「キーワードを100個出して」と言われて手を動かしてみたら、10語で止まった。ツールの記事を読み直しても、増えるのは道具の名前ばかりで、自分が書くべき言葉のリストは1行も伸びない。検索キーワードの調べ方でつまずくのは、たいていこの場面です。
原因は、探し方が下手なことではありません。候補の出どころが1つしかないことです。当社のキーワード台帳にある候補1,573語を数えると、78%はシードの語を伸ばしても出てこない別の言い回しでした。
この記事では、候補が出てくる6つの源泉と、通す順番を整理します。あわせて「今日はここまで」と言える終わりの条件も、当社の実測データとともに示します。読み終えたときに残るのは、明日そのまま手を動かせる手順です。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
先に結論|調べ方とは候補の出どころを増やすこと
検索キーワードの調べ方を探すと、2026年8月時点の検索結果では、上位にツール紹介の記事が並びます。無料ツール6選、17選といった内容です。読み終えて増えるのは道具の名前で、自分が書くべき言葉のリストは1行も伸びません。
キーワードを調べる作業の中身は、ツールの操作ではありません。候補になる言葉がどこから出てくるのか、その出どころを増やすことです。結論を4つ、先に置きます。
調べる工程と選ぶ工程は別物
キーワードの作業は2つに分かれます。候補を集める工程と、集まった候補からどれを書くか決める工程です。
この2つを混ぜると手が止まります。集める段階で「検索数が少ないから」と切り捨てれば、判断材料そのものが減るからです。逆に選ぶ段階で候補を足し続けていると、記事にはいつまでも着手できません。
当社が運営するこのメディアでは、キーワードに関する記事を12本に分けて公開しています。工程が違えば必要な判断も違うためです。
| 工程 | やること | この記事の扱い |
|---|---|---|
| 集める | 候補になる言葉を源泉から持ってくる | この記事の範囲 |
| 数える | 検索回数の目安を調べて桁を把握する | 検索ボリュームの調べ方へ |
| 整理する | 候補を1行1記事の表に割り当てる | キーワードマップの作り方へ |
| 選ぶ | どれを書くか、書かないかを決める | SEOキーワード選定のやり方へ |
この記事が扱うのは、いちばん最初の「集める」だけです。
シードを伸ばすだけでは78%届かない
多くの解説は「メインキーワードを決めて掛け合わせを出す」の2ステップで終わります。この出発点にする1語、つまりシードを伸ばす方法だけでは、候補の大半が視野に入りません。
当社のキーワード台帳には、メインキーワード129語と、それに紐づくサブキーワード1,573語が記録されています。2026年8月26日に、この1,573語を機械的に分類しました。メインキーワードの文字列をそのまま含む語は、351語しかありません。
つまり残りの1,222語、全体の78%は、メインキーワードの文字を1つも含まない別の言い回しです。「マーケティング会社」に紐づく候補には、「集客代行」「マーケティングBPO」「SNS運用支援」といった語が並びます。
シードを後ろに伸ばす作業をどれだけ続けても、この種の言葉は出てきません。候補が10語で尽きるという感覚には、はっきりした原因があります。出どころが1つしかないのです。
終わりは語数ではなく源泉の数で決まる
「まず100個出して」と言われた経験はないでしょうか。語数を目標にすると、似た言葉を並べて数だけ揃える作業に変わってしまいます。
洗い出しの終わりは、集めた語数ではなく通した源泉の数で判定します。次の6つを順に通したら、その日は終わりです。最後の生成AIは、前の5つで出なかった組み合わせを点検する役割です。
- サジェストを見た
- 再検索ワードと関連する質問を見た
- 自分のサイトに実際に来ている語を見た
- 競合が取っている語を見た
- 営業と問い合わせに残る言葉を拾った
- 生成AIで、ここまでに出なかった組み合わせを点検した
どの源泉にも載らない語は必ず残ります。すべてを出し切ったと言い切れる日は来ません。だから終わりの条件は「どこまで手を尽くしたか」に置きます。
数字が出ない語をここで消さない
検索ボリュームがゼロや空欄で返ってきた語を、その場で消していないでしょうか。集める工程では消しません。
キーワード分析ツールのAhrefsは、2026年5月に記事を更新しました。自社の米国データベースのうち、月10回未満のキーワードが約93%を占めるという内容です。少なくともこのデータベースでは、数字が返らない語は例外ではなく多数派だということになります。
当社が順位を追っている97語でも、4割近い38語はツールが数字を返しませんでした。そして順位計測ツールで2026年8月26日時点に10位以内だった4語は、すべてこの38語の側にあります。数字が出る59語のほうでは、1語も10位以内に届いていません。
今泉の視点:この4語と、数字が出る59語での0語という差を、私は「数字が出ない語のほうが取りやすい証拠」だとは考えていません。順位を追う対象に加えた時点で、すでに順位が付いていた語が混ざっているからです。ここから言えるのは、数字が返る語だけを候補にしていたら、いま上位を取れている語は1語も載らなかった、という一点だけです。
検索キーワードの候補が出てくる6つの源泉
候補になる言葉の出どころは、大きく6つあります。それぞれ出てくる語の性質が違い、取りこぼす場所も違います。
ツールを増やすことと源泉を増やすことは、まったく別の作業です。無料ツールを3つ登録しても、3つとも同じサジェストを見ているなら源泉は1つのままになります。探し方を変えるとは、道具ではなく出どころを変えるという意味です。
| 源泉 | 出てくる語の性質 | 取りこぼすもの |
|---|---|---|
| サジェスト | 実際に多く検索されている語 | 検索数が閾値に届かない語 |
| 再検索ワード・関連する質問 | 読者が次に抱く疑問 | 最初の検索に至る前の言葉 |
| 自サイトの実測クエリ | 自分のサイトに実際に来た語 | まだ露出できていない領域 |
| 競合が取っている語 | 市場で成立している言い方 | 誰もまだ書いていない語 |
| 営業・問い合わせの言葉 | 顧客が実際に使う言い方 | 顧客になる前の検索 |
| 生成AI | 軸と条件の組み合わせ | 検索されている保証 |
サジェストは需要の全部を映さない
検索窓に文字を入れると下に出てくる候補が、サジェストです。実際にGoogleで行われた検索をもとに表示されます。最初に手をつける探し方としては、いちばん手数が少なくて済みます。
ここで押さえておきたいのは、これが検索需要の一覧ではないという点です。2018年のGoogle公式ブログには、サジェストの位置づけがはっきり書かれています。「これから行おうとしている検索を完成させるための機能であり、新しい種類の検索を提案するものではない」という説明です。
当社が2026年8月20日に取得を実測したときにも、それは表れました。条件は言語が日本語、地域が日本、ログインなしです。「オウンドメディア」「SEO対策」では10件返ってきています。
ところが「サジェストキーワード」は5件、「サジェストツール」は0件でした。分かち書きにしても0件です。
候補が出てこなかったからといって、その言葉に需要がないわけではありません。サジェストに載る条件を満たしていないだけです。この性質はサジェストとは何かを解説した記事で詳しく扱っています。
再検索ワードは読者の次の疑問
検索結果の下部に出る「関連する検索キーワード」と、途中に挟まる「他の人はこちらも質問」。この2つは見た目が近いのに、中身がはっきり違います。
Googleの検索セントラルのドキュメント(2026年2月更新)に、それぞれの定義があります。どちらも「クラスタ」、つまり同じ意図でまとまる語のかたまりという言葉で説明されていました。
- 関連する検索キーワード|他の人が行った関連する検索のクラスタ。実際に検索された語
- 他の人はこちらも質問|最初の検索に関連する質問のクラスタ。検索された語とは限らない
この違いは、どこで見つけた語をどう使うかに効いてきます。実際に検索された語は記事の見出しに使えますが、関連する質問は読者が次に抱く疑問として、よくある質問の材料にするほうが自然です。
語の性質の違いについては関連キーワードの記事と検索クエリの記事で整理しています。
自サイトの実測クエリは来た言葉
Google Search Consoleの検索パフォーマンスでは、自分のサイトに実際に人を運んできた検索語句が見られます。ツールの推定値ではなく実測値である点が、他の源泉との決定的な違いです。
ただし全部は見られません。2026年8月時点のGoogleのヘルプには、次の3つの制限が明記されています。
- 表には1,000行までしか表示されず、頻度の低い行は省略される
- プライバシー保護のため、一部のクエリは匿名化されて表から除外される
- 内部的な制限により、最も重要なデータ行のみが保存される
より広く取りたいときは、データをまとめて外部に書き出す一括データエクスポートという機能を使います。それでも、表に出ている語がサイトに来た検索語句のすべてではない、という前提は変わりません。
もうひとつ知っておきたいのは、始めたばかりのサイトでは数字そのものが小さいという現実です。当社は毎週月曜の朝にSearch Consoleのデータを自動で取得し、その週のトップキーワードを社内に配信しています。
その配信フォーマットの見本に並ぶのは、クリック1回・表示7回、クリック0回・表示2回といった規模の語です。それでも、実際に検索された事実がある語には、推定値には出てこない重みがあります。
競合が獲得している語は市場の言葉
同じテーマで先に上位を取っているサイトが、どんな語で流入を得ているか。ここには、自分の頭の中にない言葉が多く含まれます。
調べ方は2通りです。
- 有料の分析ツール|ドメインを指定して、獲得キーワードの一覧をまとめて出す
- 無料でできる方法|上位10サイトの見出しを、そのまま書き写す
後者でも十分に機能します。見出しは、そのサイトが狙っている語をほぼそのまま表しているからです。
ここで拾えるのは、市場ですでに成立している言い方です。裏を返せば、まだ誰も書いていない語は出てきません。競合を見て終わりにしないのは、そのためです。
営業と問い合わせに残る言葉
問い合わせフォームに書かれた文章、商談で相手が使った言い方、社内の議事録。ここに残る言葉は、どのツールのデータベースにも載っていません。
この源泉が効くことは、当社の数字にも出ています。順位を追っている97語を、自社のキーワード台帳129語と突き合わせた結果です。
| 追跡している97語の内訳 | 語数 | 割合 |
|---|---|---|
| 台帳のメインキーワードに載っていた | 31語 | 32% |
| 台帳のサブキーワードに載っていた | 2語 | 2% |
| 台帳にまったく無かった | 64語 | 66% |
台帳になかった64語に並ぶのは、「美容サロン AIブログ集客」「リフォーム工務店 AI記事」「士業 AI執筆」といった語です。業種名や実務の言葉が組み合わさった形になっています。
これらは机上のキーワード調査から出た語ではありません。公開後の実データと、商談で使われた言葉から拾い上げた語です。商談で「要するに、記事を外に頼むといくらですか」と聞かれたなら、それがそのまま候補になります。
なお2026年8月26日時点のこの集計は、当社1社の台帳を対象にしたもので、業界の統計ではありません。それでも、自分で作ったリストの外側に3分の2の言葉があったという事実は、机の上だけで候補を作ることの危うさを示しています。
生成AIは軸と修飾の抜けを埋める
生成AIが得意なのは、軸になる言葉と、それを修飾する条件の組み合わせを機械的に埋めることです。業種、地域、条件、対象者といった軸を与えると、抜けている組み合わせを補えます。
人が手で書き出すと、思いつく組み合わせに偏りが出ます。「士業」は出てくるのに「リフォーム工務店」は出てこない、といったことが起きるためです。抜けを潰す作業は、機械のほうが向いています。
使いどころは、他の5つの源泉をひととおり通したあとです。集まった候補を見せたうえで、次のように頼むと点検の道具として働きます。
- この一覧に無い業種の組み合わせを挙げてほしい
- 同じ意図を別の言い方で言い換えてほしい
- この語で検索する人が次に何を知りたがるか挙げてほしい
注意点は1つあります。生成AIが出した語には、実際に検索されている保証がありません。候補として集めたうえで、後の工程で実データと突き合わせる前提で使います。
生成AIとキーワード調査の分担はChatGPTとキーワードプランナーの記事で扱っています。
シード1語から検索キーワードを広げる手順
源泉が分かったら、次は手を動かす順番です。ここでは1語のシードから候補を広げる工程を、当社の実測データと、この記事自身を題材にした実例で示します。
先に全体像を書いておくと、軸を決める、機械的に展開する、落ちやすい形を拾い直す、条件を記録する、の4段です。
軸になる言葉を3つ決める
最初に決めるのは、シードにする軸の言葉です。1語ではなく3語ほど用意します。
おすすめの取り方は、サービスを表す言葉、顧客が使う言い方、課題を表す言葉の3方向から1つずつ選ぶやり方です。記事制作の会社であれば、「記事制作代行」「ライター 外注」「ブログ 更新できない」といった具合に散らします。1語だけを軸にすると、その語の周辺しか広がりません。
軸が決まったら、地域、業種、価格、対象者、時期といった条件を掛け合わせます。あわせて、当社では検索意図を4つに分けて抜けを点検しています。
- 知りたい「◯◯とは」「◯◯ 方法」。抜けやすいのは用語の言い換え
- 比べたい「◯◯ 比較」「◯◯ おすすめ」。抜けやすいのは比較軸そのものの語
- 頼みたい「◯◯ 料金」「◯◯ 依頼」。抜けやすいのは現場が使う言い方
- 指名したい「サービス名」「社名+評判」。抜けやすいのは自社名の表記ゆれ
この4分類は当社の運用上の整理であり、実測値に基づくものではありません。それでも、どの意図の候補が抜けているかを見つける道具にはなります。
ひらがな展開で候補が最も増える
サジェストの一括取得ツールは、なぜ大量の候補を返せるのか。当社は2026年8月20日に、同じ考え方を手作業で再現して計測しました。条件は言語が日本語、地域が日本、ログインなしです。
やり方は単純です。シードの語だけで1回取得し、続けて語のうしろにひらがな44文字を1つずつ足して44回。「を」と「ん」を除いた44文字です。
さらにアルファベット26文字を足して26回。合わせて71回の取得を繰り返すだけで、一括取得ツールと同じ規模の件数が集まりました。
「オウンドメディア」で試したときの、段階ごとの増え方が次の表です。
| 段階 | 取得回数(累計) | ユニーク件数(累計) | 増分 |
|---|---|---|---|
| 素の取得のみ | 1回 | 10件 | — |
| +ひらがな44文字 | 45回 | 267件 | +257件 |
| +アルファベット26文字 | 71回 | 337件 | +70件 |
| +数字10文字 | 81回 | 338件 | +1件 |
最終的に33.7倍まで増えましたが、伸びはひらがなの段階でほぼ終わっています。時間が限られている日は、ひらがな展開だけで切り上げても実害は小さいという判断ができます。逆に、数字まで足す10回分は費用対効果がほとんどありません。
なお、元の語にサジェストが出ない場合は、回数を投げても増えません。先ほどの「サジェストツール」は素の取得が0件で、71回投げてもユニークは1件しか集まりませんでした。取得件数の多さをうたうツールの中身はサジェストツールは件数で選ばないで検証しています。
前に語が付く形を4割落としている
集めた337件を、シードの語で始まる形、つまり前方一致かどうかで分類しました。「オウンドメディア」で始まる語は200件、全体の59%です。残る4割は、前に別の言葉が付いた形でした。
「eneos オウンドメディア」「はてな オウンドメディア」「sns オウンドメディア 違い」。取得したサジェストの表記のままですが、いずれも企業名や比較対象が前に来ています。うしろに文字を足す作業だけを繰り返していると、この形は丸ごと視界から消えてしまうのです。
前方一致の割合は語によって大きく変わります。同じ条件の実測では、次のように差が出ました。
- 「オウンドメディア」|337件のうち前方一致は200件・59%。4割は前に語が付く形
- 「SEO対策」|364件のうち前方一致は315件・87%。ほとんどが後ろに伸びる形
自分が扱う語がどちらの型なのかは、集めてみるまで分かりません。だから前に語を足す取得も1回は回します。
取得条件をそろえないと再現できない
サジェストは条件によって中身が変わるものです。ここを記録していないと、翌週に同じ作業をしたときに結果が合わず、原因も分からなくなります。
当社が2026年8月20日に試した範囲では、言語と地域で挙動がはっきり分かれました。言語を日本語、地域を日本にした素の取得10件を基準にすると、言語だけ英語に変えても一致率は100%のままです。
ところが地域をアメリカに変えると70%まで落ち、10件のうち3件が入れ替わりました。少なくともこの範囲では、効いていたのは言語ではなく地域です。
取得元によっても並びが変わります。同じ「オウンドメディア」でも、ウェブ検索で上に来るのは「とは」「成功事例」でした。動画プラットフォームでは「戦略」「作り方」が先に来ます。
見ている窓が違えば、そこに映る需要も違うということです。
- 取得日|サジェストは時期で変わるため、日付のない記録は再現できない
- 言語|日本語か英語か。当社の実測では結果に影響しなかった
- 地域|最も効く。日本とアメリカで10件中3件が入れ替わった
- ログイン状態|候補が変わりうるため、どちらで取ったか必ず控える
これは2026年8月20日時点の実測です。サジェストは時期によって変わるため、常にこうなるとは限りません。
この記事のキーワードで広げた実例
抽象的な手順だけでは動きにくいので、この記事自体を題材にします。当社の台帳で「検索キーワード調べ方」がどう記録されているかを開きます。
メインキーワードの推定検索ボリュームは月260です。ここに紐づくサブキーワードは12語あり、クラスタとしての合計は1,110になります。メイン単体の約4.3倍です。
| 出どころ | 拾えた候補の例 |
|---|---|
| シードの語尾を変える | 検索キーワード調べる |
| 言い換え・語順違い | キーワード探し方/キーワードの探し方/SEOキーワード見つけ方 |
| 読者の属性が前に付く形 | ブログキーワード探し方/SEOキーワード探し方 |
| 作業の呼び名から | SEOキーワード洗い出し/キーワード候補 |
| 求めている答えの形から | キーワード例/おすすめキーワード/キーワードおすすめ |
下の3行に並ぶ語が、この記事で言いたいことの実物です。「洗い出し」「候補」「例」「おすすめ」は、メインキーワードの文字をどれだけ伸ばしても出てきません。
作業の呼び名を知っている人と、答えの形で検索する人。それぞれ別の源泉から拾って、はじめてリストに載ります。
ちなみにこの12語は、当社が記事を書く前に集めたものです。集めた結果として、この記事の見出しが決まりました。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
キーワードの洗い出しはどこで終わるのか
候補を集める作業には、放っておくと終わりがありません。終わりの条件を先に決めていないと、いつまでも調べ続けるか、浅いところで手を止めるかのどちらかになります。
この章で作るのは、語数以外で「今日はここまで」と言える基準です。
語数の目標は終わりの条件にならない
100個出す、200個出すという目標には、達成できてしまうという問題があります。似た言葉を並べれば数は揃うからです。
当社の台帳を見ても、1つのメインキーワードに紐づくサブキーワードの数は中央値10語、最大38語と大きく開いています。語の性質によって、集まる量そのものが違うということです。
同じ100語でも、1つの意図の言い換えが100個並んでいるのか、10種類の意図が10個ずつ入っているのかで価値はまるで変わります。数えるなら語数ではなく意図の数です。
通した源泉を記録して判定する
終わりの条件は、通した源泉の数とその記録で決めます。6つのうちいくつを通したかを書き出し、残りは次回に回す。それだけで「もう少し調べたほうがいいのでは」という不安が消えます。
記録する項目は源泉ごとに違うため、下の表にまとめました。
| 源泉 | 記録しておく項目 | 目安の所要 |
|---|---|---|
| サジェスト | 取得日/言語/地域/ログイン状態 | 15〜30分 |
| 再検索ワード・関連する質問 | 検索した語/取得日 | 10分 |
| 自サイトの実測クエリ | 期間/かけたフィルタ/取得方法 | 15分 |
| 競合が取っている語 | 対象サイト/取得日/使ったツール | 30分 |
| 営業・問い合わせの言葉 | 出典の記録/期間 | 随時 |
| 生成AI | 与えた軸/出力日 | 10分 |
記録が残っていれば、次に調べるときは差分だけを見れば済みます。ゼロからやり直す作業が消えるので、2回目以降の負担は目に見えて軽くなるはずです。
候補は1語ではなくクラスタで数える
集めた候補を眺めると、同じことを言っている語が大量に並びます。これは集め方の失敗ではなく、検索されている実態そのものです。
ひとつの意図に対して、人は何通りもの書き方をします。語順を入れ替えた形、言葉を省略した形、「簡単」「無料」を足した形。誤字のまま検索される場合もあります。
当社の台帳にも、その構造が数字で出ています。クラスタの合計をメインキーワード単体の推定検索ボリュームで割ると、倍率の中央値は2.69倍でした。2倍以上になる語は129語中91語、70.5%を占めます。
こちらも当社1社の台帳での集計で、数字はいずれもツールの推定値です。
1語で数えていると、記事1本が受け止める検索需要を半分以下に見積もることになります。数えるときのルールは3つです。
- 同じ意図の言い換えは、まとめて1つと数える
- 似た語が並ぶことを恐れて、集める段階で候補を削らない
- まとめる作業は次の工程に回す。ここでは印を付けるだけでよい
数字が出ない語は別の列に置く
検索ボリュームが出ない語は、消すのではなく別の列に置きます。集める工程では判断しない、という意味です。
先に触れたAhrefsの米国データベースでは、数字が返らない語のほうが多数派でした。集める段階で消してしまうと、母集団そのものが小さくなります。
もうひとつ、候補は書ける本数より多く出るという現実もあります。当社の台帳129語のうち、記事として公開できたのは95語で、34語は未公開のままです。
- 今回書く|数字も意図もそろっていて、すぐ記事にできる語
- 在庫|数字は出ないが検索されている実感がある語。捨てずに置く
- 保留|意図が読めない語。判断は上位10サイトを見てから
捨てる列ではなく、在庫として持つ列を用意しておくほうが実務に合います。当社で未公開の34語も、この在庫の列に置かれている語です。
数字の読み方そのものは検索ボリュームの調べ方で、そこから何を選ぶかはSEOキーワード選定のやり方で扱っています。
ブログと事業サイトで順番が変わる
6つの源泉を通す順番は、サイトの性格によって入れ替えてください。同じ順番を全員に当てはめると、必ずどこかで空振りします。
個人ブログや立ち上げ直後のサイトでは、自サイトの実測クエリがほとんど出ません。表示回数が数回という語しか並ばない段階です。すでに記事があり、問い合わせも届いている事業サイトでは、事情が逆になります。
- ブログ・立ち上げ直後|サジェスト → 再検索ワード → 競合が取っている語の順で通す
- 記事と問い合わせがある事業サイト|自サイトの実測クエリ → 営業と問い合わせの言葉を先に見る
- どちらも生成AIは最後に回す。抜けの点検に使うほうが精度が上がるため
成果に近い候補を早く見つけたいなら、順番の判断はここで決まります。当社の台帳の外側にあった64語も、机上の調査ではなく公開後の実データと商談の言葉から出てきた語が中心でした。
おすすめのキーワードが存在しない理由
調べ方を探している方の多くは、その先で「では何を狙えばいいのか」を知りたがっています。ここに一般解はありません。
意地悪で言っているのではありません。当社の実測データがそう示しているからです。数字で理由を並べます。
事業に近い語ほど検索されていない
当社は台帳の129語を、事業に直結する語と周辺の語に分けて管理しています。2026年8月26日に集計すると、両者の性質がはっきり分かれました。数字はキーワード調査ツールの推定値です。
| 区分 | 語数 | 推定検索ボリュームの中央値 |
|---|---|---|
| 事業に直結する語 | 104語(80.6%) | 320 |
| 周辺の語 | 25語(19.4%) | 4,400 |
差は約13.8倍です。少なくとも当社の台帳では、大きい数字が並ぶ語ほど事業から遠い位置にありました。
おすすめのキーワードを他人が決められない理由は、ここに尽きます。何が事業に近いかは会社ごとに違い、その近い語ほど検索されていないからです。
なおこの区分は当社の運用上の分類であって、客観的な指標ではありません。対象も当社1社の台帳129語で、業界の統計ではない点にご注意ください。
3語に2語は月間1,000未満だった
同じ129語の分布を見ると、月間1,000未満の語が82語あり、63.5%を占めていました。中央値は390です。
平均値は5,935まで跳ね上がりますが、これは最大301,000という桁違いの語が入っているためで、実感からは大きく離れます。分布の読み方そのものは検索ボリュームの調べ方で扱っています。
数字の出どころはキーワード調査ツールの推定値であり、Googleが公表している値ではありません。それでも、小さいボリュームが例外ではなく標準だという感覚は持っておいて損がありません。小さい語の性質はロングテールキーワードの記事で整理しています。
定番ツールの合意は上位10サイトで0種
おすすめのツールについても、事情はよく似ています。当社は2026年8月25日、「Webライターツール」「SEOライティングツール」で上位に並ぶ10サイトを調べました。
紹介されていたツールを全数カウントしています。キーワード調査ツールに限定した調査ではありません。
- 登場したツールは延べ167個・ユニークで93種類だった
- 1サイトあたりの紹介数は6個から26個まで開きがあった
- 10サイトすべてが共通で挙げたツールは0種だった
- 5サイト以上に登場したのは6種類だけだった
- 1サイトにしか出てこないツールが59種類・63.4%を占めた
定番と呼ばれるものにも、思っているほどの合意はありません。だからこそ、どのツールを使うかより、どの源泉を通したかで管理するほうが安定します。ツールの選び方はキーワードツールの使い分けで工程別に、代表格であるキーワードプランナーの使い方は単体で整理しています。
候補は仮説で判定は検索結果で行う
集めた候補は、あくまで仮説です。その語で自社の読者が本当に検索しているかは、実際の検索結果を見るまで分かりません。
当社にも、外した経験があります。あるBtoB分野のオウンドメディアでのことです。サジェストの中身から「この語は発注する側ではなく作り手が検索している」と読み、狙わない語に分類していました。
ところが2026年8月20日に実際の上位を確認すると、並んでいたのは全て発注者向けの解説記事です。仮説は実測で否定されました。
この件以降、狙う語と狙わない語の判定は、サジェストの中身ではなく実際の検索結果で行うよう運用を変えています。
- 集めた候補は仮説。ここまでは誰の判断も入っていない
- 判定は実際の検索結果で行う。3語でいいので上位10サイトを開く
- 見るのは順位ではなく並んでいる記事の性格。誰に向けて書かれているか
- サジェストの中身から読者層を推測しない。当社はそれで一度外した
ここを飛ばすと、後の工程がすべて仮説の上に乗ります。
調べ終えた候補を選ぶ工程へ渡す
ここまでで候補が集まりました。次は選ぶ工程です。この記事では踏み込みませんが、渡し方だけ書いておきます。
渡すのはリストではなく、記録つきのリストです。付けておく項目は3つあります。
- どの源泉から拾った語か
- いつ取った語か。サジェストなら言語・地域・ログイン状態も
- 同じ意図でまとまるのはどれとどれか
この3つが付いていれば、受け取った側はすぐ判断できます。付いていなければ、もう一度調べ直すところからやり直しです。
小さい語ばかりが残ったときにどうするか。当社の現場では、こう共有されています。「今は検索ボリューム少ないキーワードがメインなので、少ない工数でできる施策を全面的に展開して、取れるCVを細かく拾うくらいのイメージが良いかもです!」
大きい語を待つのではなく、小さい語を数多く拾う設計に切り替えるという判断です。候補を1行1記事の表に落とす方法はキーワードマップの作り方、そこからどれを書くか決める基準はSEOキーワード選定のやり方で扱っています。
検索キーワードの調べ方についてよくあるご質問
まとめ
検索キーワードの調べ方とは、ツールを増やすことではなく候補の出どころを増やすことです。通した源泉と取得条件を記録すれば、その日の作業はそこで終わりにできます。
- サジェスト|手軽だが、載る条件に届かない語は出てこない
- 再検索ワード・関連する質問|読者が次に抱く疑問が拾える
- 自サイトの実測クエリ|推定ではなく、実際に来た語が分かる
- 競合が取っている語|市場で成立している言い方が集まる
- 営業と問い合わせの言葉|どのツールにも載っていない語
- 生成AI|前の5つで出なかった組み合わせを点検する
まずは自分のテーマで、まだ通していない源泉を1つ選んでください。多くの場合それは、Search Consoleの実測クエリか、問い合わせに残っている言葉です。集めた候補をどう選び、どう記事に割り当てるかで迷われたときは、当社の無料相談でも一緒に整理しています。
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。