「SEOの記事数って、結局何本書けばいいんだろう」。そう聞かれて、はっきり答えられずにいませんか。調べても「まず30本」「100記事から」と数字はばらばらで、根拠が書かれていません。「記事数と順位は関係ありません」では、会議は終わらないはずです。
結論を先にお伝えすると、正解の本数はありませんが、自社に必要な本数は計算で出せます。当社は自社メディアで、公開本数が39本から220本へ増えていく過程を10か月にわたって記録してきました。その実測から導いた計算方法を、そのままお渡しします。
世に出回っている目安を12ページ分調べた結果も、あわせて公開します。読み終えたときには、上司に説明できる本数の根拠が手元にできているはずです。
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先に結論:必要なSEO記事数は計算で出せる
まず最初に、結論からお伝えします。SEO対策に必要な記事数について、業界で共有された正解はありません。Googleが公開している文書に書かれているのも、本数ではなく「誰のために・なぜ作ったか」のほうです。
それでも、自社が必要とする本数は計算で出せます。
要点は3つです。
- 本数と検索順位は連動しない。ただし本数と検索結果への露出量は連動する
- 必要な本数は「目標にする月間表示回数 ÷ 1本あたりの月間表示回数」で逆算できる。他社の目安を借りる必要はない
- 逆算に使う数字は、自社のSearch Consoleにすでに入っている。まだ記事がないなら、最初の10本を測るところから始める
当社は自社メディアで、公開本数が39本から220本へ増えていく過程を10か月にわたって記録してきました。そこで分かったのは、直近の7か月で本数を3.67倍にしても、1本あたりの実力はほとんど変わらないという事実です。裏を返せば、1本あたりの実力さえ測れば、必要な本数は掛け算で逆算できることになります。
あなたがいまどの状態にいるかで、読むべき章は変わります。
| あなたの状況 | 先に読む章 |
|---|---|
| 上司に「何本必要か」と聞かれて答えに詰まっている | 自社の数字から逆算する手順 |
| 目安の本数を調べたが、どれを信じてよいか分からない | 目安を12ページ分調べた結果 |
| すでに数十本書いたのに流入が増えていない | 60本から220本へ増やして起きたこと |
| 「記事数は関係ない」と言われた理由を知りたい | Googleの資料で確かめる |
| 年間の制作計画と予算をこれから決める | 決めたあとに詰める3つのこと |
本数を決めるという作業は、実のところ「どれだけ書くか」を決める作業ではありません。どれだけ書けるかを先に測り、そのうえで目標に届くかを確かめる作業です。順に見ていきましょう。
記事数と順位の関係をGoogleの資料で確かめる
記事数と検索順位に直接の関係はない——この説明は、記事数を扱ったページの多くに出てきます。当社が調べた12ページでは、12ページすべてに同じ趣旨の記述がありました。ただ、そのまま受け取ると「では何をしても同じなのか」という疑問が残るはずです。実際にGoogleが公開している文書を開くと、書かれているのはもう少し具体的なことでした。
この章では、本数と順位の関係についてGoogleが何をどう書いているかを、3つの角度から確かめます。読み終えるころには、本数が効く場面と効かない場面を切り分けられるはずです。
Googleが警告するのは量で当てにいく発想
Googleの有用で信頼性の高い、ユーザーを第一に考えたコンテンツの作成というページには、作り手が自分の運用を点検するための質問が並んでいます。質問のリストは4つに分かれています。そのうち「検索エンジンを第一に考えたコンテンツ作成を回避する」のリストだけは、答えが「はい」なら作り方を見直すべきだという警告として置かれていました。
この警告のリストには、量に関する問いがいくつも並んでいました。しかもそのすべてが「増やしすぎていないか」を問う向きです。ここでは代表して2つを引きます。
1つ目は次の質問です。
いずれかが検索結果の上位に表示されることを期待して、さまざまなトピックで多くのコンテンツを制作していますか。
2つ目はもっと直接的でした。
なんらかの方法でサイトを「新鮮」に見せれば全体的な検索ランキングが向上すると信じて、大量の新しいコンテンツを追加したり大量の古いコンテンツを削除したりしていますか(そのようなことをしてもランキングは向上しません)。
かっこの中まで含めて、Googleが書いた原文です。サイトを新鮮に見せる目的で量を足しても順位は上がらない、と明言されていることになります。「毎日更新」や「月20本」といった本数そのものを目標に据える運用は、ここに引っかかります。
気をつけたいのは、これが「たくさん書くな」という指示ではないことです。警告されているのは本数を増やす目的が検索エンジンに向いている状態であって、読者に必要だから書いた記事が積み上がることではありません。同じ100本でも、成り立ちが違えば扱いは別物です。
検索順位の評価はページ単位で動いている
「記事を増やせばサイト全体の評価が上がり、既存記事の順位も上がる」という説明をよく見かけます。この点について、Googleのランキングシステムの解説ページには次の記述がありました。
Google のランキング システムは基本的にはページレベルで機能するように設計されており、さまざまなシグナルとシステムを使用して、個々のページのランキングを判断しています。サイト全体のシグナルと分類器もページの理解に活用しています。サイト全体に良いシグナルがあるからといって、そのサイトのすべてのコンテンツが常に上位にランク付けされるわけではありません。同様に、サイト全体に悪いシグナルがあるからといって、そのサイトのすべてのコンテンツが低くランク付けされるわけでもありません。
読み方が少し難しいので、順番に整理しましょう。
| 書かれていること | 実務での意味 |
|---|---|
| 基本はページ単位で判断している | 順位は1本ずつ決まる |
| サイト全体のシグナルも使っている | サイト単位の評価が無いわけではない |
| 良いサイトの記事が常に上位になるわけではない | 強いサイトでも弱い記事は上がらない |
| 悪いサイトの記事が常に下位になるわけでもない | 低品質記事が1本あっても全滅はしない |
サイト全体の評価は存在するけれども、それが個々の記事の順位を決めきるわけではない、という書かれ方です。少なくとも100本目を追加すれば1本目の順位が自動的に持ち上がる、という書かれ方はしていません。本数を増やす目的を「既存記事の底上げ」に置くと、根拠のない期待になります。
同じサイトから上位に出るのは多くて2件
本数を増やす戦略には、仕組みの面でも上限があります。同じ解説ページに、サイト多様性システムという項目がありました。英語版の原文はこう書かれています。
Our site diversity system works so that we generally won’t show more than two web page listings from the same site in our top results, so that no single site tends to dominate all the top results.
意味は「1つのサイトが上位の結果を独占しないよう、通常は同じサイトから3件以上を上位に表示しない」ということです。特に関連性が高いとシステムが判断した場合は3件以上出ることもある、という但し書きも付いていました。なおサブドメインは通常、ルートドメインの一部として扱われます。
ここで1つ注意があります。この項目の日本語版は「2 つ以上のウェブページが表示されないようにして」と訳されており、文字どおり読むと「1件しか出ない」と受け取れてしまう書き方でした。英語の原文は「2件を超えて表示しない」なので、正しくは上位に出るのは多くて2件です。日本語版だけを読んで数えると、1件ずれます。
そのうえで、本数を考えるうえでの意味ははっきりしています。1つの検索語に3本ぶつけても、上位に出るのは多くて2本です。似たテーマで本数を積んでも、その検索語で取れる枠が本数どおりに増えるわけではありません。
さらにGoogleは、似たページが検索結果から間引かれることも説明しています。「最も関連性の高い結果のみが表示され、有益性の低い重複内容は除去されます」という記述です。同じ答えを別の言い方で何本も書いた場合、そのうち一部は表に出ないまま終わることになります。
ここから導かれる方針ははっきりしています。本数を増やす効果がいちばん大きいのは「別の検索語を取りにいくとき」です。同じ検索語を取り合う本数を増やしても、露出はその分だけ増えるわけではありません。
ここを取り違えると、書いた分だけ社内で共食いが起きてしまうでしょう。同じ言葉を複数の記事で取り合っている状態の見つけ方は、カニバリの記事で扱っています。
SEO記事数の目安を12ページ分調べた結果
「まず30本」「100記事から」といった目安は、検索すればいくらでも出てきます。ただ、その数字がどこから来たのかを説明しているページには、なかなか出会いません。気になったので、実際に数えてみました。
この章では、その調査の中身をそのままお見せします。何を調べ、何が出てきたのか。読み終えると、目安の数字をどう扱えばよいかの判断がつくようになります。

調べ方と母数
2026年8月10日、「SEOに必要な記事数」を解説している12ページを1件ずつ開き、本文を最後まで読んで記録しました。12ページすべて取得できたので、以下の割合はすべて分母12です。
記録したのは次の項目です。提示していた本数とその条件、本数の根拠として何を挙げているか、記事数と順位の関係についての記述、必要本数の計算式の有無、成果までの期間への言及、1記事あたりの工数やコストへの言及。
数え方で迷いそうな箇所は、先に基準を決めました。たとえば、質の低い記事100記事より質の高い記事10記事、といった比較のために出てくる数字は、目安として提示された本数には数えていません。他社の言説を引用して否定しているだけの数字も同じ扱いです。
調査対象の個別のサイト名は出しません。個々のページを評価することが目的ではなく、この12ページ全体で何が書かれていて何が書かれていないかを見るための調査だからです。
12ページ全部が「関係ない」と書いていた
最初に出てきたのは、きれいに揃った数字でした。
| 調べた項目 | 該当したページ数 |
|---|---|
| 「記事数と検索順位に直接の関係はない」と書いていた | 12ページ / 12 |
| そのうえで具体的な本数の目安を提示していた | 8ページ / 12 |
| 必要本数を導く計算式を示していた | 3ページ / 12 |
| 成果が出るまでの期間に触れていた | 4ページ / 12 |
例外は1件もありませんでした。調べた12ページの全部が「記事数と順位は直接関係しない」と書いており、そのうち8ページが同じ本文のなかで具体的な本数を挙げています。矛盾しているわけではありません。関係がないと断ったうえで、それでも読者が知りたがる数字に答えようとした結果です。
提示された本数の幅は、想像以上に開いていました。最小は目的しだいで1記事から可能というもの、最大は200記事以上です。同じ「オウンドメディア」という条件でも、あるページは50〜200記事以上と書き、別のページは100〜200記事と書いています。よく挙がった帯は20〜30記事前後が3ページ、100記事前後・以上が5ページで、この2つに山がありました。
期間に触れた4ページについては、共通点がありました。4ページすべてに「3〜6ヶ月」という期間が含まれていたことです。残る8ページは、本数の目安を出していても、その本数を達成してから何か月で成果が出るのかを書いていませんでした。
本数に実測を添えたページは1件もなかった
調査でいちばん明確な結果が出たのは、根拠の欄でした。
| 提示した本数の根拠として挙げていたもの | ページ数 |
|---|---|
| 自社・自メディアの実測データ(数値つき) | 0ページ / 12 |
| Google公式ドキュメントの記述 | 0ページ / 12 |
| 第三者の公開調査・統計(出典つき) | 2ページ / 12 |
| 競合サイトの記事数を数える手順の提示 | 4ページ / 12 |
| 根拠の提示なし(「一般的には」「と言われています」など) | 8ページ / 12 |
複数に当てはまるページがあるため、合計は12を超えます。それを踏まえたうえで、結果ははっきりしていました。提示した本数に自社の実測データを添えたページは0件です。
第三者の調査を添えたのは2件で、そのうち数値のある統計を本数に当てているのは1件だけでした。しかもその1件が示していたのは検索順位ではなく、獲得したリード数の変化です。
本数を提示していた8ページのうち、その1ページを除く7ページは、「一般的には」「感覚値として」「〜と言われています」「〜するサイトが多い」といった言い回しだけで数字を出していました。数字が根拠から切り離されて流通している状態だと言えます。表の「根拠の提示なし 8ページ」と1ページずれるのは、第三者調査を添えたページが同時にこうした言い回しも使っていたためです。
Google公式ドキュメントを引用しているページ自体は8ページありました。ただしその引用はすべて「量より質」や「低品質コンテンツの影響」を説明するためのもので、本数の目安を裏づけるものではありません。ここを混同すると「Googleが100記事を推奨している」といった誤読が生まれます。
もう1つ、意外だったことがあります。1記事あたりの制作時間や単価を数値で示したページは0件でした。制作リソースへの言及自体は10ページにあります。
ただ、いずれも「工数がかかる」「外注も選択肢」といった書き方か、月に何本という公開ペースの話にとどまっていました。読者が「自社にその本数を作りきれるか」を判断できる材料は、12ページのどこにもなかったことになります。
この結果を受けて、当社の実測を出すことにしました。次の章がその中身です。
記事を60本から220本へ増やして実際に起きたこと
当社は自社メディアで、2025年12月末に60本だった公開本数を、2026年7月末までに220本へ増やしました。その前後を含む10か月間、検索での表示回数がどう動いたかを月ごとに記録しています。前章で「実測を出しているページは0件だった」と書いた以上、こちらから先に出します。
測り方を先に共有しておきましょう。対象はWordPressで公開済みの投稿で、予約投稿と下書きは含めません。測定日の時点でサイト全体の公開本数は250本あります。
以下の集計は月ごとの累積本数(最大220本)と、90日の対象244本をそれぞれ分母にしています。検索データはSearch ConsoleのAPIから取得し、反映の遅れを見込んで取得日の3日前を終端としました。集計に使ったスクリプトと生データはすべて残してあります。

増やさなかった4か月も表示は落ちなかった
まず、記事を増やさなかった期間の記録からお見せします。2026年1月から4月までの4か月間、当社は新しい記事を1本も公開していません。累積本数は60本のまま止まっていました。
| 月 | 月末時点の累積本数 | その月の表示回数 | 1本あたりの月間表示回数 |
|---|---|---|---|
| 2026年1月 | 60本 | 1,023回 | 17.05回 |
| 2026年2月 | 60本 | 789回 | 13.15回 |
| 2026年3月 | 60本 | 784回 | 13.07回 |
| 2026年4月 | 60本 | 990回 | 16.50回 |
4か月の平均は月896.5回でした。更新を止めていた期間も、表示回数は減らずに横ばいで推移しています。月ごとの上下はありますが、右肩下がりの形にはなっていません。
これは「更新を止めると順位が落ちる」という話とは違う結果です。前章で見たGoogleの原文が書いているのは、サイトを新鮮に見せる目的で量を足しても順位は上がらない、というところまででした。
止めた場合にどうなるかは、この記事で確認したGoogleの公式ドキュメントには見当たりませんでした。当社の4か月について言えるのは、追加を止めても表示は落ちなかった、という事実だけです。
ただし、ここには限定条件があります。この4か月間は増えてもいません。累積本数は60本のまま動かず、表示のあったページ数も20本から51本のあいだを上下しただけでした。維持はできるが前には進まない、という状態です。
本数3.67倍で表示回数は3.05倍になった
2026年5月から、当社は本数を一気に増やしました。60本から220本へ、3か月で160本を追加しています。
| 月 | 月末時点の累積本数 | 前月からの増分 | その月の表示回数 | 1本あたりの月間表示回数 |
|---|---|---|---|---|
| 2026年4月 | 60本 | ±0本 | 990回 | 16.50回 |
| 2026年5月 | 112本 | +52本 | 2,143回 | 19.13回 |
| 2026年6月 | 175本 | +63本 | 1,732回 | 9.90回 |
| 2026年7月 | 220本 | +45本 | 3,019回 | 13.72回 |
4月と7月を比べると、本数は3.67倍、表示回数は3.05倍になりました。本数の伸びには届かないものの、露出は増えています。前章で見たとおり順位そのものは本数で動きませんが、取りにいく検索語が増えれば、表に出る回数は増えるのです。
注目したいのは右端の列です。1本あたりの月間表示回数は、16.50回から13.72回へと横ばい、むしろ微減しています。10か月を通して見ても9.90回から19.13回の幅に収まり、本数が増えたからといって上向いてはいません。
もう1つ、6月の行に目を留めてください。63本を追加したのに、表示回数は前月の2,143回から1,732回へ減っています。本数と表示回数は、同じ月のうちには連動しません。公開してから検索結果に出るまでには時間差があり、追加した月に成果が出るとは限らないのです。
ここから読み取れることを整理すると、次のようになります。露出は「1本あたりの実力 × 本数」でおおよそ決まっており、本数を増やしても1本あたりの実力は上がらない。つまり必要な本数は掛け算で逆算できるということです。この計算は次の章で扱います。
90日で一度も表示されなかった記事が43.9%
もう1つ、本数の計画に織り込んでおきたい数字があります。書いた記事のうち、実際に検索結果へ出る割合です。
2026年5月10日から8月7日までの90日間で、この期間の終わりまでに公開済みだった244本を調べました。表示が1回以上あったのは137本で56.1%。残る107本、全体の43.9%は90日間で一度も検索結果に出ていません。
公開からの経過期間で分けると、意外な並びになりました。
| 公開からの経過 | 本数 | 表示があった本数 | 表示に至った割合 | 表示回数の中央値 |
|---|---|---|---|---|
| 0〜29日 | 69本 | 46本 | 66.7% | 7回 |
| 30〜89日 | 76本 | 42本 | 55.3% | 3回 |
| 90〜179日 | 39本 | 19本 | 48.7% | 0回 |
| 180日以上 | 60本 | 30本 | 50.0% | 1回 |
公開から日が浅い記事のほうが、表示に至る割合が高いという結果でした。古い記事ほど検索に出やすくなる、という関係にはなっていません。当社の場合、新しい記事のほうが品質基準を上げてから作ったものであるため、古さより作り方の違いが出ていると見ています。
右端の中央値の列は、さらに厳しい現実を示しています。90〜179日の記事は中央値が0回です。この帯の記事の半分は、90日間で一度も検索結果に出ていません。180日以上の記事でも中央値は1回でした。
いっぽうで、180日以上の60本は表示合計が3,932回あります。中央値が1回なのに合計は大きい。少数の記事が全体の表示を稼いでいるという形です。
ここが、本数の計画でいちばん間違えやすいところです。1本あたり13.72回という平均値だけを見て「30本書けば月400回」と計算すると、実態から外れます。平均は少数の当たり記事に引き上げられており、大半の記事は1桁前半にとどまっているからです。
計画には平均を使い、進捗の確認には中央値と表示ゼロの本数を使う。この2本立てをおすすめします。
表示ゼロが続いている記事に新規の1本を足すべきか、それとも既存に手を入れるべきかで迷ったときは、リライトの判断基準を先に確認してみてください。上がらない原因を順位帯から切り分ける方法は、SEO記事の書き方の記事にまとめています。
今泉の視点:本数を3.67倍にしたとき、私が最初に見たのは増えた表示回数ではありませんでした。1本あたりの表示回数です。ここが横ばいなら、増えた露出は本数を増やした分にすぎず、記事そのものが強くなったわけではないと判断できます。逆にここが上向いていれば、本数を止めても伸びる余地があるという合図です。本数の議論に入る前に、私はまずこの1つの数字を確かめるようにしています。
なお、この傾向は当社1サイトの記録です。参考までに、Ahrefsが2023年に約140億ページを対象に調べた調査では、全ページの96.55%がGoogleからの訪問がゼロだったと報告されています。
当社の43.9%は表示がゼロという別の指標なので、そのまま比べることはできません。母数の偏りも調査側が認めています。
それでも、当社の1サイトでも140億ページ規模の調査でも、書いた分がそのまま成果にならない点は共通していました。
SEO記事数を自社の数字から逆算する手順
ここからが本題です。他社の目安を借りずに、自社の必要本数を出します。式に使う数字は2つ、進捗の確認用にもう1つ。このうち2つは自社のSearch Consoleから取れます。
この章では、その3つの数字の取り方と計算の手順、そして計算結果にかかってくる上限について順に見ていきましょう。読み終えたら、そのまま社内で数字を当てはめられるはずです。

逆算に使う3つの数字をどこから取るか
前の章で確かめたとおり、露出はおおよそ「1本あたりの実力 × 本数」で決まります。この関係を逆に使えば、目標から本数が出ます。必要なのは次の3つです。
| 使う数字 | どこから取るか | 当社の実測値(参考) |
|---|---|---|
| 目標にする月間表示回数 | 目標クリック数 ÷ 想定クリック率。想定クリック率は自社の順位帯別の実績から出す | − |
| 1本あたりの月間表示回数 | Search Consoleの月間表示回数 ÷ 公開本数。表示ゼロの記事も分母に入れる | 13.72回(2026年7月・220本) |
| 表示に至る歩留まり | 表示が1回以上あった本数 ÷ 公開本数 | 56.1%(2026年5〜8月・244本) |
2つ目の数字を取るときの注意点を1つ。分母には表示ゼロの記事も必ず入れてください。表示があった記事だけで割ると1本あたりの数字が大きく出て、必要本数が実態より少なく算出されます。
当社の2026年7月で言えば、表示があったのは220本中99本でした。この99本だけで割ると1本あたり30.5回となり、全数で割った13.72回の2倍以上になります。
ただしこれは「当たった記事だけを数えた値」です。まだ表示されていない記事も含めて計画を立てる以上、この数字は使えません。
3つ目の歩留まりは、計算式には入れません。2つ目の数字にすでに織り込まれているためです。1本あたりの表示回数を全数の平均で出している時点で、表示ゼロの記事は分母として効いています。
ここに歩留まりを重ねて掛けると、二重に割り引くことになります。歩留まりは計算に使うのではなく、進捗を確認するための指標として持っておいてください。
まだ1本も記事がない場合は、この数字が手元にありません。その場合は最初の10本を出して3か月待ち、そこで測るのが現実的です。私は、他社の平均値を借りるより自社の10本で測った値を使います。
必要本数の計算式と、当社の数字で試した計算例
式そのものは単純です。
必要な公開本数 = 目標にする月間表示回数 ÷ 1本あたりの月間表示回数
当社の数字で試してみます。1本あたりの月間表示回数は13.72回でした。仮に月間2万回の表示を目標に置くとします。
20,000 ÷ 13.72 = 約1,458本という答えが出ました。
この数字を見て、多くの方は目を疑うと思います。私も最初は計算を間違えたかと思いました。しかしこれが、いまの1本あたりの実力を前提にしたときの正直な答えです。
ここで取れる道は2つに分かれます。
| 取れる道 | やること | 必要になるもの |
|---|---|---|
| 本数で届かせる | 1,458本を目指して書き続ける | 月20本なら6年。工数と予算が現実的か検討する |
| 1本あたりの実力を上げる | 13.72回を伸ばす。検索需要の大きい語へ寄せる、上位に届く記事に作り替える | 1本あたりが2倍になれば必要本数は半分になる |
この2択が見えることが、逆算の価値です。「何本必要か」という問いは、多くの場合「本数では届かない」という答えを返します。そこではじめて、1本あたりの実力を上げるほうへ議論が移ります。目安の数字を眺めているだけでは、この分岐にたどり着けません。
目標の置き方についても、ひとこと添えておきます。目標を表示回数ではなく問い合わせ件数から降ろしたい場合は、事業成果から逆算する組み立てのほうが向いています。その手順はオウンドメディアの目標記事数の記事で扱っているので、あわせて読んでみてください。
キーワード設計の行数が本数の上限を決める
計算で出た本数には、もう1つの制約がかかります。そもそも狙える検索語が、その本数だけ存在するかどうかです。
当社は2026年7月に、自社メディアのキーワード設計を552件つくりました。この552という数字が、当社が書ける記事数の上限になります。1,458本という計算結果が出ても、設計が552件しかなければ、それ以上は書けません。書こうとすれば同じ検索語を取り合うことになり、前章で見たサイト多様性システムのために枠は増えないままです。
その552件のうち、実際に記事にできた割合も測っています。
| 検索する人の段階 | 設計した件数 | 記事にできた件数 | 充足率 |
|---|---|---|---|
| 認知(調べ始めた段階) | 429件 | 65件 | 15.2% |
| 比較検討 | 74件 | 9件 | 12.2% |
| 今すぐ客 | 49件 | 19件 | 38.8% |
設計552件に紐づけて記事にできたのは合計93本です。当社の公開記事はこれより多いのですが、差にあたる記事の大半はこの設計を作る前から公開していたものです。
この表からは、当社自身の偏りも見えます。比較検討と今すぐ客は検索需要の規模がほぼ同じ(それぞれ42,560と39,430)なのに、着手した割合は12.2%と38.8%で3倍以上の開きがありました。売上に近い段階から先に書いて、手前を後回しにしていたことが数字に出ています。
ここで気をつけたいのが、「対策したいキーワードの数=必要な記事数」という考え方です。前章の調査で計算式を出していた3ページは、いずれもこの対応関係を挙げていました。うち2ページは、対応関係だけを示しています。ただ、この数え方は実態と合いません。
当社の設計552件には、関連する言い回しがサブキーワードとして合計5,091個ぶら下がっています。1件あたり平均9.22個、中央値で6.0個です。このサブキーワードの数だけ記事が要ると考えれば5,091本になりますが、実際に設計した記事は552本でした。「料金」と「相場」のようにほぼ同じ答えで足りるものと、「使い方」と「他との違い」のように答えが変わるものが混ざっているためです。
別の角度からも同じことが言えます。Ahrefsが2017年に検索クエリ300万件を調べた結果では、1位に入っているページは平均して他に約1,000件の関連キーワードでもTop10に入っていました。中央値は約400件です。
こちらが数えているのは実際に順位が付いている語の数で、当社の5,091個は設計の段階で割り当てた語の数ですから、測っているものは違います。それでも1本の記事が拾う検索語は、狙った1語だけではないという点は共通しています。
2017年の調査なので、現在の検索結果とは環境が異なる点には注意してください。それでも、1語1記事で数えると本数を大きく見積もりすぎることは変わらないでしょう。
必要本数を減らす方向の工夫もあります。当社では、狙う言葉の一覧をつくるときに「対象外にする言葉の一覧」も同じ場所に作る運用にしています。事業とは関係があるのに受注までは遠いと見た語を、外した理由とセットで書き残しておくわけです。
後から外そうとすると、すでに順位がついていたり記事があったりして、外す決断そのものが惜しくなります。書かないと決めた分だけ、必要な本数は減ります。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
本数を決めたあとに必ず詰める3つのこと
本数が出たら、次はそれを作りきれるかの確認です。ここを飛ばして「月10本」と決めると、3か月目に計画が止まります。前章の調査で、1記事あたりの工数を数値で書いていたページが12ページ中0件だったのを思い出してください。判断に必要な情報は、探しても出てこないのが実情です。
そこで当社の実数をお出しします。この章で扱うのは、制作工数と維持の手間、そして測るタイミングの3つです。

1本あたりの工数は「書く時間」では終わらない
月に何本書けるかを見積もるとき、多くの計画は執筆時間だけで組まれています。実際には、書き上げてから公開するまでにもう一山あるのです。
当社は公開前に品質の採点を行い、基準に届かなければ書き直します。2026年7月下旬から8月上旬に作った記事のうち、採点の記録が残っている60本を数えたところ、1本あたり平均1.8回という結果でした。1回の採点で通ったのは19本で、全体の32%です。3本に1本しか一発では通っていません。
この数字を本数の計画に置き換えると、見え方が変わります。
| 月に公開したい本数 | 実際にくぐらせる採点の回数(1.8回換算) |
|---|---|
| 5本 | 約9回 |
| 10本 | 約18回 |
| 20本 | 約36回 |
1回あたりに何時間かかるかは体制によって変わるので、ここでは回数だけを置いています。伝えたいのは、月10本の計画とは、初稿を10本書く計画ではなく、採点を18回くぐらせる計画だということです。自社の1回あたりの所要時間を掛ければ、確保すべき時間が出ます。
ここを見落とすと、書く時間は確保できているのに公開が遅れる、という状態になります。なお1.8回という数字は当社の記事制作の記録であって、SEO業務全体の工数ではありません。ここから言えるのは、1回で通ったのは32%で、残りの68%は書き直しが発生したという事実までです。
本数を増やす圧力がかかったとき、どこを削るかも先に決めておくとよいと考えています。当社が削らないと決めているのは、公開前の品質評価、引用元との逐語照合、公開済み全記事への重複確認、そして一次情報の収集の4つです。
いずれも省いた結果として実害が出たものばかりでした。削って減るのは目の前の作業時間だけで、問題は公開後に出てきます。
本数を増やすときの品質の保ち方そのものは、量産と品質管理の記事で仕組みの面から扱っています。
本数が増えると、検査にかかる手間も一緒に増える
記事が増えて重くなるのは、制作だけではありません。すでにある記事との重なりを確認する手間が、本数に比例して増えます。
当社で実際に起きた失敗をお話ししましょう。新しい記事を書くとき、内容が既存記事と重なっていないかを確認する工程があります。あるとき、関連が強そうな数本に絞って確認したことがありました。結果として、別の記事との重複を見落として公開してしまいました。
公開済みの全記事を対象に全文で照合していれば防げたものです。関連が強そうな数本に絞った、その判断そのものが原因でした。記事が増えるほど、どれと重なりうるかは人の記憶では追えなくなります。それでも対象を絞ってよいことにはならない、というのがこの失敗から得た結論です。
重なりが問題になる理由は、前の章で見たとおりです。似たページは検索結果から間引かれ、同じサイトから上位に出るのは多くて2件にとどまります。重複そのものはGoogleのスパムポリシー違反にはあたらないと明記されていますが、枠が増えない以上、書いた労力が露出に変わらないことになります。
なお、記事が増えるとクロールが追いつかなくなるのではないか、という心配もよく聞くところです。数百本の規模であれば、気にする段階ではありません。詳しくは記事末のよくある質問で扱います。
4週・8週・12週で見る指標を先に決めておく
本数を決めたら、最後に「いつ何を見るか」を決めます。ここを決めずに走ると、3週目に「まだ問い合わせが来ない」という話になり、計画そのものが揺らぎかねません。
当社は時点ごとに見る指標を切り替える形にしています。
| 時点 | 見る指標 | この時点で見ないもの |
|---|---|---|
| 4週後 | 表示がゼロの記事の本数、週間の表示回数 | クリック数、問い合わせ |
| 8週後 | 週間のクリック数、10位以内に入ったキーワードの数 | 問い合わせ |
| 12週後 | アクセス解析上のセッション、問い合わせ件数 | − |
要点は、問い合わせ件数を見るのは12週後からだと最初に決めていることです。決めておかないと、4週目の会議で問い合わせの話が出て、まだ判断できない数字で計画を評価することになります。
4週後に見る「表示がゼロの記事の本数」は、本数を分母にした指標です。前章のとおり当社では90日で43.9%が表示ゼロでした。この割合が回を追うごとに下がっていれば、書き方が良くなっていると読めます。本数だけを数えていては見えない変化です。
期間の見立てについては、Google自身も慎重な書き方をしていました。SEOスターターガイドには、検索結果への反映には数時間で済む変更もあれば数か月かかる変更もあり、一般的には数週間待ってから確認することをすすめる、と書かれています。そのうえで「変更すれば必ず目に見える変化が現れるというわけではありません」という一文まで添えられていました。Google自身が、変化が現れるとは限らないと書いているわけです。
期間とあわせて、届く確率も見ておく価値があります。Ahrefsが2025年に公開した調査では、新しく公開されたページのうち1年以内にTop10へ入ったのは1.74%でした。2023年9月時点の100万URLを追跡した結果で、同社の2017年の調査で出ていた5.7%から下がっています。
ただし同じ調査は、別の切り方をした数字も示しています。2023年10月に作られた200万URLのうち中身のある英語ページだけに絞ると6.11%で、調査側はこちらのほうが公平な数字かもしれないと書き添えていました。どちらを取るにしても、1年で上位に届くのはごく一部という点は変わりません。
前章の調査で目安の期間を書いていた4ページは、すべて「3〜6ヶ月」を挙げていました。その時期に成果が出るのは書いた記事のごく一部だと見ておくほうが、計画は崩れにくくなります。
SEO記事数についてよくある質問
本数の相談をお受けするとき、決まって最後に出てくる質問を4つ挙げておきます。
まとめ
SEO記事数に業界共通の正解はありません。調べた12ページの全部が「順位とは関係ない」と書き、そのうち8ページが本数の目安を挙げ、うち7ページは根拠を示していませんでした。順位は本数で動きませんが、露出は「1本あたりの実力 × 本数」で決まります。だからこそ、目標を1本あたりの実測値で割れば必要な本数が出ます。
今日から進めるなら、次の3つの順で手をつけてください。
- 測る:直近1か月の表示回数を、公開本数で割る(表示ゼロの記事も分母に入れる)
- 割る:目標の月間表示回数をその値で割り、必要な本数を出す
- 決める:出た本数を作りきれるか、採点回数と体制から判断する
この3つで、本数の議論は感覚から計算に変わります。運営の全体像から組み立て直したい場合はオウンドメディアの完全ガイドもあわせてどうぞ。計算した結果に届く道筋が見えないときは、当社の無料相談でご一緒に組み立て直すこともできます。
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