文章添削AIを無料で使うとき|渡す前に決める3つと頼み方

机に置かれたノートと万年筆。書いた文章を見直す場面のイメージ

「書き上げたけれど、このまま出していいか自信がない」。人に見せる前の文章を前にして、そう感じたことはないでしょうか。無料で使える文章添削AIがあるなら試したい、けれど自分の原稿を渡してよいのかも分からない。その両方が同時にあるのが、この段階です。

街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場から、日々たくさんの原稿に手を入れています。AIに添削を頼む場面も、その一部です。

お伝えしたいのは、結果を左右するのは道具選びではなく、渡し方と頼み方だということです。この記事を読めば、渡す前に決めることと、返ってきた指摘の扱い方が分かります。

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目次

先に結論:添削AIは渡し方で決まる

無料で使えるものを探している段階だと思いますが、その前に押さえてほしいことが3つあります。どれを使うかより、結果を左右するのはこちらのほうです。

1つ目は、渡す前に決めることがあることです。まだ世に出していない原稿や、送る前のメールを渡してよいかは、頼む前に自分で決めておく必要があります。

2つ目は、頼み方で返ってくるものが変わることです。誰に向けた文章で、何のために書いたのかを添えるだけで、返ってくる指摘の中身が変わります。

3つ目は、返ってきた指摘を全部は採用しないことです。読む前に仕分けの箱を作っておくと、最後まで判断の質を保てるでしょう。

場面 決めること 決めないとどうなるか
渡す前 その文章を渡してよいか 出したくない原稿が外へ出る
頼むとき 読み手・目的・直す範囲 直してほしくない所まで直る
返ってきた後 採用する指摘の線引き 全部受け入れて自分の文章でなくなる

この記事では、この3つをそれぞれ手順の形でお伝えします。特定のサービス名は挙げません。どれを使っても共通して効く部分だけを扱いましょう。

無料のAIに添削を頼むと何が返るか

AIの添削で直りやすいかどうかは、使うものの性能ではなく、渡す文章の性質で決まってきます。返ってくるものの見当をつけるところから始めましょう。3つに分けて見ていきます。

赤ペンで書き込みの入った原稿用紙。直しが返ってくる場面のイメージ

直しやすいのは形が決まったもの

境目を分けているのは、その文章の外に正しい形があるかどうかです。ここが分かると、任せる範囲を自分で決められます。

送り仮名や敬語のように、どう書くのが正しいかが文章の外側で決まっているものは、照らし合わせるだけで判定しやすくなります。校正のアプリやサイト、推敲ツールが古くから扱ってきたのも、この領域です。

推敲にあたる部分、つまり言い回しをなめらかにする提案も返ってきます。ただしここから先は、正しいか間違いかではなく好みの領域に入っていくことを覚えておいてください。

そもそも添削・校正・推敲は何がどう違うのか、AIが得意なことと苦手なことをどう考えるかという原則は文章添削の観点と手順をまとめた記事で整理しました。本記事はその先の、実際に頼むときの手順に絞ってお伝えします。

直しにくいのは事実と書き手の意図

反対に返ってきにくいのが、その文章にしかない事情に関わる指摘です。正しい形が外側になく、書いた本人の中にしかないためです。

整理すると次のようになります。

直しやすいもの 直しにくいもの
誤字・脱字、送り仮名や表記の揺れ 書いてあることが事実かどうか
主語と述語のねじれ、修飾の位置 書き手が本当に言いたかったこと
一文の長さ、語尾の重なり あえて崩した言い回しやリズム
語順を変えれば通じる文 その文章が誰に向けたものか

右の列で気をつけたいのが、直せないのではなく、直った形で返ってくるという点です。日付や社名が違っていても、もっともらしい別の言葉に置き換わって戻ってくることがあります。

だからこそ、この後の3つの手順が効いてきます。何を渡すか、何を頼むか、どこまで採用するか。右の列を自分の手元に残すための段取りが、この3つなのです。

無料の範囲で先に詰まるところ

サービスによっては、性能よりも先に一度に渡せる量や1日の回数の制限にぶつかります。制限の有無と幅はサービスごとに違うため、最初に自分が使うものの上限を確かめておいてください。

長い原稿をまとめて渡そうとして途中で切れたり、何度か試すうちにその日の分を使い切ったりするのは、この制限に当たったときです。

ですから無料で使うときは、章ごと、見出しごとに区切って渡すほうが安定します。区切ると全体の流れは見てもらえません。ただし流れの確認は、仕上げに自分で通して読むときへ回すと決めておけば足ります。

無料で試すときに確かめておく条件や、有料に切り替えるかどうかの判断は無料で試すときの条件をまとめた記事で扱いました。本記事は、どのサービスを使う場合でも共通する頼み方に絞ってお伝えします。

添削を頼む前に決める3つ

添削を頼むというのは、文章そのものを外に出す行為になります。ここを決めずに渡してしまう方が多いところです。決めるのは渡してよい文章か・入力の扱いを確かめたか・自分で1回読んだかの3つになります。

ノートパソコンの画面に向かう手元とコーヒー。原稿を渡す前の場面のイメージ

添削は文章をまるごと渡す行為です

最初に押さえたいのが、添削と文章作成では、渡すものの性質が違うという点です。ここを分けて考えると判断が楽になります。

文章を書かせるときにAIへ渡すのは指示です。「こういうテーマで書いて」と伝えるだけで、自分の手元にあるものは出ていきません。ところが添削では、できあがった文章そのものを渡します。

そして添削を頼みたくなる文章は、たいてい世に出る前のものです。まだ発表していない小説の原稿、送る前のメール、社外に出す予定の提案書などがこれにあたります。人に見せる前だからこそ、直したいと思っているのです。

当社が添削の用途で外部のサービスを使うときは、この点を前提に置いています。渡すのが未公開の文章だとわかったうえで、その1本を渡してよいかを毎回決めてから渡しています。

実際の分かれ方はこうです。すでに公開している記事の直しであれば、そのまま渡して問題ありません。公開前の原稿は、社名や数字を仮の言葉に置き換えてから渡します。発表前の企画そのものが書かれているものは、渡さずに自分で読み直します。この3通りに当てはめるだけなので、判断は数秒で済むのです。

入力した文章の扱いを確かめる

確かめるのは、入力したものがそのあとどう扱われるかです。ここはサービスごとに違い、同じサービスでも設定やプランによって変わります。

個人情報保護委員会は、生成AIサービスの利用について注意喚起を出しました。一般の利用者に向けた留意点として、こう書かれています。「生成 AI サービスでは、入力された個人情報が、生成 AI の機械学習に利用されることがあり、他の情報と統計的に結びついた上で、また、正確又は不正確な内容で、生成 AI サービスから出力されるリスクがある。」生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(個人情報保護委員会)

これは個人情報を扱う場合の注意として書かれたもので、文章一般についての話ではありません。すべてのサービスが入力を学習に使う、という意味でもないのです。

ただし入力したものが学習に使われることがあるという部分は、自分の原稿を渡すときにも知っておく価値があります。同じ資料は、利用規約やプライバシーポリシーを確認したうえで判断してほしいとも述べているのです。

プロの判断基準:渡す前の3秒チェック
  • この文章は、いま外に出てしまっても困らないかを考えます
  • 困るなら、設定画面で「学習」「トレーニング」「履歴」の語を探します
  • 見つからないときは、規約の「入力データの取扱い」を読みます
  • それでも分からないうちは、困る部分を伏せてから渡します

他人の名前や取引先の情報が入っている場合は、別の判断が必要になります。仕事で扱う情報をどこまで入れてよいかの線引きはAIに入力してよい情報の線引きをまとめた記事で扱いました。

渡す前に自分で1回読んでおく

もう1つおすすめしたいのが、渡す前に自分で1回通して読むことです。一手間に見えますが、あとの作業がまるごと軽くなります。

自分で読めば、誤字や言い回しの粗はいくつか自分で見つかります。それを直してから渡すと、返ってくる指摘は自分では見えていなかったものだけになるのです。

逆に、書き終えた直後の原稿をそのまま渡すと、自分でも気づけたはずの指摘が大量に混ざって返ってきます。数が多いと1件ずつ考える気力が続かず、後半は流し読みになってしまうでしょう。

声に出して読むと、息継ぎのできない長い文がすぐ分かります。その場で直せるものは直してから渡してください。これだけで、返ってくる指摘の質が変わります。

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頼み方で返ってくるものが変わる

同じ文章を渡しても、頼み方を変えると返ってくる指摘は変わるのです。道具を替えるより、こちらのほうが効きます。3つの角度から見ていきましょう。

ノートに手書きでメモを取っている手元。頼み方を書き出す場面のイメージ

「添削して」だけでは決まりません

いちばん多い頼み方が、文章を貼って「添削してください」と書く形です。これだとどこをどう直すかが、すべて相手任せになります。

人に頼む場面を考えてみてください。原稿だけ渡されて「見ておいて」と言われたら、誰でも困ります。何のために書いたのか、誰が読むのかが分からないと、直す基準が決まらないためです。

文部科学省が学校向けに出しているガイドラインにも、通じる考え方が書かれています。「生成 AI から一度で求める出力がなされることを期待せず、複数回の対話の中で求める出力に近づけていく」初等中等教育段階における生成AIの利活用に関するガイドライン(文部科学省)

これは学校の先生に向けた案内ですが、一度で仕上がると思わず、やりとりの中で近づけていくという姿勢は添削でも同じです。1回目の返答が的外れなら、頼み方を足していけばよいのです。

読み手と目的と範囲を添える

足す情報は3つで足ります。誰が読むのか、何のために書いたのか、どこまで直してほしいのかです。

添えるもの 書き方の例 添えないとどうなるか
読み手 初めて問い合わせをくれた個人のお客様 硬さや丁寧さの水準が定まらない
目的 断りの返信だが、次の相談はしてほしい 用件だけの文に整えられる
直す範囲 誤字と敬語の誤りだけ、言い回しは残す 全文が書き換わって返ってくる

とくに3つ目の範囲が効きます。範囲を言わないと、頼んでいないところまで直った文章がまるごと返ってくるためです。そうなると、どこが変わったのかを探す作業が増えてしまいます。

読み手と目的をどう決めるかは、文章そのものの組み立てにも関わります。仕事の文書で読み手と目的をどう置くかはビジネス文書の書き方をまとめた記事で整理しました。

もう1つ加えるなら、「直した理由も一緒に書いてください」と頼んでみてください。理由が読めると、採用するかどうかを自分で判断できるようになります。

直してほしくない所を先に言う

ここが当社で必ず入れている指定です。依頼文に「ここは変えないでください」を1つか2つ書いてから渡しています。

「読みやすくしてください」とだけ頼むと、読みやすさの方向にすべてが寄ります。その結果、あえて短く切った一文や、繰り返して強調した言葉、業界で決まっている表記まで、きれいにならされて返ってくるのです。

守りたいものを先に名指ししておくと、その周りだけが残ります。名指しするのは1つか2つで十分です。多く挙げるほど、どれも守られなくなっていきます。

プロの判断基準:頼むときに書く4行
  • 誰が読むかを書きます(例:初めて問い合わせをくれたお客様)
  • 何のために書いたかを書きます(例:断るが、次も相談してほしい)
  • どこまで直すかを書きます(例:誤字と敬語だけ、言い回しは残す)
  • 変えないでほしい所を書きます(例:冒頭の「まず、」は残す)

この4行を先に書いておくと、返ってくる指摘の粒度がそろいます。毎回書くのが面倒なら、ひな形として手元に置いて使い回してください。変えるのは中身だけで済みます。

AIの指摘をどう選んで残すか

返ってきた指摘は、全部は採用しないと先に決めておいてください。ここを決めずに読み始めると、全部受け入れるか全部捨てるかの二択になりがちです。3つに分けて見ていきましょう。

机に並べられた付箋と書類。指摘を仕分ける場面のイメージ

全部を採用しなくて構いません

まずお伝えしたいのは、返ってきた指摘は提案であって、採点ではないということです。ここを取り違えると、直す必要のないところまで直してしまいます。

指摘は、正しさの順に並んで返ってくるわけではありません。明らかな誤字と、単なる好みの言い換えが、同じ形で並びます。数が多いと、どれも同じ重さに見えてしまうのです。

点数や評価という形で返ってくることもありますが、その数字も提案の一種だと考えてください。採用するかどうかを決めるのは、指摘した側ではなく書いた自分です。この一線を引いておくだけで、読み方が落ち着きます。

AIの提案どおりに直し続けると文章が平均的な表現に寄っていく点と、そうならない使い方は文章添削の観点と手順をまとめた記事でも扱いました。あわせてご覧ください。

直す・直さない・保留に分ける

当社がやっているのは、指摘を読む前に3つの箱を用意しておくという方法です。読みながら、1件ずつどれかに入れていきます。

入れるもの その場でどうするか
直す 誤字・脱字、表記の揺れ、明らかな文法の誤り 考えずに反映する
直さない 意図があってそう書いたところ その場で見送る
保留 どちらとも言えないもの 印だけ付けて次へ進む

この分け方の狙いは、考える対象を保留の箱だけに絞ることです。直すものと直さないもので迷わないから、最後の1件まで判断の質が落ちません。

保留の箱は、少し時間を置いてから開いてください。書いた直後は自分の意図が頭に残っていて、指摘のほうが間違っているように見えます。半日でも置くと、同じ指摘が違って読めるようになるのです。

それでも決まらないものは、直さないほうへ寄せて構いません。迷うということは、どちらでも通じるということです。どちらでも通じるなら、自分が書いた形を残すほうがよいでしょう。

最後は自分の目で通して読む

仕分けが終わったら、直した後の文章を最初から通して読んでください。1件ずつ直すと、全体のつながりが崩れていることがあります。

よくあるのが、前の段落と後ろの段落で同じ説明が重なる形です。1文ずつ見ているときは気づけません。通して読むと、つながりの不自然さがすぐ分かります。

先ほどの文部科学省のガイドラインは、同じ一文の中でこうも述べています。「最後は自分で判断し、生成 AI の出力を踏まえた成果物に自ら責任を持つという基本姿勢が重要である。」学校向けの案内ではありますが、誰が書いた文章として世に出るのかを考えれば、通して読む一手間は省けません。

どうしても判断がつかない文章や、大事な場面で出すものは、人に見てもらう選択肢もあります。文章添削のサービスを頼む場合でも、ここまでの3つを済ませてから渡すと、見てもらうべき部分に時間を使ってもらえます。

なお、AIに整えてもらった文章が「AIらしく」見えてしまう場合の直し方はAI文章が不自然に見える原因をまとめた記事で扱いました。

今泉の視点:添削を頼むとき、私が依頼文に必ず入れているのは「ここは変えないでください」の一行です。守りたいものを先に名指ししておかないと、読みやすさの方向にすべてが寄っていきます。

面白いもので、名指しするのを3つ4つと増やすと、今度はどれも守られなくなります。1つか2つに絞ったときがいちばん残るのです。自分が本当に守りたいものを選ぶ作業でもあります。

返ってきた指摘に迷ったときは、直さないほうへ寄せています。迷うということは、どちらでも通じるということです。それなら、自分が最初に書いた形を残しておきたいと思っています。

AIの文章添削についてよくあるご質問

無料のAIだけで文章の添削は足りますか。

誤字や表記の揺れ、文法の誤りを見つける用途であれば足りることが多いです。一方で、書いてある内容が事実かどうかと、書き手の意図が残っているかは返ってきません。この2つは渡した側で確かめる前提にしてください。無料の場合は一度に渡せる文字数や回数の制限があるため、章ごとに区切って渡すと安定します。

まだ発表していない小説の原稿を渡しても大丈夫ですか。

渡す前に、そのサービスで入力したものがどう扱われるかを確かめてください。個人情報保護委員会も、入力した内容が機械学習に利用されることがあると注意喚起しています。学習に使わない設定があるかを確認し、分からないうちは渡さないほうが安全です。どうしても見てもらいたい場合は、固有名詞や設定を伏せた一部分だけを渡す方法もあります。

指摘が多すぎて処理しきれません。どうすればよいですか。

読む前に「直す・直さない・保留」の3つに分ける準備をしてください。誤字や表記の揺れは考えずに直す、意図してそう書いたところは見送る、それ以外は保留に入れて印だけ付けます。考える対象が保留だけに絞られるので、最後まで判断の質が落ちません。あわせて、渡す前に自分で1回読んでおくと、指摘の数そのものが減ります。

直してもらうと自分の文章らしさが消えてしまいます。

頼むときに「ここは変えないでください」と1つか2つ書いてから渡してみてください。守りたい言い回しを先に名指ししておくと、その周りは残ります。名指しを増やしすぎると効きが薄れるので、1つか2つに絞るのがおすすめです。返ってきた指摘で迷ったときは、直さないほうへ寄せて構いません。

まとめ

AIの添削で直りやすいのは、正しい形が文章の外側で決まっているものです。書いてあることが事実か、書き手の意図が残っているかは、渡した側に残る仕事だと考えておいてください。

頼む前には、その文章を渡してよいかを決めます。入力したものがどう扱われるかを一度確かめておけば、次からは数秒で判断できます。返ってきた指摘は、読む前に直す・直さない・保留の3つに分けてください。

  • 渡す前:いま外に出ても困らない文章かを決めます
  • 頼むとき:読み手・目的・範囲・守る所の4行を添えます
  • 返ってきたら:直す・直さない・保留の3つに分けます

迷った指摘は、直さないほうへ寄せて構いません。採用するかどうかを決めるのは、書いた自分です。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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