検索エンジン一覧は2層で見る|同じ言葉で引いた5つの実測

「Google以外の検索エンジンって、うちは対策しなくていいんですか」。社内でそう聞かれて、うまく答えられなかったことはないでしょうか。検索エンジン一覧をまとめた記事は何本もあるのに、並んでいる顔ぶれはよく似ていて、結局どれを見ればいいのかは分からないままです。

並んでいる名前は、実は「検索結果を自分で作っている側」と「その結果を配信してもらっている側」の2層に分かれます。ここに線を引ければ、見るべきものは2つか3つだけです。

この記事では、各社の公式ドキュメントで確認した線引きと、5つの検索エンジンで同じ言葉を引き比べた実測を並べます。読み終えるころには、シェア率の数字を社内資料にどう書けばよいかまで判断できるはずです。

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目次

先に結論|検索エンジンの一覧は2層で見る

検索エンジンの一覧記事を3本読んでも4本読んでも決めきれないのは、並んでいる顔ぶれがほとんど同じだからです。当社が2026年8月に上位10サイトを確認したところ、10サイトすべてが一覧を掲載しており、顔ぶれはGoogle/Bing/Yahoo!/Yandex/Baidu/DuckDuckGo/NAVER/Coc Coc/Sogou/Ecosiaでほぼ固定されていました。

並んでいる名前は、実際には「検索結果を自分で作っている側」と「その結果を配信してもらっている側」の2層に分かれます。この線が引けると、一覧は眺めるものから選べるものへと変わるのです。

この章では、各社の公式ドキュメントで裏が取れた線引きと、それを自分の手で確かめるための材料を先に示します。

独自の結果を作ると確認できたのは7つ

自前のクローラーでウェブを巡回し、自前のインデックスを持っていると各社の公式ドキュメントで確認できたのは、次の7つでした。インデックスというのは、集めてきたページを検索できる形に整理したデータベースのことです。この土台を自分で持っているかどうかが、最初の分かれ目になります。

サービス 公式で確認できたこと
独自インデックスを持つ Google/Microsoft Bing/Brave Search/Mojeek/Yandex/Baidu/Sogou 自社のクローラーとインデックスを公式ドキュメントで明記
他社から結果の配信を受ける Yahoo! JAPAN/DuckDuckGo/Ecosia 配信元の社名を公式ページで明記
今回は確認できなかった NAVER/Coc Coc/Startpage ほか 公式記述に到達できず、どちらとも断定できない

ここで強調したいのは「独自インデックスは7つしかない」ではありません。公式に確認できたのが7つ、という言い方が正確です。NAVER・Coc Coc・Startpage については、今回の調査で各社の公式記述にたどり着けませんでした。

通説として広まっている説明はあります。ただ、一次情報で裏が取れていないものを社内説明の根拠にすると、あとで聞き返されたときに答えられません。分からないものは分からないままにしておくほうが、実務では安全です。

Yahoo!は自前の検索結果を持たない

日本で広く使われているYahoo! JAPANですが、自前の検索エンジンは持っていません。運営するLINEヤフーが、プライバシーセンターの中でこう書いています。

LINEヤフーでは、Yahoo! JAPANの検索サービスにおいてGoogle LLC(所在地:米国カリフォルニア州)の検索エンジンおよび検索連動型広告配信システムを使用しています。

出典はLINEヤフー プライバシーセンター「パーソナルデータの活用」で、この記述を含む節は2026年8月17日に更新されています。つまり、過去の話ではなく現在形で言える一次情報です。

面白いのは、この事実がYahoo!検索のヘルプには一言も書かれていないことです。検索の仕組みを説明したヘルプ記事にあるのは「検索エンジン用ロボットが収集したウェブページのインデックスから」という記述だけで、そのロボットが誰のものかには触れていません。

読者が誤解したまま来てしまう構造は、ここにあります。

この公式記述と矛盾しない材料が、手元でも1つ取れました。当社が運営するメディアのドメインを指定して検索したところ、表示されたヒット件数はGoogleが「約 754 件」、Yahoo! JAPANが「約754件」で、数字まで一致しています。

2026年8月25日に、言語と地域を日本に指定して行った1ドメイン・1回だけの観測です。これ単独で何かを断定できるものではありませんが、公式の記述と食い違わなかった、という位置づけで受け取ってください。

選ぶ前に確かめる3つの判断材料

一覧から自分に必要なものを絞り込むとき、見るべきものは3つに整理できます。名前の多さや知名度ではありません。

確かめること どこを見るか 分かること
独自インデックスを持つか 各社の公式ドキュメント そもそも別の結果になりうるのか
同じ言葉で順位まで揃うか 自分で同じ語を引いて並べる 実際にどれだけ違うのか
シェア率が何を数えた数字か 調査元の集計方法とデバイス区分 その数字を判断に使ってよいか

3つ目が抜けやすいので補足します。同じ「日本のシェア」でも、パソコンとスマートフォンでは順位そのものが変わります。区分を確かめずに1つの数字を持ち出すと、結論のほうが数字に引きずられかねません。

この3つを押さえると、「Google以外の検索エンジンを使う」が具体的に何を選ぶことなのかが見えてきます。以降の章では、一覧そのものと、実際に引き比べた結果、そしてシェア率の読み方を順に見ていきます。

検索エンジン一覧|独自インデックス別に整理

ここからは主要な検索エンジンを、独自インデックスを持つかどうかで分けて一覧にしましょう。知名度順でもシェア順でもなく、中身の構造で並べ替えた一覧です。

先に断っておくと、世界に検索エンジンがいくつあるかという総数は、公式に定義されたものが存在しません。この記事も「全部を数えた一覧」ではなく、公式ドキュメントで出どころを確認できたものを構造で整理した一覧として読んでください。

独自インデックスを公式に確認できた7つ

まず、自前のクローラーとインデックスを持っていると公式が明記している7つです。クローラーはウェブページを自動で巡回して集めるプログラムを指します。仕組みそのものをもう少し詳しく知りたい方は、クローラーとは?検索エンジンの仕組みとSEOの基本を解説もあわせてご覧ください。

サービス 主な利用地域 公式に確認できた内容
Google 世界 クロール・インデックス登録・検索結果の表示の3段階を公式に定義
Microsoft Bing 世界 Bingbotが集めたページをBingのインデックスに追加すると明記
Brave Search 世界 ゼロから構築した自社インデックスから配信すると明記
Mojeek 世界(英国発) 2004年から自社で検索技術を開発。インデックス規模を公開
Yandex ロシアほか YandexBotを主要なインデックス用ロボットと定義
Baidu 中国 Baiduspiderを公式に解説(発布日2017年4月)
Sogou 中国 sogou spiderという自動プログラムを公式に説明

規模の桁を実感しておくと役に立ちます。Googleは自社のインデックスについて、数千億のウェブページを対象とし、1億ギガバイトをはるかに超えると公式に説明しています。一方Mojeekが公式サイトの年表で公開しているインデックス規模は、2025年に90億ページ超。2020年の30億超から着実に伸びていますが、桁が違います。

Brave Searchの経緯も押さえておく価値があります。2023年4月の発表で、同社はすべての検索結果を自社インデックスから配信するようになったと説明しました。あわせてBingへの検索API呼び出しをすべて削除したとも書かれています。現行の公式ページにも、ゼロから作った自社インデックスから結果を出しているとあります。

他社から結果の配信を受けている3つ

次が、他社から検索結果の配信を受けていると公式に明記している層です。ここに日本で身近な名前が入ってきます。

サービス 配信元 公式ページの更新時期
Yahoo! JAPAN Google LLC 2026年8月17日
DuckDuckGo 主にBing(自社クローラーと複数のインデックスも併用) 更新日の表記なし(2026年8月25日確認)
Ecosia Microsoft Bing/Google/EUSP の3社 2026年8月12日

DuckDuckGoについては、言い方に注意が必要です。公式ヘルプは、従来型のリンクと画像の多くをBingから得ていると書いています。その一方でDuckDuckBotという自社クローラーと複数のインデックスも保有しているとも明記しているのです。「実質Bing」と言い切るのは、公式の書きぶりより一歩踏み込みすぎです。

Ecosiaは公式ヘルプのとおり3社から結果を得ています。うちEUSPは、Qwantとの合弁で欧州独自の検索インデックスを作る取り組みです。

ただし提供範囲の書きぶりが分かれています。公式ヘルプは2026年8月12日の更新で「現在はフランスのみ」と書く一方、公式ブログは2026年7月30日にドイツでの配信開始を伝えました。より新しいはずのヘルプのほうが狭い範囲を書いているため、どちらか一方だけを根拠にするのは避けたほうが無難です。

一覧記事に出てこないサービスもある

当社が2026年8月に確認した上位10サイトでは、Google、Bing、Yahoo!、Yandex、Baidu、DuckDuckGo、NAVER、Coc Coc、Sogou、Ecosiaの10個がほぼ固定で並んでいました。ところがこの並びには、独自インデックスを持つサービスが抜け落ちています。

当社は別のテーマで記事を作っていたとき、複数の検索エンジンへ機械的にアクセスを試みたことがありました。2026年8月3日時点の作業記録には、こうあります。

Google・Bing・DuckDuckGo・Yahoo!検索・Brave・Ecosia・Mojeek・Marginalia等、すべてrobots.txtによりアクセスが拒否された

ここで拒否されたのは、あくまでプログラムによる自動取得です。人がブラウザで使えないという意味ではありません。

注目してほしいのは、拒否されたこと自体ではなくこの列挙にMojeekとMarginaliaという名前が入っている点にあります。どちらも一般的な一覧記事にはまず出てきません。

このうちMojeekは、2004年から自社で検索技術を開発していると公式サイトに明記しており、前掲の独自インデックス側に入ります。Marginaliaのほうは、当社の作業記録に名前が挙がっただけで、インデックスの出どころまでは確認していません。

一覧に載っているかどうかと、独自の検索結果を作っているかどうかは、別の話だということです。一覧記事に並ぶのは、世の中の全体ではなく書き手が確認できた範囲だと考えておくと、読み方を誤りません。

中国・ロシア・韓国の検索エンジン

海外の検索エンジンを探している方が気にするのは、たいていこの地域です。ここには、独自インデックスを持つ側に入るサービスが並びます。

Baiduは中国で使われており、Baiduspiderという自社クローラーを公式に定義しています。ただし参照した公式解説の発布日は2017年4月で、現在も同じ体制かどうかまでは確認していません。

ロシアのYandexは、YandexBotを「主要なインデックス用ロボット」と公式に定義しています。同じく中国のSogouも、sogou spiderという自動プログラムの説明を公開しています。

一方、韓国のNAVERとベトナムのCoc Cocは、インデックスの出どころに関する公式記述に今回たどり着けませんでした。

NAVERについては、更新通知の仕組みであるIndexNowの公式サイトが対応検索エンジンとして名前を挙げています。自前のクロール基盤を持つことをうかがわせる材料ではありますが、NAVER自身の公式記述ではないため断定はしません。

AI検索は一覧のどの層に入るのか

AI検索を一覧に混ぜてよいのか、という疑問はもっともです。結論から言えば、2層に分ける考え方はAI検索側でもそのまま使えます。ただし現時点では、どちらの層に入るかを公式情報で確定できないサービスがある点に注意が必要です。

サービス 公式に確認できたこと 確認できなかったこと
Perplexity PerplexityBotという自社クローラーを公開 自前インデックスか第三者検索の併用か
ChatGPTの検索機能 OAI-SearchBotという自社クローラーを公開 併用している検索プロバイダの有無
GoogleのAIによる概要 Google検索の中の表示形式。追加の最適化は不要と明記

GoogleのAIによる概要とAIモードについては、公式ヘルプが表示されるための追加要件や特別な最適化は必要ないと明言しています。Google検索で評価されることがそのまま前提になる、という理解でかまいません。この領域をもう少し掘りたい方には、AI検索とは?仕組みと企業がいま備えるべき対策完全ガイドAIモードとは?Google検索の集客への影響と企業の対策が続きになります。

PerplexityとChatGPTについては、クローラーを持っていることまでが公式の情報です。どこの検索結果を使っているかを書いた公式ドキュメントは見つかりませんでした。社名を挙げた説明を見かけても、出典が公式かどうかを必ず確かめてください。

実測|同じ言葉で引くと結果は2つに割れた

公式ドキュメントの線引きは、実際の検索結果にも表れるのか。ここは調べるより引き比べたほうが早いので、当社で実際にやってみました。

結論を先に言うと、5つの検索エンジンは、きれいに2つの塊に割れました。この章はその実測の記録と、そこから引ける線の話です。

5つの検索エンジンで同じ3語を引いた

2026年8月25日、Google、Yahoo! JAPAN、Bing、DuckDuckGo、Brave Searchの5つで、同じ3つの言葉を検索しました。調べもの、手続き、地域情報と、性格の違うものを選んでいます。

項目 内容
検索した言葉 seo対策とは/確定申告 やり方/東京 ランチ
対象エンジン Google/Yahoo! JAPAN/Bing/DuckDuckGo/Brave Search
取得日 2026年8月25日(1つの言葉につき1回の観測)
条件 言語と地域を日本に指定(指定できるエンジンのみ)
数え方 1ページ目のドメインを順位順に記録。広告枠は除外し、同じドメインは初出の1回だけ
一致率の母数 比べる2つのエンジンのうち、1ページ目の件数が少ないほうの件数

条件をそろえることが、この手の比較では何より大事です。同じ検索エンジンでも、地域の指定を変えるだけで中身は動きます。

当社は2026年8月20日、Googleのオートコンプリート用の公開エンドポイントへ未ログインで問い合わせる実測を行いました。同じ言葉で得た候補どうしを比べると、地域指定を日本にした場合は100%一致したのに、米国にすると70%しか一致しません。地域の指定だけで、候補の3割が入れ替わったわけです。

エンジン同士を比べる前に条件を固定しないと、何を測っているのか分からなくなります。この実測の詳細はサジェストツールは件数で選ばない|実測71回でわかる中身と境界にまとめています。

なお、Googleの1ページ目は必ずしも10件ではありませんでした。「seo対策とは」「確定申告 やり方」ではオーガニックの枠が8件だったため、母数は各エンジンの実際の件数に合わせています。検索する言葉そのものの捉え方は、検索クエリとは?キーワードとの違いと直すべき場所の決め方で整理しています。

Googleとヤフーは順位まで揃った

3つの言葉を合わせて集計したところ、Googleと最もよく似ていたのはYahoo! JAPANでした。1ページ目に出たドメインの大半が共通していました。

数字より分かりやすいのは「東京 ランチ」の結果です。

  • 10件のうち9件が同じサイトで、1位から9位まで並び順まで一致した
  • 違ったのは10位の1件だけ(Googleは動画共有サイト、Yahoo! JAPANはレシピ系メディア)

前章で見たとおり、LINEヤフーは公式にGoogleの検索エンジンを使っていると明記しています。公式の記述と、実際に引いた結果が一致したということです。

BingとDuckDuckGoも同じ並びだった

もう1つの塊が、BingとDuckDuckGoです。3つの言葉を合わせたドメインの一致率は8割に達しました。

「seo対策とは」では、1位から6位までの6つのドメインが完全に同じ順番で並びました(2026年8月25日の1回の観測)。DuckDuckGoの公式ヘルプが「従来型のリンクの多くをBingから得ている」と書いていることと、この結果はまっすぐつながります。

そして重要なのは、この2つの塊をまたいだときの数字です。次の表はGoogle・Yahoo! JAPAN・Bing・DuckDuckGoの4つに絞った6ペアです。独自インデックスを持つBrave Searchは、次の見出しで別に扱います。

組み合わせ ドメイン一致率 関係
Google × Yahoo! JAPAN 85% 同じ塊
Bing × DuckDuckGo 80% 同じ塊
Google × DuckDuckGo 48% 塊をまたぐ
Yahoo! JAPAN × DuckDuckGo 44% 塊をまたぐ
Google × Bing 42% 塊をまたぐ
Yahoo! JAPAN × Bing 42% 塊をまたぐ

塊の中は80%台、塊をまたぐと40%台。2つの塊の内と外で、差がはっきり出ました。

「Google以外の検索エンジンを使う」という言い方が、実際には何を意味するのかがここに出ています。Yahoo! JAPANに変えてもGoogleからは離れず、DuckDuckGoに変えるとBing側の並びに移る、というのが観測された姿でした。

ドメインの重なりと順位一致は別物

ここで、うっかり読み違えると逆の結論になる落とし穴があります。Brave SearchとGoogleのドメイン一致率は81%で、Google×Yahoo! JAPANの85%に迫る高さだったのです。

この数字だけを見れば「BraveもGoogleの結果を使っているのでは」と思えます。ところが、同じ順位に同じドメインが来た割合を数えると、話は変わります。

組み合わせ ドメイン一致率 順位まで一致した率
Google × Yahoo! JAPAN 85% 46%
Bing × DuckDuckGo 80% 36%
Google × Brave Search 81% 19%

Braveはドメインは重なるのに、順位はまるで揃っていません。これは、同じ人気ページを見つけてはいるが、並べ方は自分で決めているという姿です。Brave Searchが自社インデックスから配信していると公式に説明していることと、矛盾しません。

ここから、実務で使える判断のコツが1つ出てきます。「同じサイトが出てくるか」ではなく「同じ順番で出てくるか」を見るということです。有名なサイトはどのエンジンでも上位に来ますから、ドメインの重なりだけでは何も判別できません。順位の並びまで揃うのは、同じ計算結果を受け取っているときです。

最後に、この実測の限界もはっきりさせておきます。限界は3つです。

  • 1つの言葉につき1回、1日だけの観測にすぎない
  • ブラウザは通常のログイン状態のままで、パーソナライズの影響を除けていない
  • ドメイン名だけを機械的に拾っており、内容を確認していないサイトも母数に含まれる

検索順位が日ごとにどれだけ動くかについては、キーワード検索順位は3つの数値|5,335件で分かった変動幅で別途測っています。同じ手順を再現すれば、数字は違っても塊の分かれ方は確かめられるはずです。

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シェア率は社内資料に貼る前に確かめる

検索エンジンのシェア率は、一覧記事でいちばんよく引用される数字です。そして、いちばん危ない数字でもあります。

「Googleが9割」という一言で安心して終わるか、逆に「Bingが4割もある」と読んで対策方針を変えてしまうか。どちらの結論も、同じ調査元の同じ月のデータから作れてしまいます。この章では数字そのものと、その数字を判断に使ってよいかの見分け方を並べます。

世界はGoogleが9割を占めている

世界の構図は分かりやすく、そして安定したままです。StatCounterの2026年7月データ、全デバイス合計は次のとおりです。

検索エンジン 世界シェア(2026年7月・全デバイス)
Google 91.31%
Bing 4.47%
Yahoo! 1.24%
Yandex 1.00%
DuckDuckGo 0.65%
Baidu 0.50%

出典: StatCounter Global Statsのページ表示値/対象: 2026年7月/取得日: 2026年8月25日

直近1年もほとんど動いていません。世界のBingは2025年8月の3.9%台から2026年7月の4.4%台へと緩やかに増えた程度です。世界規模で見るかぎり、検索エンジンの勢力図は静かなままだと言えます。

日本はパソコンとスマホで像が違う

日本の数字は、デバイスを分けないと意味を取り違えかねません。同じ2026年7月の同じ調査元でも、こう変わります。

検索エンジン スマートフォン パソコン
Google 82.64% 50.37%
Yahoo! 13.67% 3.57%
Bing 0.88% 44.90%
DuckDuckGo 1.05% 0.57%

出典: StatCounter Global Stats(日本)のCSVエクスポート値/対象: 2026年7月/取得日: 2026年8月25日。出典ページの表示値とは0.1ポイント未満の差があります。

スマートフォンではBingが1%に届きません。同じ月のパソコンでは40%台半ばに達します。「日本のBingのシェア」と一言で言える状態ではないことが分かります。

社内で「Bingにも対策が要りますか」と聞かれたとき、どちらの数字を出すかで会議の結論が変わってしまうのです。

もう1つ、この1年の推移も見ておく価値があります。日本のパソコンのBingは次のように動きました。

  • 2025年8月 Bing 16.60%/Google 75.05%
  • 2026年1月 Bing 40.81%/Google 53.16%
  • 2026年4月 Bing 52.42%/Google 42.65%
  • 2026年7月 Bing 44.90%/Google 50.37%

出典: StatCounter Global Stats(日本・デスクトップ)のCSVエクスポート値/取得日: 2026年8月25日

2026年4月の単月だけを切り取れば、パソコンではBingがGoogleを上回っています。ところが3か月後には順位が再び入れ替わりました。単月を切り取って「抜いた」と書くと、次の月には成立しない主張になります。

ただし順位が戻っても、水準まで戻ったわけではありません。1年前と直近では、置かれている位置がまるで違います。

この動きが日本のパソコンにだけ現れている点も見逃せません。同じ期間、日本のスマートフォンのBingは0.67%から0.88%の範囲でほぼ動かず、世界のBingも横ばいでした。

そしてこの変動の理由を説明する公式情報は、今回まったく確認できませんでした。心当たりのある説明はいくつも思いつきますが、裏が取れないものを社内資料の根拠にはできません。ここは「原因は分からない」と書くのが正確です。

StatCounterが数えているものの正体

そもそもこの数字は何を数えたものか。公式の説明を読むと、想像とはだいぶ違います。

StatCounterは、トラッキングコードが設置された100万を超えるサイトへのアクセスを集計しています。検索エンジンのシェアは、ユーザーが検索して結果をクリックし、そのサイトに着地したときの参照元を1件として数えたものです。月間30億を超えるページビューが母数になっています。

ここから見えてくるのは、書き方を変えなければいけない3つの点。

この数字で言ってはいけないこと
  • 「日本人の◯%が使っている」と人口比に言い換える(数えているのは検索経由の着地)
  • 「日本の利用実態の代表値」として扱う(国別の重み付け補正を一切していない)
  • 直近の月の数字を確定値として扱う(公開から45日間は改定されうる)

着地を数えているという性質は、これから効いてきます。検索したがクリックしなかった検索、AIの要約だけ読んで終わった検索、アプリの中で完結した検索は、そもそも数えられません。AIによる概要が広がるほど、この数字と実際の検索行動のずれは開く方向に働きます。

計測の道具が変わると数字が変わるのは、検索に限った話ではありません。当社が被リンクを実測したときは、同じツールの中でも集計単位を切り替えるだけで結果が反転しました。サブドメイン単位では約6,400件と出た一方、URL完全一致では0件と表示されたのです。

同じ対象を同じ日に測っても、何を数えるかの定義が違えば数字は別物になります。この実測は被リンクチェッカーの数字が合わない理由|同じ日に5通りで実測にまとめました。

社内資料に使うときの書き方

ここまでをふまえると、シェア率を資料に載せるときの作法は決まってきます。数字だけを貼らず、必ず次の4点を添えてください。

  • 調査元の名前(StatCounterなのか、別の推定データなのか)
  • 対象月と、自分が取得した日
  • デバイス区分(全デバイス/パソコン/スマートフォンのどれか)
  • その数字が何を数えたものか(検索経由の着地であって利用者数ではない)

もう1点、押さえておくと安全なことがあります。日本の検索エンジンのシェアを示す公的統計は、今回の調査では見つかりませんでした。総務省の情報通信白書のデータ集で「検索」を含む項目は、検索結果の信頼度を国別に比較したものであってシェアではありません。通信利用動向調査にも該当項目は確認できませんでした。

公正取引委員会の報告書には「70〜80%のシェア」という記述もあります。ただしこれは2021年2月時点の検索連動型広告市場のシェアであって、検索エンジンの利用シェアではありません。5年以上前の数字でもあります。「公的統計によると」と書き出したくなる場面ですが、その根拠は今のところ手元にない、と考えたほうが正確です。

用途別|見るべき検索エンジンの絞り方

ここまでの整理をふまえて、実際にどれを見ればよいのかを絞り込みます。一覧に並んだものを全部使う必要はありません。

先に方針を言うと、用途ごとに見るのは2つか3つで足ります。数を増やすほど賢くなるわけではなく、塊が違うものを1つずつ持っておくほうが効きます。

「最強」「最速」を判断できる評価軸

検索エンジンを「最強」「最速」という言葉で探す人は少なくありません。ただ、この2語には共通の定義がありません。誰かが決めた順位を借りるのではなく、自分で評価軸を持たないと、比べたことにならないのが実情です。

実際に使える軸は4つに絞れます。

評価軸 確かめ方 分かること
独自インデックスを持つか 各社の公式ドキュメント そもそも別の答えを出せる立場にあるか
インデックスの規模 公表している会社の年表・公式説明 拾える範囲の広さの目安
他のエンジンと結果が違うか 同じ言葉を並べて引いて順位を比べる 乗り換える意味があるか
自分の検索で満足できるか ふだん使う言葉を10個ほど引いてみる 自分の用途との相性

規模については、独自インデックスを公式に確認できた7つで見た公表値が手がかりになります。ただし規模が大きいほど自分の検索に良い答えが返るとは限りません。3つ目と4つ目の軸を自分で試すほうが、判断としては確かです。

ちなみに「最速」については、当社では測っていません。表示速度を比べるなら同じ回線・同じ端末・同じ時間帯で揃える必要があり、今回の実測の範囲外です。測っていないことは、書けません。

自社サイトの見え方を確認する順序

自社サイトが検索エンジンからどう見えているかを確認するなら、順序は決まっています。塊ごとに1つずつ、合計2つあれば十分です。

順序 見るもの 理由
1 Google Search Console Googleがサイトを見つけてクロールできているかを確認し、インデックスの問題を直して再登録を依頼できる
2 Bing Webmaster Tools Bingは独自インデックス。Googleで見えていてもBingで見えていないことがある
Yahoo! JAPAN Googleの検索エンジンを使っているため、ウェブ検索の順位を確認する目的では別に見る必要がない

Search Consoleのどの画面を見ればよいかは、自社サイト265本を実測して別の記事に整理しました。詳しくはサーチコンソールの使い方は3画面で足りる|265本の実測と公式をご覧ください。

今泉の視点:「名前の数と中身の数は違う」という経験は、検索エンジン以外でもしています。2026年8月21日に自社ドメインの被リンクを実測していたときのことです。別々の名前で紹介されている2つの無料ツールを順に試したのですが、片方のフォームに入力すると、もう片方のページへ自動で転送されていました。運営会社を確かめると同じ会社です。2つ試したつもりが1つしか試せていなかったわけで、検索エンジンの一覧を眺めるときも同じ目で見るようになりました。

Google以外に別途対策が必要な範囲

社内でいちばん聞かれるのがこの質問です。答えを表にまとめます。

対象 別途の対策 根拠
Yahoo! JAPANのウェブ検索 不要 Google LLCの検索エンジンを使用していると公式に明記
Bing 意味がある 独自インデックス。専用のツールと更新通知の仕組みがある
GoogleのAIによる概要・AIモード 追加の最適化は不要 公式ヘルプが追加要件はないと明言
中国・ロシア向け その市場に出るなら必要 Baidu・Yandexは独自インデックスを公式に確認できた
韓国向け その市場に出るなら要確認 NAVERはインデックスの出どころを今回確認できていない

ひとつ補足すると、Yahoo! JAPANにも独自の要素は残っています。関連検索ワードについては、Yahoo!のヘルプが独自のアルゴリズムに基づいて表示すると明記しています。ウェブ検索の順位を別建てで対策する根拠はない、というのが正確な言い方です。

Bing側の打ち手は2つあります。1つはBing Webmaster Toolsです。2026年2月には、CopilotやBingのAI要約における引用状況を追跡できる機能が、公開プレビューとして案内されました。

もう1つがIndexNowで、更新を検索エンジンにすぐ知らせる仕組みです。公式サイトのトップページには、Microsoft Bing、Naver、Seznam.cz、Yandex、Yepの5社が挙がっています。FAQのエンドポイント一覧では、これにAmazonが加わります。いずれのページにもGoogleは掲載されていません。

IndexNowが実務で扱いやすいのは、1回送信すれば対応エンジン間で共有されると公式が説明している点です。個別対応のコストが低く済みます。SEOの打ち手全体の中でどこに位置づくかは、SEO対策とは?公式の定義と3つの層で捉える全体像と始め方を先に読むと整理しやすくなります。

用途別のおすすめと選定の判断基準

最後に、用途別の絞り込みです。塊が違うものを組み合わせるのがコツで、同じ塊のものを2つ持っても見える景色は増えません。

用途 見るもの 選ぶ理由
日常の調べもの GoogleまたはYahoo! JAPAN LINEヤフーがGoogleの検索エンジンを使用していると公式に明記。使い慣れたほうでよい
Googleと違う結果が見たい Bing 別の塊。実測でもドメインの重なりは42%だった
並べ方の違う結果が見たい Brave Search ドメインは81%重なるが、順位の一致は19%にとどまった
調査で偏りを避けたい Google+Bing系+独自系の3つ 塊をまたいで引くと拾える範囲が広がる
自社サイトの状態確認 Google Search Console+Bing Webmaster Tools 独自インデックスを持つ2社を押さえる
中国・ロシア市場 Baidu/Yandex 独自インデックスを公式に確認できた
韓国市場 NAVER その地域で使われている。ただし出どころは今回未確認

プライバシーを重視して選びたい場合は、各社が公開している方針を自分で読んで判断してください。この記事では検索結果の出どころを調べており、各社のデータの扱いについては踏み込んでいません。調べていないことは、おすすめの理由にできないと考えています。

検索エンジン一覧についてよくあるご質問

検索エンジンを調べているときに出てくる質問を、公式の記述で答えられる範囲でまとめました。

ブラウザと検索エンジンは何が違いますか

ブラウザはウェブページを表示するソフトで、検索エンジンはその中で情報を探す仕組みです。両者が別物であることは、ブラウザ側の設定を見ると分かります。Chromeの公式ヘルプには既定の検索エンジンを設定する項目があり、「いつでも変更できます」と説明されています。ブラウザが器で、検索エンジンは中身を入れ替えられる部品だと考えると分かりやすいはずです。

動画を探すのに向いた検索エンジンはどれですか

動画そのものを探すのに向いているのはYouTube検索です。ウェブ全体を横断する検索エンジンとは対象が違います。YouTubeの公式説明によれば、並び順を決めているのは関連性、エンゲージメント、品質の3要素です。一方Googleの検索結果に動画が出るには、その動画を掲載しているページがまずインデックスされていなければなりません。この点は公式ドキュメントに明記されています(2026年8月25日確認)。

自社サイト内の検索は検索エンジンと同じですか

サイト内検索はウェブ全体を対象とする検索エンジンとは別のものです。ただし完全に無関係でもありません。Googleが提供するプログラム可能な検索エンジンは、自社サイトだけを対象にするか、ウェブ全体も含めるかを選べる仕組みです。この方式を使う場合、そもそも自社のページがGoogleにインデックスされていることが前提になります。

検索エンジンは無料で使えますか

主要な検索エンジンは、利用者が料金を払わずに使えるものがほとんどです。多くは広告収益で運営されており、たとえばEcosiaの公式ページには、検索結果と関連広告がパートナー企業から届くと書かれています。なおサイト運営者の側から見ても、支払いによる優遇はありません。Googleは「より頻繁にクロールしたり上位に表示したりするための支払いは受け付けていない」と公式に明記しています(2026年8月25日確認)。

まとめ

見るべきは名前の数ではなく、中身の構造。独自インデックスを持つ側と配信を受ける側に分けたところ、実測でも結果は2つの塊に割れました。

明日からやること
  • 自社サイトの確認先を、Google Search ConsoleとBing Webmaster Toolsの2つに絞る
  • シェア率を資料に載せるときは、本文で挙げた4点(調査元・対象月と取得日・デバイス区分・何を数えた数字か)を添える

この2つを習慣にするだけで、社内の議論が単月の数字に振り回されなくなります。どこから手を付けるかの優先順位は扱う商材や読者層で変わるため、判断に迷ったときは当社の無料相談もご利用ください。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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