「SEOに文字数は関係ない、とは聞くけれど、発注書には何文字と書けばいいのだろう」。記事の制作に関わっていると、この矛盾に必ずぶつかります。上位記事を数えて平均に合わせたものの、その数字に自分でも根拠を持てないまま進めている方は少なくありません。
結論からお伝えすると、文字数は目標ではなく、見出しの設計から決まる結果です。Googleの公式見解を確かめたうえで、自社メディア239本の実測と、キーワードを変えると答えが正反対になった調査結果を並べました。
読み終えるころには、上位の平均に合わせる作業から離れて、「この記事はここまで書けば終わり」を自分で決められるようになるはずです。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
先に結論:文字数は目標ではなく結果
まず最初に、結論からお伝えします。
- Googleは最小や最大の文字数は存在しないと公式に書いています
- 否定されたのは長さだけを調節する行為で、内容の充実は問われます
- 文字数は見出しの設計から決まる結果であり、目標ではありません
1つ目は、Googleが何を言っているかという事実です。公式ドキュメントには、重要でないと考えることの一覧に「コンテンツの最小長と最大長」という項目が立っています。伝聞ではなく日本語の公式ページで読める内容でした。
2つ目は、その否定がどこまでを指すかという線引きになります。原文は「コンテンツの長さだけを調節しても無意味です」と書いており、長さに意味がないとは述べていません。同じGoogleの別ドキュメントには、そのトピックを実質的に説明できているかを問う項目もあります。
3つ目は、では実務でどうするかという話です。発注書には数字を書かねばならず、「関係ありません」だけでは仕事が進みません。当社は文字数を先に決めず、見出しを何本立てるかと、見出し1本にどれだけ書くかから逆算しています。
| あなたの状況 | 先に読むとよい章 |
|---|---|
| 本当に関係ないのかを確かめたい | SEOで文字数は評価されるのかを実測する |
| 自分の記事は何文字書けばよいか知りたい | SEO記事の文字数は見出しから逆算する |
| 上司や取引先に説明する材料がほしい | SEOの最適な文字数はキーワードで変わる |
| 書いた記事が長すぎないか点検したい | 文字数を増やす前に確かめる3つのこと |
SEOで文字数は評価されるのかを実測する
文字数がランキングに影響するのかを3つの角度から確かめます。Googleの公式見解、自社メディア239本の実測、そしてAI検索での扱いです。

Googleが文字数について述べている範囲
Googleは公式ドキュメントで、コンテンツの長さだけを調節しても無意味であり、優先する文字数というものは存在しないと書いています。ただし否定されている範囲には条件が付いており、そこを落とすと事実誤認になります。
「上位に表示させるという目的に関しては、コンテンツの長さだけを調節しても無意味です(魔法の文字数も、最小や最大の文字数も存在しませんが、おそらくゼロにすべきではないでしょう)。」(SEO スターター ガイド)
注目していただきたいのは「長さだけを調節しても」という部分です。中身を変えずに長さをいじる行為が無意味だと言っており、長さは無関係だとは述べていません。
もう1本の公式ドキュメント「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」(日本語版 2025年12月18日更新)にも、同じ趣旨の項目があります。
見直すべき兆候を並べた一覧の中に、次の質問が置かれていました。「Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか」。そして括弧で「そのような設定は存在しません」と添えられています。
ところが同じドキュメントの別の節には、「コンテンツには、特定のトピックに対して実質的な内容を伴う詳細または包括的な説明が記載されていますか」という質問もあります。文字数は問わないが、説明が十分かどうかは問う。この2つが同じドキュメントに併存していることが、文字数の位置づけを示していました。
2022年9月にはGoogleのJohn Mueller氏が、文字数はそのページが内容の薄いページである証拠にはならないと述べています。何が読者の役に立ち何が中身のない飾りかは書き手が判断できるはずだ、という趣旨でした(Search Engine Roundtableが報じた英語の投稿を要約しています)。
自社239本の実測で見えた文字数と順位
当社のメディアで測ったところ、10位以内に入っている記事のほうが、下位に沈んだ記事より短いという結果が出ました。
対象は公開記事239本の本文文字数と検索結果での成績です。集計は2026年7月6日から8月2日までの28日間で、Search ConsoleとWordPressのデータを突き合わせました。この期間に検索結果へ表示されたのは239本中110本です。
| 区分(表示された110本の内訳) | 本数 | 本文文字数の中央値 |
|---|---|---|
| 10位以内に入っている記事 | 26本 | 5,362字 |
| 21位以下に滞留している記事 | 61本 | 6,978字 |
その差は1,600字ほどです。10位以内の26本の幅は3,340字から11,815字まで散らばり、特定の文字数に集まる傾向は見えません。
限界も正直にお伝えします。当社のメディアは長い記事ほど公開が新しく、6,000字から10,000字の記事は公開から5日から10日しか経っていません。評価が定まる前の記事が長い側に集まるため、「長いと順位が下がる」という因果としては読めないのです。
一方、文字数と明確に連動していた指標もありました。
| 本文の文字数 | 本数 | 1本あたりの表示回数 | 検索結果に出た記事の割合 |
|---|---|---|---|
| 4,000字未満 | 21本 | 2.2回 | 28.6% |
| 4,000〜6,000字 | 137本 | 6.5回 | 40.1% |
| 6,000〜8,000字 | 43本 | 10.4回 | 60.5% |
| 8,000〜10,000字 | 32本 | 24.1回 | 53.1% |
| 10,000字以上 | 6本 | 212.2回 | 100.0% |
表示回数はきれいに増えているのに、順位は上がっていません。ただし10,000字以上はわずか6本しかないため、この帯の数字は参考値として見てください。
それでも読み取れることがあります。文字数を増やす作業は、順位を上げる作業ではなく、表示される検索語の種類を広げる作業に近いのです。
Googleの公式ドキュメントも、先ほどの引用の直後で同じことに触れていました。言葉にバリエーションを持たせれば使用するキーワードが増えます。そのぶん検索に表示されるチャンスも多くなる、という記述です。
ここに落とし穴があるのです。加筆後にSearch Consoleを開くと表示回数が伸びているため、書き手は「増やしたぶんだけ上に行った」と感じやすくなります。動いたのは順位ではなく、表示される機会の数でした。
当社自身も、2026年7月から8月にかけて記事を大幅に書き足す改稿を進めています。本文が8,000字を超えた11本では、改稿前が約1,600字から約7,800字、改稿後は8,000字から11,000字台になりました。ただし増量後の効果はまだ計測中で、「増やしたから上がった」とは書けない段階です。実測が出るまでは、自社の取り組みも結論として扱いません。
この構図は外部の調査でも確認できます。日本語のSEO記事で繰り返し引用される「検索1ページ目の平均は1,447語」という数字は、Backlinkoが1,180万件の検索結果を分析した調査が出所です。
そしてその調査自身が、結論にこう書いています。長文コンテンツは被リンクの獲得に向く傾向があるものの、文字数と順位のあいだに直接的な関係は見つからなかった、と(Backlinko。2020年4月公開・2025年4月更新。英語の原文を要約しました)。
孫引きの過程で、原典の但し書きだけが落ちているわけです。
AI検索でも文字数の位置づけは同じ
AIによる要約が検索結果に出るようになり、分量の考え方も変わったのかという質問をよくいただきます。Googleの回答は明確でした。
「ただし、オーディエンスやトピックによっては、短いページ(または長いページ)が効果的な場合もあります。理想的なページ長というものはありません。」(Google 検索の生成 AI 機能向けにウェブサイトを最適化する)
本記事の執筆時点(2026年8月)で最も新しいGoogle公式の言及です。同ガイドには、AIに理解させるためコンテンツを細かく分割する必要はないとも書かれています。「AI向けに短く区切るべきだ」という助言も見かけますが、Google検索についてはその必要がないという立場でした。
Ahrefsが2025年12月に公開した調査では、AIによる要約56万件と引用された170万件近いURLを分析しています。引用されたページの53.4%が1,000語未満で、文字数と引用順位の相関は0.04とほぼゼロでした。
ただし注意が必要です。AI検索と分量の関係を調べた第三者の調査は結論が真っ二つに割れており、その原因は測っている指標の違いにありました。
| 測っているもの | 出やすい結論 | 理由 |
|---|---|---|
| 1ページあたりの引用件数 | 長いほうが多い | 触れる話題が多いぶん、拾われる箇所も増える |
| 取得されたページのうち引用された割合 | 長さは有利にならない | 1本あたりで見ると長さの効果が消える |
「AI検索では長い記事が引用される」という情報に出会ったら、件数と割合のどちらを測ったのかを確かめてください。対象がChatGPTなのかGoogleのAI要約なのかでも結果は変わります。
SEOの最適な文字数はキーワードで変わる
「では結局、何文字が正解なのか」に1つの数字で答えられない理由をお見せします。当社が同じ手順で6つのキーワードを測った結果と、日本でよく言われる目安の出所を確かめた記録です。

6キーワードで測った文字数のレンジ
上位に並ぶ分量は、狙うキーワードが変われば別物になります。当社は記事のリライトに着手する前、必ず対策キーワードの上位ページを実測しています。
2026年8月上旬に測った6キーワードの結果が次のとおりです。検索結果を取得し、上位ページのHTMLから本文領域だけを機械的に数えました。
| 調査したキーワード | 上位ページの本文文字数 |
|---|---|
| seo記事 書き方 | 10,300〜17,100字(平均 約14,740字) |
| SEO記事作成代行 | 8,500〜18,000字(記事型のみ。6位はサービス紹介型で2,500〜3,000字) |
| 監修者とは | 約3,300〜約14,300字 |
| 検索意図 | 約5,800〜約11,800字 |
| 被リンク | 約6,990〜約9,500字 |
| 添削・校正・校閲・推敲の違い | 約670〜約10,400字 |
どれも同じ「SEO記事」のくくりに入りますが、上位の中心となる分量は約7,000字から約15,000字まで倍以上ふれていました。「SEOは何文字」という問いに1つの数字で答えられないことが、自社の実測6本だけで確かめられます。目安の数字を探す時間より、自分が狙うキーワードで実際に測る時間のほうが役に立つのです。
670字が6位に入った検索結果の中身
表の両端にある2つのキーワードを詳しく見ると、答えが正反対になっていました。
1つ目の「seo記事 書き方」では、当社が計測した2位から6位までの5本がいずれも10,300字以上で、上限は17,100字、平均は約14,740字でした。この検索結果では、1万字を超える分量が並んでいます。長さが必要な検索意図だと言えます。
2つ目の「添削 校正 校閲 推敲 違い」は、同じ日に同じ手順で測って次の結果でした。計測したのは3位・4位・6位・8位・9位の5本です。
| 検索順位 | 本文文字数 | 比較表の有無 |
|---|---|---|
| 3位 | 約2,335字 | なし |
| 4位 | 約795字 | なし |
| 6位 | 約670字 | あり |
| 8位 | 約10,400字 | なし |
| 9位 | 約2,062字 | なし |
670字のページが6位にいて、10,400字のページが8位にいます。ここで効いていたのは長さではなく、4つの言葉の関係を1枚で示せているかどうかでした。比較表を持っていたのは1社だけで、その1社が670字で6位に入っています。
このとき当社の記事は6,439字あり、記事型の競合4社の2.8倍から9.6倍の分量がありました。それでも順位は下です。読者が求めていたのは説明の量ではなく、違いが一目で分かる整理でした。
2000文字という目安の出所を調べた
2,000文字という数字の一次的な出所は、当社が調べた範囲では特定できませんでした。
「SEOには2,000文字必要」「3,000字以上が目安」といった数字をよく見かけます。当社は2026年8月、目安の数字を掲げている日本語記事3件を実際に開き、その根拠が何なのかを確かめました。特定の媒体を批判する意図はないため、媒体名は挙げません。
- 3,000字以上必要:統計データの提示がなく、論理からの推定でした
- 10,000字前後が目安:記事自身が「精密な数値的根拠はない」と明記しています
- 上位10サイトの平均に合わせる:手法は透明ですが、平均だから上位という因果は確かめられていません
- 2,000文字が最低ライン:数字の出所そのものを特定できませんでした
4つ目だけは手続きが違います。開いた3件とは別に、2,000文字という数字の出所そのものを追いかけた結果です。それでも一次的な出所には行き着けませんでした。
ここで補助線になるのが、英語と日本語で数える単位が違うという点でした。
英語圏のSEO情報は「word」つまり単語の数で語られ、日本語は文字の数で語られます。この換算は翻訳する方向によって変わります。
日本語から英語へ訳す場合、翻訳の実務では日本語400字が英語200語前後になるとされ、1語あたり約2文字です。逆に英語から日本語へ訳す場合は、Googleの公式ドキュメントの英語版と日本語版を突き合わせて数えると1語あたり約3.2文字でした。カタカナ語が長くなるぶん膨らむためです。
以降の換算は、この幅の内側をとって英語1語がおおむね日本語2文字から3文字という概算で進めます。
この換算を当てはめると、英語圏で語られる「2,000 words」は日本語でおおよそ4,000字から6,000字にあたります。「2,000」という数字だけが単位を落として輸入された可能性はありますが、これは推測であって断定できません。当社が確かめられたのは、その数字に一次的な根拠が見つからなかったという事実までです。
SEO記事の文字数は見出しから逆算する
ここからが実務です。文字数を目標にしないとしても、書き始める前に見当をつけなければ構成が組めません。当社は「見出しを何本立てて、1本にどれだけ書くか」から逆算しています。

上位10本の文字数を自分で測る手順
最初にやることは、他人の目安を探すのをやめて、自分の狙う検索結果を測ることです。当社が記事の着手前に必ず行っている手順を、そのまま公開します。
広告や動画の枠は除き、自然検索の結果だけを対象にします。
ヘッダー・フッター・サイドバー・関連記事の一覧は含めません。HTMLタグを除いて数えられる文字数カウントツールを使うと、実際の本文に近い数字が出ます。
最小値と最大値を並べてみてください。幅が狭ければ分量が意味を持つ検索意図、広ければ分量以外の要素で順位が決まっている検索意図だと読めます。
ここがいちばん大事な工程です。そのページが何で勝っているのかを見つけると、自分の記事に本当に必要なものが分かります。
4つ目を飛ばさないでください。当社が「添削 校正 校閲 推敲 違い」を測ったとき、670字で6位のページを開いて初めて、勝因が比較表だと分かりました。数字を眺めるだけでは出てこない発見です。
なお、ここで測った数字は必要な情報量の見積もりに使うものであって、目標値ではありません。Backlinkoは1,180万件を分析して順位との直接的な関係を見つけられず、Ahrefsも自社の調査記事で相関は因果を証明しないと明記しています。そもそもベンダーの調査は結論そのものが割れており、分量が上位の理由だと確かめた調査は見当たりません。
見出し1本あたりの字数から逆算する
情報量の見当がついたら、構成に落とします。当社の逆算は単純で、記事に必ず入る部分を固定費として引き、残りを見出しの本数で割るだけです。
| 記事の部分 | 当社の目安 |
|---|---|
| 導入文 | 約300字 |
| 先に結論の章 | 約500字 |
| よくある質問(4問) | 約650字 |
| まとめ | 約200字 |
| その他の固定パーツ | 約350字 |
| 固定費の合計 | 約2,000字 |
8,000字を目安にするなら残りは約6,000字です。小見出し1本あたり400字で割ると15本、500字なら12本という計算になります。見出しの本数と1本あたりの厚みを決めれば、全体の分量は自然に決まります。
1本あたりの目安には、外部の調査とも重なる数字がありました。SE Rankingが2025年11月に公開したChatGPT対象の調査(ページ21万件)を見てみます。
見出しと見出しのあいだが英語で120語から180語のページは、平均被引用件数が最も多く4.6件でした。前述の換算を当てはめると、日本語でおおよそ250字から500字にあたります。当社が運用している330字から400字という幅も、この範囲に収まっていました。
ただしこの調査が測っているのは引用の件数であって割合ではありません。対象もChatGPTに限られ、英語のデータで日本語の検証はありません。数字が一致したことを強い根拠にはできないということです。それでも見出し1本を極端に短くも長くもしない考え方は、検索とAIの両方で無理がなさそうだと判断しています。
見出しを減らすと品質評価は上がった
見出しを減らしたほうが、当社の採点は上がりました。当社の記事は、書いた本人ではなく執筆に関与していない担当が100点満点で採点し、90点以上でなければ公開しません。この採点に、見出しの本数が品質へ効いた実例が残っています。
| 記事 | 小見出しの本数 | 合格までの採点回数 |
|---|---|---|
| オウンドメディアの記事 | 15本 | 3回(1回目は88点で不合格) |
| SEO事例の記事 | 12本 | 1回(95点で合格) |
2本とも扱った出典の密度は同じで、公的機関の資料や公式ドキュメントを複数引用しています。違ったのは見出しの本数だけでした。15本の記事では、指摘に応えて加筆するたび分量の枠を守るため別の段落を削ることになり、直しては削る往復が3回続いています。
理由ははっきりしていました。引用を正確に書くと、1箇所あたり100字から150字を使います。
誰がいつ発表した資料か、何件を対象にした調査か、どんな条件で測ったのか。省けば信頼できない文章になり、書けば分量を食うのです。
当社は、引用を4本以上使う予定なら構成の段階で小見出しを12本から14本に落とす、という運用にしました。
同じ分量の枠なら、見出しを増やして薄く広げるより、減らして1本を厚くしたほうが評価が上がったという事実です。文字数を増やすことと記事が良くなることは、同じ方向を向いていませんでした。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
文字数を増やす前に確かめる3つのこと
加筆と水増しの分かれ目は、増えた字数ではなく増えた中身にあります。記事が短い気がするから足しておこう、と考える場面は必ず来るものです。その判断の物差しと、文字数の代わりに当社が使っている基準をお伝えします。

加筆と水増しを分ける判断の物差し
Googleは水増しに対してはっきりした立場を示しました。品質評価者に配布している指針(2025年9月11日版)には「filler」という項目があります。価値をほとんど加えないのにページを膨らませる内容が、低品質と判断する材料に挙げられました。
この指針は評価者向けであってランキングの計算方法そのものではありません。それでもGoogleが何を低品質と考えているかは読み取れます。
とはいえ、自分の加筆が水増しかどうかは判断しにくいものです。当社は次の2つを対にして考えています。
- 読者の次の疑問に答えるもの
- 判断の根拠になる数字と出典
- 実際にあった具体例
- 読者が迷いやすい条件の但し書き
- すでに書いたことの言い換え
- 一般論の繰り返し
- 前置きや心構えの長い説明
- 本題と関係の薄い周辺の話題
迷ったときの物差しは1つです。その段落を消したときに読者が困るかどうか。困らないなら、それは書き手の不安を埋めるための文章でしょう。
当社にも基準を超えた分量で公開した記事があります。社内基準は5,000字から8,000字ですが、8,953字の記事について採点担当は減点しないと判断しました。
理由は3つ記録されています。必須の基準が「5,000字以上」で上限の項目がなかったこと。通読しても繰り返しや中身のない一般論が見当たらなかったこと。増えた分の多くが採点の指摘に答えるための加筆だったことです。
分かれ目は字数そのものではなく、増えた中身が何だったかでした。
逆に、字数を増やさずに読みやすさを上げられる場面もあります。2026年8月、当社の記事が分量の枠まで残り26字という状態で採点を受けたことがありました。4文140字の段落と158字の段落が読みにくいという減点でした。
加筆する余裕はありません。対応したのは段落を2つに分けることだけで、文字を1字も増やさずに指摘を解消できました。段落の分割・語尾の言い換え・表現の一本化は、加筆なしで効く修正です。
増やす内容が自社の別記事と重ならないか
加筆の前にもう1つ確かめてください。足そうとしている内容が、自社の別記事とすでに重なっていないかどうかです。
当社は2026年8月、自社メディアの診断でこの問題に直面しました。SEO記事の書き方を扱う記事を厚くしようとしたところ、同じ検索意図をカバーする自社記事が5本あり、うち1本は9,196字で制作工程を詳しく解説していたのです。
診断の結論は、対象の記事が手順を厚く書くほどその9,196字の記事と正面から衝突するというものでした。字数を足す方向の改善が、自社の記事どうしで検索順位を取り合う状態を深めてしまうわけです。
この状態は書き手から見えにくいという特徴があります。1本だけを開いていると「まだ薄いから足そう」としか思えず、サイト全体で見て初めて重複が分かるためです。当社は着手前に公開済みの記事を全文検索し、同じ話題を扱っていないか確認する運用にしました。
この記事でもタイトルやメタディスクリプションの文字数には踏み込んでいません。それぞれタイトルの付け方の記事とディスクリプションの文字数の記事で扱っており、ここで繰り返せば同じことが起きるからです。記事冒頭のリード文の文字数を扱った記事もあります。
文字数の代わりに使う顧客価値の4段階
文字数を目標にしないなら、何を基準に「ここまで書けば終わり」と判断するのか。当社が社内で持っている記事品質の基準では、価値を4つの段階に分けています。
| 段階 | 内容 |
|---|---|
| 基本的価値 | 質問に直接答えていて、誤りがない状態です |
| 期待価値 | 構成が分かりやすく、読みやすく整理されています |
| 願望価値 | 周辺の疑問にも先回りして答えています |
| 予想外価値 | 一次情報や独自データ、専門家ならではの視点で読者が驚きます |
この4段階のどこにも文字数は出てきません。分量は価値の構成要素として数えられていないのです。
当社の社内ナレッジでも、テーマの違う5つのページが、記事の良し悪しを量で判断することを共通の落とし穴に挙げています。そのうち1ページは「良い記事 = 文字数が多い記事」という言い方で注意を促していました。
当社が公開前に必ず答えている質問は3つあります。
- 読者は明日から何を変えられるか
- 読者はこの内容を上司に3分で説明できるか
- この記事にしかない情報は何か
3つとも答えられるなら、5,000字でも十分な記事になります。
それにしても、なぜ文字数ばかりが指標として使われるのでしょうか。理由の1つは、文字数が機械で数えられる数少ない項目だからです。
当社は記事の点検を機械と人で分けています。機械に任せるのは、判定の基準が1つに決まるものだけです。語尾が3回続いていないか、見出しの構造が崩れていないか、文字数が下限に届いているか、といった項目にあたります。
ただし機械には見えない範囲があります。当社の点検ツールが読んでいるのは本文の段落だけで、箇条書きや表の中身、見出しは対象外です。
実際に装飾ボックスの中で3つの項目が同じ語尾で揃っていても、機械は通過させました。人が読んで初めて指摘が出たのです。
読者が明日から何を変えられるか、上司に3分で説明できるかは数えられません。数えられる指標だけで記事を管理すると、数えられない部分が抜け落ちていきます。文字数を目標にしない理由は、突き詰めればここにあります。
とはいえ社内やチームで数字を決めなければならない場面もあるでしょう。当社の基準の書き方を紹介します。
1. 見出しに「結果として到達する水準」と書く(当社の基準表の見出しがまさにこれです。「文字数の下限3階層(結果として到達する水準・水増し禁止)」と書き、目標ではないことを表そのもので示しています)
2. 必須にするのは下限だけにする(上側の数字は設計の目安として置きます。目安を超えたことだけを理由に削らないと決めておけば、機械的な圧縮が起きません)
3. 記事の種類ごとに幅を持たせる(当社は看板記事を8,000字以上、通常記事を5,000字以上としています。1つの数字で全記事を縛らないことが、無理な引き延ばしを防ぎます)
今泉の視点:2026年8月、私は自社の記事制作から文字数の上限を撤廃しました。社内基準の8,000字に許容幅を足した9,200字を、点検ツールの上限として長く運用してきました。その判断を変えたのです。理由は2つあります。競合の上位ページを実測しても文字数と順位に相関が見られなかったこと、そして数十字のために圧縮を繰り返すと、削ったせいで別の粗が生まれると分かったことです。
正直に言えば、この上限は自分たちの点検ツールの設定値にすぎませんでした。それを技術的な制限のように扱っていた時期があります。いまは判断の基準を「読者にとって最適な情報を届けられているか」に置き直し、点検ツールからも上限の判定を外しています。数字を持つなら、その数字を外す条件も一緒に決めておくべきだというのが、失敗を経ての私の判断です。
SEOの文字数に関するよくある質問
まとめ
Googleが否定しているのは長さだけを調節する行為であって、内容の充実はむしろ問われています。当社が自社メディア239本を測った結果でも、上位にいる記事のほうがむしろ短く、特定の分量に集まる傾向は見えませんでした。
- 文字数は目標ではなく、見出し設計から決まる結果
- 最適な分量はキーワードごとに違う(実測で約670字〜約18,000字)
- 増やす前に「消しても読者が困らないか」で判断する
次に取り組むなら、狙っているキーワードで上位10本の本文を測り、短いのに上位にいるページを1本開いてみてください。そのページが何で勝っているのかが分かれば、自分の記事に足すべきものは分量ではないと気づけるはずです。
自社の記事が長すぎるのか足りないのかを判断しかねる場合は、当社の無料相談でも承っています。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
