「昨日まで3位だったのに、今朝見たら9位」。検索順位が下がったと気づいた瞬間、目の前には20項目のチェックリストが並びます。そして、どこから確認すればいいのか分からないまま手が止まってしまうのです。
街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場で、こうしたご相談を数多く受けてきました。慌てて手を入れた結果、かえって戻らなくなった現場も見ています。
お伝えしたいのは、原因を探す前に確かめることが3つあるということです。この3つが決まれば、疑う候補は2つまで絞れるのです。読み終えるころには、今日やることと、あえてやらないことを自分で決められるようになります。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
先に結論:原因を探す前に確かめることが3つあります
まず最初に、結論からお伝えします。
- 本当に下がったのかを実測で確かめます
- 下がった範囲と日付を特定します
- 外側より先に、内側の原因を消すのが先です
1つ目は、順位の数字だけを見て判断しないということです。順位は見る人や場所で変わりますし、日々の揺れもあります。自社の実測であるSearch Consoleの表示回数とクリック数を先に見てください。
2つ目は、原因を考える前に事実を固めることです。下がったのが1ページなのかサイト全体なのか、いつから下がったのかを押さえると、疑う候補はぐっと少なくなります。
3つ目は、切り分けの順番です。アップデートや競合といった外側の要因は自分では動かせませんが、自分たちが手を入れた場所なら戻せます。内側から消していくほうが早く終わるでしょう。
まず本当に下がったのかを確かめます
順位が動いたからといって、何かが起きたとは限りません。検索結果はもともと動くものだからです。ここでは、異常なのかどうかを見分ける方法を扱います。

順位は見る人や場所で変わります
同じ言葉で検索しても、表示される順番は人によって違います。過去に見たページ、いる場所、使っている端末などが影響するためです。自分の画面で見た順位は、全員が見ている順位ではありません。
これは当社が下落のご相談で毎回お伝えしている点です。もう1つ、Googleが述べているのは、検索結果そのものが時間とともに動くということです。
「ただし、順位は固定されるわけではありません。元来、Google の検索結果は流動的なものです。オープンウェブ自体が新しいコンテンツや更新されたコンテンツで常に変化しているからです。このような変化が続くと、オーガニック検索トラフィックが増減する可能性はあります。」Google 検索トラフィックの減少をデバッグする(Google 検索セントラル)
順位チェックのツールが示す数字も、あくまで特定の条件で取得した1つの値です。数字が動いたこと自体は、異常の証拠になりません。
表示回数とクリック数を分けて見ます
当社が下落のご相談を受けたとき、最初に見るのは順位ではありません。Search Consoleの表示回数とクリック数です。こちらは自社サイトの実測値なので、条件による揺れがありません。
2つを分けて見ると、直すべき場所が変わります。
| 表示回数 | クリック数 | 疑うところ |
|---|---|---|
| 落ちている | 落ちている | 順位そのもの、または検索する人の数。平均掲載順位が動いているかで見分ける |
| 変わらない | 落ちている | 検索結果での見え方。タイトルや説明文、他の枠の増加 |
| 変わらない | 変わらない | 数字の揺れ。様子を見る |
表の1行目のように両方がそろって落ちている場合は、平均掲載順位が動いているかどうかで見分けます。動いていなければ、順位ではなく検索する人の数が減っている可能性が高いでしょう。
この区別をしないまま記事の中身を書き直すと、タイトルが原因だった場合に何も変わりません。直す場所を決めてから手を動かすほうが、結果として早いでしょう。
わずかな変動は手を加えないほうがよい場合もあります
2位が4位になった、という程度の動きであれば、様子を見る判断もあるでしょう。Googleは次のように案内しています。
「順位のわずかな増減は常に起こる可能性があります(特に手を加えなくても自然に順位が回復する場合も含めて)。すでにページのパフォーマンスが良好であれば、根本的な変更は避けたほうがよいでしょう。」
問題になるのは、10位以内だったものが29位まで落ちるような大きな動きのほうです。この場合は個々のページだけでなく、サイト全体も見直しの対象になります。どちらの幅なのかで、やることはまるで違うのです。
下がった範囲と日付を特定します
異常だと判断できたら、次は原因ではなく事実を固めましょう。範囲と日付の2つが決まると、疑う候補は自然に絞られていきます。

1ページか、サイト全体かを分けます
最初に確かめるのは、下がったのが1ページだけなのか、複数のページなのか、それともサイト全体なのかです。範囲の広さが、そのまま疑う対象の大きさになります。
Googleのランキングの仕組みは、基本的にページごとに働きます。
「Google のランキング システムは基本的にはページレベルで機能するように設計されており、さまざまなシグナルとシステムを使用して、個々のページのランキングを判断しています。サイト全体のシグナルと分類器もページの理解に活用しています。」Google 検索ランキング システムのご紹介(Google 検索セントラル)
ここからは当社の読み方になりますが、1ページだけが下がっているなら、原因もそのページの中にある可能性が高いと考えています。逆にサイト全体が一様に下がっているなら、個別の記事を直しても動きません。
確かめ方は、Search Consoleの検索パフォーマンスでページ別に並べ、下がったページの数を数えるだけで足ります。
下がった日を1日単位で特定します
次に、いつから下がったのかを日付で押さえます。週単位ではなく1日単位まで絞ってください。ここが曖昧なままだと、あとの照合ができません。
グラフの形も手がかりになります。ある日を境に段差ができているなら、その日に何かが起きています。数週間かけてなだらかに下がっているなら、特定の出来事ではなく、じわじわ進んだ変化を疑うことになるでしょう。
日付が決まったら、その前後3日ほどを含めて記録しておきます。反映に時間差があるため、原因の作業が数日前ということもあるからです。
範囲と日付で候補は2つまで絞れます
この2つがそろうと、20項目のチェックリストを上から確認する必要はなくなります。組み合わせによって、疑うべき候補は2つ以内に絞れるからです。
| 範囲 | 下がり方 | 先に疑う候補 |
|---|---|---|
| 1ページだけ | ある日を境に段差 | そのページへの変更/検索結果の顔ぶれの変化 |
| 1ページだけ | なだらかに下降 | 情報の古さ/競合の記事の充実 |
| 複数ページ | ある日を境に段差 | サイトへの変更/アルゴリズムの更新 |
| 複数ページ | なだらかに下降 | 情報の古さ/そのテーマでの評価 |
| サイト全体 | ある日を境に段差 | 技術的な問題/アルゴリズムの更新 |
| サイト全体 | なだらかに下降 | 季節や関心の変化/サイト全体の評価 |
この表で候補が決まったら、あとはその2つだけを確かめます。関係のない項目に時間を使わずに済むので、当社では初動がその日のうちに終わることがほとんどです。
内側の原因から先に消します
Googleは、検索トラフィックが減る要因をいくつか挙げています。アルゴリズムの更新、技術的な問題、セキュリティの問題、スパムに関する問題、季節性や興味関心の変化、そしてサイトの移転と移行です。当社はこれを、自分たちで戻せる内側と、戻せない外側に並べ替えて確認しています。動かせるほうから先に消すためです。

自分たちの作業記録を最初に開きます
当社が順位の下落を調べるとき、真っ先に開くのはGoogleの発表ではありません。自分たちの作業記録です。特定した日付と、サイトに手を入れた日を並べてみましょう。
重なっていれば内側の原因である可能性が高く、離れていれば外側を疑う順番です。この照合が数分で終わるかどうかで、その後の動きは変わってきます。
当社は記事の公開・改稿・サイト構造の変更のたびに、記録を1行だけ残しています。必要な項目は次の3つだけです。
- 日付:作業した日
- 変更した場所:どのページの、どこを触ったか
- 戻せるかどうか:元に戻す手段があるか
3つ目が入っているのは、下がったときに「戻す」という選択肢を即座に取れるようにするためです。凝った管理表は続きません。1行で十分でしょう。
技術的な問題は範囲の広さで見分けます
内側の原因のうち、見落とされやすいのが技術的な問題です。Googleはこれを次のように説明しています。
「技術的な問題とは、Google によるページのクロール、インデックス登録、ユーザーへのページの表示を妨げかねないエラーのことです(サーバーの可用性、robots.txt の取得、「ページが見つかりません」など)。」Google 検索トラフィックの減少をデバッグする(Google 検索セントラル)
見分け方は範囲です。サイト全体が同時に落ちているなら、サーバーが落ちていた、あるいはサイト全体の設定を変えた可能性があるでしょう。1ページだけなら、そのページの設定を確かめてください。
セキュリティやスパムの問題も、この段階で一緒に見ておきましょう。Search Consoleにはセキュリティの問題と手動による対策のレポートがあります。指摘が出ていないかを、その場で確認できます。
サイトを作り直した直後であれば、原因はほぼそこでしょう。移転や作り直しで評価を落とさないための手順は、サイトリニューアルでSEOの順位を落とさない手順と注意点で詳しく扱っています。
記録がないと切り分けに数日かかります
作業記録がない状態では、思い出しながらの推測になります。誰がいつ何を触ったのかを関係者に聞いて回ることになり、切り分けだけで数日を使ってしまうことも珍しくありません。
その間に「とりあえず記事を書き直す」といった手が入ると、さらに切り分けが難しくなります。元の状態が分からなくなるためです。
いま記録がないなら、今回の対応が終わったところから始めてください。次に下がったときの初動が、まるで変わります。
今泉の視点:順位が下がったというご相談で、私が最初にうかがうのは「直近1か月で、サイトに何をされましたか」です。アップデートの話から入ることはありません。
この質問に即答できる会社は、たいてい自力で原因にたどり着きます。逆に「特に何も…」から始まった相談で、後から大きな変更が出てくることは少なくありません。悪気があるわけではなく、担当が分かれていると全体を把握している人がいないだけです。
だから私は、原因の特定より先に記録の習慣をおすすめしています。1行で構いません。次に下がったとき、その1行が数日を節約してくれます。
外側の原因は主に3つです
内側を消しても説明がつかないときは、外側に目を向けましょう。ここからは当社の整理ですが、外側の要因は大きく3つに分かれます。自分では動かせないぶん、どれに当たるかで待ち方が変わってくるでしょう。

Googleのアップデート
Googleは年に数回、検索の仕組みに大きな変更を加えています。下がった日と発表の時期が重なっていれば、これが原因の候補になるでしょう。
ただし、すべてのサイトが影響を受けるわけではありません。Googleは次のように案内しています。
「一般的に、ほとんどのサイトではコア アップデートについて気にかける必要はなく、アップデートが行われたことに気づかない場合もあります。」Google 検索のコア アップデートとウェブサイト(Google 検索セントラル)
発表があったからといって、自社の下落がそれによるものとは限りません。
アップデートが原因だと分かった場合の初動と回復の進め方は、Googleコアアップデートで順位が下がった時の対策と手順で扱っています。ここで大切なのは、アップデートを疑うのは内側を消したあとという順番です。
検索結果の顔ぶれの変化
自社が何も変えていなくても、他のページが良くなれば相対的に順位は下がります。新しく参入したサイトがある場合や、上位のページが内容を厚くした場合です。
確かめ方は、実際にその言葉で検索して並んでいるページを見ることです。顔ぶれが以前と変わっていれば、比べる相手が変わったということになります。
もう1つ見ておきたいのが、検索する人が求めているものの変化です。同じ言葉でも、求められる答えの形が変わることがあります。狙った言葉と実際に表示されている言葉のずれを見る方法は、検索クエリとは?キーワードとの違いと直すべき場所の決め方で整理しています。
季節や関心の移り変わり
3つ目は、検索する人の数そのものが減っている場合です。順位は変わっていないのに表示回数だけが落ちているなら、これに当たります。
年末や年度末に増える言葉もあれば、夏だけ検索される言葉もあります。去年の同じ時期と比べれば、季節による動きかどうかはすぐ分かるはずです。
この場合、記事を直しても数字は戻りません。戻るのは需要が戻るときです。焦って手を入れると、需要が戻ったときにかえって順位を落としていた、という結果になりかねません。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
直す前に決めておくことがあります
原因の見当がついたら、すぐ手を動かしたくなります。その前に3つだけ決めてください。決めずに動くと、効いたのかどうかが分からなくなります。

戻すか、様子を見るかを決めます
最初の分かれ道は、直前の変更を元に戻すかどうかです。作業日と下落日が重なっていて、戻す手段があるなら、まず戻すのがいちばん早いと考えています。戻して数字が動けば、原因はそこだった可能性が高いと判断できるためです。
一方、外側の要因が疑われる場合や、下落幅が小さい場合は、様子を見る判断もあります。前に触れたとおり、わずかな下落では根本的な変更を避けたほうがよい場面があるためです。
迷ったときは、下落の幅で決めてください。数位の動きなら待つ、10位以内から20位台へ落ちたなら動く、という線引きが実務では使いやすいと考えています。
直す順番を決めます
直すと決めたら、一度に複数の場所を変えないでください。同時に3か所を直すと、どれが効いたのか分からなくなります。次に下がったときの手がかりも残りません。
順番の基準は、戻しやすさです。設定の変更のように元に戻せるものから先に試し、記事の全面的な書き直しのような戻しにくいものは後に回します。
記事そのものを直す段階になったら、どこから手を入れるかはリライトとは?SEOで成果を出す進め方と判断基準を解説で扱っています。順位が下がったからといって、全面的に書き直すのが正解とは限りません。
効果を確かめる期間を決めます
手を入れたら、いつ確認するかを先に決めます。翌日に見ても分かりませんし、忘れた頃では次の打ち手が遅れるためです。
Googleは次のように案内しています。「一般的には、数週間待ってから Search Console でサイトを再度分析し、掲載順位に良い効果があったかどうか確認することをおすすめします。」
| 決めること | 目安 | 決めておく理由 |
|---|---|---|
| 戻すか待つか | 数位なら待つ/二桁の下落なら動く | 慌てた変更で原因を消さないため |
| 直す順番 | 戻せるものから1か所ずつ | どれが効いたかを分かるようにするため |
| 確認する日 | 手を入れてから数週間後 | 反映を待たずに次の手を打たないため |
手を入れても上位表示されない状態が続くこともあるでしょう。その場合は同じ場所を何度も直すのではなく、範囲の特定からやり直してください。順位が上がらないまま作業を重ねるのは、たいてい最初の切り分けを飛ばしたときです。
この3つを紙に書いてから動くだけで、対応の質は変わります。上司への説明も、この3行があれば十分でしょう。
検索順位が下がったときのよくあるご質問
まとめ
順位が下がったときに最初にやることは、原因を探すことではありません。事実を固めることです。次の3つを順に確かめてください。
- 本当に下がったのかを表示回数とクリック数で確かめます
- 範囲と日付を特定すると候補は2つまで絞れます
- 内側の原因から消すと、切り分けが早く終わるはずです
今日できることを1つ挙げるなら、直近1か月にサイトへ手を入れた日を書き出すことでしょう。下落した日と並べるだけで、疑う方向が決まります。
そのうえで、直す前に「戻すか待つか」「直す順番」「確認する日」の3つを決めてください。慌てて3か所を同時に直すと、効いたかどうかが分からなくなります。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
