ロングテールキーワードとは?複合キーワードとの違いと探し方

木製ブロックを一つずつ積み上げる手元。小さな記事を積み重ねるイメージ

「うちのサイトでは、大きなキーワードで上位に入るのは無理かもしれない」。記事を20本、30本と書いたのに順位が動かず、そんな気持ちになっている方に効く打ち手が、ロングテールキーワードです。

結論からお伝えすると、これは弱いサイトの妥協策ではありません。テーマによりますが、細かい言葉で取った評価は、その上にある大きな言葉へ伝わっていきます。当社は月間4,500万セッション級メディアの支援現場で、この積み上げ方を設計してきました。

この記事を読めば、言葉の意味や複合キーワードとの違い、探し方はもちろん、どのテーマで何本書き、どう束ねて、いつ成果を判断するのかまで、自分の言葉で決められるようになります。

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目次

先に結論:ロングテールは数でなく構造で決まる

まず最初に、結論からお伝えします。ロングテールキーワードの話は、次の3点を押さえておけば迷いません。

  • ロングテールキーワードは3語以上の具体的な検索語です
  • 1本の流入は小さく、束になって初めて力を持ちます
  • 成果を分けるのは本数ではなく、記事の並べ方です

1つ目は、言葉の定義です。「SEO」ではなく「SEO 記事 書き方 初心者」のように、検索する人の事情がはっきり表れた言葉を指します。何語からという公式の基準はないため、目安として受け取ってください。

2つ目は、1本ずつでは小さいという性質です。狙った言葉で1位を取っても、月の訪問は数十件ということが普通にあります。この前提を関係者と共有しないまま始めると、数字を見た瞬間に「効果がない」と判断されてしまいます。

3つ目が、この記事の中心です。細かい言葉で取った評価は、その上にある大きな言葉へ伝わります。ただし伝わるテーマと伝わらないテーマがあり、記事同士がつながっていなければ束にもなりません。判断の物差しは、記事の後半で1枚の表にまとめました。

ロングテールキーワードとは3語以上の具体的な検索語

ロングテールキーワードとは、3語以上を組み合わせた、検索される回数の少ない具体的なキーワードのことです。回数が少ないと聞くと魅力がなさそうに感じますが、そこにこそ勝ち筋があります。まずは言葉の意味と、よく似た複合キーワードや大きなキーワードとの違いを押さえていきましょう。

机に並んだ茶色い木製ブロック。大きさの違うキーワードを整理するイメージ

ロングテールキーワードの意味と語数の目安

ロングテールキーワードは、3語以上の組み合わせでできた、検索回数の少ない具体的な言葉を指します。たとえば「SEO」ではなく「SEO 記事 書き方 初心者」のような形です。

名前の由来は、売れ筋以外の商品も裾野を合計すれば大きな数になる、という考え方にあります。1本ずつは小さくても、数がそろえば無視できない量になります。この発想がそのままキーワード戦略に持ち込まれました。

ただし、何語からがロングテールなのか、検索回数がいくつ以下ならそう呼ぶのか、公式の基準はありません。3語以上という整理が広く使われていますが、あくまで目安として受け取ってください。社内で判断がぶれるようなら、「自社が今の実力で狙える具体的な言葉」という決め方でも実務は回ります。

複合キーワードとの違いは語数か検索回数か

複合キーワードとロングテールキーワードは、測っている軸が違うだけです。よく似た言葉ですが、どちらかを選ぶような関係ではありません。

複合キーワードは、語の数で決まります。「SEO 記事」のように2つ以上の言葉を組み合わせたものが該当し、数えれば誰でも判定できるでしょう。

いっぽうロングテールキーワードを決めるのは、検索される回数の少なさです。こちらは調べてみるまで分かりません。

見る点 複合キーワード ロングテールキーワード
何で決まるか 語の数 検索される回数
判定のしかた 数えれば分かる 調べないと分からない
よく使われる基準 2語以上 決まった基準はない
「SEO 記事 書き方」は あてはまる 検索回数を調べてから判断

整理すると、複合キーワードのうち、検索される回数が少ないものがロングテールキーワードという関係になります。この重なり方は、当社が実務で使っている整理だとお考えください。

ただし先ほどお伝えしたとおり、どこからが「少ない」のかに公式の基準はありません。

じつは、この関係の説明は、検索結果に並ぶページを見るかぎりそろっていません。当社で「複合キーワード」の検索結果に並んでいた10ページを調べたところ、複合キーワードを何語以上とするかは8ページが「2語以上」で一致していました。

ところがロングテールキーワードとの関係になると、6ページが触れていません。残る4ページのうち2ページは、両者を並べて書くか手法の名前として触れるにとどまり、キーワードとしての違いを説明していたのは2ページだけでした。

その2ページも、片方は検索される回数の少なさで定義したうえで多くの場合3語以上になるとし、もう片方は4語以上をロングテールと分類しています。語数で分けるのか、検索される回数で分けるのかが、ページによって違うのです。

良し悪しの話ではなく、調べる側から見ると基準が1つに定まっていない、ということです。

実務では、軸の違いがそのまま作業の違いになります。複合キーワードは机の上でいくらでも作れます。軸になる言葉に別の言葉を足していけばよいからです。

ロングテールキーワードかどうかは、作ったあとに調べないと決まりません。この順番が、後ほどお伝えする探し方の工程にそのまま効いてきます。

なお、この記事では読みやすさのために3語以上の言葉を例として使いますが、ロングテールかどうかを判定するのは、あくまで検索される回数です。

ビッグ・ミドルキーワードとの違い

キーワードは検索回数の規模によって、大きく3つに分けて語られます。

種類 検索回数の目安 例と検索する人の状態
ビッグ 月1万回以上 「SEO」。調べ始めで、まだ何を知りたいか自分でも定まっていない
ミドル 月千〜1万回 「SEO 記事」。知りたい方向は決まったが、まだ広い
ロングテール 目安としてそれ未満 「SEO 記事 書き方 初心者」。悩みも立場もはっきりしている

違いは検索回数の大小だけではありません。本当の違いは、検索する人がどこまで自分の状況を言葉にできているかにあります。言葉が細かくなるほど、その人の事情が具体的に見えてくるのです。

Googleのスターターガイドには、次のように書かれています。「そのトピックについてよく知っているユーザーは、よく知らないユーザーとは異なるキーワードを検索クエリで使用するかもしれません」。

同じテーマでも、詳しい人と初めての人では入力する言葉が変わります。ロングテールが生まれる理由はここにあるのです。検索エンジン最適化(SEO)スターター ガイド(Google検索セントラル)

ロングテールSEOという戦略との関係

「ロングテールキーワード」と「ロングテールSEO」は、指しているものが少し違います。前者は言葉そのもので、後者はその言葉を狙って記事を積み上げる進め方のことです。

会話の中で混ざっても実務が止まることはありませんが、社内では分けておくと話が早くなります。「今回はロングテールキーワードを30個洗い出す」なら作業の話、「ロングテールSEOに切り替える」なら方針の話だと伝わるからです。

なお、狙う言葉そのものの選び方や記事への入れ方は、SEOキーワードの種類と入れ方をまとめた記事で整理しました。あわせて読むと、この記事で扱う「小さい言葉をどう束ねるか」の話が立体的になります。

ロングテールキーワードを狙う3つのメリット

検索回数が少ない言葉をあえて狙うのには、はっきりした理由があるのです。ここでは、順位の取りやすさ、成果への近さ、流入の安定という3つの角度から見ていきましょう。

白い机の上に整然と置かれた木製ブロック。積み上がって安定していくイメージ
  • 競合が少なく、立ち上げ期のサイトでも上位を狙えます
  • 読者の事情が読み取れるため、記事の内容と導線が決まります
  • 本数がたまると、順位変動で一気に崩れにくくなります

上位表示の難易度が低い

いちばん分かりやすいメリットは、上位に入りやすいことです。検索する人が少ない言葉には、その言葉を正面から狙う会社も少なくなります。

大きなキーワードでは、長年運営された大手サイトや、専門メディアが上位を占めています。立ち上げて間もないサイトが同じ土俵で戦っても、内容の良し悪し以前に勝負になりません。

一方、細かい言葉なら、その悩みに正面から答えた記事が1本もない、という状況が普通に起こります。読者の具体的な困りごとに、他社より丁寧に答えるだけで上位に入る余地があるのです。ドメインの力が足りない段階でも成果を出せる理由がここにあります。

検索意図が具体的で成果につながりやすい

2つ目は、読者が何を求めているかが読み取りやすいことです。言葉が細かいほど、その人の立場や状況が文字に表れます。

「SEO」と入力した人が何を知りたいのかは分かりません。ところが「SEO 記事 外注 費用 相場」と入力した人なら、外注を検討していて、予算感を知りたい段階だとはっきり読み取れます。書くべき内容が自然に決まるのです。

読者の状況がはっきりしているぶん、記事の最後に置く案内も的を射たものになります。相談窓口を案内するのか、それとも資料を用意するのかが決めやすくなるからです。迷いのない導線が引けるため、訪問数のわりに問い合わせが生まれやすいという結果につながります。

積み上がると流入が安定する

3つ目は、記事がたまるほど流入が安定していくことです。1本あたりの訪問は月に数十件かもしれません。それが30本、50本と増えると、全体では無視できない量になります。

大きなキーワード1本に頼る形とは、崩れ方がまったく違います。順位が動いたときに、片方は流入の大半を失い、もう片方は数十本のうち数本が下がるだけで済むのです。

季節や検索の傾向が変わっても、束の中のどれかが受け止めてくれます。一発の大きさではなく、崩れにくさが本当の価値だと考えてください。

見落とされがちなデメリットと注意点

良いことばかりではありません。ロングテールを選ぶなら、弱点も先に知っておくほうが安全です。ここでは流入の小ささ、時間のかかり方、そして記事同士が競合する問題を順に取り上げます。

黒い机に置かれた木製ブロックの山。崩れやすさに注意する場面のイメージ
  • 1本目の数字を見て「効果がない」と社内で判断されてしまいます
  • 1か月で順位が動かず、別のやり方に乗り換えてしまいます
  • 言い回し違いの記事が増え、自社同士で検索結果を奪い合います

1本あたりの流入は小さい

まず受け入れておきたいのが、1本で大きな数字は出ないという事実です。狙った言葉で1位を取っても、月の訪問が数十件にとどまるケースは珍しくありません。

ここでつまずく現場をよく見てきました。1本目を公開して数字を見た担当者が「思ったより少ない」と感じ、社内でも「効果がない」と受け取られてしまうのです。

防ぐ方法はひとつです。始める前に「1本あたりは小さく、束で見て判断する」と関係者へ伝えておきましょう。期待値をそろえておけば、数字の小ささは失敗ではなく想定どおりの経過になります。

成果が見えるまで時間がかかる

2つ目は、時間の問題です。記事を公開してもすぐには評価されず、順位が落ち着くまでにも間があります。ロングテールは本数を重ねる戦い方なので、束としての効果が見えるまでには数ヶ月かかると考えておくのが現実的です。

短気になると、たいてい判断を誤ります。1か月で順位が動かないからと方針を変え、また別のやり方に手を出してしまうのです。そのくり返しで、どの施策も評価できないまま時間だけが過ぎていきます。

効果を確かめる時期は、着手前に決めておいてください。街中文学では「3か月後に束の表示回数を見て判断する」と先に決めてから書き始めます。宣言しておけば、途中の小さな増減に振り回されずに済むからです。

似た記事が増えて競合する

もっとも実害が大きいのが、この3つ目です。細かい言葉を狙い続けると、言い回しが少し違うだけの記事が増えていきます。結果として自社の記事同士が同じ検索結果で競い合い、どちらも中途半端な順位で止まってしまうのです。

Googleのスターターガイドでも、同じ情報のページが複数ある場合の対処が案内されています。最もふさわしいURLへリダイレクトを設定するか、それができない場合は正規のURLを示すタグを使う、という内容です。SEOスターター ガイド(Google検索セントラル)

つまり重複は後始末が必要な状態だと公式にも位置づけられているのです。

街中文学では、書く前に防ぐ形をとっています。新しい記事に着手する前に、狙うキーワードで自社の既存ページが表示されていないかをSearch Consoleで確認します。表示されていれば、新規で書くのかリライトするのかをその場で決めるのです。

すでに起きてしまった場合の直し方は、カニバリの原因と直し方をまとめた記事で解説しました。

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ロングテールキーワードの探し方4ステップ

ここからは実際の手順です。軸を決め、掛け合わせを洗い出し、絞り込み、書く順番を決めます。この4つを順に踏めば、思いつきで記事を選ぶ状態から抜け出せます。各ステップで「何を決めるのか」を先に一覧にしておきましょう。

キーボードの横で紙に書き出す手元。キーワード候補を洗い出す場面のイメージ
ステップ 何を決めるか 判断の物差し
1. 軸 何屋として見つかりたいか 営業資料の1ページ目に出てくる言葉か
2. 洗い出し 読者のどんな疑問を拾うか 現場でよく聞かれる質問と重なるか
3. 絞り込み 今回書く候補と見送る候補 上位の型が自社で用意できるものか
4. 順番 どれから書くか 商売に近い言葉が先に来ているか

軸になる言葉を決める

最初にやるのは、細かい言葉を探すことではありません。自社が何屋として見つかりたいかを1〜2語で決めることから始めます。

ここが決まっていないと、掛け合わせを洗い出した瞬間に候補が散らばります。集客に関係しそうな言葉を手当たり次第に集めてしまい、書いた記事同士がつながらなくなるのです。

選び方の目安は、自社の商品やサービスを説明するときに必ず使う言葉かどうかです。営業資料の1ページ目に出てくる言葉なら、たいてい軸になります。迷ったら2つまでに絞り、それ以上は別のテーマとして後回しにしてください。

掛け合わせの候補を洗い出す

軸が決まったら、そこに続く言葉を集めます。集め先はいくつもありますが、まずはGoogleの検索窓に軸を入れたときに出てくる候補と、検索結果の下に並ぶ関連する検索を見るだけで十分な数が集まります。

集めるときのコツは、言葉ではなく読者の疑問として書き写すことです。「費用 相場」ではなく「いくらかかるのかを知りたい」と変換しておくと、次の絞り込みで判断しやすくなります。

営業やサポートの担当者に「よく聞かれる質問」を10個挙げてもらうのも近道です。検索ツールには出てこない生の言葉が混ざります。集め方の詳細は関連キーワードの集め方と使い方の記事にまとめました。

掛け合わせて作った言葉が、実際に検索されているとは限りません。候補が集まると安心してしまいますが、ここは一度立ち止まるところです。

検索窓の候補や関連する検索に出てくる言葉には、少なくとも誰かが検索した形跡があります。頭の中で組み立てた言葉には、その手がかりがありません。同じ「候補」に見えても、出どころが違うのです。

当社の自社メディアで、Search Consoleに記録された言葉を数えてみました。2026年7月10日から8月6日までの28日間に556件あり、そのうち2語以上が384件(69.1%)です。

複合キーワードが検索の大半を占めていました。ところが4語以上に絞ると39件(7.0%)まで減り、表示回数で見れば全体の4.5%にとどまります。

ただし、これは1サイトの28日分ですから、そのまま一般的な傾向とは言えません。数え方にも限界があります。

空白で区切って数えたため、「文書と文章の違い」のように空白なしで打たれた言葉は1語に入っています。空白を空けずに打たれた言葉まで数えれば、長い言葉の割合はもう少し高くなるはずです。それでも当社のデータで見るかぎり、語を足すほど検索する人が減っていくという向きは読み取れます。

作った候補は、検索窓の候補や関連する検索に同じ形で出てくるかを確かめてから次に進んでください。出てこない言葉は、いったん保留にしておくと安全です。

ボリュームと検索意図で絞り込む

集めた候補を全部書くわけにはいきません。絞り込みでは2つの物差しを使います。1つは検索回数、もう1つは検索意図です。

検索回数はキーワードプランナーなどで確認できますが、注意点があります。Google広告のヘルプでも「キーワードが 1 か月に獲得する検索数の見積もりを確認できます」と書かれているとおり、あの数字は推定値です。キーワード プランナーを使う(Google広告ヘルプ)

街中文学では、ツールの見積もりとSearch Consoleの表示回数を必ず並べて見るようにしています。ロングテールは「0」や「10未満」と表示されることも多く、そこで切り捨てると本当に困っている読者を取りこぼすからです。数字の読み方は検索ボリュームの目安を解説した記事で詳しく扱いました。

もう1つの物差しである検索意図は、実際に検索して確かめます。上位に並ぶページの型が自社で用意できるものと違うなら、その言葉は今回見送る判断になります。

書く順番を決める

絞り込んだ候補には、必ず順番をつけてください。上から書けるようにしておくと、担当者が代わっても運用が止まりません。

順番の決め方はシンプルです。商売に近い言葉から先に書きます。費用・依頼・選び方といった、検討が進んだ人が使う言葉を押さえてから、その手前の疑問に答える記事を足していく形になります。

逆に、知識だけを求めている言葉から書き始めると、訪問は増えても問い合わせにつながらない期間が長引くでしょう。選定の全体像はSEOキーワード選定のやり方をまとめた記事で解説しました。

数ではなく構造で勝つロングテール設計

ここが本記事でいちばんお伝えしたい部分です。ロングテールで成果が出るかどうかは、書いた本数ではなく、その記事たちがどう並んでいるかで決まります。評価が上へ伝わる仕組みから、判断の時期までを順に見ていきましょう。

書類の上に並べた付箋とペン。記事の並べ方を設計する場面のイメージ

3語で取った評価は2語へ波及する

細かい言葉で取った順位は、その上にある大きな言葉へ伝わっていきます。ロングテールが「弱者の妥協策」ではなく戦略と呼ばれるのは、この性質があるからです。

理由は2つあります。1つは、大きな言葉の意図の中に細かい言葉の意図が含まれているという関係です。「SEO 記事 書き方」を知りたい人の関心は、そのまま「SEO 記事」という広い関心の一部になっています。

もう1つは、細かいページを厚く持っていること自体が、そのテーマに詳しいサイトだという証拠として受け取られる点です。深い話まで書いてある場所は、浅い質問にも答えられるはずだと見なされる、と当社は考えています。この2つ目は公式に明言されたものではなく、支援の現場で確かめてきた見方です。

この順序を逆にすると、うまくいきません。大きな言葉の記事を1本だけ立派に作っても、支える記事がなければ「たまたま詳しい1ページ」で終わります。

先に足元を厚くしてから、その上に旗を立てます。これがロングテール設計の骨格です。

ただし、この波及はどのテーマでも起きるわけではありません。見分け方は次の項で扱いましょう。

波及するテーマと分けるべきテーマ

波及するかどうかは、大きな言葉と細かい言葉で、検索結果に並ぶページの型が同じかどうかで見分けられます。どちらも解説記事が並ぶなら束ねる価値があり、片方に一覧ページや比較表ばかり並ぶなら、求められているものが違うと判断してください。

ここを見誤ると、いくら本数を増やしても大きな言葉が動かない状態になります。

確かめること 束ねて評価を集める 役割を分けて運用する
上位に並ぶページの型 大きい言葉も細かい言葉も解説記事が中心 片方だけ一覧・比較・サービスページが中心
読者が求めているもの どちらも「知りたい」で一貫している 大きい言葉は知りたい、細かい言葉は選びたい
とるべき打ち手 細かい記事を厚くし、入口記事へリンクを集める 記事とサービスページで担当を分け、相互に案内する
成果の測り方 束の合計と、大きい言葉の順位を並べて見る それぞれ別の指標で見る(記事は流入、サービスは問い合わせ)

判断に迷ったら、狙う言葉で実際に検索してみてください。10件のうち何件が自社と同じ型のページかを数えるだけで、束ねるべきか分けるべきかはほぼ見えます。

似た複合キーワードが横に並んだときも、同じやり方で判定できます。ここまでは大きい言葉と細かい言葉という縦の関係でしたが、考え方は変わりません。

「1つのキーワードに1ページ」という原則をよく見かけます。これを言葉の数だけ記事を作る意味で受け取ると、記事が細切れになってしまうでしょう。

基準になるのは言葉の数ではなく、読者が求めている答えが同じかどうかです。

当社が2026年7月に自社メディア用へ作った552件のキーワード設計では、設計の段階で1つの記事に割り当てたサブキーワードが平均9.2個、中央値で6個ありました。中身を見ると、「料金」と「相場」のようにほぼ同じ答えで足りるものと、「使い方」と「他のサービスとの違い」のように答えが変わるものが混ざっています。

数が多いこと自体は、記事を分ける理由になりません。同じ答えで足りる言葉は1本にまとめ、答えが変わるところで分けます。これが実際の運用です。

内部リンクで束ねて入口をつくる

評価が自然に伝わるわけではありません。記事同士がつながっていて初めて、束としてまとまります。

やることは2つあります。1つ目は、テーマごとに入口となる記事を1本決めることです。2つ目は、細かい記事からその入口へ、入口から細かい記事へ、双方向にリンクを置くことになります。

このとき、リンクの文言を「こちら」で済ませないでください。何が書いてあるページなのかが分かる言葉にすると、読者もクリックしやすくなります。

逆に、書きっぱなしで記事が散らばっている状態は、いくら本数があっても束になりません。個々の記事は検索に出ていても、大きな言葉へ評価が集まる先がないからです。

本数を増やす前に、集める先を決めましょう。順番はここでも大切になります。

何本書き、いつ判断するか

最後に、多くの方が迷う「何本書けばいいのか」にお答えします。テーマの広さで変わるため決まった数はありません。街中文学では1つの束につき10本前後を目安に、まとまりが作れる単位で区切るようにしています。

3本では束の形が見えず、50本を一度に計画すると途中で止まります。10本前後なら、入口記事1本と支える記事で構造を作れて、公開しきるまでの見通しも立てやすいはずです。

判断の仕方にも工夫が要ります。街中文学では、ロングテールの記事を1本ずつ評価しません。

同じテーマの束ごとにSearch Consoleの表示回数を合計し、束として伸びているかを見ています。1本ずつ見ると数が小さすぎて、伸びているのか誤差なのか判断できないからです。

ここで使う表示回数は、Search Consoleのヘルプで「サイトが検索結果に表示された回数」と定義されている数字です。クリックされたかどうかに関係なく、検索結果に出た回数が積み上がっていくため、束が育っているかを測る物差しとして扱えます。検索パフォーマンス レポート(Search Consoleヘルプ)

束が伸びていないときは、記事を足す前に入口とリンクの設計を見直してください。数を増やして解決する問題と、構造を直して解決する問題は別物です。公開後の実際の検索語の読み方は、検索クエリの読み方をまとめた記事で詳しく扱いました。

今泉の視点:ロングテールの相談で最初に聞かれるのは、たいてい「何本書けばいいですか」です。私はその前に、書いた記事たちがどこへ評価を集めるのかを確認します。集める先が決まっていない状態で本数だけ増やすと、検索に出ている記事が並ぶだけで、大きな言葉はいつまでも動きません。

判断も1本ずつではなく、テーマの束ごとに見ています。伸びない束に記事を足すのは、ほとんどの場合いちばん効かない一手です。

ロングテールキーワードのよくあるご質問

ロングテールキーワードは何語からですか?

3語以上という整理が広く使われていますが、公式の基準はありません。語数より、検索する人の状況がはっきり読み取れるかどうかで判断するほうが実務では役立ちます。2語でも「SEO 内製化」のように立場が見える言葉なら、同じ考え方で狙えるでしょう。

複合キーワードとロングテールキーワードは同じものですか?

同じものではありません。複合キーワードは2語以上を組み合わせた言葉全般を指し、そのうち検索される回数が少ないものがロングテールキーワードです。複合キーワードは数えれば判定できますが、ロングテールかどうかは検索される回数を調べないと分かりません。

ロングテールキーワードの記事は何本必要ですか?

テーマの広さで変わりますが、1つの束につき10本前後が目安になります。3本では束の形が見えず、50本を一度に計画すると途中で止まりやすいためです。入口となる記事を1本決め、それを支える記事を並べられる単位で区切ってください。

検索ボリュームが0のキーワードは書かないほうがいいですか?

キーワードプランナーの数字は見積もりなので、0という表示だけで切り捨てないでください。Google広告のヘルプにも、1か月に獲得する検索数の見積もりだと明記されています。実際に問い合わせで聞かれている質問なら、需要は存在します。判断はツールの数字とSearch Consoleの表示回数を並べて行いましょう。

似たロングテールキーワードは別々の記事にすべきですか?

判断の基準は、実際に検索したときに上位へ並ぶページの顔ぶれです。同じ顔ぶれなら1本にまとめ、違うなら求められている答えが違うので別記事に分けてください。判断がつかないまま書き分けると、自社の記事同士が同じ検索結果で競い合う原因になります。

1つの記事で複数のキーワードを狙ってもいいですか?

狙って構いません。1つのキーワードに1ページという原則は、言葉の数だけ記事を作るという意味ではないからです。当社が2026年7月に作った設計では1記事あたりのサブキーワードが平均9.2個・中央値6個あり、数の多さではなく読者が求める答えが変わるかどうかで分けています。

まとめ

ロングテールキーワードは3語以上の具体的な検索語で、1本の流入は小さくても束になると崩れにくい資産になります。成果を分けるのは本数ではなく、細かい記事から大きな言葉へ評価が集まる並べ方です。

今日できる一歩として、いま公開している記事を1つのテーマで束ねてみてください。入口になる記事を1本決め、そこへ細かい記事からリンクを引くだけで構造は動き始めます。設計から一緒に考えたいときは、街中文学にご相談ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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