「SEO対策をやっておいて」と言われたものの、何をどこまでやることなのか分からない。調べると「やるべき施策15選」といった一覧が出てきて、読む前に閉じてしまった。そんな状態の方も多いのではないでしょうか。
SEO対策とは、自社のページの内容を検索エンジンに正しく理解させ、検索から訪れる人に選んでもらえる状態を作る取り組みです。何から手をつけるかは、施策の一覧ではなく、自社のどこで詰まっているかを数えれば決まります。
この記事では、Googleが公開している文章で言葉の意味を確かめたうえで、当社が自社メディア244本を測った数字をお見せします。読み終えるころには、自社のどこに手を打つべきか当たりがつき、その理由を上司に3分で説明できるはずです。
先に結論|SEO対策とは何をする取り組みか
まず最初に、結論からお伝えします。SEO対策とは、自社のページの内容を検索エンジンに正しく理解させ、そのうえで検索した人に選んでもらえる状態を作る取り組みのことです。順位を上げる小技の集まりではありません。
この定義はこちらで作ったものではなく、Googleが公開しているSEOスターターガイドの書き方をなぞったものです。同ガイドの英語版では、SEOは「検索エンジンにコンテンツを理解させること」と「ユーザーがサイトを見つけて訪問すべきか判断できるようにすること」の2つが並列で書かれています。相手は機械だけではありません。
そのうえで、この記事がお伝えしたいことは次の3つです。
| この記事の結論 | 根拠 |
|---|---|
| SEO対策の中身は「必ず満たす」「絶対に踏まない」「良くしていく」の3層に整理できる | Googleの「検索の基本事項」が技術要件・スパムポリシー・ベストプラクティスの3分類で書かれている |
| 何から手をつけるかは、施策の一覧ではなく自社のどこが詰まっているかで決まる | 公開・表示・狙った言葉での表示・上位表示の4段に分けて数えれば、落ちている場所が見える |
| よく言われている目安には、公式の説明と食い違うものがある | E-E-A-Tはランキング要因ではないとGoogle自身が書いている |
実際に当社は、自社メディアの公開記事244本をこの4段に当てはめて数えてみました。結果は公開244本のうち、90日間で検索結果に一度でも出たのが137本、狙った言葉そのもので出たのが33本、その言葉で10位以内に入ったのが4本です。詳しくは記事の中ほどでお見せします。
読み進める順番の目安を置いておきます。全部を順に読む必要はありません。
| あなたの状況 | 先に読むとよい章 |
|---|---|
| そもそもSEOという言葉の意味を知りたい | 次の章「SEO対策とは何か」と、その次の「3段階」 |
| 何をすればいいのか全体像を知りたい | 「全体像は3つの層」 |
| やることは分かったが、どれから手をつけるか決められない | 「4段の切り分け」(この記事の中心です) |
| 上司や社長に説明する材料がほしい | 「4段の切り分け」と「どこまでやれば十分か」 |
| ネットで見た情報が本当か確かめたい | 「公式の説明と食い違う3点」 |
なお、この記事はGoogleを前提に説明します。総務省の令和8年版 情報通信白書が引用しているStatCounterのデータでは、2026年3月時点の日本において、スマートフォンとタブレットではGoogleが7割以上のシェアでした。パソコンではGoogleが47.5%、Bingが46.9%と拮抗していますが、白書自身が「Microsoft 社のブラウザ「Edge」がデフォルトの検索サービスとして Bing を設定しており、これも Bing のシェア拡大に貢献していると考えられる」と書き添えています。白書は、パソコンでBingが伸びている背景のひとつとして、ブラウザの初期設定を挙げているわけです。
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SEO対策とは何か。公式の定義で確認する
SEO対策の説明は世の中にあふれていますが、書き手によって範囲がまちまちです。ここでは推測を挟まず、検索エンジンを運営しているGoogle自身が公開している文章をそのまま確かめていきます。
この章では、定義そのものと、初心者がつまずきやすい2つの疑問を片づけます。
Googleの定義には2つの相手が書かれている
SEOは「Search Engine Optimization」の略で、日本語にすると検索エンジン最適化です。ただ、この訳語を知っただけでは何をすることか分かりません。中身を知るには、GoogleのSEOスターターガイドを見るのが確実です。
SEO(検索エンジン最適化)では、検索エンジンにコンテンツを理解させることで、ユーザーが検索エンジンからサイトを見つけてアクセスすべきかどうかを判断できるようにします。
ここで1つ補足させてください。同じ文の英語版は「検索エンジンに理解させること」と「ユーザーが見つけて判断できるようにすること」を「and」でつないだ並列の形になっています。日本語版は「理解させることで」と因果の形に組み替えられているため、後半のユーザーの話が付け足しのように読めてしまいます。英語版の原文はこうです。
SEO—short for search engine optimization—is about helping search engines understand your content, and helping users find your site and make a decision about whether they should visit your site through a search engine.
つまりSEO対策の相手は検索エンジンと、その先にいる人の2者です。片方だけを見た施策は、定義の半分しか満たしていない計算です。
Googleは別のページでも、SEOを「検索エンジンによるコンテンツの検出と把握を容易にすることを主な目的として実施される手法」の総称だと説明したうえで、こう続けています。
SEO は、検索エンジンではなくユーザーを第一に考えたコンテンツに適用した場合に効果を発揮します。
出典は「有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成」です。順番は、まず人の役に立つ中身があり、そのうえで検索エンジンに伝わるように整える、という並びになります。
「SEO」と「SEO対策」は同じものを指す
検索していると「SEO」「SEO対策」「SEO施策」「検索エンジン最適化」と、似た言葉がいくつも出てきます。これらは実務上どれも同じものを指す言葉です。厳密にいえば「SEO」に最適化という意味がすでに含まれているので「SEO対策」は重複した言い方ですが、日本語では定着した呼び方として広く使われています。
どの呼び方をしても中身は変わりません。社内で言葉がそろっていないと話が噛み合わなくなるので、位置づけだけ整理しておきます。
| 言葉 | 指しているもの | 使われ方 |
|---|---|---|
| SEO | 検索エンジン最適化そのもの | Googleの公式ドキュメントはこの表記 |
| SEO対策 | 同上 | 日本語ではこの言い方が定着している |
| 検索エンジン最適化 | 同上 | 公的な文書や翻訳で使われる |
| コンテンツSEO | SEOのうち、記事などの中身で成果を出す部分 | SEOの一部分を指す。同義ではない |
| テクニカルSEO | SEOのうち、サイトの技術的な状態を整える部分 | 同上 |
後ろの2つだけは注意が必要です。コンテンツSEOとテクニカルSEOはSEOの一部分であって、SEO全体と同じ意味ではありません。「うちはコンテンツSEOをやっています」は「SEO対策をやっています」と同じ意味にはならない、ということです。
検索結果の枠はお金で買うことができない
最初に押さえておくと後の判断がぶれなくなるのが、お金と順位の関係です。検索結果に表示される枠は、Googleにお金を払って買うことができません。これはGoogle自身が繰り返し明記しています。
Google で広告を掲載しても、検索結果でのサイトの表示状況には影響しません。Google は、検索結果でのサイトの表示または掲載順位に関して金銭を受け取ることは一切ありません。オーガニック検索結果への掲載は無償です。
出典は「SEO 業者の利用を検討する」です。ここでいうオーガニック検索結果とは、広告枠ではない通常の検索結果のことを指します。
ただし、無償であることと、やれば必ず出ることは別の話です。同じくGoogleは次のようにも書いています。
ページが Google 検索の基本事項に準拠していても、ページがクロールされてインデックスに登録され、検索結果に表示される保証はありません。
お金では買えないが、正しくやっても保証はない。この2つはGoogleが検索の仕組みを解説しているページで、セットにして書いています。SEO対策は「払えば買える枠」でも「やれば必ず取れる枠」でもなく、確率を上げていく取り組みだと捉えるのが実態に近いと考えています。
この性質から、順位を保証する話には注意が必要です。Google自身も業者選びの注意点として、一番上に掲載されることは誰にも保証できないと述べたうえで、順位を保証すると主張する業者、Googleとの特別な関係を強調する業者、優先登録を宣伝している業者には注意するよう促しています。
外部に相談するときの判断材料は、SEO会社の4つの型を整理した記事と費用の相場と内訳の記事にまとめました。
検索結果に自社のページが出るまでの3段階
SEO対策の話が噛み合わなくなる原因の多くは、「順位が上がらない」と「そもそも検索結果に出ていない」を同じ問題として扱ってしまうことにあります。この2つは別の段階で起きていて、打つ手もまったく別ものです。
Googleは検索の仕組みを3つの段階に分けて説明しています。この章で3段階それぞれを見ていきます。
先に全体像を示しておきましょう。Googleが検索の仕組みを解説しているページには、こう書かれています。
Google 検索には 3 つのステージがあります(すべてのページが各ステージを通るわけではありません)。
括弧の中が大事なところです。公開したページが自動的に3段階を通過するわけではありません。どこかで止まっていれば、その先の努力は結果に出ません。
| 段階 | やっていること | ここで止まると |
|---|---|---|
| クロール | Googleの自動プログラムがページを訪れ、テキストや画像を読み取る | Googleはそのページの存在も中身も知らない |
| インデックス | 読み取った内容を解析し、Googleの巨大なデータベースに保存する | 検索結果の候補にすら入らない |
| 検索結果の表示 | 検索された言葉に対して、関連性の高いページを選んで並べる | 候補には入っているが、選ばれていない |
クロール|ページを見つけてもらう段階
クロールとは、Googleの自動プログラムがインターネット上を巡回して、ページの中身を読み取っていく作業のことです。この自動プログラムはクローラー、またはGooglebotと呼ばれます。Googleの説明はこうです。
クロール: Google は、クローラーと呼ばれる自動プログラムを使用して、ウェブ上で見つけたページからテキスト、画像、動画をダウンロードします。
ここで見落とされやすいのが、URLが見つかったからといって、必ず読みに来るわけではないという点です。Googleは同じページで次のように書いています。
ただし、Googlebot は検出したページをすべてクロールするわけではありません。一部のページはサイト所有者によってクロールが禁止されている場合がありますし、サイトにログインしないとアクセスできないページもあります。
読みに来られない典型的な原因として、Google自身が3つ挙げています。サーバーによるサイトの処理に関する問題、ネットワークに関する問題、そしてGooglebotがページにアクセスできないようにするrobots.txtのルールです。robots.txtとは、サイトのどこを読みに来てよいかを自動プログラムに伝えるための設定ファイルのことを指します。
この段階でつまずいていると、記事の中身をどれだけ磨いても結果は変わりません。クローラーの仕組みそのものはクローラーを解説した記事で詳しく扱っています。

インデックス|検索の索引に登録される段階
インデックスとは、読み取ったページの内容をGoogleが解析して、巨大なデータベースに登録することです。本の巻末にある索引と同じ役割だと考えると分かりやすいはずです。Googleも同じたとえを使っていて、一般向けの情報の整理のページで規模をこう説明しています。
Google 検索インデックスは何千億というウェブページをカバーしており、サイズは 1 億ギガバイトをはるかに超えています。
そして、この段階は確実に通過できるものではありません。Googleははっきりと保証しないと書いています。
ただし、インデックス登録は保証されているわけではなく、Google が処理するページのすべてがインデックスに登録されるとは限りません。
登録されない原因としてGoogleが挙げているのは、ページのコンテンツの品質が低いこと、Robots metaルールによってインデックス登録が禁止されていること、ウェブサイトのデザインが原因で登録が困難になっていることの3つです。Robots metaルールとは、ページごとに検索結果への掲載可否を指定する記述のことを指します。
ここで押さえておきたいのは、品質が低いこと単体はスパムの定義に当てはまらず、この登録の段階の問題として書かれているという点です。低品質だからペナルティを受ける、という説明を見かけることがありますが、Googleの文書では低品質は「インデックス登録に関する一般的な問題」として書かれています。扱われる段階そのものが別です。
検索結果の表示|並ぶ順番が決まる段階
3段階目でようやく順位の話になります。多くの人が「SEO対策」と聞いて思い浮かべるのは、この段階だけです。Googleの説明を見てみましょう。
ユーザーが検索語句を入力すると、インデックスで一致するページが検索され、関連性が高く高品質であると判断された検索結果が返されます。
ここでも例外があるのです。インデックスに登録されていても、検索結果に出ないことがあります。Googleが挙げている原因は、ページのコンテンツとユーザーの検索語句が関連していないこと、コンテンツの品質が低いこと、Robots metaルールによって表示が許可されていないことの3つです。
1つ目に注目してください。検索語句と関連していない、という理由で表示されないことがあると明記されています。つまり登録されていても、狙った言葉で出てくるとは限りません。この点は後の章で、当社の実測とあわせて詳しく扱います。
では、並ぶ順番は何で決まるのか。Googleは一般向けの「結果の自動生成と自動ランク付け」で、主なシグナルを5つ挙げています。
| シグナル | 見ているもの |
|---|---|
| 意味 | 検索された言葉が何を意味しているのか |
| 関連性 | ページの内容がその意味に合っているか |
| 品質 | そのページが信頼できる情報源か |
| ユーザビリティ | 読み手が使いやすい状態になっているか |
| コンテキスト | 検索した人の場所や設定などの状況 |
そして同じページには、次の一文も添えられていました。
それぞれの要素に適用される重みは、検索クエリの性質によって異なります。たとえば、現在のニュース トピックを検索する場合、辞書の定義よりもコンテンツの鮮度がより大きな役割を果たします。
検索する言葉によって、重視される要素が変わるということです。すべての検索に効く万能の施策セットは存在しない、と読むほうが実態に合っています。だからこそ、次の章で全体像を整理しておく必要があるのです。
SEO対策の全体像は3つの層に分けて考える
SEO対策を調べると「やるべき施策15選」のような一覧に出会います。ただ、15個並べられても、自社にとってどれが必須でどれが余力があればやることなのかは分かりません。優先順位のない一覧は、担当者の手を止めます。
そこで、Google自身の整理を使いましょう。Googleは「Google 検索の基本事項」で、検索結果に表示され、上位に表示されるための要素を3つに分類しています。この分け方は「必ず満たす」「絶対に踏まない」「良くしていく」と読み替えられるものです。
| 層 | Googleの説明(原文) | 読み替え |
|---|---|---|
| 技術要件 | Google 検索でウェブページを表示させるためにウェブページに必要なもの。 | 必ず満たす(3つだけ) |
| スパムに関するポリシー | 掲載順位が下がったり、Google 検索の検索結果から完全に除外されたりする原因となる行動や手法。 | 絶対に踏まない |
| 主なベスト プラクティス | Google 検索の検索結果でのサイトの表示を改善するための主な方法。 | 良くしていく(7項目) |
この章では3つの層をそれぞれ見たうえで、よく目にする別の分類との対応も整理します。

技術要件|満たすべき最低ラインは3つだけ
いちばん下の層から見ていきましょう。Googleが「これを満たしていればインデックス登録の対象になる」としている技術要件は、たった3つです。
| 技術要件(原文ママ) | 意味 |
|---|---|
| Googlebot がブロックされていないこと | Googleの自動プログラムが読みに来られる状態になっている |
| ページが機能していること(Google に HTTP 200 (success) ステータス コードが返される) | そのURLを開いたときにエラーにならず、ページが正常に返ってくる |
| インデックス登録可能なコンテンツがページに含まれていること | Googleが読める形式のテキストがあり、スパムポリシーに違反していない |
出典はGoogle 検索の技術要件のページです。3つしかない、という事実は初心者にとって朗報だと思います。しかもGoogleは、「Google 検索の基本事項」のほうにこう書き添えています。
技術要件は、ウェブページが Google 検索の検索結果に表示されるために満たすべき最低限の要件です。実際には、ウェブページに技術的な変更を加える必要はほとんどありません。多くのサイトは、そのままでも技術要件を満たしています。
つまり「テクニカルSEOを全部やってからでないと始められない」という思い込みは外してよいということです。ただしここでも保証はありません。技術要件のページには「これらの要件を満たしているページが、すべてインデックスに登録されるとは限りません」と書かれています。
スパムポリシー|踏んではいけない線
2つ目の層は、やってはいけないことです。Googleはスパムに関するポリシーで、スパムをこう定義しています。
Google 検索に関してスパムとは、ユーザーを欺いたり、コンテンツを目立つように表示する目的で Google の検索システムを操作したりするために使用される手法を指します。
定義の中心にあるのは「欺く」と「操作する」です。品質が低いことや技術的なミスそれ自体ではなく、ランキングを操作する目的があるかどうかが線引きになっています。ポリシーに違反したサイトについては「検索結果での掲載順位が下がったり、まったく表示されなかったりすることがあります」と書かれています。
実務でよく問題になるのが、他サイトの記事を参考にして作る、という制作手法です。Googleはスクレイピングの例として次のような行為を挙げています。
| Googleが挙げるスクレイピングの例(原文ママ) |
|---|
| 他のサイトのコンテンツを、元のソースを引用もせず、独自のコンテンツや価値を加えずに転載する |
| 他のサイトのコンテンツをコピーし、(語句を類義語に置き換えたり自動化された手法を使用したりして)若干の修正を加えたうえで転載する |
| ユーザーに対してなんらかの形で独自のメリットを提供することなく、他のサイトからのコンテンツ フィードをそのまま掲載する |
2つ目に注目してください。語句を類義語に置き換えて若干の修正を加える、という行為が名指しで挙がっています。上位記事を集めて言い回しを変えて出す作り方は、この記述に近づきます。生成AIに書き換えさせる場合も同じです。
なお、現行版のスパムの定義には「Google 検索の生成 AI の回答を操作しようとしたりする行為」も明記されています。AI向けの特別な小技を狙う動きにも、同じ線が引かれていると読めます。
ベストプラクティス|公式が挙げるのは7つ
3つ目が、良くしていく部分です。ここがいわゆるSEO対策の中心になります。Googleが「主なベスト プラクティス」として挙げているのは7項目です。施策15選や16選ではありません。
| Googleの主なベスト プラクティス(原文ママ・要約せず全7項目) |
|---|
| 有用で信頼性の高い、ユーザー第一のコンテンツを作成する。 |
| ユーザーがコンテンツを検索するときに使われる可能性のある単語を選んで、これらの単語をページ上の目立つ場所(ページのタイトル、メインの見出しなど)や、わかりやすい場所(代替テキスト、リンクテキストなど)に配置する。 |
| リンクをクロール可能にする。これにより、Google がページ上のリンクを使ってサイト内の他のページを検出できます。 |
| サイトに関する情報を発信する。自分のサイトで紹介しているサービスや製品について、同じような志向の人々と交流できるコミュニティに参加しましょう。 |
| 画像、動画、構造化データ、JavaScript などの他のコンテンツがある場合、各タイプに固有のベスト プラクティスを実践する。これにより、ページ上の各コンテンツを Google に提示できます。 |
| サイトに適した機能を有効にすることで、Google 検索におけるサイトの表示を改善する。 |
| 検索結果に表示したくないコンテンツがある場合や、完全なオプトアウトを希望する場合は、適切な方法でGoogle 検索でのコンテンツの表示を管理する。 |
この中でどれを優先するかについては、別の文書であるSEOスターターガイドにヒントがあります。
検索結果での存在感を高めるには、魅力的で役立つコンテンツを作成することが、このガイドで説明している他のどの方法よりも有効であると考えられます。
ここは正確に読みたいところです。「このガイド」が指しているのはSEOスターターガイドで、比較の範囲はその中に限られています。しかも「有効であると考えられます」という留保つきの書き方です。コンテンツが万能だと断言しているわけではありません。それでも、7項目の筆頭に置かれているのがコンテンツであることは変わりません。
よく見る内部・外部・コンテンツとの対応
ここまで公式の3層で説明してきましたが、世の中の記事や制作会社の提案書では「内部対策・外部対策・コンテンツSEO」という別の3分類を目にすることが多いはずです。どちらが正しいという話ではなく、切り口が違うだけなので、対応関係を整理しておきます。
| よく見る分類 | やること | 公式の3層でいうと |
|---|---|---|
| 内部対策(テクニカルSEO) | クロールとインデックスの健全性、表示速度、スマートフォン対応、構造化データなど、サイト側の状態を整える | 技術要件+ベストプラクティスの一部 |
| コンテンツSEO | 検索する人の目的に合った中身を作り、言葉をページの目立つ場所に置く | ベストプラクティスの筆頭 |
| 外部対策 | 他サイトからのリンクや言及を通じて、信頼を積み上げる | ベストプラクティスの「サイトに関する情報を発信する」 |
テクニカルSEOという言葉は、当社では「Googleがサイトを正しく見て、評価できる状態を作る」ための土台と位置づけています。派手さはありませんが、ここが崩れていると上に何を積んでも効きません。
もう1つ、SEO対策の範囲について当社の実例をお伝えします。自社メディアの役割を定め直したとき、最初に作ったのは記事ではありませんでした。無料診断のページ、サービスの説明を3種類、運営者のプロフィール、そしてそこへ至る導線を先に用意しました。記事から人が来ても、受け止める場所がなければ何も起こらないからです。ただし、これは記事がすでに175本ある状態での判断です。ゼロから始める場合にそのまま当てはめられるものではありません。
各テーマの詳しい進め方は、それぞれ個別の記事にまとめてあります。この記事は入口なので、必要なところから読み進めてください。
| 分類 | 記事 | 読むとわかること |
|---|---|---|
| 内部対策 | SEO内部対策の全体像 | 内部施策の一覧と、どれから着手するかの優先順位 |
| 内部対策 | ページ表示速度とSEOの関係 | 速度改善のどこに効果があり、どこは後回しでよいか |
| 内部対策 | 構造化データとは | 検索結果の見た目を変える仕組みと、実装の始め方 |
| コンテンツSEO | 検索意図とは | 検索する人が何を求めているかを4分類で見分ける方法 |
| コンテンツSEO | SEOキーワード選定のやり方 | 狙う言葉の決め方と、勝てる言葉の見分け方 |
| コンテンツSEO | SEOライティングとは | 検索意図を捉えた記事の書き方の手順 |
| 外部対策 | 被リンクとは | リンクの質の見分け方と、獲得の考え方 |
| 横断 | E-E-A-Tとは | 経験・専門性・権威性・信頼性をどう示すか |
| 横断 | LLMOとは | AIに引用されるための考え方と、検索対策との関係 |
SEO対策の始め方は4段の切り分けで決まる
ここからがこの記事の中心です。SEO対策で最初にやるべきことは、施策を選ぶことではありません。自社のどこで詰まっているかを数えることです。詰まりの場所が分かれば、打つ手は自動的に絞られます。
当社はデータベース型サイトの支援で、SEOの課題を4段のファネルに切り分けて、落ちている割合が最も大きい段から手を打つ進め方を使ってきました。この切り分けは、記事中心のサイトにもそのまま当てはまります。この章では、フレームの説明、自社での実測、そして詰まっていた段ごとの打ち手を順に見ていきます。
4段に分けて、落ちている本数を数える
4段とは、公開したページが検索で成果を出すまでに通る関門のことです。前の章で見たGoogleの3段階に、実務でよく詰まる1つを加えた形になっています。
| 段 | 確かめること | ここで落ちていたら |
|---|---|---|
| 第1段 クロール | ページが読みに来られているか | サイトの構造・内部リンク・robots.txtの設定を見る |
| 第2段 インデックス | 検索の索引に登録されているか | ページの中身の薄さ、他ページとの重なり、設定ミスを見る |
| 第3段 狙った言葉との一致 | 狙った言葉で、狙ったページが出ているか | ページのテーマがずれているか、自社の別ページと取り合っている |
| 第4段 順位 | その言葉で上位に届いているか | ここで初めて、上位に並ぶページとの比較や中身の充実度を見る |
この順番には理由があります。上流が詰まったまま下流を磨いても、結果は動きません。索引に登録されていないページの順位を上げようとしても、そもそも並ぶ土俵に立っていないからです。
第3段は聞き慣れないかもしれません。専門的にはPLP一致と呼ばれ、狙った言葉に対して意図したページが出ているかを見る段階です。ここが崩れていると、記事は検索に出ているのに、出ているのは想定と別のページということが起こります。自社のページ同士で同じ言葉を取り合っている状態はカニバリを扱った記事で詳しく説明しています。

自社244本を4段に当てはめた結果
フレームだけでは実感が湧かないと思うので、当社の自社メディアを実際に4段で数えてみました。お見せするのは、うまくいっている数字ではありません。
対象は2026年8月7日までに公開していた244本です。90日間(2026年5月10日〜8月7日)のSearch Consoleのデータと、記事ごとに記録してある対策キーワードの台帳を突き合わせて機械的に数えました。Search Consoleとは、自社のサイトが検索でどう扱われているかをGoogleが無料で見せてくれるツールのことです。
| 段 | 見たもの | 本数 | 244本に対する割合 |
|---|---|---|---|
| 第1段 | 公開している | 244本 | 100% |
| 第2段 | 90日間で検索結果に一度でも出た | 137本 | 56.1% |
| 第3段 | 台帳に記録した対策キーワードそのもので出た | 33本 | 13.5% |
| 第4段 | その言葉での平均掲載順位が20位以内 | 8本 | 3.3% |
| 第4段 | 同じく10位以内 | 4本 | 1.6% |
数字の読み方をお伝えします。当社がいちばん多く落としていたのは第2段と第3段でした。90日間で一度も検索結果に出なかった記事が107本、そして表示はあるのに狙った言葉では出ていない記事が104本あります。
この104本という数が、この計測でいちばん驚いた数字でした。「記事を書いた、検索にも出ている」で満足していると、狙いと結果がずれている104本が視界に入りません。4段に分けて初めて見えた種類の詰まりです。
数字の限界も先にお伝えしておきます。都合の悪い部分を隠したまま数字だけ出すのはフェアではないと考えています。
| 限界 | 内容 |
|---|---|
| インデックスの判定 | 表示があった記事は索引に登録されています。ただし逆は言えません。表示がなかった107本について言えるのは「90日間で一度も検索結果に出なかった」ところまでです |
| 検索語句の取りこぼし | Search Consoleは検索数の少ない語句を伏せます。ページ単位の表示合計9,395回に対し、語句別で説明できたのは5,865回(62.4%)でした。第3段の33本は、この分だけ少なく出ている可能性があります |
| 対象 | 当社1サイトの記録です。他社で同じ割合になるという意味ではありません |
今泉の視点:私はこの表を作るまで、当社の課題は順位だと思っていました。実際に数えると、順位の土俵に上がれていない記事のほうが圧倒的に多かった。ご相談をいただくときも、最初のご要望はたいてい「順位を上げたい」です。ですが私は必ず、その前に何本が検索結果に出ているかを一緒に数えます。数えないまま順位の話を始めると、いちばん本数が落ちている段を素通りしたまま、いちばん難しい段で戦うことになるからです。
もう1つ、公開からの経過日数で分けた内訳も出しました。
| 公開からの経過 | 本数 | 検索結果に出た | 狙った言葉で出た |
|---|---|---|---|
| 0〜29日 | 69本 | 46本(66.7%) | 18本(26.1%) |
| 30〜89日 | 76本 | 42本(55.3%) | 6本(7.9%) |
| 90〜179日 | 39本 | 19本(48.7%) | 1本(2.6%) |
| 180日以上 | 60本 | 30本(50.0%) | 8本(13.3%) |
新しい記事のほうが数字が良く見えます。ただし理由をこの計測から特定することはできません。キーワードを設計してから書く進め方を始めたのが最近であることも、公開直後は一時的に表示が出やすいことも、どちらも考えられます。切り分けられていない以上、原因を断定するのは避けます。
検索結果に出ていない記事にすること
第2段で落ちている記事、つまり公開したのに検索結果に出てこない記事には、順位を上げる施策は効きません。確かめるのは、そもそも読まれて登録されているかどうかです。
Search Consoleには、URLを1本ずつ入力して現在の状態を確認できる機能があります。ここで見るべきは3点です。
| 確認すること | そうなっていたら |
|---|---|
| Googleがそのページを読みに来ているか | 来ていないなら、内部リンクをたどれる形になっているか、サイトマップに載っているかを見る |
| 索引に登録されているか | 登録されていないなら、Googleが挙げる原因(中身の品質、設定による禁止、サイト設計)のどれかを疑う |
| 登録されているのに表示がないか | Googleは「ページのコンテンツとユーザーの検索語句が関連していない」場合があると書いている。狙う言葉とページの中身が合っていない |
ここで気をつけたいのは、「表示がない=ペナルティを受けた」と考えないことです。前の章で見たとおり、品質の低さはスパムポリシーではなく、登録と表示の段階で扱われています。ペナルティという言葉自体の扱いはSEOペナルティを整理した記事で扱いました。
なお、記事の本数を増やせば第2段の通過本数も増えるのか、という論点は記事数の決め方の記事で、10か月分の月次データを使って別途検証しています。
狙いと違う言葉で出ている記事にすること
当社で104本あった、いちばん見落とされやすい段です。検索結果には出ている。けれど、狙って書いた言葉では出ていない。この状態は、アクセス数だけを見ていても気づけません。
原因は大きく2つに分かれます。どちらなのかで打ち手が変わるので、先に切り分けます。
| 原因 | 見分け方 | 打ち手の方向 |
|---|---|---|
| ページのテーマが狙いとずれている | その言葉で自社のどのページも出ていない | タイトル・見出し・本文の中心をその言葉の意図に寄せ直す |
| 自社の別ページと取り合っている | その言葉で、狙いとは違う自社ページが出ている | どちらを主役にするか決め、内部リンクと内容の重なりを整理する |
当社の244本では、狙った言葉で自社の別ページだけが出ているケースは1本だけでした。つまり当社の第3段の詰まりは、少なくともページ同士の取り合いではありませんでした。
残る104本がテーマのずれなのか、それとも順位が低くて表示に届いていないだけなのかは、この計測では切り分けられません。1本ずつ検索して確かめる必要があります。なおこの判定も、先ほどの検索語句の取りこぼしの影響を受けるものです。伏せられた語句の中に取り合いが隠れている可能性は残ります。
テーマを寄せ直すときに効くのは、狙う言葉で実際に検索してみて、上位に並んでいるページが何に答えているかを確かめることです。検索する人が何を求めているかの見分け方は検索意図の記事に整理しました。
自社で同じ表を作る手順
この4段の表は、専門ツールがなくても作れます。Search Consoleと、自社の記事一覧があれば足ります。社内で共有できる形にするための手順は次のとおりです。
| 手順 | やること | 出てくる数字 |
|---|---|---|
| 1 | 公開しているページを数える。表計算ソフトにURLを1行ずつ並べる | 第1段の本数 |
| 2 | Search Consoleの検索パフォーマンスで期間を90日にし、ページ別の表示回数を書き出す | 第2段の本数(表示が1回以上あったページ) |
| 3 | ページごとに「狙った言葉」を1つ決めて列に書く。決まっていなければ、その記事は第3段以降の対象外にする | 第3段の分母 |
| 4 | 検索パフォーマンスで検索キーワード別に絞り込み、狙った言葉でそのページが出ているかを確認する | 第3段の本数と平均掲載順位 |
| 5 | 平均掲載順位が10位以内・20位以内の本数を数える | 第4段の本数 |
作り終えたら、各段で何本落ちているかを引き算します。いちばん本数を落としている段が、いま手をつけるべき場所です。当社の場合は第1段から第2段で107本、第2段から第3段で104本落ちていたので、順位より先にやることがある、という判断になりました。
この表が社内で効くのは、「順位が上がりません」という報告が「244本中137本しか検索結果に出ていません」に変わるからです。前者は担当者の努力不足に見えますが、後者は着手すべき場所が書かれた課題になります。上司や経営陣に説明するときも、数字の並びがそのまま説明の順番になるはずです。
手順3で「狙った言葉が決まっていない」記事が多い場合は、そもそもの設計が抜けています。狙う言葉の決め方はキーワード選定の記事を参照してください。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
順位が上がっても流入が来るとは限らない
SEO対策の目標を「検索1位」に置いている会社は多いと思います。ただ、順位はゴールではなく途中の指標です。上位に入っても、そこからクリックされなければ人は来ません。
この章では、当社の実測と外部の調査を並べて、順位と流入のあいだにある距離を見ていきます。そのうえで、順位の代わりに何を見ればよいかを整理しましょう。
10位以内に入った4本はクリックが0だった
前の章の実測には続きがあります。狙った言葉で10位以内に入っていた4本について、その言葉からのクリック数を数えました。結果は4本ともゼロでした。
| 平均掲載順位 | 90日間の表示回数 | 90日間のクリック数 |
|---|---|---|
| 5.4位 | 25回 | 0回 |
| 7.0位 | 4回 | 0回 |
| 7.2位 | 6回 | 0回 |
| 9.6位 | 25回 | 0回 |
ここで正直に言っておくと、表示回数がそもそも少ないという事情があります。90日で25回の表示なら、クリック率が仮に4%でも、期待できるクリックは1回程度です。この4本を根拠に「上位に入ってもクリックされない」と一般化することはできません。
それでも、この表には意味があります。順位表だけを見ていれば「10位以内が4本」は成果に見えます。けれども実際に来た人は0人です。順位という数字と、来訪という結果のあいだには、こういう距離があります。
同じことは別の角度でも起きていました。このメディア側で一覧に出た社名の検索語は1件だけで、90日間の平均掲載順位が1.0位、表示25回に対してクリックは0回でした。順位が1位でも、表示回数が少なければ結果は動きません。
ちなみに会社サイト全体で見ると、社名での検索のクリック率は62.5%と、会社サイト全体の平均1.40%を大きく上回っています。こちらは2026年8月8日に取得した90日分の数字です。率だけを見れば絶好調ですが、社名で検索された件数そのものはごくわずかです。件数と率は分けて見ないと、ブランドが育ったと誤解します。
同じ1位でもクリック率は3倍以上ぶれる
順位とクリックの関係については、外部の調査もあります。ただし読み方に注意が必要です。
ドイツのSISTRIXが8,000万を超えるキーワードを対象に行った2020年の調査では、Googleの1位の平均クリック率は28.5%、10位は2.5%でした。1位と10位で10倍以上の開きがあります。ただしこの数値は2020年に公開されたもので、ページの更新日は2025年になっているものの、データ自体は5年以上前のものです。
この調査で本当に見るべきなのは、平均値のほうではありません。同じ調査には、こう書かれています。
Global CTRs across all types aren’t very useful because depending on the search intention, and therefore SERP layout, the CTR for position #1 will vary between 13.7% and 46.9%
訳すと、検索の意図と検索結果の見た目によって、同じ1位でもクリック率は13.7%から46.9%まで変わるという内容です。3倍以上の幅があります。すべての種類をまとめた平均のクリック率はあまり役に立たない、と調査した側自身が書いているわけです。
もう1つ、比較的新しいデータも見ておきます。Ahrefsが2025年10月に公開した調査では、2025年8月の米国において、デスクトップのクリックの96.98%、モバイルでは97.56%が上位10件のなかで起きていました。クリックのほとんどが1ページ目で発生しているという点は、いまも変わっていません。ただしこれは米国のデータで、日本の数値ではありません。
| データ | 時点と対象 | 読み取れること |
|---|---|---|
| SISTRIXの順位別クリック率 | 2020年・モバイル・国の明記なし | 順位が下がるほどクリック率は下がる |
| SISTRIXが示した1位のクリック率の幅 | 同上 | 同じ1位でも検索結果の見た目で3倍以上ぶれる |
| Ahrefsの上位10件のクリック比率 | 2025年8月・米国 | 1ページ目に入る意味は依然として大きい |
そのうえで、これらの平均値を自社の見込みとして使わないでください。当社が別の90日間(2026年5月6日〜8月3日)で測った実測では、表示のあった検索語641件・表示合計4,496回に対してクリックは9回、メディア全体のクリック率は0.20%でした。世に出ている平均値とは桁が違います。
順位帯ごとに区切っても、上位ほど高いという階段にはなりませんでした。ただしこれは当社の実力の話というより、区切ったときの母数が小さすぎることによるものです。たとえば1位の帯には検索語が4件・表示が28回しかなく、この規模ではクリック率が飛び飛びの値にしかなりません。
ここから言えるのは1つだけです。外部調査の平均クリック率は、自社の目標値としては使えません。使えるのは「順位が下がるほどクリックは減る」という傾向までで、具体的な数字は自社のSearch Consoleで測るしかありません。
順位の代わりに何を見るか
ここまでを踏まえて、当社が実際に見ている順番をお伝えします。順位を見ないという話ではありません。順位を見る前に確かめる数字がある、という話です。
| 見る順番 | 指標 | この数字が答える問い |
|---|---|---|
| 1 | 検索結果に一度でも出た記事の本数 | そもそも土俵に上がっているか |
| 2 | 狙った言葉で出ている記事の本数 | 狙いと結果がずれていないか |
| 3 | その言葉での表示回数 | クリックが生まれうる母数があるか |
| 4 | 平均掲載順位 | 上位に届いているか |
| 5 | クリック数とクリック率 | 実際に人が来ているか |
この順で見ると、当社の4本は3番目の「表示回数」が足りていないと判断できます。順位を上げる施策ではなく、その言葉自体の検索需要を見直すか、もっと検索される言葉に寄せるかの話になります。順位表だけを見ていたら、この判断には辿り着きません。
検索需要の調べ方は検索ボリュームの記事に、順位が下がったときの原因の絞り方は検索順位が下がった原因の記事にまとめました。
よく言われるSEO対策と公式の説明が食い違う3点
SEO対策の情報は量が多く、しかも古い説明がそのまま残り続けます。そのため、広く信じられているのに、Googleの公式ドキュメントを読むと違うことが書かれている、という項目がいくつもあります。
ここでは、初心者が最初に触れる情報のなかで特に食い違いが大きい3点と、目安の数字の扱い方を確認しましょう。他社を批判する意図はありません。原典に何が書かれているかだけを見ていきます。
E-E-A-Tはランキング要因ではない
E-E-A-Tは、経験・専門性・権威性・信頼性の頭文字をとった言葉です。当社が2026年8月に「SEO対策」で検索して上位10サイトの見出しを調べたところ、10サイト中8サイトが、Googleの考え方や評価基準を扱う章のなかでE-E-A-Tを見出しに立てていました。
ところがGoogleのSEOスターターガイドには、かつては最優先事項だと思われていたが今はそうではない、という前置きのついた「Google が重要でないと考えること」という表があり、そこには次の1行が並んでいました。
| 項目(原文ママ) | Googleの回答(原文ママ) |
|---|---|
| E-E-A-T をランキング要因と考える | いいえ、そのようなことはありません。 |
英語版も「Thinking E-E-A-T is a ranking factor」に対して「No, it’s not.」と、同じ強さで否定しています。別のページでは、もう少し丁寧にこう説明されています。
E-E-A-T 自体はランキングに直接影響する要因ではありませんが、E-E-A-T が優れているコンテンツを特定できる要素の組み合わせを使用することは有効です。
ここは訳の違いに注意が必要です。英語版は「isn’t a specific ranking factor」(特定のランキング要因ではない)で、日本語版の「直接影響する要因ではありません」より否定が強くなっています。日本語版だけを読むと「直接ではないが間接的には要因」と読めますが、先ほどの表と合わせると、要因そのものではないという読み方が原典に近いことが分かります。
では意味がないのかというと、そうではありません。Googleは同じ段落で、人の健康や安全、経済的安定、社会の福利厚生に大きく影響する可能性のあるトピックについては、E-E-A-Tが優れたコンテンツを特に重視すると書いています。こうしたトピックはYMYL(Your Money or Your Life。お金や生活に関わるトピックという意味です)と呼ばれます。
ここまでを整理しましょう。E-E-A-Tはチェック項目ではなく、良いコンテンツを見分けるための考え方の枠組みです。そして4要素のうち「信頼性は最も重要なものです」とGoogle自身が書いています。すべてを満たす必要はなく、経験で役に立つコンテンツもあれば、専門性で役に立つコンテンツもある、とも書かれています。詳しくはE-E-A-Tの記事をご覧ください。
「200以上の基準」の出どころは企業理念のページ
「Googleは200以上の基準で順位を決めている」という説明を目にしたことがあると思います。この数字がどこから来ているのかを確かめました。
出どころは「Google が掲げる 10 の事実」の4番目です。
Google では、200 以上の基準と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。
ここで2つ、確認しておきたいことがあります。
1つ目は訳語です。英語版の同じ箇所は「more than 200 signals」となっています。signalは手がかりや兆候を意味する言葉で、日本語の「基準」(=満たすべき条件)とは別ものです。「200個のチェック項目がある」という受け取り方は、この訳語に強く依存しています。
2つ目は掲載場所です。このページはabout.google、つまりGoogleの会社情報サイトにあります。SEOの技術ドキュメントが置かれている検索セントラルとは別のサイトです。ページ自身の説明によれば、会社設立から数年後に策定され、随時見直しているリストだとされています。
では技術ドキュメント側はどう書いているのか。「Google の検索エンジンの仕組み」の英語版はこうです。
Relevancy is determined by hundreds of factors, which could include information such as the user’s location, language, and device (desktop or phone).
hundreds of factors、つまり数百の要素です。そして日本語版は同じ箇所を「数多くの要素によって決まります」と訳しており、数の情報が落ちています。
| 掲載場所 | 英語版の表現 | 日本語版の表現 |
|---|---|---|
| 会社情報サイト(10の事実) | more than 200 signals | 200 以上の基準 |
| 検索セントラル(検索の仕組み) | hundreds of factors | 数多くの要素 |
誤解のないように書き添えると、200という数字が古いとか、Googleが撤回したという話ではありません。言えるのは、この数字が載っているのは企業理念のページであり、日本語では「基準」と訳されているが英語の原語はsignalsである、というところまでです。
この違いは実務に効きます。200項目のチェックリストを埋める作業だと考えると終わりが見えませんが、Googleが一般向けの説明で挙げている主なシグナルは、前の章で見たとおり意味・関連性・品質・ユーザビリティ・コンテキストの5つです。こちらのほうが着手しやすいはずです。
キーワードの乱用の定義には目的の条件がある
「キーワードを詰め込みすぎるとペナルティ」という説明もよく見かけます。Googleのスパムポリシーの定義を見てみます。
キーワードの乱用とは、Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むことです。
ここで見落とされやすいのが、「ランキングを操作する目的で」という条件です。英語版も「in an attempt to manipulate rankings」と、意図を条件に含めています。回数や割合が一定を超えたら自動的に違反、という書き方は原典にはありません。
Googleが例として挙げているのは次のような状態です。
| キーワードの乱用の例(原文ママ) |
|---|
| 実質的な付加価値のない電話番号の羅列 |
| ウェブページが特定の都市や地域に関する検索結果の上位に掲載されるようにするために、都市名や地域名を羅列したテキストのブロック |
| 同じ単語や語句を不自然なほど繰り返すこと |
いずれも、読んだ人の役に立たない形で言葉を並べている状態です。SEOスターターガイドの「重要でないと考えること」の表にも、キーワードの乱用について「同じ言葉を何度も繰り返すことは(多少変化を持たせても)ユーザーをうんざりさせてしまうほか、キーワードの乱用は Google のスパムに関するポリシーに違反することにもなります」と書かれています。判断の軸は回数ではなく、読み手が不自然だと感じるかどうかに置かれています。
ついでに同じ表から、もう2つ挙げておきましょう。メタキーワードについては「Google 検索はキーワード メタタグを利用しません」と書かれています。
ドメイン名やURLの中のキーワードについても、「ランキングという観点で見ると、ドメイン名(または URL パス)中のキーワードだけでは、パンくずリストに表示される以上の効果はほとんどありません」とされています。
出現率・文字数・本数に公式の目安はない
ここまでの3点に共通しているのは、数字の目安が独り歩きしているという構図です。当社では、よく言われる3つの目安について、それぞれ自社データで検証した記事を公開しています。結論だけを短く並べておきましょう。
| よく言われる目安 | 当社が測った結果 | 詳しい記事 |
|---|---|---|
| キーワードの出現率は◯%が適正 | 自社44本を6通りの数え方で測ると、中央値だけで最大22倍のひらきが出た。数え方を決めないと目標値にならない | キーワード出現率に正解はない |
| SEO記事は◯文字以上必要 | 自社239本では、10位以内の記事のほうが21位以下の記事より本文が短かった | SEOの文字数は目標ではなく結果 |
| まずは◯本の記事が必要 | 本数を3.67倍にしても、1本あたりの表示回数は横ばいだった。必要な本数は目標から逆算して出す | SEO記事数の決め方 |
もう1つ、当社が目安を扱うときに使っている見極めをお伝えします。その数字に合わせた結果、読む人のためではなく検索エンジンのために書いた文章になっていないか、という問いです。出現率を合わせるために同じ言葉を繰り返す、文字数を満たすために薄い説明を足す。どちらも数字は満たせますが、読んだ人には何も残りません。
この記事の前半で見たとおり、GoogleはSEOについて「検索エンジンではなくユーザーを第一に考えたコンテンツに適用した場合に効果を発揮します」と書いていました。目安に合わせるかどうかで迷ったら、この順番に立ち返ると判断がぶれにくくなります。
表に挙げた3つとも、Googleが公式に数値の目安を示しているものではありません。数字の目安を見かけたら、まず「誰が、何を、どうやって数えた数字か」を確かめてください。出どころが書かれていない目安は、自社の判断基準としては使えません。
SEO対策はどこまでやれば十分かを先に決める
SEO対策には終わりがありません。競合は動き続けますし、検索の仕組みも変わります。だからこそ、始める前に「ここまでで十分」という線を自分たちで引いておかないと、際限なく作業が増えていきます。
当社が実際にやっている線の引き方を3つお伝えしましょう。どれも派手な施策ではありませんが、続けられる体制を作るうえでは、施策そのものより効きました。

テクニカルSEOは合格点を取れば十分
サイトの技術的な状態を整える領域は、こだわり始めると切りがありません。表示速度の数値、構造化データの種類、画像の形式と、いくらでも改善項目が出てきます。
当社がこの領域で持っている判断基準は1つです。テクニカルSEOは最低限の合格点を取ることが優先で、最先端を追う必要はありません。致命的な問題だけは即座に直し、あとは競合との相対で見る、という考え方です。
| 優先度 | 状態 | 対応 |
|---|---|---|
| すぐ直す | サイト全体でGoogleの読み取りを止めている、全ページに検索結果への非表示指定が入っている | 発見しだい修正する。他の施策より先 |
| 合格点まで | 表示速度、スマートフォンでの見やすさ、常時暗号化通信 | 快適に使える水準まで。満点は目指さない |
| 余力があれば | 構造化データの拡張、画像の最適化の作り込み | 他に詰まりがなくなってから |
前の章で見たとおり、Googleが定める技術要件はたった3つで、しかも「多くのサイトは、そのままでも技術要件を満たしています」と書かれています。ここに時間を溶かすより、4段のどこで本数を落としているかを数えるほうが先です。
もう1つ、この領域でよくある落とし穴があります。テクニカルSEOは技術者の仕事だと考えて、任せきりにしてしまうことです。制作会社に依頼している場合でも、何をどこまでやったのかを担当者が把握していないと、次に何が必要かを判断できなくなります。
取りに行かないキーワードを決める
2つ目は、対象を絞る決断です。SEO対策の工程には、取りに行かないものを決めることが含まれます。これは削減ではなく、限られた時間をどこに寄せるかの設計です。
当社の例をお話しします。自社の主力商品にあたる領域の言葉は、当時使っていた外部ツールでは検索需要の推定値が測れる水準にありませんでした。数字が出ない状態で記事を積み上げても、成果が出たのかを判断できません。そこで、次の2つを決めました。
| 決めたこと | 中身 |
|---|---|
| 取りに行かないと決めた | 主力商品にあたる領域の言葉。需要の推定値が測れず、成果が出たかどうかを判断できないため |
| 代わりに寄せ先を決めた | 受注につながる検索は、競合が少なく具体的な、別の領域の言葉へ |
断っておくと、この判断は2026年6月時点のもので、根拠にした数値も外部ツールの推定値です。その領域に検索需要が存在しないという意味ではありません。測れる状態になっていない、というだけです。
測れないという限界はありますが、この決断には効果がありました。取りに行かないものが決まると、会議で「あれもやったほうがいいのでは」という話が出たときに、判断の根拠が残っているからです。決めていなければ、そのたびに一から議論することになります。
見ない指標を決めて、理由ごと書き残す
3つ目が、測る対象を絞ることです。アクセス解析を開くと数字がいくらでも並んでいます。全部を追いかけると、どれも動かないまま時間だけが過ぎます。
当社は自社メディアの方針を定め直したとき、すぐに数字が動くために目に入りやすかった指標を1つ、意識的にKPIから外しました。無料ツールの登録数です。数は伸びますが、事業の受注には直結していませんでした。そのうえで、受注に直結する指標を診断・相談・資料ダウンロードの3つに絞りました。
このとき大事にしたのは、外した理由を戦略資料の「やらないこと」欄に書き残したことです。口頭で決めただけの指標は、次に数字を並べる場面でまた戻ってきます。書いてあれば、そのたびに「これは外した、理由はこう」で話が終わるはずです。
| やること | 具体的に |
|---|---|
| 見る指標を絞る | 事業の成果に直結するものだけを残す。当社は3つ |
| 外す指標を明記する | 資料に「やらないこと」の欄を作り、指標名を書く |
| 外した理由を添える | なぜ外したのかを1行で。次に議論が蒸し返されるのを防ぐ |
SEO対策は成果が出るまでに時間のかかる取り組みです。その期間を乗り切れるかどうかは、施策の質よりも、見る数字が定まっていて、社内で説明できる状態になっているかで決まる部分が大きいと考えています。前の章で作った4段の表は、そのまま社内共有用の資料になります。
SEO対策についてよくある質問
SEO対策のご相談をお受けするとき、最初のほうで決まって出てくる質問を4つ挙げておきましょう。
まとめ
SEO対策は、検索エンジンに内容を理解させ、検索した人に選んでもらえる状態を作る取り組みです。やることは「必ず満たす技術要件」「絶対に踏まないスパムポリシー」「良くしていくベストプラクティス」の3層に整理でき、公式が挙げるベストプラクティスは7項目にまとまります。
そのうえで、どこから手をつけるかは施策の一覧では決まりません。公開・表示・狙った言葉での表示・上位表示の4段に分けて本数を数えると、自社が落としている場所が見えます。当社は244本を数えて、順位より先にやることがあると分かりました。
まずはSearch Consoleを開いて、直近90日で検索結果に一度でも出た記事が何本あるかを数えてみてください。自社サイトの4段を一緒に見てほしいという方は、無料の診断からご相談いただけます。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
