「月額いくら、と書かれているけれど、この金額で何をしてもらえるのだろう」。SEOコンサル費用の提案書を前にして、そう感じたことはないでしょうか。記事制作なら1本いくらで読めるのに、コンサルティングだけは中身が見えないまま金額が置かれています。
街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場から、コンサルティングの形でご支援に入ることがあります。見積もりを作る側として、この読みにくさは自覚しているところです。
お伝えしたいのは、見るのは定例の回数ではなく、定例と定例の間だということです。この記事を読めば、相場と比べなくても目の前の提案書を判断できるようになります。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
先に結論:回数ではなく間を見ます
まず最初に、結論からお伝えします。コンサルティングの費用を判断するときに見るのは、次の3つです。
1つ目は、定例と定例の間に何が起きているかです。見積もりには「月2回の打ち合わせ」のように回数だけが書かれることが多いのですが、実際の時間は打ち合わせの外で使われています。ここが見えないと、金額が高いのか安いのか判断できません。
2つ目は、受け取った助言をどう残すかです。コンサルティングで届くのは形のあるものではないため、記録しなければ払った分が消えていきます。残すべきは決めた内容ではなく、そう決めた理由のほうです。
3つ目は、いつ終わりにするかです。成果が出ているときほど辞めどきは分からなくなります。だから契約の前に、どうなったら卒業するのかを決めておくのです。
| 見るところ | 確かめる問い | 確かめないとどうなるか |
|---|---|---|
| 定例と定例の間 | その間はどなたが何をしますか | 打ち合わせ1時間の値段に見えてしまう |
| 助言の残し方 | 決めた理由まで記録しているか | 担当が代わると同じ話をやり直す |
| 終わりの条件 | どうなったら卒業できるか | 辞めどきが分からず払い続ける |
この記事では、この3つをそれぞれ確かめる手順までお伝えします。金額の目安そのものは後半でご紹介する記事に譲り、ここでは提案書を前にして判断できる状態を目指しましょう。
コンサル費用が読みにくい理由
コンサルティングの費用が判断しにくいのは、金額の書かれ方が作業を頼むときと違うからです。仕組みが分かると読み方が決まります。3つに分けて見ていきましょう。

作業型は工数、コンサルは回数
記事制作やサイトの改修を頼むときは、数えられるものが金額の根拠になります。記事なら本数、改修ならページ数です。金額を本数で割れば単価が出ます。
ところがコンサルティングの見積もりには、「月2回の定例」「月次レポート1本」のように回数しか書かれていないことがよくあります。この形だと、割り算をしても意味のある数字が出てきません。
| 頼むもの | 見積もりの書かれ方 | その書き方で確かめられないこと | 代わりに聞くこと |
|---|---|---|---|
| 記事制作 | 月4本 | —(金額÷本数で読める) | — |
| サイトの改修 | 対象20ページ | —(金額÷ページ数で読める) | — |
| コンサルティング | 月2回の定例 | 定例の外で何時間動くか | 間に何をするか・誰が動くか |
相場の幅が広く見える理由の1つが、この書かれ方です。同じ「月2回の定例」でも、含まれている仕事の量がまったく違います。金額の差は、見えていない部分で開いているのです。
料金体系そのものの違いや、費用相場の目安はSEO対策費用の相場と内訳をまとめた記事で整理しました。本記事は相場ではなく、コンサルティングという形態に固有の読み方をお伝えします。
買っているのは答えではありません
もう1つの理由が、受け取るものが決まった形を持たないことです。ここはSEOという分野の性質にも関わっています。
中小企業基盤整備機構が起業者向けに出している案内には、こう書かれています。「SEO対策には絶対という方法がなく、過去の経験や検索エンジン側から発表される方針から予測をして対策しているのが現状です。」SEO対策(J-Net21・中小企業基盤整備機構)
これは開業する方に向けた一般的な解説で、コンサルティングについて述べたものではありません。ただ、絶対の方法がないという前提は、費用の性質にそのまま効いてきます。
決まった答えがあるなら、それを渡してもらえば終わりです。そうではないので、受け取っているのは答えではなく、状況を見て判断する仕事のほうになります。だから成果物の一覧では金額を測れないのです。
実行を含むかで金額は変わります
3つ目が、手を動かす部分が含まれるかどうかです。ここで金額は大きく動きます。
助言だけを受け取る形と、実行まで含む形では、見積もりの書かれ方も変わります。
| 形 | 見積もりに並ぶ項目 | 手を動かすのは誰か |
|---|---|---|
| 助言だけ | 定例・レポート・調査 | 自社 |
| 実行まで含む | 上記+記事制作・サイト修正 | 相手側 |
同じ「コンサルティング」という言葉でも、この2つは別のものです。見積もりに手を動かす項目が並んでいなければ、実行は自社に残ります。
コンテンツSEOの費用や料金として案内されているものは、この境目が特に曖昧になりやすい部分です。設計だけなのか、記事の制作まで入るのかで金額はまったく変わります。見積もりに「コンテンツSEO一式」とだけ書かれていたら、何本の記事が含まれるのかを必ず確かめてください。
何を任せて何を自社に残すかという切り分けそのものはSEO外注で何を任せるかをまとめた記事で扱いました。本記事では、その線がどこに引かれているかを見積もりから読むところに絞ります。
見積もりと提案のどこを読むか
提案書を前にして確かめるのは、金額の大小ではなく次の3か所です。ここが読めると、相場と比べなくても判断できるようになります。順に見ていきましょう。

定例と定例の間に何をするか
当社が見積もりを作るときは、実際の時間の多くが定例の外で使われます。数字を見て、原稿を読み、サイトの状態を確認し、調べ物をします。どれも打ち合わせの席では起きていません。
ところが見積もりには「月2回の定例」としか書かれないことが多く、打ち合わせの1時間だけに金額が付いているように見えてしまうのです。それでは高いとしか感じられません。
当社が支援に入るときは、定例と定例の間に何をするかを見積もりの中に書くようにしています。そこが金額の中身だからです。
「定例と定例の間は、どなたが何をされていますか」
この問いに具体的な作業で答えが返ってくれば、月額の中身が見えてきます。「必要に応じて対応します」で終わる場合は、その部分が月額の中身に数えられていないと考えてよいでしょう。
見積もりを取るときに自社から何を渡せば精度が上がるかはSEO見積もりの取り方をまとめた記事で扱いました。本記事は、受け取った見積もりの読み方に絞ってお伝えします。
誰が出てくるのかを確かめる
回数では割れませんが、関わる人なら確かめられるのです。当社が見積もりを作るときは、提案に出た者と実際に動く者が違う場合、その2人を別の行に分けて書きます。
役割ごとに行が分かれていれば、月額のうちどれだけが経験のある者の時間に対する対価なのかを読み取れるでしょう。1行にまとまった金額からは、そこが見えません。
ですから、分けて書かれていない見積もりを受け取ったら、そこを尋ねてみてください。行を分けてもらうだけで、同じ金額の中身が変わって見えます。
誰が担当するのかという確かめ方そのものはマーケティング会社への依頼をまとめた記事で扱いました。業態によって出てくる人の役割が変わる点はSEO会社の4つの型をまとめた記事をご覧ください。
提案の裏づけがどこにあるか
3つ目は、提案されている内容に裏づけがあるかです。コンサルティングで受け取るのは判断なので、その判断の根っこを見ます。
Googleは、外部から受け取るSEOのアドバイスをどう評価するかについて、こう述べています。「一般的に、優れたアドバイスとは、データや経験に基づいて主張を意見として位置づけたものや、Google 検索の公式ガイダンスを引用して主張を裏付けたものです。」サードパーティの SEO ツール、サービス、アドバイスの使用に関する Google 検索のガイダンス
これは相手を疑えという話ではありません。アドバイス全般をどう受け取るかの目安であり、同じページは自分の判断で決めることをすすめています。
読むときの目安は2つです。
- 意見を意見として述べているかを見ます
- 公式の資料を引いて裏づけているかを見ます
この2つが揃っている提案は、そうでない提案より確かめやすくなります。反対に、根拠を尋ねたときに「経験上そうなります」だけが返ってくる場合は、もう一歩聞いてみてください。どんな場面での経験なのかまで話せる相手なら、それも十分な裏づけになります。
当社が提案書を書くときは、その根拠が意見なのか、公式の資料なのか、自社で測った数字なのかを分けて書くようにしています。3つが混ざったままだと、受け取った側が確かめようがないためです。
ここまでの3か所を読んだら、答え方で次の行動を決めてください。3か所のうち2か所が具体的に語られなければ、金額を交渉するより先に、範囲を書き直してもらうほうが早く進みます。値引きをしても、中身が決まっていない状態は変わらないためです。
反対に3か所とも具体的に語られたなら、最後はその作業を自社でやるとしたら誰が何日かかるかに置き換えて比べてみてください。相場と比べるより、自社の時間に換算するほうが決裁の場では通りやすくなります。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
払った費用を自社に残すには
コンサルティングで受け取るのは助言なので、記録しなければ払った分は消えていきます。ここは発注した側にしかできない仕事です。3つに分けて見ていきましょう。

助言は記録しないと消えます
コンサルティングで残るのは、記録しなければその場の会話だけです。記事制作を頼めば記事が残り、サイトの改修を頼めば直ったサイトが残るのとは違います。
議事録は届くかもしれません。ただ、そこに書かれるのは決まったことの一覧であることが多いのです。半年後に読み返しても、なぜそう決めたのかが分からないという状態になります。
そうなると、担当者が代わったときに同じ話を最初からやり直すことになります。払ったお金は、会話が終わった時点で消えているのと変わりません。
だからこそ、記録は受け取る側で作ってください。相手が用意してくれるものに任せず、自社の言葉で残すことに意味があります。
残すのは決めた理由のほうです
当社が支援に入るときにお願いしているのは、定例のたびに「なぜそう決めたか」を1行だけ残すことです。決めた内容ではありません。
決めたことだけを残すと、状況が変わったときに使えなくなります。「このテーマから書く」とだけ書いてあっても、なぜそのテーマだったのかが分からなければ、次の判断には結びつかないのです。
| 残し方 | 書かれること | 半年後に使えるか |
|---|---|---|
| 決めたことだけ | このテーマから書く | 使えない(前提が変わると判断し直せない) |
| 決めた理由も | 問い合わせに近い言葉から書くと決めたため | 使える(同じ物差しで次を選べる) |
1行で構いません。長く書こうとすると続かなくなるので、その場で書ける長さにしてください。定例が終わる前の5分で書けます。
あわせて、試した施策と結果も同じ場所に置いておくと、後から見返しやすくなります。うまくいかなかったものこそ残す価値があるのです。
3か月分たまると変わること
この記録が3か月分たまると、同じ論点が出たときに自分たちで判断できるようになります。ここが目に見える変化です。
「前にこういう理由でこう決めた」という記録があれば、似た場面で相手に聞かなくても決められます。聞く回数が減った分、定例の時間を別の論点に使えるようになるでしょう。
そして、この積み上がりが次の章につながります。自分たちで判断できる範囲が広がることこそ、コンサルティングの費用に見合った変化だからです。
逆に、半年たっても記録が残っていないなら、契約の中身を見直す時期かもしれません。受け取っているものが、その場の安心だけになっている可能性があります。
いつ卒業するかを先に決める
コンサルティングは、永続を前提に始めるものではありません。だからこそ、終わりの条件を契約の前に決めておきます。3つに分けて見ていきましょう。

成果が出るほど辞めどきを見失う
意外に思われるかもしれませんが、辞めどきが分からなくなるのは、うまくいっているときです。
成果が出ていないなら、契約を見直す話は自然に出てきます。ところが数字が伸びていると、「この状態は続けているからだ」と考えたくなるのです。止めた瞬間に落ちるのではないか、という不安も働きます。
その結果、もう自社だけで回せる状態になっても契約が続くということが起こります。金額に見合わなくなっていても、判断する材料がないので気づけません。
ですから、成果が出る前に決めておく必要があります。調子が良くなってから決めようとすると、決められなくなるのです。
卒業の条件を契約前に決める
当社が支援に入るときは、「どうなったら終わりにするか」を先に決めていただいています。条件は自社の言葉で構いません。
- 自社だけで月次の数字を読んで、次の打ち手を出せるようになります
- 新しく書く記事のテーマを、自分たちで決められる状態になりました
- 外に聞かないと動けない論点が、月に1つ以下まで減っています
3つとも「数字が伸びたら」ではない点に注目してください。測っているのは自社の状態です。順位や流入が伸びたかどうかは、助言の成果と実行の成果が混ざっていて切り分けられません。
その点、自社だけで判断できるようになったかどうかは、助言を受け取った側にしか分からない変化です。だから卒業の条件に向いています。
この条件は、契約書に入れなくても構いません。社内で共有して、3か月に1度そこへ戻れば十分に働きます。
あえて続ける場合もあります
もちろん、条件を満たしても続けるという判断はあります。大事なのは、条件があるからこそ意識して選べるという点です。
続けるほうがよい場面は、たとえば事業が新しい領域に入るときや、サイトを大きく作り直すときです。自社だけで回せる範囲を超える判断が増えるので、そこは外の目を入れたほうが速くなります。
反対に、まだ早いという判断もあります。公開している記事が数本しかない段階では、助言を受け取っても実行する材料がありません。まず書いてみて、数字が出てから相談するほうが、同じ金額でも受け取れるものが増えます。
始める前に自社の状況を数えておきたい場合は、オウンドメディアの費用の数え方をまとめた記事もあわせてご覧ください。社内で発生する時間まで含めて見ておくと、判断がぶれにくくなります。
今泉の視点:コンサルティングのご相談で、私が最初にお願いするのは卒業の条件を決めていただくことです。売り手がこれを言うのは妙に思われるかもしれませんが、理由があります。
条件がないと、うまくいっているときほど辞めどきが分からなくなるのです。結果として、もう自社で回せるのに契約だけが続いてしまいます。そういう関係は、どちらにとっても良いものになりません。
それに、卒業を前提にすると渡すものが変わります。答えだけを渡すのではなく、なぜそう判断したのかを毎回説明することになるからです。私はそのほうが、受け取っていただけるものは多いと思っています。
SEOコンサルの費用についてよくあるご質問
まとめ
SEOコンサルティングの費用が読みにくいのは、金額の書かれ方が作業を頼むときと違うからです。回数しか書かれていないため、割り算をしても意味のある数字が出てきません。実際の時間は、定例の外で使われています。
ですから提案書を前にしたら、金額の大小より先に3か所を読んでください。読むのは、定例と定例の間に何をするか、誰が出てくるか、提案に裏づけがあるかの3つです。この3つが具体的に語られるかどうかで判断してください。
- 契約前:卒業の条件を自社の言葉で決めておきます
- 契約中:定例のたびに「なぜそう決めたか」を1行残します
- 3か月後:自分たちで判断できる範囲が広がったか見返してください
コンサルティングは、永続を前提に始めるものではありません。払った分が自社に残っているかどうかは、記録を残した側にしか分からないのです。
コンテンツ監査からトピッククラスター設計、KPI・CVR設計まで、検索流入と問い合わせにつながるメディア戦略を整えます。記事は増えたのに成果が伸びない、という企業向けのコンサルティングです。
