月額固定SEOで固定できるのは形と回数と期間|自社279本の実測

「毎月この金額で、実際のところ何が行われているのだろう」。月額固定SEOの提案書には施策の項目が並んでいても、その1本にどれだけの手が入るのかまでは書かれていないことがほとんどです。

結論から言えば、固定できるのは形と回数と期間の3つだけです。当社が自社メディアの公開記事279本を数えたところ、本文の長さは最も短い記事と長い記事で8.1倍開いていました。

読み終えるころには、月次報告で何を見ればいいのかが分かり、契約前に決めておく4項目が手元に残ります。金額を詰める前に、続けるかどうかを判断する条件を数字で書けるようになり、社内にもその根拠を説明できる状態になります。

社内に書く人がいなくても、記事は増やせます

「書く人がいない」「AIの品質が不安」という段階からご相談いただけます。調査・執筆・確認・納品までの進め方と品質基準を13ページの資料にまとめました。

SEO記事制作サービスの詳細を見る →

目次

先に結論|固定できるのは形と回数と期間

月額固定のSEO契約で固定できるのは、納品物の形と、回数と、契約期間の3つだけです。1本あたりにかかる作業の量は、契約書に書いても固定されません。

そう言い切れる根拠は、自社の実測にあります。当社が運営するメディアの公開記事279本を、2026年8月28日に読み取って数えました。書き込みはしていません。

結果はきれいに分かれました。記事に入れる誘導ブロックの数はどの記事もほぼ同じなのに、本文の文字数は最小3,014字から最大24,286字まで開いています。その差は8.1倍です。

表の数はもっと極端でした。1つも使っていない記事もあれば、28個並んでいる記事もあります。

同じ制作手順で、同じ品質基準に沿って作った279本です。それでも1本の重さはここまでばらつきます。「毎月同じ金額」の裏側で起きていることは、毎月同じではないわけです。

ここから明日ひとつ変えられることがあります。月次報告を受け取るとき、公開本数ではなく1本の中身の振れに目を向けてください。今月は調べものが重かったのか、表を組む作業が増えたのか。

それを聞くだけで、払っている固定額が何に使われたかが見えてきます。

プロの判断基準
  • 固定できるのは形・回数・期間。1本あたりの作業量は固定できない
  • Googleで一番上に掲載されることは誰にも保証できない。Google自身が公式ドキュメントに明記している
  • 契約前に詰めるべきは金額ではなく、続けるかを再判定する条件

以降では、何が揃って何が振れるのかを自社の実測で分けたうえで、月額固定という形が契約として何を約束しているのかを条文から確かめます。最後に、契約前に決めておく4項目を持ち帰れるようにまとめました。

毎月同じ金額でも、1本の中身は揃いません

制作の手順と品質基準を変えずに作り続けても、記事ごとに揃う項目と揃わない項目ははっきり分かれます。当社の公開記事279本を数えたところ、その境界が数字で見えました。

この章の数字はすべて、2026年8月28日に自社メディアを1回読み取って集計したものです。書き込みはしていません。

揃う項目と揃わない項目は分かれます

形に関わる項目は揃い、量に関わる項目は揃いません。279本を1つの物差しで並べて出た答えです。

揃い方を比べるには、変動係数という物差しが使えます。ばらつきの大きさを平均で割った値で、平均に対してどれくらい振れているかを表します。文字数のような千字単位の項目と、表の個数のような一桁の項目を、同じ尺度の上で比べられるのが利点です。

公開記事279本を項目ごとに並べると、次のように上下がくっきり割れました。

項目 変動係数 平均 最小〜最大
誘導ブロックの数 0.02 3.00個 3〜4個
大見出しの本数 0.14 7.34本 5〜12本
FAQの問数 0.24 3.86問 0〜7問
本文中の写真 0.44 3.05枚 0〜5枚
本文の文字数 0.52 7,325字 3,014〜24,286字
表の数 0.82 3.60個 0〜28個

上の3つは「何個入れるか」を先に決められる項目です。下の3つは、テーマを調べ始めてからでないと決まりません。

数え方も先に書いておきます。本文の文字数はHTMLのタグと空白を除いた文字数で、写真はふきだしのアイコンを除いた本文中の画像だけを数えました。

ここで一点だけ補っておきます。変動係数は揃い方を表すだけの数字であり、品質の高さを表すものではありません。揃っているほうが良い記事、という読み方はできない指標です。

本文字数は最小と最大で8.1倍開きました

短いほうの端と長いほうの端では、本文の長さが8.1倍開いていました。

真ん中あたりの水準も見ておきます。279本を短い順に並べたとき、ちょうど真ん中に来る1本は5,146字でした。この真ん中の値を中央値と呼びます。

中央値が表にある平均より2,000字以上低いのは、一部の長い記事が平均を押し上げているからです。

どちらも同じ品質基準に沿って作りました。違うのはテーマの側だと考えています。法令や公的資料を確かめる必要があるテーマほど、原文にあたる時間が増えるためです。

ただし、テーマごとの実工数までは今回測っていません。

月額固定の契約で「毎月4本」と決めれば、本数そのものは固定できます。ただ、その4本が3,000字の4本になるか2万字の4本になるかは、テーマが決まるまで誰にも分かりません。

表の数は0個から28個まで振れます

今回数えたなかで最も振れが大きかったのは、本文に入れる表の数でした。中央値は3個で、そこから上にも下にも大きく外れます。

表が増えるのは、比べる対象が複数あるときです。料金体系を並べる記事や、法令の適用範囲を整理する記事では自然に増えていきます。逆に、考え方を1本の筋で説明する記事なら、ゼロでも読みにくくはなりません。

ここから先は数字ではなく、当社が現場で見てきた解釈です。表の数を決めているのは作り手の好みではなく、テーマの構造のほうだと考えています。テーマの種類と表の数の関係までは、まだ数字にしていません。

月ごとの字数中央値も4倍動きました

月ごとの字数の中央値は、いちばん軽い月といちばん重い月で4.02倍離れていました。振れているのは記事単位だけではありません。

ただしこの4.02倍は、公開が2本しかない月を最小値に含んだ集計上の値です。5本以上公開した月だけで見ると2.47倍になります。

公開月ごとにまとめると、月の性格そのものが変わっています。

公開月 公開本数 字数の中央値 1本あたりの表の数
2025年6月 2本 3,115字 1.00個
2025年8月 17本 5,069字 1.41個
2025年10月 20本 5,072字 2.50個
2025年11月 10本 5,070字 2.80個
2025年12月 11本 5,069字 2.36個
2026年5月 52本 5,090字 2.35個
2026年6月 63本 5,089字 3.25個
2026年7月 45本 7,283字 2.89個
2026年8月 59本 12,534字 7.07個

表に並べたのは公開があった月だけで、載っていない月は公開が0本でした。2025年7月と9月、それに2026年1月から4月までがこれに当たります。

先頭の2025年6月は公開が2本しかない月なので、月次の運用実態としては読まないでください。

目を引くのは直近です。2026年8月は1本あたりの表が7.07個に達しました。字数の中央値も、直前の2026年7月の1.7倍、それ以外の月と比べると2.4倍以上になっています。

制作の手順と品質基準を変えずに作っても、月ごとの1本の重さはこれだけ動きました。

同じ月の中でも1本の重さは揃いません

同じ月の中でも、最も長い記事と最も短い記事の差は中央値で2.90倍ありました。振れているのは月と月のあいだだけではありません。

公開が5本以上あった月について、その月の最長と最短の倍率を出した結果です。最も開いた月は3.74倍でした。

同じ月に、同じ手順と同じ基準で作った記事どうしです。それでも3倍近い差がつきます。「今月は4本納品しました」という報告だけでは、この差は最後まで見えません。

固定額を下げたときに何が起きるかは今回測っていませんが、振れを吸収する余地から先に消えていくというのが当社の実感です。何から削られていくのかはSEO対策の格安プランはなぜ安い?削られる工程と選ぶ基準で工程ごとに整理しました。

なお、ここまでの数字はすべて当社1社のメディアを数えたものです。業界の統計ではありませんし、他社サイトの構成は測っていないため、多い少ないの比較もしていません。

固定契約が保証しているものはどこまでか

固定契約が保証できるのは、納品物の形と回数、そして契約期間までです。検索結果で一番上に載ることは、そもそも誰にも保証できません。

自社の実測とGoogleの公式ドキュメントを並べると、その線がどこに引かれているかがはっきりします。

CTAは274本すべてで揃っていました

2026年8月25日に、公開記事274本を読み取りました。問い合わせや資料請求へ誘導するブロック、いわゆるCTAは例外なく全274本に入っています。固定できる側の実例です。

しかも1記事につき1種類だけ。設置数は平均3.00個で、総数は823個です。内訳は273本が3個、残る1本だけが4個でした。

前章の集計とは、取得日も対象も別です。前章は2026年8月28日に279本、こちらは3日前に274本を数えました。

それでも結果は噛み合っています。279本側の総数は838個で、274本側の823個との差は15個。これは、この3日間に加わった5本が3個ずつ持つ場合と一致します。

別々に行った2回の読み取りが同じ水準を示したので、この項目は再現していると判断しました。

言いたいことは1点です。形と回数は、何本作っても同じように再現できます。だからこそ、ここは契約で担保できる項目です。

保証できるのは形・回数・期間です

契約で決められるのは納品物の形・回数・期間の3つで、1本あたりの量と検索結果は決められません。ここまでの実測を契約の言葉に置き直すと、次のように並びます。

契約で決められるもの 契約では決められないもの
納品物の形(入れる要素の種類と構成) 1本あたりの本文の量
回数(月あたりの本数・定例の回数) 調査や原文確認にかかる時間
期間(契約期間と更新の単位) 検索順位と掲載結果

左側は「何を、いくつ、いつまで」の形で書き切れます。右側はテーマが決まってから動く値なので、事前に数字で縛れません。

数量の決め方まで踏み込むなら、見積書の「1語」がどこまでを指すのかを先に確かめるほうが近道です。この点はSEOキーワード料金の1語には、当社台帳で平均12.2語で扱っています。

一番上の掲載は誰にも保証できません

検索結果で一番上に載ることは、どの会社にも保証できません。表の右側のいちばん下について、Googleが公式ドキュメントで言い切っています。

Google で一番上に掲載されることは誰にも保証できません。サイトの掲載順位を保証すると主張する業者、Google との「特別な関係」を強調する業者、Google への「優先登録」を宣伝している業者には注意が必要です。

同じページには、SEO業者に依頼するときの考慮事項として、こんな記述もあります。

SEO 監査では、改善内容について現実的に評価し、関連する作業の見積もりを提供する必要があります。

順位を約束するのではなく、作業の見積もりを示す。この順序は、期間で報酬を定める月額固定という形とそのまま噛み合います。

出典はGoogle 検索セントラル「SEO 業者の利用を検討する」(https://developers.google.com/search/docs/fundamentals/do-i-need-seo?hl=ja)です。ページ内の表記は最終更新日 2026-06-10 UTC で、当社は2026年8月28日に取得しました。

ひとつ補っておくと、Googleが注意を促しているのは順位保証をうたう業者に対してです。月額固定という料金体系そのものについては、何も述べていません。

保証外の項目は指摘されず残ります

決めた形の外にあるものは、誰からも指摘されないまま残り続けます。形を固定することの、見えにくい副作用です。

当社の公開記事274本を2026年8月25日に調べたところ、本文に動画・音声・外部サービスの埋め込み・フォームが1件もありませんでした。いずれも0本です。

これは「動画を一切作っていない」という意味ではありません。記事という置き場所には動画を置いてこなかった、という意味です。数えた範囲も、本文のHTMLに静的に書かれているものに限られます。

毎月同じ形で納品が続くと、その形に含まれない要素は議題にすら上がりません。当社の場合、それが274本ぶん続きました。だから固定契約では、納品物の中身と同じくらい「形の外に何を置くか」を定期的に見直す場が要ります。

成果報酬・スポットとの違いは1点です

月額固定と、成果報酬型やスポット型との違いは、支払うタイミングではありません。何が起きたら報酬が発生するのかという条件の置き方です。

月額固定は期間に対して、成果報酬は決めた成果に対して、スポットは決めた成果物に対して報酬が発生します。どれが得かという話ではなく、自社が何を条件にしたいかで選ぶことになります。

そこで、当社が提案時に使っている判断の順序を次に置きました。実測ではなく、条件の置き方の話です。

自社の状況 噛み合いやすい形
成果の定義と測り方が社内で確定していて、達成の可否を自社で判定できる 成果報酬に条件を書ける
狙うテーマの選定や調査から任せたい。何が成果かをこれから決める段階 期間で区切る月額固定が扱いやすい
本数も時期も決まっていて、単発で終わる予定がある スポットで足りる

成果の定義が固まらないまま成果報酬を選ぶと、達成したかどうかの判定でもめる場面が出てきます。逆に、測り方まで決まっているのに期間で払い続けるのは、せっかくの判断材料を捨てる選択でしょう。

3行目のスポットは、本数も時期も動かない前提だから成り立ちます。テーマが増えたり時期がずれたりする余地があるなら、期間で区切るほうが調整の手が残ります。

料金体系そのものの比較はSEO対策費用の相場と内訳|料金体系の違いと見積もりの見方で扱っているため、ここでは深追いしません。期間で報酬を定めるという形が契約として何を意味するのかは、次章で条文から確かめていきましょう。

月額固定は「期間で報酬を定める」形です

月額固定は、成果物ではなく稼働に対して期間で報酬を定める形に近くなります。条文上は原則としていつでも解除でき、中途で終われば進んだ割合で精算する建付けです。

ここからはその根拠を条文で確かめます。

提案書にも見積書にも載りにくい部分ですが、契約書では避けて通れない論点です。

先に断っておくと、以下はいずれも条文上の一般的な整理です。個別の契約がどちらに当たるかは中身によって判断されるため、当てはめは弁護士など専門家に確認してください。

成果物ではなく稼働を買う形になります

稼働を買う形に近い、と言える理由は条文にあります。民法が定める2つの頼み方、請負と委任を並べてみましょう。

(請負)
第六百三十二条 請負は、当事者の一方がある仕事を完成することを約し、相手方がその仕事の結果に対してその報酬を支払うことを約することによって、その効力を生ずる。

請負は「仕事を完成すること」を約束し、「その仕事の結果に対して」報酬を払う建付けです。ひとことで言えば、成果物を買う形になります。

もう一方の委任は、事務の処理そのものを任せる形です。記事の制作や運用のような、法律行為ではない事務については、第六百五十六条によって委任の規定が準用されます。実務ではこれを準委任と呼びます。

両者の違いがはっきり出るのが、報酬の定め方です。

2 受任者は、報酬を受けるべき場合には、委任事務を履行した後でなければ、これを請求することができない。ただし、期間によって報酬を定めたときは、第六百二十四条第二項の規定を準用する。

民法第648条第2項に、はっきりと「期間によって報酬を定めたとき」という言い回しが出てきます。月額固定は、この「期間で報酬を定める」側に近い形です。

  請負 委任・準委任
約束するもの 仕事を完成すること 事務を処理すること
報酬の対象 仕事の結果 事務の処理。期間で定めることもできる
イメージの近い頼み方 1本いくらのスポット制作 月額固定の運用

とはいえ、契約書の題名が「業務委託契約書」であっても、どちらに当たるかは中身で決まります。ここでは条文上の整理にとどめておくのが安全でしょう。

原則としていつでも解除できます

一般に準委任と整理される契約であれば、各当事者は原則としていつでも解除できます。「一度契約したら期間中は抜けられない」と受け止めている担当者は少なくありませんが、条文の出発点は逆でした。

(委任の解除)
第六百五十一条 委任は、各当事者がいつでもその解除をすることができる。

一般に準委任と整理される契約であれば、民法第651条第1項は各当事者がいつでも解除できると定めています。主語は「各当事者」です。発注側だけの権利ではなく、受注側にも同じように認められています。

ただ、民法の規定には当事者の特約で修正されうるものがあります。条文だけを根拠に「うちはいつでも切れる」と判断するのは危険です。実際の扱いは契約書の中身によります。

やめる時期によっては精算が要ります

中途でやめると、そこまで進んだ割合に応じた精算が要ります。いつでも解除できるとしても、時期の問題は残るということです。

まず、同じ第651条の第2項を見てください。

2 前項の規定により委任の解除をした者は、次に掲げる場合には、相手方の損害を賠償しなければならない。ただし、やむを得ない事由があったときは、この限りでない。
一 相手方に不利な時期に委任を解除したとき。
(第二号略)

民法第651条第2項第1号が定めているのは、相手方に不利な時期に解除した場合の損害の賠償です。契約書に書かれる違約金の条項とは別の話になります。

中途でやめたときに、そこまでの報酬をどうするか。これにも条文があります。

3 受任者は、次に掲げる場合には、既にした履行の割合に応じて報酬を請求することができる。
(第一号略)
二 委任が履行の中途で終了したとき。

民法第648条第3項第2号は、中途で終了した場合に、既にした履行の割合に応じて報酬を請求できると定めています。「やめたら払わない」でも「やめても満額払う」でもありません。どこまで進んだかで精算する、という考え方です。

だとすれば、契約前に詰めておくべき点も見えてきます。何をもって「どこまで進んだ」とするのか。月額固定でこそ、この目盛りを先に決めておく意味があります。

以上の条文はいずれも民法(明治二十九年法律第八十九号・https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089)から引きました。e-Govで2026年8月28日時点に参照される版は2026年6月24日施行のもので、第651条の文言は2020年4月1日施行版と一字一句同じです。

法が期間に線を引く場面もあります

契約の期間そのものに、法律が具体的な日数を置いている場面もあります。2024年11月1日に施行された、通称フリーランス法です。

(解除等の予告)
第十六条 特定業務委託事業者は、継続的業務委託に係る契約の解除(契約期間の満了後に更新しない場合を含む。次項において同じ。)をしようとする場合には、当該契約の相手方である特定受託事業者に対し、厚生労働省令で定めるところにより、少なくとも三十日前までに、その予告をしなければならない。ただし、災害その他やむを得ない事由により予告することが困難な場合その他の厚生労働省令で定める場合は、この限りでない。

ここで真っ先に確認したいのが適用の範囲です。この予告義務がはたらくのは、契約の相手方が「特定受託事業者」に当たる場合に限られます。従業員を使用しない個人か、代表者以外に役員がなく従業員も使用しない法人が、これに該当します。

読者が発注しているSEO会社が当てはまるとは限りません。一方で、義務を負うのは発注する側の「特定業務委託事業者」です。

こちらは、従業員を使用する個人か、2人以上の役員があるか従業員を使用する法人を指す言葉です。つまり自社が義務者の立場になることもありえます。さらにただし書があり、災害などで予告が困難な場合は対象から外れます。

つまり「SEOの契約は30日前に言えばやめられる」という理解は、いずれの点でも正確ではありません。

もうひとつ、「継続的業務委託」に当たる期間は法律の本体ではなく、施行令のほうに書かれています。

(法第十三条第一項の政令で定める期間)
第三条 法第十三条第一項の政令で定める期間は、六月とする。

6か月以上続く委託、または更新によって6か月以上になる委託が対象という線引きです。契約期間を何か月に設定するかを考えるとき、この6か月という区切りはひとつの参考になります。

出典は特定受託事業者に係る取引の適正化等に関する法律(https://laws.e-gov.go.jp/law/505AC0000000025)と、同施行令(https://laws.e-gov.go.jp/law/506CO0000000200)です。

法律の公布日は2023年5月12日です。施行令(令和六年政令第二百号)の公布は2024年5月31日で、いずれも2024年11月1日に施行されました。

社内に書く人がいなくても、記事は増やせます

「書く人がいない」「AIの品質が不安」という段階からご相談いただけます。調査・執筆・確認・納品までの進め方と品質基準を13ページの資料にまとめました。

SEO記事制作サービスの詳細を見る →

続けるかを再判定する基準を先に決めます

契約前に詰めるべきものは、続けるかどうかを、いつ何を見て判断するかの1点です。

固定できるのは形と回数と期間まで。一番上の掲載は誰にも保証できない。そこまで分かれば、残る変数はそこしかありません。

金額の交渉より先にここを決めておくと、成果が読めない時期に入っても会話が止まりません。自社の実例と公的な文書を並べながら、書き方まで具体化します。

当社は撤退基準を数字で先に決めました

当社は自社のライティングツールを立ち上げるとき、事業計画のなかに撤退と再判定の基準を書き込みました。2026年6月4日時点で置いた数字が次のものです。

いつ 何を見るか どうなったら見直すか
開始2週間後 クリック後の申込率 2%未満
7月末 月あたりの新規登録 10件未満
9月末 累計の契約者数 10名未満
随時 解約率 8%超

大事な但し書きを先に置きます。これらは2026年6月4日時点の目標値と逆算値であって、達成した実績ではありません。

それでも意味があるのは、数字そのものより「時期・項目・しきい値」の3点セットを開始前に文字にしたことです。決めてあると、うまくいかない局面での会話が変わります。「もう少し様子を見ようか」ではなく、「9月末の基準に届かなかったので次の手を決めよう」と言えるからです。

月額固定のSEO契約でも、置き方は変わりません。3か月目に何を見るのか、6か月目にどの数字を下回ったら組み直すのか。これを契約書か議事録に残しておくだけで、判断の場は自動的に立ち上がるはずです。

基準は「いつ・何を・いくつ」で書きます

再判定の基準は、いつ・何を・いくつの3つが揃った文で書きます。あらかじめ明確にしておくことの意味は、公的な文書にも書かれています。

公正取引委員会が役務の委託取引について示した指針の注記を見てください。

(注6) 委託者と受託者の間で取引の対象となる役務の具体的内容や品質に係る評価の基準、情報成果物に係る権利等の取扱い等があらかじめ明確になっていない場合には、受託者にとって不当にこれらの行為が行われたと認識されやすいので、これらについてあらかじめ明確にし、委託時に書面を交付するなどの対応をしておくことが望ましい。

役務の具体的な内容と、品質を評価する基準。この2つをあらかじめ明確にし、書面を交付しておくことが望ましいとされています。

誤解のないように付け加えると、この指針は独占禁止法上の考え方を示した文書です。月額固定という料金体系の是非には触れていません。ここでは「先に決めて書面にしておく」という運用の裏付けとして参照しました。

そこで基準は、いつ・何を・いくつの3つが揃った文にします。「順位が上がらなければ見直す」では、いつ誰が判断するのかが決まらず、結局は先送りになります。

出典は公正取引委員会「役務の委託取引における優越的地位の濫用に関する独占禁止法上の指針」(https://www.jftc.go.jp/dk/guideline/unyoukijun/itakutorihiki.html)です。平成10年3月17日策定、最終改正は令和8年1月1日で、当社は2026年8月28日に取得しました。

決めても動かないことがあります

基準を決めても、必ず動けるとは限りません。正直に書いておくと、当社自身がそうでした。

2026年6月17日時点で、当社が接触していた見込み客は20社ありました。ところが、そのうち約15社は提案資料を作成したところで止まっていて、送付に至っていません。同じ時点で、診断サービスの受注は累計0件でした。

基準は決めた。資料も作った。それでも動かない箇所が残ります。

だから契約に書くのは判断の条件だけでは足りず、その日に誰が場を招集するかまでを含める必要があります。

今泉の視点:基準を決めても、送るという一手が抜けると何も起きません。当社は提案資料を約15社ぶん作ったまま止めていました。この経験があるので、再判定は「日付」と「招集する人」をセットで決めるようにしています。

続けるか組み直すかの判断そのものを深掘りしたい方は、SEOコンサル費用の読み方|定例の回数ではなく間を見ますもあわせてご覧ください。

契約前に決める4項目

契約前に決めるのは、期間・再判定の時期と数字・報告の粒度・中途解除の条件の4項目です。そのまま持ち帰れるチェックリストにしました。

契約前に決める4項目
  • 期間(何か月で区切り、更新はどの単位で行うか)
  • 再判定の時期と数字(いつ、何を、いくつで見直すか)
  • 報告の粒度(本数だけでなく1本の重さが分かるか)
  • 中途解除の条件(どこまで進んだ扱いで精算するか)

商談の場でそのまま口に出せる質問文にすると、次の4つです。

決める項目 そのまま聞ける質問
期間 「最低契約期間と、更新の単位を教えてください」
再判定 「何か月目に、どの数字で継続を判断しますか」
報告の粒度 「月次報告に、1本ごとの作業内容は入りますか」
中途解除 「途中で終える場合、その月の精算はどう計算しますか」

3つ目の質問は、この記事の実測とつながっています。1本の重さが3倍近く振れるのであれば、報告に本数しか載っていない時点で、固定額の使われ方は見えないままです。

見積もりを取る前に自社から渡しておくべき情報は、SEO見積もりの取り方|依頼前に渡す情報と見積書の読み方に整理しました。

月額固定SEOについてよくあるご質問

提案書を前にした段階で出てきやすい質問を4つ置きました。いずれもこの記事で扱った範囲での回答です。

月額固定SEOの相場はいくらですか?

月額固定SEOの費用は、対策する範囲と月あたりの作業量で決まります。当社は他社の料金表を並べる形をとっていないため、金額の目安ではなく判断の順序をお伝えします。まず1本あたりに含まれる工程を確認し、そのうえで金額を比べてください。

月額固定と成果報酬はどちらが得ですか?

月額固定と成果報酬は、報酬が発生する条件が違う契約です。前者は期間に対して、後者は決めた成果に対して報酬が発生します。したがって損得ではなく、成果の定義と測り方を自社で先に決められるかどうかが選ぶ基準です。

契約したら途中でやめられませんか?

中途解約の可否は、契約書の定めと契約の性質によって決まります。一般に準委任と整理される契約であれば、民法第651条第1項が置いているのは、各当事者はいつでも解除できるという原則です。ただし同条第2項第1号は相手方に不利な時期の解除について損害の賠償を定めており、特約でも扱いは変わります。個別の判断は専門家にご確認ください。

毎月の報告では何を見ればいいですか?

月次報告で見るべきは、公開本数ではなく1本の中身です。当社が公開記事279本を2026年8月28日に数えたところ、本文の文字数は最小と最大で8.1倍開いていました。今月はどこに時間がかかったのかを聞くと、固定額の使われ方が見えてきます。

まとめ

月額固定SEOで固定できるのは、納品物の形と回数と契約期間です。当社の279本では、形に関わる項目はほぼ揃う一方、本文の長さは8.1倍、表の数は0個から28個まで振れていました。

だから契約前に決めるのは金額ではありません。いつ、何を、いくつで続けるかを判断するのか。その3点を書面に残せば、成果が読めない時期でも会話が止まりません。

明日、提案書を開いてやること
  • 「何か月目に、どの数字で継続を判断しますか」と聞く
  • 月次報告に1本ごとの作業内容が入るかを確認する
  • 途中で終える場合の精算方法を、書面に残してもらう

どの数字をしきい値にするかは事業の段階で変わるため、そこは個別に詰めていきましょう。提案書を前にした段階でも構いませんので、判断の材料集めとして当社にお声がけください。

社内に書く人がいなくても、記事は増やせます

「書く人がいない」「AIの品質が不安」という段階からご相談いただけます。調査・執筆・確認・納品までの進め方と品質基準を13ページの資料にまとめました。

SEO記事制作サービスの詳細を見る →

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!

この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

目次