キーワードプランナーの使い方|登録から書く順番の決め方まで

キーワードプランナーの数値をもとにグラフを見ながら話し合うビジネスパーソン

「キーワードを調べるならキーワードプランナー」と聞いて開いてみたら、Google広告のアカウント登録を求められて手が止まった。そんな経験はないでしょうか。広告を出すつもりはないのに、なぜ広告の管理画面に入るのか。ここでつまずく方はとても多いのです。

先に答えをお伝えします。キーワードプランナーはGoogle広告のツールで、SEOではそれを借りて使います。アカウントは必要ですが、広告費の請求が始まるのは広告を配信してからです。

無料で使える条件、登録から使い始めるまでの4段階、表示される数字の読み方をまとめました。最後は、集めた数字を「どれから書くか」の順番に変えるところまで進みます。読み終えたころには、明日どのキーワードから書くかを自分で決められるはずです。

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目次

先に結論:広告のツールをSEOに借りて使います

まず最初に、結論からお伝えします。

  • キーワードプランナーはGoogle広告のツールで、SEOには借りて使う
  • アカウントは必要だが、広告費の請求は配信が始まってから
  • 「競合性」は広告側の指標で、SEOの難易度とは別物として扱う
  • 登録から書く順番を決めるところまでは、1回の作業で終えられる

1つ目は、これが本来Google広告のためのツールだということです。公式ヘルプが挙げている機能にも「費用を決める」「新しいキャンペーンを作成する」が並んでいます。SEOの担当者は、そのツールを借りて検索の需要を調べている、という関係になります。

2つ目は、広告費をかけずに使えるということです。Google広告のアカウントを作る必要はありますが、広告費の請求が始まるのは広告が配信されてからです。登録の途中で予算やお支払い情報の入力を求められて不安になる方は多いので、その扱いは次の章で整理しました。

3つ目は、表示される「競合性」をSEOの難易度と読まないことです。公式の説明では、これは入札している広告主の数を相対的に示す指標です。ここを取り違えると、狙えるはずのキーワードを自分から外してしまいます。

4つ目は、数字を集める作業がゴールではないということです。登録から一覧の書き出しまでは、慣れれば1回の作業で終わります。そこから「どれを先に書くか」を決めて、はじめて記事制作の材料になるのです。

キーワードプランナーはGoogle広告のツールです

キーワードプランナーは、広告を出す人のために作られたツールです。SEOの担当者は、それを需要調査に借りて使っています。無料で使える条件と立ち位置を、ここで押さえておきましょう。

キーワードプランナーの使い方をオフィスで同僚と確認している様子

公式が挙げているできること5つ

キーワードプランナーとは、Google広告が提供している、キーワードの候補と検索数の見積もりを調べるためのツールです。グーグルキーワードプランナー、Googleキーワードツールといった呼び方も見かけますが、いずれも同じものを指しています。

Google広告ヘルプ「キーワード プランナーを使う」では、できることとして5つが挙げられています。

公式が挙げる機能 SEO担当者にとっての意味
新しいキーワードを見つける 候補を広げるのに使える
月間検索ボリュームを確認する 需要の大きさをつかむのに使える
費用を決める 広告向け。SEOでは直接使わない
キーワードを管理する 広告向け。SEOでは直接使わない
新しいキャンペーンを作成する 広告向け。SEOでは直接使わない

5つのうち、SEOで使うのは上の2つだけです。残りの3つが広告のための機能である点は、後で数字を読むときに効いてきます。

無料で使えますが条件があります

広告費をかけずに使えます。ただし、アカウントの設定を最後まで終わらせる必要がある点だけは押さえておいてください。

Google広告ヘルプは、キーワード候補などの基本的な機能について「お支払い情報を入力してアカウント設定を完了する必要があります」と案内しています。つまり、支払い方法の登録そのものは避けて通れない工程だということになります。

それでも、広告費の請求が始まるのは配信されてからです。Google広告では、広告をまとめて配信する単位のことをキャンペーンと呼びます。このキャンペーンを配信しない状態にしておけば、広告費をかけずに調査だけを続けられます。

ただし、登録のときにお金がまったく動かないわけではありません。Google広告ヘルプ「Google 広告アカウントを作成する: ご登録方法」には、カードへ一時的な請求が表示される場合があると書かれています(通常は1週間以内に消えます)。

確認のための少額の前払いを求められることもあるでしょう。前払い分は今後の広告費に充てられ、アカウントを閉鎖すれば全額払い戻されるとも案内されています。

SEOで使うときの位置づけ

大事なのは、これがSEO専用のツールではないという点です。あくまで広告を出す人のために作られたものを、SEOの担当者が需要調査のために借りて使っています。

この関係を頭に置いておくと、表示される指標のうち「どれが自分に関係する数字か」を見分けやすくなります。広告のための指標をSEOの判断に持ち込むと、次の章で見るような読み違えが起きるのです。

スマートフォンでも使えます

スマートフォンのブラウザからでも開けます。ただし、表示される項目が多く、横に長い表を扱うことになるため、腰を据えて調べるならパソコンのほうが向いています。

移動中にキーワードを思いついて確認したい、といった軽い用途であればスマートフォンで十分でしょう。本格的に一覧を書き出す作業は、パソコンに戻ってからにしてください。

登録から使い始めるまでの4段階

使い始めるまでにやることは4つです。ここでは画面のどこを押すかではなく、それぞれの段階で何を決めるのかを書きます。画面の細かい表示は更新のたびに変わりますが、決めることは変わらないからです。

段階 この段階で決めること つまずきやすい点
1. アカウントを登録する キャンペーンを作らずにアカウントだけを作るか 予算の入力画面で手が止まる
2. エキスパートモードに切り替える 調査を始める前に表示を切り替えておくか スマートモードのままツールが探せない
3. 候補を出す 主役にする言葉を1つに絞れているか 思いついた言葉を全部入れてしまう
4. 一覧を書き出す 既存の記事と重なっていないか 書き出して満足し、確認を飛ばす

段階1:Google広告のアカウントを登録する

最初の段階で決めるのは、キャンペーンを作らずにアカウントだけを作るかどうかです。お支払い情報の入力は、基本機能を使うかぎり避けて通れません。

キーワード候補を出す機能を使うには、アカウント設定を最後まで終える必要があります。その途中で登録を止めてしまうと、候補の画面にたどり着けないまま時間だけが過ぎていくのです。

同じ登録案内には、この段階でキャンペーンを作成せずにアカウントを作ることもできると書かれています。広告を出す予定がないなら、この進め方がいちばん迷いません。

すでにキャンペーンを作ってしまった場合は、配信を一時停止にしておけば調査だけを続けられます。お金がどこで動くのかは無料で使えますが条件がありますで整理したとおりです。

段階2:エキスパートモードに切り替える

Google広告の管理画面には、設定項目を絞ったスマートモードと、すべての機能を扱えるエキスパートモードの2つの表示があります。スマートモードのままだと、ツールの一覧にキーワードプランナーが出てこないことがあるのです。

ここで決めるのは、調査を始める前に表示を切り替えておくことです。切り替えはあとからでもできますが、先に済ませておいたほうが迷いません。

「ツールが見つからない」と感じたときは、壊れているのではなく表示の種類が違うだけ、と疑ってみてください。

段階3:候補を出す前に主役の言葉を1つ決める

候補の一覧は、入力した言葉に強く引きずられます。だからこの段階で決めるのは、主役にする言葉を1つに絞ることです。

思いついた言葉をまとめて入れると、方向の違う候補が混ざった長いリストが返ってきます。あとから並べ替える手間を考えれば、入口は1つに絞るのが近道でしょう。

なお、公式ヘルプによると1つのキーワードは全角40文字以内、単語数は10語までという上限があります。長い文をそのまま入れても扱えないため、言葉の単位で入れてください。候補出しをAIと分担する進め方はChatGPTとキーワードプランナーの使い分けもあわせてご覧ください。

段階4:書き出した一覧を既存記事と突き合わせる

最後の段階で決めるのは、その言葉をこれから書くのか、すでにある記事に足すのかです。ここを飛ばすと、自社の記事どうしで同じ検索語を取り合う状態になります。

当サイトが2026年7月10日から8月6日までのSearch Consoleの検索語を見たところ、同じ検索語に自社の複数ページが当たっていた組み合わせが4件ありました。うち2件は、近い意味の内容を別々の記事で扱ったことが原因です。新しく書く前に一覧を見比べていれば、どちらも避けられたものです。

なお、Search Consoleとは、自分のサイトがどんな言葉で検索結果に出たかを無料で確認できるGoogleのツールを指します。

書き出したら、既存記事のタイトルと並べて眺めてみてください。意味が近い行が見つかったら、新規で書くのではなく既存記事に見出しを足す。そう決めておけば、同じ検索語を自社の記事どうしで取り合う状態を避けられます。

表示される数字は読み方に注意が必要です

一覧に並ぶ数字は、実測ではなく見積もりです。数字そのものは誰が見ても同じですが、意味を取り違えると判断まで狂ってしまいます。

タブレットと印刷したグラフを並べて検索ボリュームの数字を読み解く手元

月間平均検索ボリュームは見積もりです

公式ヘルプは、月間検索ボリュームについて「キーワードが 1 か月に獲得する検索数の見積もりを確認できます」と説明しています。実測値ではなく見積もりだと明記されている点が重要です。

公式の説明によれば、この数字は既定で、そのキーワードと似た形の言葉をあわせた12か月間の平均です。直近1か月の実数でもなければ、これから起きることの予測でもありません。

同じ画面には、クリック数や費用の見通しを示す予測データも並びます。こちらは毎日更新される別の数字なので、混ぜて読まないでください。

したがって、表示された数字を実際の検索回数そのものとして扱うと、その後の判断がずれてしまうのです。あくまで規模感を示す目安として受け取ってください。数字の集め方そのものを見直したいときは検索ボリュームの調べ方もご覧ください。

無料だと幅のある表示になります

広告を配信していない状態では、検索ボリュームが「1,000〜1万」のような幅のある表示になることがあります。細かい数字を知りたい人にとっては、拍子抜けする表示でしょう。

ただし、この幅のままでも実務の判断はできます。方法は後半の章でくわしく取り上げます。

競合性はSEOの難易度ではありません

ここがいちばん誤解されているところです。キーワードの一覧には「競合性: 低・中・高」という列が並びますが、これはSEOで上位を取る難しさを表したものではありません。

Google広告ヘルプ「キーワード プランナーの予測について」は、競合性を次のように説明しています。「個々のキーワードと Google で扱っているすべてのキーワードを比較し、入札している広告主の数を相対的に示す指標」で、表示は低・中・高の3段階です。

つまり、この列が数えているのは広告に入札している人の多さです。Google広告ヘルプ「キーワード プランナーで新しいキーワードを絞り込む」でも、競合は候補を絞り込むフィルタ条件のひとつとして並んでいます。だから当社では、競合性の列をSEOの勝ち負けの判断に使っていません。

「競合性: 高」と出たキーワードでも、SEOでは記事が少なく狙いやすい場合があります。逆に「競合性: 低」でも、大手メディアが上位を占めていて手が出ないこともあるのです。

SEOの難易度は、実際に検索して上位10件を見て判断してください。

入札単価から読み取れること

一覧には「ページ上部に掲載された広告の入札単価」という列も、低額帯と高額帯の2つで並びます。公式の説明では、過去30日間にその言葉でページ上部へ広告を出した広告主の単価実績のうち、低いほうと高いほうの目安です。

低額帯は低いほうから2割の位置、高額帯は8割の位置にあたる金額だと説明されています。これも広告のための数字ですが、SEOの担当者にとって無意味かというとそうではありません。

単価が高いキーワードは、広告費を払ってでも獲得したい相手がいる言葉だといえます。つまり、申し込みや相談につながりやすい言葉である可能性が高いのです。事業への近さを推し量る補助線として見ると、この数字にも使い道が出てきます。

指標 SEO担当者にとっての使い道 やらなくてよいこと
月間平均検索ボリューム 需要の桁をつかみ、記事にかける労力を決める 1桁単位の正確さを求めて調べ直す
競合性 広告に出す人の多さを知る補助情報として眺める SEOの勝ち負けをここで判断する
ページ上部の入札単価 事業への近さを推し量る補助線にする 単価の高さだけでキーワードを選ぶ

「大きい言葉」に共通の基準はありません

「月間1万回以上なら大きい言葉」という線引きをよく見かけます。けれども、その数字に共通の出どころはありません。

当社が2026年8月時点で読んだ同じテーマの解説10ページのうち、検索回数の下限を数字で示していたのは7ページでした。その7ページは、いずれも「月間1万回以上」で一致しています。

ただし、その1万回がどこから来た数字なのかを示した説明は、どのページにも添えられていませんでした。4ページは「この線は明確に定められたものではない」と本文でみずから断っています。

だから、他人の基準をそのまま借りる必要はないのです。自分のサイトが実際に上位へ届いている帯を確かめ、その上を「大きい言葉」と呼べば、判断の物差しとしては十分に機能します。

SEOでの使いどころは3つあります

SEOでの使いどころは、候補を広げる・需要の桁をつかむ・季節の動きを見る、の3つです。ここでも操作手順ではなく、何のために開くのかという目的で分けています。

キーワード候補を広げる作業をオフィスで2人で進めている様子

キーワードの候補を広げる

いちばん使うのが、思いつかなかった言葉を拾う用途です。中心となる言葉を入れると、関連する候補がまとめて出てきます。

担当者の頭の中だけで考えると、どうしても社内で使い慣れた言葉に寄ってしまいます。お客様が実際に使う言葉とずれていないかを確かめる意味でも、候補を広げる工程は省かないでください。検索窓に出る候補から広げる方法はサジェストの活用もあわせてご覧ください。

需要の大きさを桁でつかむ

次に使うのが、その言葉にどれくらいの需要があるかの把握です。ここで見るのは正確な数字ではなく、桁だと考えてください。

月に数十回なのか、数百回なのか、数千回なのか。この違いが分かれば、記事1本にどれだけ手をかけるかの判断ができます。数十回の言葉に何日もかけるのは、労力の配分として合いません。

季節や年ごとの動きを見る

月ごとの推移が見られる点も、実務では役に立ちます。年末に伸びる言葉、新年度に伸びる言葉といった動きが分かるからです。

公開してから検索エンジンに評価されるまでには時間がかかるものです。そのため当社では、検索が伸びる時期の2〜3か月前に記事を用意することを目安にしています。

市場の動きが大きい時期は、月や四半期ではなく週ごとにプランを作り直す進め方が公式ヘルプでもすすめられています。数字が落ち着かない時期ほど、見る間隔を短くしてください。

SEO記事制作のご案内

キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。

集めた数字を書く順番に変えるのが本番です

集めた数字は、並べ替えて初めて記事制作の材料になります。街中文学のライティングチームは、2023年の創業以来、顧客向けの記事を累計1,000本以上納品してきました(2026年7月時点)。その中で毎回必要になるのが、集めた数字を「書く順番」に変える工程でした。

窓際のデスクで資料を広げ記事を書く順番を検討しているオフィスの風景

数字を集めただけでは決まりません

キーワードの一覧を書き出す作業そのものは、数分で終わります。数百行のリストが手元にあると、大きな仕事を終えた気持ちになりやすいものです。

けれども、リストは素材であって判断ではありません。どれを先に書くのかを決めない限り、次の一歩は出てこないのです。

ボリュームの大きさと順位は結びつきませんでした

当社メディアの記事112本を2026年5月15日から8月12日までSearch Consoleで追跡したところ、検索ボリュームの帯を変えても、狙った言葉で検索結果に出た記事の割合は、帯が上がるほど伸びる形になりませんでした。

下の表のパーセントは、その帯の記事のうち、狙った言葉そのもので検索結果に出た記事の割合です。

月間検索ボリュームの帯 狙った言葉で検索結果に出た割合
〜100回 33.3%
110〜300回 23.5%
310〜1,000回 28.9%
1,100回〜 38.7%

もう1つ分かったことがあります。狙った言葉で20位以内に入っていたのは7本だけで、その7本はいずれも月間1,300回以下の言葉でした。月間2,000回以上の22本からは、20位以内に入った記事が出ていません。

この数字には3つの限定があります。Search Consoleは検索回数の少ない言葉を伏せるため、細い側は実際より低めに出ます。

また、1サイトだけの実測であり、当社のドメインは新しく被リンクの施策もしていません。20位以内に入った7本も、その言葉からのクリックはまだ発生していない段階でした。

だから、ボリュームの大きい順に書き進める理由はここにはありません。帯を上げても出た割合がきれいに伸びていかない以上、ボリュームの数字だけでは順位の取りやすさを説明できないからです。20位以内に入れたのは細い言葉のほうだったので、まずは自分のサイトが届いている帯から積み上げてみてください。

大きい言葉との付き合い方はビッグワードSEOの考え方でくわしく整理しました。

狙いやすさと事業への近さで並べる

検索ボリュームの大きい順に書いていくのは、並べ方としては弱い進め方です。前の節で見たとおり、ボリュームの大小は順位を取れるかどうかの手がかりになっていませんでした。そこで当社では、次の二軸で並べ替えています。

プロの判断基準:書く順番を決める二軸
軸 見るもの 判断のしかた
狙いやすさ 実際の検索結果の上位10件と、自社サイトの現在地 大手が並んでいれば後回し。個人ブログや情報の薄い記事が混じっていれば狙える
事業への近さ その言葉で調べた人が、相談や申し込みにどれだけ近いか 「とは」より「費用」「依頼」のほうが近い。入札単価の高さも補助線になる

二軸で並べ替えると、ボリュームは小さくても事業に直結する言葉が上位に来ることも珍しくありません。当社は少ない本数で成果を出すために、この並びを先に作っています。言葉の背景にある目的の見分け方は検索意図とはを、選定の全体像はSEOキーワード選定のやり方をご覧ください。

細かい言葉から積み上げる進め方そのものについてはロングテールキーワードの考え方にまとめています。並べ替えの結果、上位に来るのはたいていこの層です。

範囲表示のままでも決められます

「正確な数字が出ないから判断できない」という声をよく聞きます。けれども、二軸で並べるために必要なのは正確な数字ではありません。

必要なのは、桁の把握と、キーワードどうしの相対比較だけです。「こちらは数千回、あちらは数百回」と分かれば、並べ替えはできてしまいます。正確な数字を求めて調べ物に時間を使うより、桁でざっくり並べて書き始めるほうが、結果的に早く成果へ届くのです。

今泉の視点:当社は自社メディアの戦略文書に、やらないこととして「競争の激しい言葉を正面から取りにいかない」と書いています。とはいえ、需要の大きい言葉を捨てているわけではありません。順位を取りにいく対象からは外し、関連する記事へ読者を渡すための通り道として残しています。役割を先に分けておくと、「大きい言葉だから書く」「小さいから書かない」という迷い方をせずに済むのです。私は、順位を取る言葉と通り道にする言葉を分けてから、書く順番を決めるようにしています。

表示されない・使えないときの考え方

うまくいかないときの多くは故障ではなく、ツールの仕様によるものです。よくある5つの場面に分けて、原因の切り分け方をまとめました。

複数のモニターを前に数値が表示されない原因を確認しているオフィスの様子

検索ボリュームが幅でしか出ないとき

これは不具合ではなく、広告を配信していない状態でよく見られる表示です。設定をあれこれ変えて直そうとしても、たいていは時間を使うだけで終わります。

細かい数字を出すためだけに広告を出稿する判断は、当社ではおすすめしていません。桁さえ分かれば並べ替えはできるからです。

キーワードの候補が出てこないとき

候補が返ってこないときは、原因を3つに切り分けてください。アカウント設定、言葉そのもの、そして分野の3つです。

1つ目は設定です。公式ヘルプは、キーワード候補などの基本機能を使うにはお支払い情報を入力してアカウント設定を完了する必要があると案内しています。ここが途中で止まっていると、そもそも候補は表示されません。

2つ目は言葉です。公式ヘルプによれば、検索ボリュームが非常に少ないキーワードは検出と予測の対象になりません。新しく登場したサービス名や制度名で候補が出ないのは、まだ言葉として定着していないというだけの状態です。

3つ目は分野です。

公式ヘルプによると、健康や金融などデリケートなカテゴリでは結果が表示されないことが多いとされています。理由は、パーソナライズド広告とデータプライバシーのポリシーだと書かれています。この分野を扱うなら、候補出しは別の手段に切り替えると決めておくほうが早いでしょう。

他のツールと数字が合わないとき

別のツールと数字が違っていても、どちらかが間違っているわけではありません。公式が「見積もり」と書いているとおり、集計の前提が違えば結果も変わります。

症状 まず自分に問うこと 次の一手
数字が幅で表示される その精度は本当に判断に必要か 桁で並べ替えて書き始める
候補がほとんど出ない 入力した言葉は世の中で使われているか 一段上の一般的な言葉から入り直す
他のツールと数字が違う どちらが正しいかを決める意味はあるか 1つのツールに統一して比較する

大切なのは、複数のツールの数字を混ぜないことです。比べるときは同じツールの中で比べると決めておけば、判断はぶれません。

ログインできない・画面が違うとき

同じアカウントのはずなのに画面や数字が違って見えるときは、表示モード・アカウントの状態・ログインの入り口の3つを順に疑ってください。

ツールの一覧にキーワードプランナーが出てこないときは、表示がスマートモードのままかもしれません。切り替えは段階2:エキスパートモードに切り替えるで触れたとおりです。

数字が幅でしか出ないときは、広告を配信していない状態のアカウントで見ている可能性があります。この場合の考え方は検索ボリュームが幅でしか出ないときで整理しました。

Google広告ヘルプ「キーワード プランナーを使う」は、データが食い違う原因としてログイン方法の違いを挙げています。複数のアカウントをまとめて管理する上位のアカウント(MCC)を経由した場合と、個別のアカウントへ直接入った場合。この2つで見える内容が変わることがあります。

あわせて、ブラウザのキャッシュとCookieを消す、シークレットウィンドウで開く、別の端末やブラウザを使うという対処も案内されています。

ここで決めることは、調べるときの入り口を1つに固定することです。毎回同じ経路で入るようにしておけば、数字がぶれたときに原因を1つ減らせます。

代わりになるツールをどう選ぶか

別のツールに乗り換えるかどうかは、2つの条件だけで決められます。毎回同じ手順で使えることと、同じ物差しで比べられることです。

無料か有料かは、そのあとの話になります。月に1度しか開かないツールでは前回との比較ができず、数字が増えたのか減ったのかも分からなくなるからです。

乗り換えると決めたなら、過去に書き出した一覧を新しいツールで測り直してから切り替えてください。古い数字と新しい数字が混ざった表では、どの基準で並べたのかが分からなくなります。

公開後は、実際に検索された言葉で答え合わせをする

公開したあとに見るべきなのは、順位よりも「どんな言葉で表示されたか」です。書き手が主役だと思った言葉と、実際に読者が使う言葉はずれます。

当社の記事1本を2026年6月10日から9月7日までSearch Consoleで追跡したところ、表示142回・クリック0回・平均掲載順位59.5位でした。表示回数の多い19語を並べてみると、すべて他の言葉との比較を含む語で、その記事が主役に据えた言葉は入っていなかったのです。つまり、読者はこの記事を「比べたい人向けの情報」として見ていたことになります。

持ち帰り資産:公開後の答え合わせ3ステップ
  • Search Consoleでその記事のURLを選び、90日ぶんの検索語を出す
  • 表示回数の多い順に20語を書き出し、狙った言葉があるか確かめる
  • 入っていなければ、見出しを実際の言葉に寄せて直す

この点検は、ツールの見積もりだけでは見えない部分を埋めてくれます。キーワードプランナーは「これから書く前」の道具で、Search Consoleは「書いたあと」の道具だと役割を分けておくと迷いません。

もう1つ、掛け合わせについての目安もお伝えします。当サイトの2026年7月10日から8月6日までのSearch Consoleの検索語556件では、4語以上の組み合わせは7.0%、表示回数で見ると4.5%にとどまりました。1サイト・28日ぶんの実測で、語数は空白で区切って数えた値です。

言葉を足すほど拾える、とは限らないと考えておいてください。

キーワードプランナーのよくある質問

キーワードプランナーは無料で使えますか?

キーワードプランナーは、費用をかけずに使えるツールです。利用にはGoogle広告のアカウントが必要ですが、広告を実際に配信しなければ料金は発生しません。ただし、配信していない状態では検索ボリュームが幅のある表示になることが多く、細かい数字までは見えない点に注意してください。

アカウントを作っただけで課金されますか?

アカウントの作成そのもので料金は発生しません。課金が起きるのは広告が配信され、クリックや表示が発生したときです。作成の途中で予算の入力を求められても、キャンペーンを配信しない状態にしておけば請求は起きません。

「競合性: 高」のキーワードはSEOでは避けるべきですか?

競合性は、広告の管理画面でキーワードを絞り込むときに使われる項目です。当社ではSEOの難易度とは別物として扱っており、それだけを理由に避けることはしません。むしろ、広告費を払ってでも取りに行きたい相手がいる言葉だと読むと、狙う価値が見えてくることもあります。

スマートフォンからでも使えますか?

スマートフォンのブラウザからでも開ける仕組みです。ただ、項目が多く横に長い表を扱うため、じっくり調べる作業にはパソコンのほうが向いています。移動中に思いついた言葉を確認する程度であれば、スマートフォンで十分間に合うでしょう。

まとめ

  • キーワードプランナーはGoogle広告のツールを借りて使うもの
  • 登録から候補の書き出しまでは4段階。各段階で決めることがある
  • 検索ボリュームは見積もり。競合性は広告側の指標として扱う
  • 数字は、狙いやすさと事業への近さの二軸で書く順番に変える

キーワードプランナーとは、Google広告が提供しているキーワード調査のツールでした。まず取りかかるなら、アカウントの設定を最後まで終えて、主役にする言葉を1つ入れ、出てきた候補を書き出してみてください。そのあと上位10件を実際に見て二軸で並べ替えるところまでは、1回の作業で終えられます。

公開したあとは、Search Consoleの検索語で答え合わせをするところまでが一続きの工程です。誰に向けて書くかを先に固めたい場合はペルソナとはもあわせてご覧ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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