キーワード検索順位は3つの数値|5,335件で分かった変動幅

「先週は20位、今週は12位。これは上がったと報告していい変化なのだろうか」。キーワード検索順位を前にして、判断を保留したまま数字だけを並べている担当者は少なくありません。順位を示す数字の出どころが複数あることが、迷いをさらに大きくしています。

先にお伝えすると、順位は3つの別々の数値に分かれていて、しかも動くのが正常です。どれかが間違っているわけではありません。

この記事を読めば、どの数値をどの判断に使うのか、どこからを変化と呼ぶのかの線が引けます。読み終えるころには、順位が動かなかった週にも落ち着いて「変わっていません」と報告できる状態になっているはずです。

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目次

先に結論|キーワード検索順位は3つの数値

キーワード検索順位は、ひとつの数字ではありません。手動で検索した結果、Search Consoleの平均掲載順位、順位チェックツールの記録。この3つは測っている対象が違うため、同じキーワードでも数字が合わないのが正常です。

まず押さえたいのは、3つの数値の性格の違いと、順位がどれくらい動くのが普通なのかという相場観です。ここを先に決めておくと、日々の変動に振り回されずに済みます。

順位を1つの数字だと考えない

順位を調べる手段は3つあり、返ってくる数字の意味はそれぞれ別物です。どれが正しいかを競わせても答えは出ません。

手段 返ってくる数字 向いている用途
自分で検索する 今この瞬間、自分の端末と場所での1回の結果 掲載のされ方を目で確かめる
Search Console 実際に表示された検索での、最上位の掲載順位の平均 実際のユーザーの見え方を知る
順位チェックツール 条件を固定して毎日同じやり方で取った記録 時系列の変化を追う

Search Consoleの掲載順位について、Googleはヘルプ「表示回数、掲載順位、クリック数とは」でこう注意を促しています。「掲載順位値は複雑な指標なので、微妙な部分まで理解していないと誤解を招くおそれがあります」。

数字だけを取り出して比べる使い方を、提供元自身が想定していないわけです。

1位を取っても半数は11日で落ちる

順位がどれくらい動くのかを、実際の計測データで確かめました。自社を含む5サイト分の順位表を、同じ97キーワード・同じ11日間でそろえた5,335データ点の全数集計です。

11日のうち1日でも1位を取ったキーワードは51本ありました。このうち11日とも1位を保ったのは23本で、45.1%にとどまります。残りの54.9%は、期間中に1位から落ちた日がありました。

上位10位についても同じ傾向でした。1日でもTOP10に入ったキーワードは109本あり、11日ともTOP10を保ったのは72本で66.1%。残る33.9%はTOP10を出入りしています。

ただし、動く幅そのものは限られています。11日のうち1日でも100位以内に入った188本について上下の幅を取ると、中央値は4位でした。「よく動くが、動く幅はだいたい5位以内」というのが実測の姿です。

つまり「1位を取りました」という報告は、翌週には事実でなくなる可能性が半々ということです。順位を成果として報告するなら、何日分の何を見た数字なのかを添える必要があります。

調べる前に決めておく2つのこと

順位を調べる前に決めておきたいのは、次の2点です。順番に読み進めれば、それぞれの根拠がわかります。

1つめは、何日分を見るか。1日だけの順位は、その期間の中央値から5位以上ずれることが12.1%の頻度で起きていました。判断の材料にするなら、最低でも1週間分をまとめて見る前提を先に置きます。

2つめは、どの数値を判断に使うか。社内報告に使うならSearch Consoleの平均掲載順位、施策の効き目を追うなら順位チェックツールの時系列。掲載のされ方を確認したいときだけ手動検索、と用途で決めておきます。

この2つが決まっていないと、都合のいい数字を選んでしまいます。3つの数値がある以上、いちばん良く見える数字を無意識に採用してしまう構造があるからです。

キーワード検索順位を調べる3つの手段

キーワード検索順位を調べる手段は、手動検索・Search Console・順位チェックツールの3つに整理できます。無料か有料かで選ぶ前に、それぞれが何を返す仕組みなのかを押さえたほうが早道です。

この章では3つの手段を順に見たあと、用途ごとの使い分けの基準までまとめます。

手動検索は今この瞬間の1回の結果

自分でGoogleを開いて数える方法は、いちばん手軽で、いちばん条件がばらつきます。返ってくるのは「今この瞬間に、自分の端末と場所で、自分の履歴を踏まえた1回の結果」だからです。

Googleは検索の仕組みを説明したページで、具体例を挙げています。シカゴで「フットボール」と検索するとアメリカンフットボールの結果が出やすく、ロンドンで同じ検索をするとサッカーの結果が出やすい、というものです。

位置情報の推定には Cookie が使われ、この Cookie は6時間で期限切れになるとも公式ヘルプに書かれています。

シークレットウィンドウを使えば履歴の影響は避けられますが、場所と端末の影響までは消えません。手動検索は「順位を測る」より「掲載のされ方を目で確かめる」道具だと考えると使いやすくなります。

  • 広告・AI Overview・強調スニペットを含めた実際の画面が見える
  • 準備がいらず、思い立った瞬間に確認できる
  • 場所・端末・履歴で結果が変わり、記録として比較できない
  • キーワードが増えると人力では追いきれない

サーチコンソールは平均の掲載順位

Search Console の平均掲載順位は、実際に表示された検索での順位を平均した値です。ここには2つの特徴があります。

1つめは、最上位の順位だけを採用すること。Googleのヘルプの定義はこうです。「検索結果内のプロパティまたはページへのリンクに付与される最上位の掲載順位であり、そのプロパティが表示されるすべてのクエリでの平均です」。

同じ検索結果に自社ページが2位・4位・6位で出ていれば、記録されるのは2位だけになります。

2つめは、表示されなかった検索は数えないこと。ヘルプには「掲載順位が記録されるためには、そのリンクが実際に表示されなければなりません」とあります。検索結果の3ページ目にいて誰も開かなかった日は、その分の順位が母数に入りません。

数字の扱いで気をつけたい仕様も、Search Console のデータについてに明記されています。

仕様 内容 実務への影響
データ遅延 収集されたデータは通常2〜3日以内に利用可能になる 昨日公開した記事の順位は、まだ入っていない
タイムゾーン カリフォルニア州の現地時間で日次集計 日本時間の「今日」とは区切りがずれる
行数上限 表には1,000行までしか表示されない キーワードが多いサイトは一部が見えない
プライバシーしきい値 実行回数が非常に少ないクエリは省略されることがある ロングテールの順位は取れないことがある

Search Consoleが向くのは、実際のユーザーにどう見えているかを知ることです。表示された検索だけが母数なので、机上の順位ではなく実際に人の目に触れた分の位置がわかります。

向かないのは、今日の順位をその場で確かめることです。遅延と平均という2つの性質があるため、直近の変化を追う用途には合いません。

運用面の落とし穴もひとつ紹介しましょう。当社ではSearch Consoleのデータを自動取得する仕組みを動かしています。

そのときプロパティの識別子を sc-domain:example.com から https://example.com/ の形に書き換えました。すると別のプロパティとして扱われ、「アクセス権なし」で止まったのです。

同じサイトに見えても、識別子が変われば別物になります。Search Consoleの基本的な使い方とあわせて押さえておくと安全でしょう。

順位チェックツールは条件を固定する

順位チェックツールの価値は、条件を固定して同じやり方で毎回測ることにあります。だからこそ時系列で比べられます。逆にいえば、返ってくるのは「そのツールが決めた条件での値」です。

条件はツールごとに違います。公式ページに書かれている範囲でも、次のような差があります。

ツール 計測頻度 公式に記載のある条件
Semrush Position Tracking 毎日 PCとモバイルの分割、郵便番号単位のローカルデータ、競合は最大20件
Ahrefs Rank Tracker 週次 モバイルとデスクトップ、国から市・郵便番号まで190以上のロケーション
Gyro-n SEO 毎日(深夜計測・翌朝8時反映) Googleは30位まで保存、Yahoo! JAPANは100位まで、地域指定あり

いずれも2026年8月25日時点の各社公式ページの記載です。計測頻度が週次のツールと毎日のツールでは、同じ日の数字を突き合わせても一致しません。片方は7日前の記録を表示していることがあるからです。

無料と有料の境界も、ツールごとに引き方が違います。Gyro-nはスタータープランを登録後3ヶ月まで無料としており、Semrushは7日間の無料アクセスを案内しています。GRCは無料で使えるものの「項目数に制限を設けております」との記載です。

無料枠の具体的な条件はツールごとに違うので、契約前に各社の公式ページで確かめてください。

もうひとつ、選ぶときに効く区別があります。検索結果を実際に取得して数える方式と、Search Consoleのデータを読んで見せる方式では、返る数字の性格が違うということです。前者は特定条件での実測、後者は表示された分の平均になります。

もうひとつ大きいのは、計測できる範囲がGoogle側の仕様変更で動くという点です。以下の2件は、いずれも2026年8月25日時点で各社の公式ページに掲載されている記載です。原文に年の記載はありません。

Gyro-nは公式サイトで、一度の検索クエリで10位ずつのみ取得できる形式にGoogleがアップデートしたと説明しています。その結果、11位以降の順位計測やモバイルでの順位計測ができなくなる事象が発生したとのことです。

同社は復旧を告知したうえで、こう明記しました。「順位計測にかかるコストの大幅増により、Gyro-n SEOでは10月21日よりGoogleの順位計測の上限を30位までとする仕様変更をさせていただいております」。

インストール型のGRCも、更新履歴でこう告知しています。「Googleの仕様変更が原因のエラーにつきまして、解決の目処が立たないため、GRCのGoogleの順位チェック機能を停止いたしました」。

いずれも、原因として挙げられているのはGoogle側の仕様変更です。ツールの優劣の話ではなく、計測できる範囲そのものが検索エンジン側の都合で動くと捉えるのが正確でしょう。同じツールを使い続けていても、測れる上限が去年と今年で違うことがあります。

3つをどう使い分けるかの基準

使い分けの基準はシンプルです。「誰に何を説明したいか」で選びます。狙うキーワードそのものを決める工程で使うキーワードツールとは、役割が別だと考えてください。

プロの判断基準
  • 実際のユーザーにどう見えているかを知りたい → Search Console
  • 施策の前後で変化を追いたい → 順位チェックツール
  • 掲載のされ方を目で確かめたい → 手動検索
  • 競合との位置関係を見たい → 順位チェックツール

最後の行は見落としやすい違いです。Semrushは公式ページで、Search Consoleは遅延のある集計データで競合の可視性がないと説明しています。

表に載せた計測条件の違いに加えて、この「競合が見えるかどうか」という差があります。競合を並べたいなら、Search Consoleでは要件を満たせません。

同じキーワードで順位が食い違う理由

3つの数値が食い違うのは、不具合ではありません。測っている対象・測る条件・指標の定義が、それぞれ違うからです。理由がわかれば、どの数字をどこで使うかの判断がつきます。

食い違いを生む要因は4つに分けられます。順に見ていきましょう。

測っている対象がそもそも違う

最大の理由は、平均と1回を比べていることです。Search Consoleが返すのは期間中に表示されたすべての検索の平均で、手動検索やツールが返すのは特定条件での1回の値です。

Googleのヘルプは、この食い違いを想定問答として載せています。項目名は「パフォーマンス レポートではページの掲載順位が 5 位なのに、実際の検索では 8 位になる」。

それに対する説明はこうです。「掲載順位値はすべての検索の平均値です。一部の検索では、検索履歴、場所などの多くの変数によって、掲載順位が平均と異なる場合もあります」。

平均には、良かった日も悪かった日も、都市部からの検索も地方からの検索も混ざります。1回の実測がその平均とぴったり合うほうが、むしろ珍しいと考えたほうが自然です。

検索結果は人と場所で変わる

同じキーワードでも、検索する人と場所と端末によって結果は変わります。これはGoogleが公式に説明している仕様です。

Search Consoleのヘルプは、レポートに出ているクエリで自分が検索してもサイトが出てこない理由をこう書いています。「検索が行われた時間、場所、デバイス、ユーザーの最近の履歴に基づいて異なる検索結果が表示されるためです」。

検索の仕組みを説明したページでも、ランキングの判断材料に「ユーザーの位置情報や設定」が含まれると明記されています。

ここから導かれる実務上の結論は2つです。第一に、社内の誰かが「うちのサイトが出てこない」と言っても、それだけでは順位が落ちた証拠になりません。第二に、担当者が毎朝自分の端末で検索して記録する運用は、その担当者の環境の記録にしかなりません。

定義が違えば同じ名前でも別の数字

同じ名前の指標でも、数え方の定義が変われば数字は大きく動きます。これは順位に限った話ではありません。

当社の記事制作では「同じ語尾が3文続いていないか」を機械的に検査しています。2026年8月20日に262本を文末の文字列そのままで数えたときの該当は、10本で3.8%でした。

同月25日に267本を、語尾を「ます」「です」に正規化してから数え直すと181本で67.8%になりました。母数は5本増えていますが、その増分ではとても説明のつかない差です。

変わったのは、ほぼ数え方の定義だけ。それで数字は20倍近く動きました。

順位まわりでも同じことが起きています。「1位のクリック率」という同じ名前の指標が、調査によって次のように食い違います。

調査 1位のCTR 母集団
Ahrefs(2026年) 3.9%(情報収集意図・2025年12月) 15万キーワード(AI Overviewなしの情報収集意図。調査全体は30万)・デスクトップ・GSCデータ
GrowthSRC Media(2025年) 19%(2025年) 30社超のサイトで上位10位以内の約7万4千キーワード
First Page Sage(2025年5月28日表記) 39.8% 複数の外部ソースの集計値・母数の記載なし

10倍の開きがありますが、どれかが間違っているわけではありません。抽出したキーワードの性質も、検索意図の範囲も、母数の開示状況も違います。指標を引用するときは、数字より先に母集団と定義を見るのが安全です。

ツールが違えば同じ対象でも別の数字

ツールを変えると、同じ対象を測っても違う数字が出ます。2026年8月に当社が被リンクを調べたときにも、これがはっきり出ました。

同じ日に同じサイトを2つのツールで測ったところ、被リンクの総数はほぼ一致したのに、リンク元となる参照ドメインの数は91件と314件で3.45倍の開きが出ました。総数が合っているのだから、どちらかがドメインの数え方を別の定義で持っていることになります。

順位でも構造は同じです。前の章の比較表のとおり、ツールによって保存できる順位の範囲も計測頻度も違います。

この条件の差は、そのまま「圏外」の意味の差になります。30位までしか測らないツールでの圏外と、100位まで測るツールでの圏外は、同じ言葉なのに別の状態を指しているのです。

複数のツールを併用するときは、どれかを正解に決めるのではなく、1つのツールの数字だけを時系列で追うと決めるほうが実務は安定します。比較したいのは他社の数字ではなく、自分の先週の数字だからです。

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順位はどれくらい動くのが普通か

実測では、100位以内にいるキーワードの84.0%が11日のうちに動き、その幅の中央値は4位でした。よく動くけれど、動く幅は限られている。これが順位の平常運転です。

問題は、どこまでを「いつものゆらぎ」として扱い、どこからを「変化」として扱うかです。ここに線が引けていないと、毎週の報告が振り回されます。

この章では、当社が持っている順位モニタリングのデータを全数集計して、その線を数字で引きます。

11日で84%のキーワードが動いた

結論から書くと、100位以内にいるキーワードのうち84.0%は11日のあいだに1度は順位が動いていました。まったく動かなかったのは、残りの16.0%だけです。

先に集計の条件を開示しておきましょう。当社は自社サイトと比較対象4サイトについて、同じ97キーワードの順位を毎日記録するシートを運用しています。データの元はSemrushの順位メールで、自動で書き込む仕組みです。

圏外の表示は101。記録期間は2026年8月15日から8月25日までの11日連続で、97キーワード×5サイト×11日=5,335データ点になります。

このうち、11日のうち1日でも100位以内に入ったキーワードは188本でした。動いたのが158本、動かなかったのが30本という内訳です。

週に1回しか見ていない人は、この84%のうちかなりの部分を見逃していることになります。逆に毎日見ている人は、動いて当たり前のものを毎日目撃していることになります。どちらも判断を誤りやすい状態です。

変動幅の中央値は4位だった

では、動くといってもどれくらい動くのか。圏内にいた188本について、11日間の最高順位と最低順位の差を取ると、中央値は4位、平均は5.8位でした。

ここからの分布は、圏内で記録された実順位だけを対象にしています。圏外との出入りだけで動いたキーワードは、幅0位のほうに入ります。

11日間の変動幅 本数 割合
0位(動かない) 37本 19.7%
1〜2位 31本 16.5%
3〜5位 51本 27.1%
6〜10位 39本 20.7%
11〜30位 28本 14.9%
31位以上 2本 1.1%

3位から5位の幅で動くケースがもっとも多く、6割強が5位以内の幅に収まりました。一方で、11位以上動いたキーワードも30本あります。「だいたい5位以内で揺れるが、たまに大きく動く」という形です。

Googleもコアアップデートの解説で、順位低下の大きさによって対応を変えるよう案内しています。

小さい低下の例として挙がっているのは「2 位から 4 位に下がった」ケースで、「抜本的な対策を講じる必要はありません」と書かれています。大きい低下の例は「4 位から 29 位に下がった」ケースで、こちらは「より詳細な評価を行ってください」。

2位から4位という例は、実測の中央値4位とちょうど重なる幅です。

今泉の視点:97キーワードを毎日並べて眺めるようにして最初にわかったのは、私が「動いた」と感じていた幅の多くが、この中央値4位の中に収まっていたことでした。数字を並べる前は、3位が5位になっただけで原因を探しにいっていました。線を引かずに毎日見ることは、判断を助けるどころか、余計な仕事を作ります。

1日だけの順位は12.1%がずれる

ある1日の順位を切り出して報告すると、どれくらい実態からずれるのか。これも同じデータで確かめられます。

圏内にいた188本の観測点2,068件について、その日の順位と11日間の中央値の差を取りました。5位以上ずれていた観測点は250件で12.1%、10位以上ずれていた観測点は118件で5.7%です。8回に1回は、5位以上ずれた数字を報告してしまう計算になります。

反対に、隣り合う2日を比べた1,880組のうち、順位がまったく同じだった組は72.1%でした。毎日チェックしても、4日のうち3日は前日と同じ数字を見ていることになります。毎日の確認が手間に見合うかどうかは、この頻度から判断できるはずです。

Googleのヘルプも、掲載順位の扱い方について「掲載順位の絶対値に加え、時系列での掲載順位の変動、特に突然の変動を把握することをおすすめします」と書いています。1点の値ではなく、線として見ることが提供元の推奨です。順位が下がったときの原因の絞り込み方も、まず範囲と日付を見るところから始まります。

圏外の101は順位ではない

順位表に並ぶ「101」は、101位という順位ではありません。100位以内に見つからなかったという意味の記号です。ツールが50位までしか測らない設定なら、同じ状態が「51」と表示されます。

この記号は、実務でいちばん誤読されます。自社の97キーワードのうち、11日のあいだに1度でも100位以内に入ったのは14本でした。

そしてこの14本は、全部が期間中に動いています。不動はゼロ本です。

さらに、圏内と圏外を行き来したキーワードが5本ありました。10日間ずっと圏外だったキーワードが11日目に3位で現れた例もあれば、8日間圏外のあと10位に現れて翌々日には22位まで下がった例もあります。22位から圏外へ落ちてそのまま戻らなかったキーワードもありました。

圏外が続いているキーワードは、まだ順位を見る段階にありません。見るべきは順位ではなく、そもそもインデックスに登録されているかどうかです。

当社ではインデックスの状態を、対応の優先度で分けて管理しています。もっとも優先度が高いのは「クロール済み – インデックス未登録」で、次が「検出 – インデックス未登録」。重複系は中程度、404やnoindexのような意図的な除外は低い扱いです。

狙い方そのものを見直すなら、SEOキーワードの種類と入れ方から確認したほうが早いこともあります。

なお、当社が計測している97キーワードには、記事を出したばかりのロングテールも多く含まれます。5サイト分485キーワードのうち39.2%は、ツールが検索ボリュームの数字を返さないキーワードでした。圏外が並ぶ表は、力不足の証明であると同時に、まだ勝負が始まっていない場所の一覧でもあります。

キーワード順位を判断に使う手順

ここまでの数字を、明日からの運用に落としましょう。やることは4つで、順番も決まっています。

何日分を見るかを決め、動いたと言える幅の線を引き、順位以外の数字を並べ、報告の型を固定する。この順です。

キーワード順位は、集めることではなく、判断に変えることが目的です。

何日分を見るかを先に決める

見る期間は、施策を打つ前に決めておきます。あとから決めると、都合のいい期間を選んでしまうからです。

期間を決めるときの手がかりは3つあります。1つめはSearch Consoleのデータ遅延です。

前章の表に挙げたとおり、公式ヘルプはデータが利用可能になるまでの時間差を明記しています。直近2日の数字は、まだ確定していない前提で扱いましょう。

2つめは、アップデートのロールアウトにかかる日数です。Googleが公開しているランキングの更新履歴を見ると、コアアップデートの所要期間は次のようになっています。

直近のコアアップデートの所要期間
  • May 2026 core update:2026年5月21日開始・11日21時間
  • March 2026 core update:2026年3月27日開始・12日4時間
  • December 2025 core update:2025年12月11日開始・18日2時間
  • June 2025 core update:2025年6月30日開始・16日18時間

いずれも2週間前後かかっています。この期間中の順位は、施策の成否ではなく展開途中の値です。

3つめは、Google自身の推奨です。分析の進め方について「コア アップデートの完了後 1 週間以上待ってから、Search Console でサイトを分析することをおすすめします」と案内されています。

続けて「1 週間後、コア アップデートのロールアウト開始前の 1 週間と現在の週を比較してみてください」とも書かれています。単日どうしではなく、週どうしを比べるという指定です。

この3つを踏まえると、実務の初期設定は「週単位で見る。アップデート期間中は判断を保留し、完了から1週間待つ」に落ち着きます。アップデートで大きく動いた場合の進め方は、コアアップデート後の対策にまとめています。

動いたと言える幅の線を引く

線の引き方は、自分のデータで決めるのがいちばん確かです。当社の実測では変動幅の中央値が4位でしたから、5位以内の上下は「いつものゆらぎ」として扱っています。

この線引きは、Googleの案内とも整合します。2位から4位への低下は抜本的な対策が不要とされ、4位から29位への低下はより詳細な評価が必要とされていました。同じ「下がった」でも、対応がまったく違います。

動きの幅 扱い やること
5位以内 いつものゆらぎ 記録だけ。原因を探しにいかない
6〜10位 要観察 翌週も同じ方向なら調べる
11位以上 変化 範囲と日付を絞って原因を特定する
圏内から圏外 別問題として扱う インデックスの状態から確認する

自社のデータがまだ溜まっていない段階では、この表の数字をそのまま使ってかまいません。2〜3か月ぶんの記録が貯まったら、自分のサイトの中央値で引き直します。業種やキーワードの競合状況で、ゆらぎの幅は変わるからです。

順位以外に必ず並べる2つの数字

順位は単独では意味を持ちません。必ず表示回数とクリック数を並べます。順位が上がっても表示回数が落ちていれば、需要そのものが減っています。

順位からクリック数を推定したくなりますが、掛ける係数に定説はありません。前の章で見たとおり、1位のクリック率は調査によって3.9%から39.8%まで開きます。加えて、その数値自体が年々動いているのです。

Ahrefsは30万キーワード(うちAI Overviewありが15万)を対象にした調査を出しています。AI Overviewがある検索での1位のクリック率は、2023年12月の7.3%から2025年12月には1.6%まで落ちました。AI Overviewの存在が、1位のクリック率を約58%下げているという分析です。

前章の表に挙げたGrowthSRC Mediaの調査でも、1位のクリック率は2024年の28%から2025年の19%へ32%下がっています。数字は違いますが、下がっている方向は一致しています。

ここから導ける実務の答えはひとつです。順位別のクリック率は、業界平均を借りずに自社のSearch Consoleで実測する。

自社サイトの1位のクリック率は、自分の管理画面に出ています。借り物の係数を使う理由がありません。

なお、日本語で母数を明示した順位別クリック率の調査は、今回の確認では見つかりませんでした。上に挙げた数値はいずれも英語圏の調査で、日本の検索結果とは条件が異なる可能性があります。

報告に使う順位レポートの型

最後は、報告の型の固定です。毎回同じ形にしておくと、良い週も悪い週も同じ粒度で説明でき、説明の仕方で印象を操作する余地がなくなります。

当社の順位表にも、最新日から7日刻みの列だけを抜き出した報告用のビューを用意しています。日次の生データをそのまま見せない、という設計です。

項目 書く内容 出どころ
集計期間 いつからいつまでの何日分か 順位チェックツール
順位 期間の中央値。単日の値は書かない 順位チェックツール
前期比 前の同じ期間との差。5位以内なら「変動なし」と書く 順位チェックツール
表示回数 期間合計と前期比 Search Console
クリック数 期間合計と前期比 Search Console
特記事項 アップデートの実施期間、記事の公開・改稿の日付 更新履歴と自社の記録

この6項目があれば、「先週より2つ上がりました」という報告が「先週と変わっていません」に変わります。数字が動かない週にきちんと動かないと言えることが、順位を判断に使えている状態です。リライトの効果測定も、同じ型の上で比べると判断がぶれません。

キーワード検索順位についてよくあるご質問

キーワード検索順位の調べ方と読み方について、実務でよく受ける質問をまとめました。

キーワードの検索順位は無料で調べられますか

自分のサイトの順位は、Google Search Console を使えば無料で確認できます。表示回数・クリック数・平均掲載順位が同じ画面に出るため、順位だけを追うより判断しやすくなります。順位チェックツールにも無料で使える範囲を設けているものがありますが、上限や無料期間の条件はツールごとに違うため、公式ページで確認してください。

サーチコンソールとツールの順位はどちらが正しいですか

どちらも正しく、測っている対象が違います。Search Console の平均掲載順位は、実際に表示された検索での最上位の順位を平均した値です。順位チェックツールの数字は、地域や端末などの条件を固定して取得した記録になります。実際の見え方を知りたいなら前者、施策の前後を比べたいなら後者を使います。

キーワード順位は毎日チェックしたほうがいいですか

記録は毎日取り、判断は週単位で行うのが現実的です。当社の実測では、隣り合う2日で順位がまったく同じだった割合が72.1%でした。毎日見ても4日のうち3日は前日と同じ数字で、判断材料は増えません。自動で記録される仕組みを作り、人が見るのは週1回にすると手間が減ります。

「検索ワード順位」と「キーワード順位」は違いますか

どちらも同じものを指す言い方です。検索順位キーワード、SEOキーワード順位、SEO検索ワード順位なども、特定のキーワードで検索したときに自分のページが何番目に出るかを意味します。社内で表記が混ざると集計や引き継ぎで齟齬が出るため、レポートの見出しでどれか一つに統一しておくと安全です。

まとめ

キーワード検索順位は、手動検索・Search Console・順位チェックツールの3つが、それぞれ別の条件で出した数字です。どれかを正解に決めるのではなく、用途で使い分けます。

そして順位は動きます。自社を含む5サイト分・5,335データ点の集計では、圏内のキーワードの84.0%が11日のうちに動き、その変動幅の中央値は4位でした。まずやるべきことは、5位以内の上下を「変動なし」と書ける報告の型を用意することです。

明日からやること
  • 順位は単日ではなく、直近7日以上の中央値で見る
  • 前期比が5位以内なら「変動なし」と書く
  • 順位の隣に、必ず表示回数とクリック数を並べる
  • 圏外が続くキーワードは、順位ではなくインデックスの状態を確認する

自社サイトの中央値で線を引き直したい、報告の型ごと整えたいという段階になりましたら、無料相談でご一緒に設計します。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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