キーワードマップの作り方|広げる図と割り当てる表の使い分け

白い机に置かれたノートパソコンとグラスに挿した葉。キーワードマップを作る作業机のイメージ

「結局、どちらを作ればいいのだろう」。キーワードマップを調べると、放射状に広がる図と、行と列が並んだ表の両方が出てきます。どちらも同じ名前で呼ばれ、作り方の説明もそれぞれ違うため、読むほど迷いが増えていくのではないでしょうか。

街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場で、自社メディアのキーワードマップも実際に運用しています。作って終わりにならない形を、社内で何度も作り直してきました。

お伝えしたいのは、この2つは目的の違う別物だということです。読み終えるころには、自社がいま作るべきなのはどちらなのか、そして作ったあと何をするのかまで決まっているはずです。

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目次

先に結論:キーワードマップは2種類あります

まず最初に、結論からお伝えします。

  • キーワードマップには広げる図割り当てる表の2種類があります
  • 記事の計画として使えるのは表のほうです
  • 設計図と台帳を1枚で兼ねると、更新が止まりません

1つ目は、同じ名前で呼ばれている2つが別物だということです。放射状の図は言葉を見つけるための道具で、行と列の表は見つけた言葉をページに割り当てるための道具になります。目的が違うので、作り方も見方も変わってきます。

2つ目は、そのうち記事の計画として機能するのは表のほうだという点です。図は広げるところまでしか受け持ちません。どの言葉を誰がいつ書くのかは、行と列の形にしないと決まらないでしょう。

3つ目は、作ったあとに更新され続ける形にしておくことです。当社は、これから書く言葉の設計と、すでに公開した記事の記録を1枚のファイルで持っています。分けて持つと、片方だけが古くなってしまうでしょう。

キーワードマップは図と表の総称です

キーワードマップという言葉は、Googleが定めたものではありません。だから人によって指すものが違います。ここでは言葉の意味と、なぜ2種類が同じ名前で呼ばれているのかを整理していきましょう。

白い面に並べて置かれた2枚の付箋。目的の違う2種類のマップを表すイメージ

言葉の意味とSEOでの位置づけ

キーワードマップとは、集めた検索キーワードを関係が分かる形に整理したものです。SEOの現場で使われてきた呼び名なので、公式の定義はありません。

位置づけとしては、記事を書く前の段階に置かれます。言葉を集める作業と、実際に記事を書く作業のあいだにあって、集めた言葉を「どう配るか」を決める工程にあたるわけです。

ここが抜けたまま記事を増やすと、似た内容のページが並びます。1本ずつは悪くないのに、サイト全体で見ると同じことを何度も言っている状態になりがちでしょう。

広げる図と割り当てる表は別物です

検索して出てくる作り方は、大きく2つに分かれます。中心の言葉から枝が伸びる放射状の図と、行と列が並んだ一覧表です。この2つは目的が違います。

見るところ 広げる図 割り当てる表
目的 言葉を見つける 言葉をページに配る
中心から枝が伸びる図 行と列の一覧
1つの単位 言葉1つ 記事1本
使うタイミング 立ち上げ・拡張のとき 毎月の記事計画のとき
更新の頻度 数か月に一度 記事を公開するたび

混ぜてしまうと、どちらの役目も果たさなくなります。図に公開日や担当者を書き込もうとすると枝が読めなくなりますし、表に思いつく言葉をすべて並べると行が数千になって、どれを書くのか分からなくなるためです。

作る目的は3つに絞れます

キーワードマップを作る理由は、次の3つに整理できます。どれも「記事を増やすため」ではなく、増やし方を決めるためのものです。

  • 同じ言葉を2本以上の記事で取り合う状態を防ぐこと
  • 読者が知りたいのに書けていない話題を見つけられる点
  • 記事どうしをどうつなぐかを先に決めておくこと

1つ目は、書く前に気づけることに価値があります。公開したあとで重なりに気づくと、どちらを残すかの判断や、リンクの張り替えといった後始末が必要になるからです。

2つ目と3つ目は、マップを1枚にしておくと見えてきます。全体を並べたときにはじめて、空いている場所と、つなぐべき記事の組み合わせが分かるでしょう。

広げる図は言葉を見つけるために作ります

最初に作るのは、放射状の図のほうです。手持ちの言葉が少ない段階では、まず選択肢を増やさないと配りようがありません。ここでは枝の伸ばし方と、図で止めないための注意点を見ていきます。

机に広げた紙の上で付箋を並べ替える手元。言葉を広げて束ねる場面のイメージ

軸から放射状に枝を伸ばします

中心に置くのは、自社の商品やサービスを表す1語です。そこから、読者が一緒に検索しそうな言葉を枝として伸ばしていきます。紙とペンでもかまいませんし、無料の作図ツールでも作れます。

枝を伸ばす材料は、検索窓に軸の言葉を打ち込んだときに出てくる候補と、検索結果の下のほうに並ぶ言葉です。この集め方は関連キーワードとは?サジェストとの違いと集め方・使い方を解説で詳しく扱っています。

この段階では、書けるかどうかを考えません。判断を挟むと手が止まり、広がりが小さくなるためです。絞り込むのは次の表の工程になります。

枝の分け方は検索意図で決めます

枝が増えてきたら、束ね方を決めます。当社が基準にしているのは、言葉の見た目ではなく検索した人が何をしようとしているかです。同じ「費用」でも、相場を知りたい人と見積もりを取りたい人では、必要な記事が違います。

枝の束 言葉の例 読者がしようとしていること
知る 〇〇とは/〇〇 意味 言葉の意味を確かめている
選ぶ 〇〇 比較/〇〇 選び方 判断の材料を集めている
やってみる 〇〇 方法/〇〇 手順 自分で手を動かそうとしている
頼む 〇〇 依頼/〇〇 費用 外に任せることを検討している

言葉の見た目で分けると、意味の近い言葉が別の束に散らばります。逆に意図で分ければ、1つの束がそのまま1本の記事の候補になっていくでしょう。

もう1つ見ておきたいのが、束の中にある言葉どうしの関係です。同じ束にも、広く全体を指す言葉・その一部を細かく指す言葉・横に並ぶ言葉が混ざっています。

どれを軸に置くかで、書く記事の粒度が変わります。広い言葉を軸にすれば全体を見渡す1本になりますし、細かい言葉を軸にすれば具体的な1本になるわけです。束を作ったら、その中で軸に置く言葉を1つ決めておくと、次の表に移したときに迷いません。

図のままでは記事になりません

図が完成すると、それだけで仕事が進んだ気持ちになります。ところが図には、誰がいつ書くのかを書き込む場所がありません。枝の数が増えるほど、次に何をするのかは見えにくくなります。

枝が100本あっても、そこから今月書く3本を選ぶ作業は別に必要です。図はあくまで、選択肢を目の前に並べる道具だと考えてください。

だから当社は、図を作った日のうちに表へ移す手順にしています。図のファイルはそのまま残し、次に領域を広げるときに開き直せば十分でしょう。

割り当てる表は1行1記事で作ります

記事の計画として実際に動くのは、こちらの表です。表計算ソフトを1枚開けば作れますが、決めておくことが2つあります。1行が何を表すのかと、列に何を持たせるのかです。

壁に格子状に並べられた付箋と、1枚を貼ろうとする手。行と列で割り当てる場面のイメージ

1行に1つの記事を対応させます

最初に決めるのは行の粒度です。当社は1行=1記事=狙う言葉1つに固定しています。言葉ごとに行を立てると数千行になり、どの行が記事になるのかが読み取れなくなるためです。

この決め方には、もう1つの効果があります。すでに公開URLが入っている行に別の記事を当てようとしたとき、それが同じ言葉を2本で取り合う状態だとその場で分かるという点です。当社では重なりを見つけたら、新しい行に回す運用にしています。

行の粒度を決めることは、結果としてカニバリの予防になります。同じ言葉を複数の記事が取り合う状態そのものについては、SEOのカニバリとは?原因と見分け方・直し方をわかりやすく解説で詳しく整理しています。

列に持たせる項目を決めます

列は多いほどよいわけではありません。埋められない列があると、そこから更新が止まります。当社が最低限として置いているのは次の項目です。

何を書くか なぜ必要か
狙う言葉 その記事で取りにいく1語 行を識別する目印になる
関連する言葉 同じ意図の言い換え・掛け合わせ 見出しやよくある質問の材料になる
検索意図 知る/選ぶ/やってみる/頼む 記事の型が決まる
優先度 高・中・低の3段階 次に書く行を選べる
公開URL 公開後に記入 空欄=まだ書いていないの目印になる
公開日 公開後に記入 見直す時期の判断に使う

この6列があれば、次に書く記事を選ぶところまで進めます。当社は運用上さらに記事の管理番号を持っていますが、始めるときはこの6列で足ります。担当者や進行状況を足すかどうかは、体制ができてからで間に合うでしょう。

同じ意図の言葉は同じ行にまとめます

迷いやすいのが、似た言葉を別々の行にするかどうかです。判断の基準は言葉の見た目ではありません。検索したときに出てくるページの顔ぶれが同じなら、同じ行にまとめます。

顔ぶれが同じということは、Googleが両者を同じ問いだと見ている可能性が高いためです。それぞれに記事を作れば、自社の2本が同じ場所を取り合うことになるでしょう。

それでも重なりが生まれてしまうことはあります。Googleは重複したページについて「重複ページまたは非常に類似したページの正規 URL を指定する場合、いくつかの方法で Google 検索に優先事項を伝えられます。」rel=”canonical” などを利用して正規 URL を指定する方法(Google 検索セントラル)と案内しています。

ただし、これは公開後の後始末にあたる作業です。設計の段階で行をまとめておけば、そもそも指定する必要が生まれません。

設計図と台帳は1枚で兼ねます

作ったマップが数か月で使われなくなるのは、更新の仕組みがないからです。当社が自社メディアで実際に採っている形を、そのままお伝えします。

白い机に開かれたリングノートと鉛筆、眼鏡。マップを見直す場面のイメージ

書いた記事の記録を同じ行に戻します

当社のマップは、これから書く言葉の設計図と、すでに公開した記事の台帳を兼ねた1枚です。同じ行の左側に狙う言葉や検索意図といった設計の列が並び、右側に公開したURL・公開日・記事の番号という結果の列が並びます。

記事を1本公開したら、その行の右側を埋めます。埋めた瞬間に、その行は「これから書く候補」から「書き終えた記録」に変わるわけです。公開URLの列が空いている行が、次に書く候補という状態になります。

探す手間がなくなるので、次に何を書くかの会議が短くなります。一覧を上から見て、空いている行のうち優先度の高いものを選ぶだけで済むためです。

分けて持つと片方が止まります

設計のファイルと公開記事の一覧を別々に持つ会社は多いものです。当社も以前は分けていました。結果として、公開記事の一覧だけが更新され、設計のファイルは最初に作ったまま止まりました。

理由ははっきりしています。記事を公開したときに手を入れる必要があるのは実績の側だけで、設計の側は開かなくても仕事が回ってしまうからです。開かないファイルは、そのうち現状と合わなくなります。

1枚にしておけば、公開のたびに同じファイルを開くことになります。更新を意志の力に頼らず、作業の流れの中に組み込むのが狙いです。

見直す間隔を先に決めます

行を埋める作業とは別に、全体を見直す日を決めておきましょう。当社は月に1回としています。これは、GoogleがSearch Consoleの確認頻度として示している間隔にそろえたものです。

Search Consoleの案内には「データが安定していることを確認するため、月に 1 回程度は(またはサイトのコンテンツに変更を加えた場合は)、アカウントをチェックすることをおすすめします。」Search Console を使ってみる(Google 検索セントラル)と書かれています。数字を見る日と、マップを見直す日を同じにしておくと手戻りがありません。

やることを整理すると、次の4つになります。公開のたびに行う作業と、まとめて行う作業を分けておくと迷いません。

タイミング やること 目的
記事を公開したとき その行の公開URLと公開日を埋める 次に書く行が一目で分かる状態を保つ
月に1回 狙った言葉と、実際に表示されている言葉を突き合わせる ねらいと結果のずれに気づく
月に1回 新しく出てきた言葉を行として足す 読者の関心の変化を取り込む
半年に1回 優先度を付け直す 事業の重点が変わったことを反映する

上の2つは5分ほどで終わる作業です。時間がかかるのは優先度の付け直しですが、これは半年に一度で足ります。

今泉の視点:ご相談でマップを見せていただくとき、私が最初に確かめるのは図の美しさではありません。最後に更新されたのはいつかです。

止まっているマップには型があります。行が数百あるもの、担当者の列まで作り込まれているもの、そして複数のファイルに分かれているもの。どれも、作った日がいちばん丁寧で、そこから手が入っていません。

私は、丁寧に作られたマップほど危ないと考えています。作り込むほど開くのが億劫になるからです。6列で始めて、公開のたびに1行埋める。それくらいのほうが、半年後も生きています。

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よくある失敗は3つあります

マップが使われなくなる理由は、たいてい次の3つのどれかです。どれも作る前に知っておけば避けられます。

壁一面を埋め尽くす大量の付箋。数を増やすこと自体が目的になった状態のイメージ
失敗 起きること 防ぎ方
図をそのまま使う 1本の記事に別々の意図が混ざる 束ね直しは人が行う
1つの言葉に複数の記事 自社の記事どうしが同じ場所を取り合う 行を足す前に既存の行を確かめる
網羅が目的になる 行だけ増えて公開が追いつかない 書ける本数の3倍で行を止める

ツールが出した図をそのまま使う

言葉を入れると関連語を自動で分類してくれる仕組みがあります。便利ですが、機械が見ているのは言葉の並びであって、検索した人の目的ではありません

そのため、意味の近い言葉が別の枝に分かれたり、目的の違う言葉が同じ枝に入ったりします。自動で出た分類をそのまま記事の計画にすると、1本の記事に別々の意図が混ざることになるでしょう。

使うなら、候補を集める段階までにとどめてください。束ね直す作業は人が行うほうが、結果として早いはずです。

1つの言葉に複数の記事を当てる

行が増えてくると、似た言葉に別々の記事を割り当ててしまうことがあります。この状態が起きる原因や見分け方は、SEOのカニバリとは?原因と見分け方・直し方をわかりやすく解説で詳しく扱っています。

ここでお伝えしたいのは、マップの側でできる予防のほうです。行を足す前に、同じ意図の行がすでにないかを確かめるという一手間で、大半は避けられます。

確かめ方は2段階です。まずマップの中を「狙う言葉」と「関連する言葉」の両方の列で検索し、似た言葉が引っかからないかを見ます。引っかかったときの判断は、前章のとおり検索結果の顔ぶれで決めてください。

Googleは、サイトを運営する側が理解しておくこととして「正規ページとはどのようなもので、サイトのクロールやインデックス登録にどう影響するかについて理解しておく必要があります。」ウェブサイトの SEO の管理(Google 検索セントラル)と案内しています。当社は、公開後に整理するより設計の段階で防ぐほうが手戻りは小さいと考えています。

網羅そのものが目的になる

3つ目は、行を増やすこと自体が目的になってしまう状態です。ご相談の場では、数百行のマップを作ったのに1年で公開できたのは十数本、という話をうかがいます。

行の数と、書ける本数は別のものです。当社は今後3か月で書ける本数の3倍程度を目安に行を持ち、それ以上は増やさないようにしています。多すぎる行は、選ぶ時間を増やすだけだからです。

優先度をどう決めるかについては、SEOキーワード選定のやり方|勝てる選び方と手順・ツールで扱っています。マップは選ぶための道具であって、集めた量を誇るための表ではありません。

キーワードマップについてよくあるご質問

キーワードマップは無料で作れますか?

キーワードマップは無料で作れます。広げる図は紙とペンでも作図の無料ツールでも描けますし、割り当てる表は表計算ソフト1枚で足ります。有料の道具が必要になるのは、検索された回数の目安をまとめて調べたい場合や、行が数百を超えて管理が重くなってきた場合です。最初から道具を選ぶより、6列の表を1枚作るほうが先に進みます。

キーワードマッピングとキーワードマップは違うものですか?

キーワードマッピングは、集めた言葉をページに割り当てる作業のことを指します。キーワードマップがその結果としてできる表や図を指すのに対し、マッピングは動作のほうを表す言い方です。厳密に区別せず使う人もいますが、割り当てる作業を指しているのか、できあがった一覧を指しているのかを意識すると、話が噛み合いやすくなります。

キーワードマップは何行くらいあればよいですか?

キーワードマップの行数に決まりはありません。当社は今後3か月で書ける本数の3倍程度を目安にしており、月に4本書けるなら36行前後になります。行が多いほど良いわけではなく、書ける量を大きく超える行は、次に書く記事を選ぶ時間を増やすだけです。足りなくなったら見直しのときに足していけば間に合います。

作ったキーワードマップはどのくらいの頻度で見直せばよいですか?

全体の見直しは月に1回が目安になります。Googleも、データが安定していることを確認するために月に1回程度はSearch Consoleを確認するよう案内しているため、数字を見る日とそろえておくと手戻りがありません。これとは別に、記事を1本公開したらその行の公開URLと公開日を埋めます。こちらは公開のたびに行う作業です。

まとめ

キーワードマップという言葉は、目的の違う2つのものを指しています。次の3つを押さえておけば、作ったあとに使われないマップにはなりません。

  • 広げる図は言葉を見つけるための道具です
  • 割り当てる表は1行に1記事を対応させます
  • 設計と実績を1枚で兼ねると更新が止まりません

今日できることを1つ挙げるなら、表計算ソフトを開いて6列の見出しを作ることでしょう。狙う言葉・関連する言葉・検索意図・優先度・公開URL・公開日の6つです。

そこへ、すでに公開している記事を1本ずつ書き戻してみてください。空欄のまま残った行が、次に書くべき記事になります。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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