「SNSもやったほうがいいんじゃないか」と言われて、答えに詰まったことはないでしょうか。調べてみると、多くの記事に「両方やりましょう」と書かれています。けれども担当が1人しかいない会社で、オウンドメディアの記事も書いて毎日投稿もするのは、現実には難しい話です。
株式会社街中文学は月間4,500万セッション級のメディアの支援を担当し、当社のライティングチームは2023年の創業以来、顧客向け記事を累計1,000本以上納品してきました(2026年7月時点)。その現場で確かめてきたのは、両方を同じ物差しで測ろうとすると、どちらも続かなくなるということです。
読み終えるころには、自社はどちらを先に厚くするかを自分で決められ、その理由を社内で1分で説明できる状態になります。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
先に結論:測るものが違うので比べない
まず最初に、結論からお伝えします。
- 記事は自社の土地に建て、SNS投稿は借りた場所に置きます
- 拡散が検索順位に効くという記載は、現行の公式文書にありません
- だから同じ物差しで比べず、どちらを厚くするかだけ決めます
1つ目は、置き場所の違いについてです。Xの利用規約には、投稿の削除や表示の制限、アカウントの停止をユーザーに責任を負うことなく行えると書かれています。書いた中身は自分のものとして残りますが、それを置く場所と読者に届く経路は、自分の側にはありません。
2つ目は、併用の根拠としてよく挙がる主張についてです。当社が2026年8月7日にGoogleの主要な公式文書を確認したところ、SNSでの拡散が検索順位に影響するという記載は見つかりませんでした。ただし影響しないという否定の記載も同じくないため、公式が沈黙している論点だと考えています。
3つ目は、その2つを踏まえた実務の判断です。訪問数だけで両方を比べるとSNSは小さく見えがちなので、測る指標を分けたうえで、自社の体制と商材からどちらを先に厚くするかを決めます。
記事とSNS投稿は置き場所が違う
オウンドメディアとSNSの違いは、よく「蓄積と拡散」と説明されます。間違いではありませんが、この言い方だと、どちらを先にやるかを決める役には立ちません。もう一段だけ下りて、そもそも書いたものがどこに置かれるのかから見ていきます。

検索は探しに来る、SNSは流れてくる
いちばん根っこにあるのは、読者がどうやってその文章にたどり着くかの違いです。
検索では、読者のほうが言葉を入力して探しに来ます。「墓じまい 費用」と打ち込んだ人は、その瞬間その話題を知りたいと思っている人です。
一方でSNSのタイムラインは、読者が探していないときにも流れてきます。開いたついでに目に入る、という接し方でしょう。
| 観点 | オウンドメディアの記事 | SNSの投稿 |
|---|---|---|
| 読者との出会い方 | 読者が言葉で探しに来る | 読者のところへ流れていく |
| 置き場所 | 自社が契約したサーバーとドメイン | プラットフォームの中 |
| 表示するかを決める主体 | 検索エンジン | プラットフォーム |
| 時間が経ったとき | 公開したページが残り続ける | タイムラインを流れて見えなくなる |
この違いは、成果の出方にそのまま効いてきます。参考になるのは、Googleが自社のおすすめ表示機能について書いている一文です。フィード形式で記事を出し分けるDiscoverという仕組みについて、公式ドキュメントにはこうあります。
「Discover からのトラフィックは、キーワード検索からのトラフィックと比べて予測可能性や信頼性が低くなります。このような偶発的な要素を考慮し、Discover からのトラフィックは、キーワード検索のトラフィックの補完的なものと考える必要があります。」(Google 検索セントラル「Google Discover とサイト」)
これはSNSについての記述ではなく、あくまでGoogle自身のフィード機能の話です。ただアルゴリズムが出し分ける、自分では制御できない、変動が大きいという構造はSNSのタイムラインとよく似ています。読者が探しに来る流入と、流れてくる流入は、性質からして別物だということです。
Xの利用規約に書かれていること
「SNSは借りている場所だ」という言い方をよく聞きます。ここではX(旧Twitter)の規約を例に見ていきます。印象論のように思われがちですが、これは規約を読めば条文で確かめられるものです。
Xの利用規約(欧州連合・EFTA加盟国・英国以外のユーザー向け/発効日2026年4月10日)に、次の一文があります。
「当社はまた、ユーザーに責任を負うことなく、本サービス上のコンテンツの削除または配信の拒否、本サービス上のコンテンツの配信または表示の制限、利用ユーザー者の資格停止または終了、およびユーザー名の返還を要求することができるものとします。」
出典: X利用規約(日本語版・発効日2026年4月10日)。原文ママ
投稿を消すことも、表示を制限することも、アカウントを止めることもできます。ユーザー名の返還を求めることまで含めて、これらをユーザーに責任を負うことなく行えると明記されているのです。
一方、同じ規約の概要では投稿の権利にも触れられていました。「ユーザーは、ポストまたは共有する自身のコンテンツに対する所有権と権利を留保するとともに、自分のコンテンツを世界中で利用できるようにしたり、他のユーザーがポストまたは共有できるようにしたりするための非独占的ライセンスを当社に提供するものとします。」
書いた内容そのものは投稿した人のものとしつつ、それを配信するための権利をXに渡す、という形です。
この2つを並べると、実態がはっきりします。書いたものは自分のものですが、それを置く場所と、読者に届く経路は自分のものではありません。持ち出せるのは中身だけで、届け先は持ち出せない、という構造になっています。
この点は、メールマガジンと比べると分かりやすいかもしれません。メールマガジンなら連絡先を自社が持っているので、送る経路が自社の側に残ります。FacebookやYouTubeを含め、SNSでは読者との経路も事業者側にあるという違いです。
なお、ここで引用したのはXの規約です。他社の規約は取得できたものと取得できなかったものがあるため、SNS全般の話としては広げずにお読みください。
noteの規約に書かれていること
もう1つ、記事を書いて置く場所として使われるnoteの規約も見てみます。こちらは検索との関係が明文で書かれているため、オウンドメディアとの違いがいっそう見えやすいはずです。
規約の末尾には第23版・2026年5月27日制定と記されています。利用の停止や削除について書かれた節に、次の一文がありました。
「クリエイターが以下に該当すると当社が判断した場合、クリエイターに事前に通知することなく当社はクリエイターのご利用を停止させていただき、デジタルコンテンツもしくはメッセージを削除、または検索結果からの除外などの措置をすることがあります。」
出典: note ご利用規約(第23版・2026年5月27日制定)。原文ママ
検索結果からの除外が、措置の1つとして明記されています。なおこの規約は、note内の検索か外部の検索エンジンかまでは特定していません。
さらに表示のされ方についても記述があります。「当社は、本サービス内でのインデキシングの最適化を目的として、クリエイターがアップロードしたデジタルコンテンツの一部(原則としてタイトルおよびトップページ)を、本サービスが設定する表示アルゴリズムに基づいて変更、切除その他の改変をすることがあります」という一文です。
こちらは「本サービス内での」と限定されているため、note内での表示についての条項になります。つまり付けたタイトルが、事業者の判断で変えられることがあると規約に書かれているわけです。もちろん著作権については「クリエイターが制作したデジタルコンテンツの著作権は、クリエイターに帰属します」と明記されており、中身の権利は書いた人に残ります。
ここでもXと同じ構造が出てきました。中身は自分のもので、見え方は事業者が決めることになるわけです。
自社のドメインで運用するオウンドメディアであれば、タイトルを何にするかも、公開し続けるかどうかも、自分たちの側に決定権が残ります。検索結果に出るかどうかを決めるのは検索エンジンですが、載せないという判断だけは自分たちで下せるでしょう。
投稿は流れ、記事は残る
置き場所の違いがいちばんはっきり出るのは、時間が経ったときの残り方でしょう。ここは当社の失敗に近い実例をお出しします。
当社は毎朝、ニュースを集めてSNSの投稿文を自動で作る仕組みを組みました。3つのSNS向けに複数のパターンを生成して、手元に保存する形です。仕組みを動かし始めた2026年5月17日から8月7日まで、83日分のフォルダが作られています。
ところが中身を確認すると、投稿文が手元に残っているのは初日の19ファイルだけでした。残りのフォルダは空です。
なぜ空なのかは、記録からは特定できませんでした。生成が走らなかったのか、通知だけ受け取って保存しなかったのか、そこまでは追えていないのが正直なところです。ただ手元に残っているのは初日の分だけ、という事実は動きません。
これに対して、この間に公開した記事はすべて残っています。公開した日に読まれなくても、ページはそこにあり続けます。当社のメディアは公開記事が175本から241本に増えましたが、増えた分だけ検索結果に出る機会が積み上がっていく形です。
SNSは毎日動かしていないと、そこに何も残りません。記事は1本書けば、書いた分だけ置き場所に積み上がります。続ける難しさの質が違うということでもあります。
SNSの拡散はSEOに効くのか
併用をすすめる説明でよく見かけるのが、「SNSで拡散されると検索にも効く」という話です。もし本当なら、SNSに割く時間は検索対策も兼ねることになります。そこで当社は2026年8月7日に、Googleの公式ドキュメントを1つずつ開いて確かめました。
現行の公式文書に記載はない
確認したのは、Googleが検索について公開している主要なドキュメントです。SEOの基本を説明したスターターガイドと、掲載順位を決める仕組みのガイド。あわせてスパムに関するポリシー、有用なコンテンツについての解説、検索の仕組みを説明したページも開きました。
結果からお伝えします。SNSでの拡散が検索順位に影響するという記載は、どの文書にもありませんでした。いいねの数やフォロワー数が順位を決める材料になる、という説明は見当たりません。
ただし、ここで話を止めると不正確になります。「影響しない」と否定する記述も、現行の文書には見つかりませんでした。Googleは基本ガイドの中で「重視しなくてよいこと」を9項目挙げていますが、そこにもSNSは入っていません。
- SNSは「サイトを広める手段のひとつ」として登場します
- SNS投稿そのものが検索結果に出ることは公式に説明されています
- 拡散が順位に影響するという記載はありません
- 影響しないという否定の記載もありません
公式が沈黙している論点だ、という言い方がいちばん実態に近いと考えています。効くとも効かないとも書かれていないものを、効く前提で時間を配分するのは危ういというのが当社の判断です。
明言は12年前の動画までさかのぼる
では「順位の要因ではない」という発言はまったくないのかというと、そうではありません。当社が一次情報として確認できたのは、Googleの公式チャンネルで公開された動画です。
公開日は2014年1月22日で、当時のウェブスパムチームの責任者が答えたものです。「SNSサイトのページは順位づけで特別扱いされるのか」という質問に対する回答という位置づけになります。
問題は年です。2014年は、いまから12年以上前になります。この間に検索結果の見た目も、評価の仕組みも変わりました。「Googleが公式にそう言っている」と現在形で書けるのは、いまの文書に書かれている場合だけだと考えています。
ですから当社は、この論点をこう整理しました。現行の公式文書には記載がなく、この論点を扱った発言は12年以上前までさかのぼります。したがって「SNSで拡散されれば検索にも効く」を併用の理由に据えるのは、根拠として弱いということです。
これは「SNSに意味がない」という話ではありません。次の見出しで見るとおり、SNSには検索とは別の形で見つけてもらう経路があります。
2026年の新機能は別の話
2026年7月、GoogleはSNS投稿がGoogle検索でどう見られているかを確認できる機能を公開しました。Search Consoleに追加された、プラットフォーム プロパティと呼ばれるものです。
公式ブログには「Now, you can track which search terms lead people to your Instagram, TikTok, X, and YouTube content on Search, and see exactly how your audience is interacting with your posts.」とあります。どんな検索語からSNSの投稿にたどり着いたかを追える、という説明です(Google 検索セントラル ブログ(2026年7月7日))。
ここは読み違えやすいところです。この機能が示しているのは、SNSの投稿そのものが検索結果に出ることがあるという事実です。
一方で「SNSで拡散されると自社サイトの順位が上がる」という話は、この機能とは関係がありません。投稿が検索に出ることと、拡散がサイトの順位を押し上げることは、まったく別の話です。
| よく混同される2つ | 公式文書での扱い |
|---|---|
| SNSの投稿が検索結果に出る | 2026年7月の公式ブログとドキュメントで説明されている |
| SNSの拡散で自社サイトの順位が上がる | 現行の公式文書に記載がない |
この2つを分けて考えると、SNSに期待できることがはっきりします。自社サイトの順位を上げる装置としてではなく、検索とは別に、投稿そのものが見つけてもらえる場所として使うほうが、公式に確かめられる範囲に収まります。
当社はSNSに記事のURLを貼りません
ここまで一般論が続きました。ここからは自社の実データをお出しします。当社はSNSを続けながら、メディアへの流入としては1行も立っていません。数字だけ見ると失敗のようですが、これは設計してそうしている状態です。順を追って開示します。

GA4にソーシャルの行が立たない
当社は自社メディアのアクセス状況を、隔週でスクリプトに集計させています。流入元の内訳を2つの時点で並べてみましょう。
| 流入元 | 2026年7月10日時点 | 2026年8月6日時点 |
|---|---|---|
| 検索 | 190 | 252 |
| 直接 | 341 | 209 |
| 分類なし | 49 | 28 |
| 外部サイト | 4 | 4 |
| AIアシスタント | 8 | 2 |
| ソーシャル | 行が存在しない | 行が存在しない |
出典: 当社自社メディアのGA4実測(各時点の直近28日・単位はセッション)
集計は、返ってきた行をそのまま並べる作りにしています。2つの時点のどちらにも、ソーシャルという行そのものがありませんでした。
ここは言葉を選ぶ必要があります。これは「SNSからの訪問が1件もなかった」という意味ではありません。ソーシャルという区分に割り当てられた訪問が計上されていない、というのが正確な読み方です。理由は最後の見出しでお伝えします。
なお、これは当社1サイトを28日ずつ2回測った数字です。皆さまのサイトで同じ形が出るとは限りません。
URLもCTAも載せないと決めた理由
ここからが本題です。当社のSNS運用には、明文で決めているルールが2つあります。
- 投稿にURLを載せない(自社の記事も外部の記事も)
- 投稿に相談や問い合わせの呼びかけを入れない
記事のURLを貼らないと決めているのですから、リンクをたどって流れる経路がそもそもありません。ソーシャルの行が立たないのは、施策が失敗したからではないのです。
なぜそう決めたのかというと、SNSに期待する役割を先に絞ったからです。当社がSNSに置いた目的は、検索やAIの領域で何を考えている会社なのかを日々示すことにあります。読んだ方が興味を持ったら自分から動いてくださる、という前提に立ち、こちらから誘導はしない形にしました。
工数の上限も決めました。投稿は代表が手作業で行い、1日5分から10分以内を目標として置いています。時間をかければ質が上がる作業ではない、という判断です。
この決め方には、はっきりした損があります。SNSからメディアへの送客は捨てました。それでもこの形にしたのは、両方から成果を取ろうとすると、どちらも中途半端になると判断したためです。
検索は増え、直接流入は減った
では、そのあいだにメディア側はどうなったのか。先ほどの表をもう一度見てください。
目を引くのは、伸びている行が1つしかないことです。全体では593から494に減っているなかで、検索だけが増えているという形になっています。
同じ期間に、公開記事は175本から241本に増えました。記事が増えれば検索結果に出る機会も増えるので、この動き自体は不自然ではありません。
ただし正直に申し上げると、要因は切り分けられていません。2つの時点は1か月離れており、そのあいだに記事が66本増え、検索エンジン側の変動もあり得ます。ここから言えるのは「検索が増えた」までで、なぜ増えたのかを当社は特定できていません。
それでも、この2時点の並びには意味があると考えています。SNSを続けていた期間に伸びたのは、SNS経由の数字ではなく検索の数字でした。置いた記事が積み上がって、探しに来る人に当たる機会が増えた、という読み方になります。
SNSからの流入は正しく測れない
最後に、測定そのものの話をします。仮にSNSに記事のURLを貼っていたとしても、その効果を数字で追いきるのは簡単ではありません。
アクセス解析は、訪問者がどこから来たかを判定するときに、直前に見ていたページの情報を手がかりにしています。この情報が渡ってくれば「SNSから来た」と分かりますが、渡ってこない経路もあるのです。
アプリから直接開かれた場合など、直前のページの情報がそもそも渡らない経路があります。手がかりが欠けると、どこから来たかを判定できません。その訪問は直接の訪問として数えられることになります。
一般に、直接の訪問にはこうした経路が含まれます。ただし当社の場合はそもそも投稿にURLを置いていないため、この経路自体がありません。直接の訪問が341と大きい理由は、当社としても特定できていません。
ここから実務的な結論が出ます。SNSの成果を訪問数だけで判定すると、実態より小さく見えてしまいます。
だから当社は、SNSとメディアで測るものを分けました。SNSは投稿を続けられているかと反応の有無を見て、メディアは検索結果に出た回数と順位を見る、という形です。
今泉の視点:ご相談の場で「SNSもやったほうがいいですか」と聞かれたとき、私は先に「SNSに何を期待しますか」とお尋ねしています。ここで送客と答えるか、認知と答えるかで、その後の設計がまるで変わるからです。
送客を狙うなら、投稿にURLを貼って、流入を測る仕組みまで用意しないと判断できません。認知でよいなら、URLを貼らずに続けやすさを優先するほうが長持ちします。当社が後者を選んだのは、前者をやりきる工数を確保できないと分かっていたからです。やらないと決めたことを言葉にしておくと、迷ったときに戻れます。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
どちらを先に始めるかの決め方
ここまでの話を、明日からの判断に落とします。「両方やりましょう」で終わる説明も多いのですが、専任が1人いるかいないかの体制では、両方を同じ熱量で回せません。先にどちらを厚くするかだけ決めれば、もう一方は薄く続けられます。

人数と更新の頻度から決める
最初の判断材料は、動かせる人の数と、どれくらいの頻度で手を入れられるかです。
記事は月に2本でも積み上がります。1本書けば、その1本は翌月も残っています。対してSNSのタイムラインは、投稿しない日は何も起きません。当社の場合、投稿文が手元に残っているのは初日だけ、という記録がその一例です。
当社が自社メディアの記事92本を段階別に集計したときも、同じ構図が出ました。平均掲載順位はどの段階も40位前後で差がつかず、開いていたのは1本あたりが検索結果に出た回数のほうだったのです。順位を上げる前に、まず出る機会を積み上げる作業が要る、という読み方になります。
手が空く日が読めないなら、記事のほうが向いています。止まっても、それまでに書いたものが働き続けるからです。逆に毎日決まった時間を確保できるなら、SNSは接点を増やす手段として機能するでしょう。
当社の実感では、週に1度まとまった時間を取れるかどうかが分かれ目になります。取れるなら記事から着手し、取れないなら記事を月1〜2本に絞ったうえで、SNSを短時間で回すほうが続きやすいと考えています。
商材の検討期間から決める
2つ目は、扱っている商品やサービスを、お客様がどれくらいの時間をかけて選ぶかです。
検討が長いものほど、検索の出番が増えます。何十万円もする設備や、契約が数年続くサービスを選ぶとき、多くの人は途中で調べます。そのときに読まれる文章を置いておけるのがオウンドメディアです。
一方で、その場で決められる商品や、見た瞬間に良さが伝わるものは、流れてくる接点のほうが効きます。SNSで目に入ったから買う、という買い方が成立するからです。
| 自社の状況 | 先に厚くするほう | もう一方の扱い |
|---|---|---|
| まとまった作業時間を週1回取れる | オウンドメディア | SNSは工数の上限を決めて短く続ける |
| 毎日少しずつしか動けない | SNS | 記事は月1〜2本に絞って書き続ける |
| 検討期間が長い商材を扱っている | オウンドメディア | SNSは接点づくりに徹する |
| 見た目や雰囲気で選ばれる商材 | SNS | 記事は問い合わせ前に読まれる数本を用意する |
この表は優劣をつけるためのものではありません。どちらも正解で、順番だけが違います。自社がどの行に当てはまるかを決めれば、迷う時間がなくなるはずです。
SNS側を選んだ場合、次に「どのSNSにするか」で迷うことになります。ここで各サービスの機能を比べ始めると決まりません。お客様がすでにいる場所はどこか、そして自社が続けられる形はどれか、という2つだけで1つに絞ってください。複数を同時に始めると、どれも更新が止まります。
続けられる最小の形にする
順番が決まったら、最後に3つだけ決めておきましょう。ここを決めずに始めると、数か月後に「効果があったのか分からない」という状態に陥ります。
- 何を測るか:メディアと SNS で別々の指標を置きます
- どちらを厚くするか:上の表で1行だけ選びます
- いつ見直すか:何か月目に確認するかを先に決めます
1つ目の「何を測るか」がいちばん大事です。前の章でお伝えしたとおり、SNSからの訪問は正しく数えられません。訪問数で両方を比べると、SNS側が小さく出ます。
前の章で決めた2つの指標を、いつ見直すかまで紙に書いておいてください。同じ物差しで比べないと決めたことが、結果として両方を続けやすくしたと当社は感じています。
3つ目の見直す時期については、数か月は空けてください。立ち上げ期は数字が動かない時期が続きます。予算と期間の置き方については、コンテンツマーケティング費用の相場|10倍開く理由と決め方で総額の決め方をまとめています。
広告も含めた配分を考えたい場合は、オウンドメディアとペイドメディアの違いと予算配分の決め方もあわせてご覧ください。
オウンドメディアとSNSのよくあるご質問
ご相談の場で実際によくいただく質問を4つ選びました。
まとめ
- 中身は自分のものでも置き場所は借りていることになります
- 拡散が順位に効くという公式の記載はありません
- 訪問数で比べず測る指標を分けて置きます
両方に手が回らないのは、能力の問題ではありません。性質の違うものを同じ熱量で回そうとしているだけです。当社もSNSを続けながら、記事のURLは1本も貼らないと決めています。
次の一歩は決まっています。自社の体制と商材を見て、どちらを先に厚くするかを1行で決めてください。そのうえで、何を測るかと、いつ見直すかを紙に書いておきます。順番の置き方に迷いが残るときは、街中文学へお気軽にご相談ください。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
