手がWordファイルを求めるなら、Word互換の環境が要ります。

WordPressへの直接入稿を任される案件なら、本番と同じ編集画面に慣れておくほうが早いでしょう。

Googleドキュメントは、Googleアカウントがあれば無料で使えます。Word形式のファイルをそのまま編集でき、保存容量はドライブやGmailと共用で15GB。ツールメニューの文字カウントから、文字数とスペースを除いた文字数を確認できます。

Notionの無料プランについては、比較記事でよく見る説明が現行仕様と食い違っていました。「無料は1,000ブロックまで」と書かれることが多いのですが、公式ヘルプによれば、1人だけのワークスペースならブロック数は無制限。

1,000ブロックの上限がかかるのは2人以上のワークスペースです。ファイルの添付は1つ5MBまでという制限があります。

WordPress本体はGPLv2のオープンソースソフトウェアで、ソフトウェア自体の利用料はかかりません。ただしサーバーとドメインは別途必要になるため、練習用に自分のサイトを持つかどうかは、案件の内容と相談して決めてください。

校正工程には永年無料の選択肢がある

校正ツールは有料が当たり前だと思われがちですが、永年無料で実用になる選択肢があります。2026年8月25日時点の各社公式ページで確認した内容を並べました。

ツール 提供元 無料でできる範囲 有料の起点
Shodo 株式会社ゼンプロダクツ ベーシックが永年無料。校正1万文字/回、生成AI校正、バージョン管理 税込1,000円/月
文賢 株式会社ウェブライダー 無料プランなし。14日間の無料トライアルのみ 税込1,650円/月(1年更新)
日本語校正サポート minorc 無料。1回あたり最大1万字 有料プランの記載なし
Enno 公式に記載なし 無料・登録不要。エラー1000件で打ち切り 料金の記載なし
PRUV PRUV 試用版は1,000文字・広告あり 30日550円(税込)

表で目を引くのは文賢の行でしょう。無料の校正ツールとして紹介されることがありますが、公式には無料プランが存在せず、14日間のトライアルだけ。

しかも2026年5月19日にプランが刷新されています。初期費用と月額2,178円という組み合わせを載せた比較記事の数字は、すべて旧プランのものです。

指摘をすべて直す必要はありません。固有名詞、業界で定着している専門用語、そして引用した文の中は、原文のままにするのが正しい場面。校正ツールは文脈を持たないため、この3つを機械的に赤くしてきます。

逆に、直すと決めておくとよいのが表記のゆれと補助動詞の漢字です。判断に迷う指摘だけを残し、あとは一括で処理する。この仕分けを最初に決めておくと、校正にかかる時間が読めるようになります。

もう1つ、無料ツールを選ぶときに見ておきたいのが提供元の情報。Ennoは運営者名が公式に記載されておらず、PRUVも特定商取引法の表記に法人格のある事業者名が見当たりません。自分のブログ記事なら気にならなくても、クライアントの未公開原稿を貼り付ける場所としては、判断材料に入れておくほうが安全です。

ところで、校正ツールが「頂く」を「いただく」に直してくるのは、ツールの好みではありません。文化審議会建議「公用文作成の考え方」の解説が、補助的な用法の動詞は仮名で書くと示しているからです。

例として挙がっているのは「〜(し)て頂く→ていただく」「〜(し)て下さる→てくださる」。政府の公用文に向けて国が示した基準ではありますが、根拠のある指摘だと分かれば受け入れやすくなります。

コピペチェックは判定の種類で読み方が違う

コピペチェックは、出てきた数字をそのまま受け取ると判断を誤ります。CopyContentDetectorの判定は3系統に分かれており、意味がそれぞれ違うからです。

類似度判定と一致率判定は、いずれもWeb上の文章に対して似ているかどうかを見るもの。これに対してテキスト判定について、公式サイトは「今までコピペチェックしたことがある文章同士でのコピペチェックを行います。」と説明しています。

つまり過去に自分が通した原稿との突き合わせ。同じ画面に並んでいても、見ている相手が違います。

この違いが効いてくるのは、自分の書き癖が引っかかったときでしょう。自社メディアの公開記事267本から20字以上の文をすべて取り出し、2記事以上に登場する文を数えてみました。2026年8月25日の全数集計です。

重複していた文は133種。そのうち14種は15記事以上に登場しており、最も多いものは66記事に同じ文が入っていました。

15記事以上に出る文を除くと、残る重複は119種。全体で33,470種の文があるなかでの119種ですから、自己重複はほとんど起きていないと言えます。しかも119種のうち87種は、2記事だけの重複でした。

ちなみに119種の側にも、サービス案内の決まり文句が上位に並んでいました。ここから引き出せる読み方は1つ。判定に引っかかったとき、まず疑うべきは自分が毎回置いている定型文のほうです。

導入の書き出しや締めの決まり文句は無意識に繰り返されるため、本文の中身より先に重複します。

では何パーセントなら安全なのか。この問いに公式の答えはありません。CopyContentDetectorが返すのは「コピーの疑い」「要注意」「良好」の3段階。絞り込みの条件として、検知率30%以上、40%以上、50%以上が用意されているだけです。

数値の合格ラインは、ツールではなく案件が決めます。クライアントによって基準は違うため、受注時に「どの判定を、何パーセント未満で提出するか」を聞いておくのが確実。聞けなかった場合は、3段階のうち「良好」に入るまで直しておけば説明はつきます。

SEOライティングツールは申し込めるかで選ぶ

サブキーワードとしてよく一緒に検索されるのが、SEOライティングツールという言葉です。記事の構成やキーワードの網羅性を採点してくれる種類の道具で、比較記事では10製品前後が横並びで紹介されます。

ところが公式ページを1つずつ当たると、個人のライターが自分で申し込める製品は、そう多くありませんでした。ここでは価格の公開状況と、スコアという数字の読み方を見ていきます。

個人が自分で契約できる公開価格は4つ

比較記事に並ぶSEO系ツールを、公式サイトに料金が載っているかどうかで仕分けました。2026年8月25日時点の確認結果です。

ツール 提供元 料金の公開 個人向けの起点
ラッコキーワード ラッコ株式会社 公開 月660円(年払い)
ruri-co CROCO株式会社 公開 月990円
EmmaTools 株式会社EXIDEA 公開 月2,728円(税込)
Ubersuggest Neil Patel Digital, LLC(NP Digital) 公開 月4,599円
Keywordmap 株式会社CINC 非公開 要問い合わせ
TACT SEO 株式会社ウィルゲート 非公開 要問い合わせ
SEARCH WRITE 株式会社PLAN-B 非公開 要問い合わせ
ミエルカSEO 株式会社Faber Company 非公開 要問い合わせ
パスカル 株式会社オロパス 非公開 記載なし(要問い合わせ)

公開価格がある4製品のうち、記事の採点までしてくれるのはEmmaToolsです。公式ページには「副業ライターさんにおすすめ!」という案内が添えられていました。

無料のトライアルについては、クレジットカードの登録が不要で、プロジェクト2件までの範囲で全機能を使えると公式に案内されています。

残りの5製品は、公式の料金ページに金額の記載そのものがありません。SEARCH WRITEの料金ページには、円や税という文字が1つも出てこないほど徹底されています。

料金非公開のツールは発注側向けの製品

料金が非公開なのは、隠しているからではありません。想定している買い手が個人ではないからです。この点は、各社の申し込み条件を読むとはっきりします。

パスカルの公式FAQには、こう書かれていました。

個人の方でもご契約可能です。ただ、個人で申込みの場合は、ご契約前にご利用料金の2ヶ月分のデポジット(お預り金)が必要です。デポジットは、ご契約終了後、全額ご返金させていただきます。

個人でも契約はできます。ただし前払いのお預り金が要り、「最低契約期間は、半年(6ヶ月)です」とも明記されていました。TACT SEOの無料プランも、申し込みフォームで会社名と勤務先メールアドレス、電話番号の入力を求められます。

つまり、法人が使うことを前提に条件が組まれた製品。個人が契約できないわけではないものの、受注が安定しないうちに半年分の固定費とお預り金を抱えるのは現実的ではありません。比較記事で名前を見かけても、検討の優先順位は下げてよい種類のツールです。

受注する側の立場なら、判断はむしろ単純になります。クライアントが自社ツールを持っている案件では、アカウントを貸してもらうのではなく、そのツールで採点した結果を共有してもらう形にする。

ラッコキーワードの公式FAQは「共有は認めておりません」としたうえで、契約が法人名義であればその組織内での共有は可能だと補足しています。個人名義のアカウントを他人と使い回す形は、この但し書きの外に置かれています。

スコアの数字は定義を見ないと比べられない

SEO系ツールが返してくるスコアや件数は、ツールが違えば数字も違うという前提で見てください。同じ名前の指標が、同じものを数えているとは限らないからです。

私たちは2026年8月21日、自社サイトの被リンク数を同じ日に5通りの方法で測りました。使ったのはサーチコンソールと、無料で使える被リンクチェックツール2種です。

  • サーチコンソール(メディア配下のURLで確認)… 16件
  • サーチコンソール(サイト全体のURLで確認)… 986件
  • 被リンクチェックツールA(無料)… 6,093件
  • 被リンクチェックツールB(無料版・サブドメイン指定)… 約6,400件
  • 被リンクチェックツールB(無料版・URL完全一致)… 0件

最後の2行に注目してください。同じツールの同じ画面で、指定の仕方を切り替えただけ。それだけで結果が消えます。

どれも故障しておらず、集計の範囲が違うだけでした。

同じ調査では、こんな食い違いも見つかっています。ツールAとツールBの被リンク総数はほぼ一致していたのに、リンク元のドメイン数は3.45倍も開きました。総数が合っているから信用できる、とはならないわけです。

ツールのスコアを案件の報告に使うなら、数字と一緒に「どのツールで、どの設定で測ったか」を書き添えてください。それだけで、後から数字が合わない事故を避けられます。

書き方そのものを整理したい場合はSEOライティングとは?検索意図を捉える書き方の手順とコツもご覧ください。

SEO記事制作のご案内

キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。

AIライティングツールに任せる範囲と守る線

AIをどこまで使ってよいのか。この問いに、多くのライターが自分なりの答えを持たないまま作業しています。判断がつかないと、使うことも使わないことも決めきれません。

幸い、この論点には公式の見解が出そろっています。検索エンジン側、著作権を所管する国の側、そして仕事を受ける場の側。3方向から線を引き直しておきましょう。

Googleは作成方法ではなく内容を評価する

「AIで書いた記事は検索で不利になるのか」への答えは、Google自身が公開しています。

AI や自動化は、適切に使用している限りは Google のガイドラインの違反になりません。検索ランキングの操作を主な目的としてコンテンツ生成に使用すると、スパムに関するポリシーへの違反とみなされます。

Google 検索セントラルのAI 生成コンテンツに関する Google 検索のガイダンスにある一文です。2023年2月8日公開のページを、2026年8月25日に確認しました。

同じページには「作成方法ではなく、内容が評価の対象となります。」とも書かれています。

ここで線を引いているのは、道具ではなく目的です。問題視されているのはランキング操作を主な目的として大量にページを作ること。現行のスパムポリシーでは「大量生成されたコンテンツの不正使用」という見出しで扱われています。

以前の日本語訳とは表記が変わっているため、引用する際は現行ページで確認してください。

私たち自身も、初稿の生成にAIを使っています。それでも過去に記事をまとめて作り直す羽目になったことがあり、原因はAIではありませんでした。書いたあとに通すべき工程を置いていなかったからです。

この経緯は後の章で数字とともに触れます。ここで押さえておきたいのは、評価が分かれる境目が道具ではなく工程にあるという点だけ。

逆に言えば、AIを使ったから加点されることもありません。同じページのFAQに「AI を使用したからといってランキングに関して特別なメリットがあるわけではありません」とあります。

ツール単体の機能を詳しく比べたい方はAIライティングツールとは?できることと選び方・使いこなし方AIライティングSaaSの比較をご覧ください。

入力した原稿が学習に使われるかは設定次第

クライアントの未公開原稿を扱うライターにとって、こちらのほうが切実な論点でしょう。入力した文章がAIの学習に使われるかどうかは、サービスごとに扱いが分かれます。

サービス 個人向けの既定 止め方
ChatGPT 学習に使われる 設定のData Controlsで「Improve the model for everyone」をオフ
Claude 規約上はオプトアウト方式 設定のPrivacyで学習への協力をオフ
Gemini 人間のレビュアーが一部を確認 「アクティビティの保存」をオフ
Shodo 学習されないと明記 操作不要
Notion AI 既定で学習に使わないと明記 操作不要

誤解が多いのはChatGPTの扱いです。無料版だから学習される、有料のPlusなら安全、という説明を見かけますが、公式ヘルプの区分はプランではありません。個人向けサービスかビジネス向けかで分かれており、Plusも個人向けに含まれます。

Geminiのヘルプには、設定を変えても消えないデータについての記述がありました。

人間のレビュアーがレビューしたチャット(および言語、デバイスの種類、位置情報、フィードバックなどの関連データ)は、アクティビティを削除しても削除されません。こうしたチャットは最長で 3 年間保存されます。

2026年8月10日更新のヘルプページを、8月25日に確認した内容です。同ページは、レビュアーに見られたくない機密情報は入力しないよう注意を促してもいます。守秘義務のある原稿を扱うなら、学習されないと明記されたツールを選ぶほうが説明しやすいはずです。

AI生成物の著作物性と加筆修正の関係

AIが出した文章をそのまま納品してよいのか。著作権の観点では、文化庁が考え方を整理しています。ただし資料の冒頭には「「考え方」それ自体は法的な拘束力を有するものではなく」と明記されており、裁判所の判断を先取りするものではありません。

そのうえで、示されている整理はこうです。

AIが自律的に生成したもの※は、「思想又は感情を創作的に表現したもの」ではなく、著作物に該当しないと考えられます。

文中の※には「人が何ら指示を与えず(又は簡単な指示を与えるにとどまり)「生成」のボタンを押すだけでAIが生成したもの等」という定義が付いています。指示を出さずに出力させたものが対象であって、AIを使った文章すべてを指すわけではありません。

また、人間が、AI生成物に創作的表現といえるような加筆・修正を加えた場合は、通常、その加筆・修正が加えられた部分については、著作物性が認められる。

いずれも文化庁著作権課「AIと著作権に関する考え方について【概要】」(令和6年4月)からの引用です。

同じ資料には、もう1つの整理も置かれています。人が思想や感情を創作的に表現するための「道具」としてAIを使ったと認められる場合です。このときは生成物が著作物に該当し、AIを使った人が著作者になるとされています。

加筆・修正した部分だけが対象という話ではありません。

この整理は報酬にもつながります。公正取引委員会のフリーランス法パンフレットには、こう書かれているからです。

フリーランスの知的財産権の譲渡・許諾がある場合には、その対価を報酬に加える必要があります。

納品前の確認についても、公的な後押しがあります。文化庁著作権課の「AIと著作権に関するチェックリスト&ガイダンス」(令和6年7月31日)です。

同資料は、AI生成物を使う際にまず既存の著作物と類似していないか確認する必要があるとしています。その手段として挙げられているのが、インターネットでの文章検索や画像検索。コピペチェックの工程は、慣習ではなく公的に示された確認手段でもあります。

受注ルールはツールではなく契約側にある

最後は、仕事を受ける場のルール。ここは意外なほど自由でした。

ユーザーのみなさまがAIを利用してクラウドワークス上の業務を行うことは当社として禁止しておらず、受発注者間の取り決めに委ねております。

クラウドワークスの公式お知らせ「クラウドワークス上でのAI活用に関するポリシー」(2024年7月31日)にある一文です。プラットフォームがAI利用そのものを禁じているわけではなく、判断は案件ごとの取り決めに委ねられています。だからこそ、契約時に確認しておくのが確実でしょう。

一方で、ツールの使い方に踏み込んだ禁止事項は明確に存在します。同社の仕事依頼ガイドラインが禁じているものの1つが「ライセンスが必要なツールやサービスを、ライセンスを所持していないワーカーが利用する依頼」。

令和7年3月14日改訂と記載されています。ツールは自分名義で契約するという原則の出どころが、この一文です。

もう1つ、ツール以前に押さえておきたい数字があります。公正取引委員会が2026年6月10日に令和7年度の運用状況を発表しました。フリーランス法違反の措置件数1,552件のうち、情報通信業が575件で37.0%と業種別のトップです。

違反行為を類型別に数え直すと、合計2,727件になります。内訳は期日における報酬の支払義務違反が1,135件で41.6%、取引条件の明示義務違反が1,126件で41.3%。この2つだけで8割を超えました。

道具をそろえる前に、取引条件を書面で受け取ること。効率化の話より先に確認しておきたい順序です。AIと人の作業分担をどう組むかはAIと人間ライターの使い分け方で整理しています。

ツールを入れても残る欠陥と棚卸しの基準

ここまで工程ごとの道具を見てきました。では、実際に工程へ組み込むと何がどれだけ変わるのか。この問いに答えている記事が、上位10本のなかに1本もありませんでした。

私たちは自社メディアの公開記事267本を全数、記事制作で実際に使っている検査スクリプトに掛けて数えました。効いた部分と、効かなかった部分の両方をお見せします。

工程に組み込んだ項目は実測で9割減った

私たちのメディアは、2026年7月14日に記事の品質基準を全面刷新しました。前の章で触れた作り直しの正体が、これです。工程を飛ばして本数を稼ごうとして60本を量産し、結局すべて作り直しました。

このとき決めたことの1つが、執筆後に検査スクリプトを通す工程を必ず挟むというもの。刷新の日を境に267本を2つに分けて数えた結果が、次の表になります。

検査項目 組み込み前(175本) 組み込み後(92本)
同じ語尾が3文続く記事 161本=92.0% 20本=21.7%
1記事あたりの検出箇所 5.04箇所 0.23箇所
一文60字超の割合 13.8% 8.2%

2026年8月25日に、公開記事の全数を取得して集計した結果です。

月ごとに並べると、変化の場所がもっとはっきりします。同じ語尾が3文続く記事の割合は、2026年6月に公開した63本で88.9%。7月の45本では24.4%、8月の47本では19.1%まで落ちました。

切り替えたのが7月14日なので、7月の45本には前後が混ざっています。工程を変えた月に、数字が段差のように動いています。

割合より、表の2行目にある1記事あたりの検出箇所のほうが体感には近いはずです。以前は1本書くたびに5箇所ほど直す場所があり、いまは4本に1箇所ほど。読み手が受ける印象の差は、この密度から生まれます。

それでも2割は残る。直すのは人の仕事

数字をもう一度見てください。組み込み後も、21.7%の記事には同じ語尾の3連続が残っています。9割減ったとはいえ、ゼロにはなりませんでした。

対照的な項目があります。同じ品質基準に「箇条書きは1項目70文字以下」というルールがあり、こちらも同じスクリプトで検査しています。

267本の箇条書き6,134項目のうち、70文字を超えていたのは4項目だけでした。

同じように検出しているのに、なぜ結果がこれほど違うのか。答えは直し方が一意に決まるかどうかにあります。

70文字を超えた箇条書きは、切るか文章に直すかの二択で必ず解決します。ところが語尾の3連続には、正解の直し方がありません。

1文目を体言止めにするのか、2文目を疑問形にするのか、そもそも段落を組み替えるのか。書き手が文脈を読んで決めるしかない領域です。

ツールは検出まではやってくれます。直すところから先は人の仕事だと、この2つの数字が示しています。

文化審議会建議「公用文作成の考え方」の解説も、一文の長さについて「単に長い短いが問題になるわけではない」と留保をつけていました。そのうえで、50から60字ほどで読みにくくなっていないか意識するとよい、と。

しきい値は判断の合図であって、機械的に潰す対象ではないわけです。

機械が原理的に見つけられない欠陥の型

検出できるかどうかの境目を、もう少し具体的に整理しておきましょう。判断の材料は、私たち自身が起こした事故です。

欠陥の型 機械で見つかるか 実際に起きたこと
字数・個数の逸脱 見つかる 箇条書き70字超は6,134項目中4項目
まぎれ込んだ別言語の文字 目視では無理。機械なら確実 日本語の原稿にキリル文字が3回混入
リンク先の生死 見つかる 実在しないURLを推測で組み立てた
語尾の単調さ 検出のみ。直すのは人 検出しても、直さなければ残る
引用と主張のずれ 見つからない 原典の語を言い換えて自説に寄せた

2行目のキリル文字は、13,000字級の記事を書いていたときの事故。日本語の「三つ」が「три つ」に、「材料」が「материал」になっていました。

今泉の視点:目視で潰そうとしないでください。私は同じ記事で3回やらかしました。文字種の検査は機械に任せて、人は主張と引用のずれだけを見る。この分担にしてから事故が止まりました。

読み返しても気づけなかったのは、文脈上は意味の通る位置に入っていたから。ただし文字種を機械で検査すれば、正規表現1行で確実に見つかります。

3行目は、出典として書いたURLを実在確認せずに組み立ててしまった件。他の年度版のURL構造から類推したもので、直後に自分で気づいて差し替えました。

その反省から、書き終えたら全リンクをまとめて実測する工程を入れています。AIが作った出典は、構造が正しそうに見えるものほど危ないという教訓です。

問題は最終行でしょう。政府のAI事業者ガイドラインに「特定のタスクに対する学習を行わせることが可能である」という記述がありました。これを読みやすさのために「その場で作業させられる」と言い換えたことがあります。

文としては自然で、校正ツールもコピペチェックも何も言いません。それでも原典の意味はずれ、自分の主張に都合よく読める形になっていました。

引用の後ろに自説を置く箇所では、主張のキーになる語だけは原文のまま使う。この判断は、いまのところ人が下すしかありません。ツールの中身と限界をどう見極めるかはサジェストツールは件数で選ばないでも扱っています。

棚卸しは工程が重複した時点で行う

最後に、増えすぎたツールをどう減らすか。基準は1つで十分です。同じ工程に2つ以上のツールが並んだら、片方を外す

上位に並ぶ10本が挙げた93種を思い出してください。あれだけの数が世に出ていても、1人のライターが1本の記事で通る工程は、画像まで入れて6つほど。1工程1ツールなら、契約するのは6つが上限になります。

棚卸しのやり方は簡単で、契約中のツールを工程表の横に並べるだけ。調査に2つ、校正に2つ入っていたら、使用頻度の低いほうが解約候補になります。前の章で見たとおり、校正とコピペチェックには無料で実用になる選択肢があるため、無料に戻せる工程がないかも一緒に確認してください。

判断に迷ったら、月額をご自身の文字単価で割ってみるとよいでしょう。月2,728円のツールなら、単価1.5円の案件でおよそ1,800文字ぶん。そのツールが毎月1,800文字ぶんの時間か品質を生んでいるかどうかで、答えは出ます。

Webライターツールについてよくあるご質問

ツール選びの相談でよくいただく4つに、公式の記載と自社の実測からお答えします。

Webライターツールは無料だけで納品まで完結しますか?

受注した記事を書いて納品するだけなら、無料の範囲で完結できました。校正はShodoのベーシックが永年無料で1回1万文字まで。コピペチェックはCopyContentDetectorが4,000文字までを回数無制限で扱えます。有料が要るのは、自分でテーマを提案して検索ボリュームを根拠に示す段階からです。

コピペチェックで要注意と出たら何を直せばよいですか?

コピペチェックの「要注意」は、判定の種類ごとに意味が変わる警告です。Web上との類似を見る判定と、過去に自分が通した原稿と突き合わせる判定は別物なので、まずどちらで出たかを確認してください。自社の267本を数えたときも、重複の多くは毎回置いている定型文でした。引っかかったら、本文より先に自分の決まり文句を疑うほうが早く解決します。

AIで書いた記事だとクライアントに伝える必要はありますか?

クライアントとの取り決めが最優先です。クラウドワークスは公式に「禁止しておらず、受発注者間の取り決めに委ねております」としており、案件ごとに確認する形になります。Googleは、読み手が制作方法を気にする内容であれば開示を推奨する一方、著者の署名欄にAIと記載することは適切でないと明示していました。

SEOライティングツールとAIライティングツールは何が違いますか?

採点する道具か、生成する道具かの違いです。SEOライティングツールは競合との比較で構成やキーワードの網羅性を数値化し、AIライティングツールは文章そのものを出力します。ただしSEO系は法人向けが多く、公式に料金を公開して個人が申し込める製品は、確認できた範囲で4つでした。

まとめ

Webライターのツールは、名前を集めても決まりません。上位に並ぶ10本が挙げた93種に全サイト共通のものが1つもなかったように、正解の一覧は存在しないからです。

決め手になるのは、自分の工程のどこが空いているか。まず校正とコピペチェックを無料の道具で埋め、検索ボリュームが必要になった時点で課金を検討してください。

そして、入れたあとが本番です。私たちの実測では、検査を工程に組み込むと同じ語尾が3文続く記事は92.0%から21.7%まで減りましたが、ゼロにはなりませんでした。ツールは検出まで、直すのは書き手の仕事。この線引きを持っている人が、いちばん速く仕上げます。

道具が決まったら、次は単価と受注の話になります。職業としての伸ばし方はWebライターの適性と収入の現実にまとめました。体制ごと記事制作を見直したい場合は、私たちの記事制作・メディア支援もご相談ください。

SEO記事制作のご案内

キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

目次