「共起語をもっと入れてください」。構成案のレビューでそう言われて、リストを眺めながら手が止まった経験はないでしょうか。調べれば「重要」と「もう古い」の両方が出てきて、どちらを信じればいいのか分からなくなります。
結論からお伝えすると、共起語は入れる語ではありません。構成から抜け落ちた話題を見つけるための点検の道具です。当社は月間4,500万セッション級メディアの支援現場で、この使い分けを続けてきました。
この記事を読めば、サジェストや関連キーワードとの違いから、詰め込みが危険とされる公式の根拠、そして明日から使える点検の手順までを一通り押さえられます。共起語リストを渡されたときに、何をして何をしないかを自分の言葉で説明できるようになるはずです。
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先に結論:共起語は入れる語ではなく点検の道具
まず最初に、結論からお伝えします。共起語をめぐる話は、次の3点で整理できます。
- 共起語は、上位ページの本文によく出てくる言葉のことです
- 本文へ散りばめる使い方には、公式に示された危険があります
- 正しい使い道は、構成から抜けた話題を見つけることです
1つ目は、データの出どころです。共起語は「一緒に検索される言葉」ではなく、「そのテーマを説明した文章に一緒に出てくる言葉」を指します。検索した人の行動ではなく、書いた人たちの語彙を映したものだと考えてください。
2つ目は、詰め込みの危険です。Googleはスパムに関するポリシーで、関連性のない場所にキーワードが記載されることを、キーワードの乱用の特徴として説明しています。リストの語を本文へ機械的に入れていく作業は、この状態に近づいていきます。
3つ目が、この記事の中心です。構成ができたあとに共起語の一覧と突き合わせ、上位ページが当たり前に触れているのに自分の構成にない話題を探します。この使い方なら、語を散りばめる作業は発生しません。
場面ごとの使い分けは、記事の後半で1枚の表にまとめました。
共起語とは一緒に使われやすい言葉のこと
共起語とは、あるキーワードについて書くときに、自然と一緒に登場しやすい言葉のことです。似た用語が多いため混乱しやすい領域でもあるでしょう。この章では意味と具体例に加えて、サジェストや関連キーワードとの違い、そして「LSIキーワード」との関係まで整理します。

共起語の意味と具体例
共起語は、あるテーマを語るときに一緒に使われやすい言葉を指します。「一緒に検索される言葉」ではない点が大切です。
たとえば「大学受験」について書かれた文章には、「偏差値」「科目」「模試」「出願」といった言葉がごく自然に現れます。書き手が意識して入れたわけではなく、そのテーマを説明しようとすれば必要になる言葉だからです。
実務では、検索結果の上位に出てくるページの文章を集計し、頻繁に登場する語を共起語として扱います。つまり共起語とは「そのテーマを説明した文章に、よく出てくる言葉の一覧」だと考えてください。集計の方法に決まった定義はなく、どの範囲のページを対象にするかで結果は変わります。
サジェスト・関連キーワードとの違い
混同されやすい3つの言葉は、どこから取られたデータなのかで区別できます。
| 用語 | どこから取られた言葉か | 分かること |
|---|---|---|
| 共起語 | 上位ページの本文 | そのテーマを説明するとき、どんな言葉が使われているか |
| サジェスト | 検索窓の入力候補 | 実際に検索されている言葉の組み合わせ |
| 関連キーワード | 検索結果の下部などの表示 | そのテーマの周辺で調べられている話題 |
共起語だけが「書かれた文章」から取られている点に注目してください。サジェストと関連キーワードは検索した人の行動を映しますが、共起語は書いた人たちの語彙を映します。
読者が実際に打ち込んでいる言葉を知りたいなら、共起語では足りません。それぞれの詳しい使い方は、関連キーワードの集め方と使い方の記事とサジェストの仕組みを解説した記事にまとめました。
LSIキーワードと呼ばれるものとの関係
共起語を調べていると「LSIキーワード」という言葉に出会います。意味が近いものとして紹介されることが多く、混同している方も少なくありません。
ここで押さえておきたい事実がひとつあります。Googleの公式ドキュメントには、LSIキーワードという概念の説明が見当たりません。今回の調査でも、Googleがその仕組みを使っていると公式に説明した資料は確認できませんでした。
だからといって、上位ページに共通して出てくる言葉を見る行為に意味がないわけではありません。ただ、公式に説明されていない仕組みを前提に作業を組み立てるのは避けたほうが安全です。この記事では、あくまで「上位ページの文章によく出てくる言葉」という事実の範囲で共起語を扱っていきます。
共起語がSEOで語られてきた理由
検索して調べると、「共起語は重要」という記事と「もう古い」という記事が両方見つかります。どちらの言い分にも背景があるため、まずはそれぞれを見たうえで、いま残っている使い道を確かめましょう。

文章の話題を判断する手がかりとされてきた
共起語が注目された理由は単純です。ある文章が何について書かれているかを判断するとき、使われている言葉が手がかりになると考えられてきたからです。
「りんご」という言葉だけでは、果物の話なのか会社の話なのか分かりません。周りに「収穫」「品種」「産地」が並べば果物の話、「決算」「端末」「株価」が並べば会社の話だと見当がつきます。人が読むときの判断と、大きくは変わりません。
そこから「上位ページによく出てくる言葉を自分の記事にも入れれば、同じテーマだと認識されやすくなるのでは」という発想が生まれました。これが共起語をSEOに使う考え方の出発点です。
「共起語はもう古い」と言われる背景
一方で、否定的な意見も根強くあります。理由は大きく2つです。
1つ目に挙げられるのは、検索エンジンが文脈を読む精度を上げてきたという点です。語の一致だけで判断されていた時代とは前提が変わったのだから、同じ語を並べれば評価されるという単純な話ではない、という言い分になります。
2つ目は、共起語の使い方そのものに無理が出やすいからです。リストの語を本文へ散りばめる作業になりがちで、読みにくい文章が生まれます。「古い」と言われているのは共起語という概念ではなく、語を入れて順位を動かそうとする使い方のほうだと整理すると、話が噛み合います。
それでも役に立つ場面が残っている
では見る価値がないかというと、そうではありません。共起語はそのテーマを説明するとき、世の中でどんな言葉が使われているかの一覧だからです。
Googleのスターターガイドには、次のように書かれています。「そのトピックについてよく知っているユーザーは、よく知らないユーザーとは異なるキーワードを検索クエリで使用するかもしれません」。読者の知識量によって言葉は変わる、という前提が公式にも示されています。SEOスターター ガイド(Google検索セントラル)
自分が業界の言葉で書いているとき、読者は別の言い方をしているかもしれません。共起語の一覧は、その差に気づくきっかけになります。狙う言葉そのものの決め方はSEOキーワードの種類と入れ方の記事で扱いました。
共起語の調べ方は3通りある
共起語の集め方は、大きく3通りに分けられます。専用のツールを使う方法だけが手段ではありません。それぞれ手に入る情報の質が違うので、順に見ていきましょう。

上位ページを読んで拾う
もっとも確実なのは、狙うキーワードで検索し、上位のページを実際に読む方法です。手間はかかりますが、得られるものが違います。
ツールが返すのは語のリストだけで、その語がどんな文脈で使われていたかは分かりません。自分で読めば、「この言葉はデメリットの説明で出てくる」「ここは費用の話の中で使われている」という語と話題のつながりまで見えます。
読むときは、上位5本ほどを目安に、見出しと本文で繰り返し出てくる言葉に印を付けてください。同じ語が3本以上のページに出てくるなら、そのテーマでは欠かせない話題だと考えてよいでしょう。
検索結果まわりの情報から集める
次に、検索結果の画面そのものから集める方法があります。検索窓の入力候補や、結果の下部に並ぶ関連する検索は、無料で誰でも見られる材料です。
ただし前の章で整理したとおり、これらは共起語そのものではありません。検索した人の行動から取られた情報なので、上位ページの語彙とは性格が違います。
使い分けの目安はシンプルです。記事に必要な話題を洗い出したいなら上位ページの本文から、読者が実際に使う言い回しを知りたいなら検索結果まわりから集めます。両方を見比べると、書き手と読者の言葉のズレが見えてきます。
読者が何を知りたくて検索しているのかを見極める手順は、検索意図の種類と調べ方をまとめた記事で詳しく扱いました。
現場で使われている言葉から集める
見落とされがちですが、いちばん独自性が出るのがこの方法です。営業やサポートの担当者が、お客様との会話で実際に使っている言葉を集めます。
「よく聞かれる質問を10個挙げてください」と依頼するだけで、検索ツールには出てこない言葉が手に入ります。しかもその言葉は、実在する顧客が口にしたものです。
上位ページから集めた共起語は、競合と同じ材料でしかありません。同じ材料から同じような記事が生まれるのは当然です。差がつくのは、上位ページに載っていない言葉をどれだけ持っているかという点です。
街中文学でも、記事の企画段階で現場のヒアリングを挟むようにしています。
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共起語を詰め込むと逆効果になる理由
手に入れた共起語のリストを本文へ散りばめる使い方には、はっきりした危険が伴います。この記事でいちばん注意したい点です。公式の記述と、文章としての読みやすさの両面から確かめていきましょう。

キーワードの乱用に触れるおそれがある
Googleはスパムに関するポリシーの中で、キーワードの乱用について明確に説明しています。
「キーワードの乱用とは、Google 検索結果のランキングを操作する目的で、ウェブページにキーワードや数字を詰め込むことです」という定義です。該当する行為として「同じ単語や語句を不自然なほど繰り返す」ことが挙げられました。キーワードの乱用では不自然にリストやグループの形式を使ったり、関連性のない場所でキーワードが記載されたりする傾向があるとも説明されています。Google ウェブ検索のスパムに関するポリシー
共起語リストの語を、話の流れと関係なく本文へ入れていく作業を思い浮かべてください。関連性のない場所にキーワードが並ぶ状態に、かなり近づいていきます。順位を上げるための作業が、逆の結果を招きかねません。
検索エンジン向けの文章は読者に伝わらない
Googleは、コンテンツを誰のために作るべきかについても踏み込んで説明しています。「ユーザーを第一に考えたコンテンツとは、主にユーザーのために作成されたコンテンツであり、検索エンジンのランキングを操作することを目的としたものではありません」という一文です。有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成(Google検索セントラル)
同じページには、こんな指摘もあります。「Google が優先する文字数があるとどこかで聞いたか読んだかしたために、特定の文字数になるように記事を書いていますか(そのような設定は存在しません)」。
文字数の俗説と、共起語を◯個入れるという発想は、同じ構図です。数を満たすことが目的になった瞬間、読者のために書くという軸から外れます。
数を追うと文章の流れが壊れる
実務上の弊害もあります。語を入れることが目的になると、文章の流れが不自然に途切れていくのです。
本来なら費用の話をしている段落に、脈絡なく「導入事例」「無料相談」といった語がねじ込まれてしまいます。読者は話についていけなくなり、途中で離れてしまうのです。
街中文学では、書き出す前に「誰に・何を・どうしてほしいか」の3つを決める運用にしています。ここが決まっていれば、語を足すべきかどうかは自然と判断できるはずです。決めないまま語だけ増やしても、うまい文章が伝わるようにはなりません。
共起語を抜け漏れの点検に使う手順
共起語は入れる語ではなく、抜けている話題を見つける道具として使います。この発想に切り替えると、語を散りばめる作業そのものがなくなるぶん、詰め込みの危険から離れられます。ここからが本記事の中心となる手順です。

構成ができてから突き合わせる
共起語を見るタイミングは、構成ができたあとです。先に見てはいけません。
先に一覧を眺めると、語に引っ張られた構成ができあがります。自分が伝えたいことより、リストに載っている話題が優先されてしまうからです。
街中文学では、順番を固定しています。まず読者と伝えたいことを決めて構成を作り、そのあとで共起語の一覧を横に置きます。そして上位ページが当たり前のように触れているのに、自分の構成にない話題だけを探すのです。
この使い方なら、語を文中に散りばめる作業は一度も発生しません。見ているのは語そのものではなく、その語が表している話題だからです。構成の作り方は構成案の作り方をまとめた記事で解説しました。
足す話題と見送る話題を分ける
抜けが見つかっても、すべて足す必要はありません。ここで判断が要ります。
足すべきなのは、その話題がないと読者の疑問が残るものです。費用の記事で「追加料金」に触れていなければ、読者は不安を抱えたまま読み終えます。これは足します。
見送ってよいのは、上位ページの都合で入っているだけの話題です。自社サービスの宣伝に近い語や、別記事で扱うべき大きなテーマは、無理に入れると記事の輪郭がぼやけます。
足すと決めた話題は、そのまま語を置くのではなく読者の疑問に読み替えてから配置してください。当社では、記事の後半の見出しにするか、よくある質問に入れるかで振り分けています。
| 場面 | やってよいこと | 避けること |
|---|---|---|
| 構成づくり | 構成の完成後に突き合わせ、抜けた話題を探す | 共起語の一覧から構成を組み立てる |
| 執筆 | 足すと決めた話題を、読者の疑問として書く | 語を文中に散りばめる・出現回数を数える |
| リライト | 読者の疑問が残る箇所を見つけ、節を足す | 既存の文へ語を差し込んで埋める |
| レビュー | 抜けた話題がないかの確認に使う | 共起語の含有率で品質を判定する |
リライトでの使いどころ
すでに公開した記事を直すときにも、同じ考え方が使えます。順位が伸びない記事の原因を探る材料になるのです。
手順は新規のときと変わりません。記事の見出しを書き出し、共起語の一覧と並べて、触れていない話題を探します。順位が届いていない記事では、読者が当然知りたいことが丸ごと抜けている場合が少なくありません。
ここでも、既存の文に語を差し込む直し方は避けてください。足すのは語ではなく節です。抜けていた話題について、独立した見出しと本文を書き足すほうが、結果として読みやすくなります。
直す記事の選び方はリライトの判断基準をまとめた記事にまとめました。
共起語を使わない判断も持つ
最後に、使わなくてよい場面についても触れておきます。共起語は必須の工程ではありません。
自社にしか書けない体験や、独自の調査をもとにした記事では、上位ページの語彙を見る必要は薄くなります。むしろ他社と同じ材料を見ることで、せっかくの独自性が平均に寄ってしまう危険があるのです。
判断の目安は、その記事が「テーマの標準を押さえる記事」か「自社だけが書ける記事」かです。前者なら抜け漏れの点検に使い、後者なら見なくて構いません。道具は必要なときに手に取れば十分です。
今泉の視点:共起語のリストを渡されると、多くの方が「どこに入れようか」と考え始めます。私は逆で、リストと自分の構成を並べて「触れていない話題はどれか」だけを見ます。
入れる作業に頭を使うと文章が壊れますが、抜けを探す作業なら構成そのものが良くなるからです。同じリストでも、見る目的が違えば結果は正反対になります。
共起語についてよくあるご質問
まとめ
共起語は上位ページの本文によく出てくる言葉で、本文へ散りばめる使い方には公式に示された危険があります。価値があるのは、構成から抜け落ちた話題を見つける点検の道具として使うときです。
今日できる一歩として、いま書いている記事の見出しを紙に書き出し、共起語の一覧と並べてみてください。触れていない話題が1つ見つかれば、それだけで構成は良くなります。工程ごと任せたいときは、街中文学にご相談ください。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
