SEOコンサルティングとは?工程と担当者から見る発注前の判断

窓の外に街並みが見える会議室のテーブルと椅子。支援の範囲を決める打ち合わせの場面のイメージ

「戦略立案」「改善提案」「伴走支援」。SEOコンサルティングの案内には、こうした言葉が並びます。それでも、頼んだあとに自社が何をすることになるのかは、どのページにも書かれていません。

街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場で、支援の範囲を決める打ち合わせに毎回立ち会っています。同じ「コンサルティング」でも、担う仕事が会社ごとに違うことは、提供する側としてよく分かっているところです。

お伝えしたいのは、中身は呼び名ではなく工程で決まるということです。この記事を読めば、各社の説明を工程に置き換えて読めるようになります。

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目次

先に結論:中身は名前ではなく工程で決まります

まず最初に、結論からお伝えします。

  • SEOコンサルティングという言葉に、業界で決まった中身はありません
  • 確かめるのは呼び名ではなく、工程ごとの「手を動かすのは誰か」「決めるのは誰か」です
  • 最初の1か月に出てくるのは、方針であって順位ではありません

1つ目は、この言葉に決まった中身がないことです。ある会社では方針を決めるところまでを指し、別の会社では記事を書きサイトを直すところまでを含みます。どちらも間違いではなく、そう名乗ってよいことになっているのです。

2つ目は、だから確かめる先が名前ではないということです。工程を1つずつ並べて、そこで手を動かすのが自社なのか相手なのか、そして決めるのがどちらなのかを見ていきます。

手を動かす人と決める人は、同じとは限りません。相手が調べて案を出し、決めるのは自社、という配分がいちばん多いからです。

3つ目は、着手してすぐに順位が動くわけではないことです。最初の1か月は現状を調べる時間に充てられるため、手元に届くのは方針や優先順位のほうになります。ここを知らずに始めると、2か月目の打ち合わせが「まだ何も変わっていない」という話から始まってしまうでしょう。

そしてもう1つ、工程と同じくらい効いてくるのが誰が担当につくかです。同じ工程を並べても、動かす人によって進み方は変わるものです。

この記事では、まず実際に行われている仕事を工程で見ていきます。そのうえで、呼び名の違いをどう扱えばよいのか、支援の範囲がどこで切れるのかを順にお伝えします。金額の読み方そのものはSEOコンサル費用の読み方をまとめた記事に譲り、ここでは中身の話に絞りましょう。

SEOコンサルティングでは実際に何をしているのか

各社の案内に並ぶ「戦略立案」や「改善提案」は、工程に置き換えると具体的な作業になります。ここでは、依頼を受けた側が何から手をつけ、何を渡すのかを順に見ていきましょう。

白い机の上でノートパソコンを操作する手元と電話機やタブレット。現状を調べる工程のイメージ

最初に行うのは詰まりの場所の確認です

支援に入って最初に行うのは、施策を提案することではありません。どこで詰まっているのかを見つける作業です。

検索で見つけてもらうまでには段階があり、そのどこかで止まっていると、その先をどれだけ磨いても表には出てきません。Googleはこの仕組みを次のように説明しています。「Google 検索には 3 つのステージがあります(すべてのページが各ステージを通るわけではありません)。」Google の検索エンジンの仕組み、検索結果と掲載順位について(Google 検索セントラル)

3つとは、ページを見つけるクロール、見つけたページを登録するインデックス登録、そして検索結果の表示です。すべてのページがこの3つを通るわけではないと但し書きが付いているとおり、途中で落ちるページが出てきます。その落ちている場所を特定することこそ、最初の仕事です。

当社では、この3つに「狙った言葉で出ているか」を足した4段階で確認しています。登録まで進んでいても、想定と違うページが表示されていることがあるためです。

段階 確かめること ここで止まっているときの見え方
1. 見つけられているか ページがクロールされているか 公開したのに検索結果にまったく出てこない
2. 登録されているか インデックスに登録されているか 見つかってはいるが、検索結果に載らない
3. 狙った言葉で出ているか 意図したページが表示されているか 出てはいるが、別のページが表示される
4. 何番目に出ているか 順位が目標に届いているか 表示はされるが、下のほうに沈んでいる

大事なのは、この順番で上から確認していくことです。1つ目が詰まったまま4つ目の順位を上げようとしても、そもそも土俵に乗っていません。逆に言えば、自社がいまどの段階にいるのかが分かれば、相談の場で話が早く進みます。

どの言葉で戦うのかを決めます

詰まりの場所が分かったら、次はどの検索語句で見つけてもらうのかを決める工程に移ります。ここが方針の骨格です。

調べる対象は、検索されている回数だけではありません。その言葉で検索した人が何を求めているのか、すでに上位に並んでいるのがどんなページなのか、そこに自社が入っていける余地があるのかを合わせて見ます。

この工程で決めているのは、実のところ順番です。候補は数百から数千の単位で出てきますが、一度に全部は追えません。ですからどれから取りに行くかを決め、残りは後回しにするという判断をしていきます。

ここは自社の事情が最も強く効くところでもあります。どの商品を伸ばしたいのか、どの地域で戦うのか、どの層に届けたいのか。こうした前提は外からは見えないため、決めるのは発注側という配分になるのが自然でしょう。

直す順番と、やらないことを決めます

優先順位をつけるという言葉は、実際には「今期はやらないものを決める」作業を指しています。やることを並べるだけなら、誰でも長い一覧を作れるからです。

手を入れる先は、大きく3つに分かれます。1つ目はサイトの作りそのもので、表示の速さやページの構造がここに入ります。

2つ目は載っている中身で、記事やサービスページの内容です。3つ目はページ同士のつなぎ方で、どこからどこへリンクを張るかという設計になります。

このうち、どれから着手するかは詰まりの段階によって変わってきます。見つけてもらえていないなら作りの問題が先ですし、順位が伸びないなら中身の問題が中心です。症状が違えば手を入れる場所も変わるので、一律の手順にはなりません。

そして、やらないと決めたものは記録に残します。半年後に「なぜあれをやらなかったのか」を思い出せないと、同じ議論をもう一度することになるからです。

受け取るのは指示書とレポートです

コンサルティングという契約で発注側の手元に届くのは、多くの場合指示書と呼ばれる書面です。ここが記事制作やサイト改修との大きな違いになります。

指示書には、どのページの何を、どう変えるのかが書かれています。たとえば「このページの見出しをこの形に変える」「この2ページは1つにまとめる」といった内容です。これを読んで実際に手を動かすのは、多くの場合は発注側か、その先の制作会社になります。

もう1つ届くのがレポートです。数字がどう動いたか、次に何をするかがまとまっています。

ここで注意していただきたいのは、指示書は渡されただけでは何も変わらないという点です。実装されて初めて数字に効きます。この「誰が実装するのか」という論点は、支援の範囲を決めるうえで最も重要になるため、記事の後半で改めて扱いましょう。

数字を読んで、決めたことを直します

手を入れたら、その結果を読む工程が続きます。ここでの読み方には順番があり、順位から先に見ることはしません

先に見るのは、検索結果に表示された回数のほうです。表示が増えていれば、少なくとも検索エンジンに認識され、何らかの検索語句に対して候補に入っていることが分かります。表示が増えないまま順位だけを追っても、動かせる材料が見つかりません。

次に見るのが、表示された中でどれだけクリックされたかです。ここが低ければ、順位よりもタイトルや説明文の問題を疑います。同じ「成果が出ない」でも、原因の在りかがまったく違ってくるのです。

そして読んだ結果を受けて、前の工程で決めたことを直していきます。狙う言葉を入れ替えることもあれば、手を入れる順番を組み替えることもあるでしょう。最初に立てた方針をそのまま最後まで押し通す形にはならず、3か月ほどの周期で見直しが入ると考えておいてください。

SEOコンサルタントは何をする人か

ここまでは、会社が引き受ける工程の話をしてきました。ただ、契約したあとに実際に向き合うのは会社という組織ではなく、担当としてつく1人の人です。

ここでは、その人が何を担い、1か月のうちに何を動かしているのかを見ていきます。あわせて、発注する前に何を聞いておけばよいのかもお伝えしましょう。

SEOコンサルタントとは何をする人か

SEOコンサルタントとは、検索から人を集めるために何を先にやるかを決める人です。手を動かす作業そのものは、担当しないこともあります。

この線引きは、発注する側にとって思いのほか大きく効きます。専門家に任せたつもりだったのに、届いたのが指示書だけだった、という行き違いはここから生まれるためです。

会社として売られているものと、担当者個人が実際にやっていることを並べてみましょう。

見え方 会社として売っているもの 担当者個人がやっていること
戦略を決める SEO戦略の立案 数字を見て、どこで詰まっているのかを絞り込む
言葉を選ぶ キーワード設計 候補を集め、取りに行く順番を提案する
実装を進める 改善提案・施策提案 指示書を書き、実装する人に中身を説明する
数字を読む レポーティング 表示回数の動きを読み、次の一手を決め直す

表の右側を見ていただくと、担当者の仕事が調べることと決めることに寄っていると分かります。逆に言えば、手を動かす人が別に必要かどうかは、契約の前に確かめておく論点になるでしょう。

担当者が1か月のうちに動かしているもの

担当者の1か月は、作業の量ではなく判断の数で埋まっています。同じ数字を見ても、そこから何を決めるかで翌月の動きが変わるためです。

実際に下している判断は、大きく4つに分かれます。

プロの判断基準
  • 前の月との差が、施策の結果なのか外の要因なのかを切り分ける
  • その差を追いかける価値があるのか、放っておいてよいのかを決める
  • 指示書をどこまで細かく書くかを、受け取る側の体制に合わせる
  • 前の月に渡した指示書のうち、実装されずに残ったものをどう扱うか決める

1つ目は、数字の読み分けです。表示回数が増えていても、季節の事情や外の話題で動くことがあるため、施策の効果と切り離して見ます。

2つ目は、追う差と追わない差の線引きです。小さな変動をすべて拾いにいくと、本当に効く1つに時間が回らなくなってしまいます。

3つ目は、指示書の粒度をどう決めるかという話になります。社内に詳しい人がいるなら方針だけで動きますが、外部に頼む体制なら手順の一歩手前まで書き下ろす必要があるでしょう。

4つ目は、前の月に渡した指示書の後始末です。実装されずに残ったものを翌月へ繰り越すのか、いったん取り下げるのかを決めます。

繰り越しを重ねている指示は、たいてい体制に合っていません。同じものを3か月運び続けているなら、内容ではなく渡し方のほうを疑います。

これらの判断は、会議室であらためて行うものではありません。手を動かしている途中に、そのつど立ち上がってきます。

発注する側が受け取るのは、4つを通ったあとの結論だけです。

どの判断でどれだけ迷ったのかは、聞かなければ表に出てきません。

上位8件のうち、担当者を出していたのは1件でした

では、担当につく人のことを事前に調べられるのかというと、ここで壁に当たります。誰が担当するのかを書いている情報源が、ほとんど見当たらないのです。

2026年8月9日、当社は「SEOコンサルとは」で検索し、検索結果の1ページ目に出た自然検索8件をすべて開いて中身を確認しました。見たのは、実際に担当するコンサルタントの氏名と経歴が載っているかどうかです。

ページの種別 件数 担当者の氏名・経歴を出していた件数
サービスの紹介ページ 3 1
比較・おすすめ記事 2 0
職種の解説記事 2 0
発注者向けの解説記事 1 0
合計 8 1

担当者を氏名と経歴つきで出していたのは、サービスの紹介ページ1件だけでした。記事と比較記事の5件では0件です。

さらにその5件について、書き手または監修者の実名が出ているかも数えました。実名が出ていたのは1件にとどまり、残る4件は編集部名義か、署名そのものがありません。

つまり「SEOコンサルタントとは何か」を説明している情報源ほど、書いている人も担当する人も見えない状態になっています。これは2026年8月9日時点で確認した結果であり、各社の姿勢を評価するものではありません。

ただ、発注する側にとっての意味ははっきりしています。公開されている情報から担当者を知ることはできないので、相談の場で自分から聞くしかないということです。

なお、同じ調査で検索結果の並び方も記録しました。2026年8月9日の時点で1ページ目のいちばん上を占めていたのは自然検索の結果ではなく、AIによる概要です。自然検索はその次の枠から始まっていました。

読者は、担当者のことが書かれていないページにたどり着く前に、まずAIの要約を読むことになります。誰が担当するのかという情報は、そこからさらに遠いところに置かれているわけです。

今泉の視点:私は初回の打ち合わせで、聞かれる前に自分の経歴と、いま並行して見ている社数をお伝えするようにしています。

会社の実績をどれだけ並べても、「目の前のこの人に任せてよいか」という問いには答えていないからです。8件中1件という数字は、少なくとも1ページ目に並んだ範囲では、その問いに先回りして答えているところが多くなかったことを意味します。

もし相談先を選んでいる途中でしたら、実績の厚さより先に、担当者の話がどこまで出てくるかを見てください。私はそこに、その会社が発注側の不安をどう扱うかが表れると判断しています。

発注前に担当者へ投げる4つの質問

公開されている情報から担当者が分からない以上、確かめる場は相談の席になります。次の4つを、そのまま聞いてみてください。

  • 実際に担当する方の経歴と、いま何社を並行して見ているか
  • 自社に割く時間のうち、担当する方本人が動くのはどれくらいか
  • 優先順位を決めた方と、定例で説明する方は同じ人か
  • 担当が変わるとき、引き継ぎはどのように行われるのか

この4つは、答えの内容よりも答えられるかどうかが手がかりになります。相手を試すためのものではなく、発注する側と受ける側が同じ情報を持ったうえで始めるための質問です。

その場で答えが出そろわなくても構いません。後日でよいので書面でもらえるかを聞いておくと、認識のずれが残りにくくなります。

1つ目と2つ目は、体制を確かめる問いになります。会社として何時間かけるのかより、その人自身がどれだけ手を動かすのかのほうが、進み方に直結するためです。

3つ目は、決める人と話す人が同じかどうかを見る問いでしょう。ここがずれていると、定例で出た疑問がその場で片づかず、次の月まで持ち越されます。

4つ目は、長く続けるほど効いてきます。担当者は途中で変わることがあり、そのときに何が引き継がれるかで、それまでの数か月の価値が決まってしまうためです。

なお、この4つにどこまで答えてもらえるかは、相手の会社がどの型に当てはまるかによっても変わります。答え方の違いを想像しておきたい方は、会社の型ごとの違いをまとめた記事もあわせてご覧ください。

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SEOコンサルの呼び名では中身が分かりません

同じ領域のサービスに、いくつもの呼び名が使われています。ここでは、その違いをどう扱えばよいのかをお伝えします。結論から言えば、名前を見比べる時間は使わなくて構いません。

明るいオフィスで並んでパソコンに向かう2人。工程ごとに担当を確かめる場面のイメージ

同じ仕事にいくつもの呼び名があります

実際に使われている呼び名を並べると、コンサルティング、支援、サポート、顧問、パートナーといったところでしょうか。案内文では、これらがほとんど区別なく使われています。

呼び名がこれだけ増えたのは、提供する範囲が業界で統一されていないからです。決まった型がないため、各社が自社の関わり方に合う言葉を選んでいます。長く関わる形なら顧問、一緒に進める形ならパートナー、といった具合です。

ただし、この対応づけには根拠がありません。顧問と名乗る会社が実行まで担うこともあれば、コンサルティングと名乗る会社が助言だけで終わることもあります。言葉の選び方は、その会社の好みに委ねられているのが実情です。

ですから、呼び名を手がかりに探すと空振りします。「顧問契約のほうが長く見てもらえそうだ」といった推測は、確かめるまで当たっているかどうか分かりません。

工程ごとに投げる問いは2つです

当社が相談をお受けするとき、相手が使う言葉に名前を合わせにいくことはしません。代わりに工程を並べて、1つずつ印をつけていきます。

そのときに投げる問いは2つだけです。この工程で手を動かすのは誰か、そして決めるのは誰か。この2つは同じ答えになるとは限らず、むしろずれるほうが普通です。

工程 手を動かすのは 決めるのは
現状を調べる ほぼ相手側
狙う言葉を選ぶ 相手が案を出す 自社
直す順番を決める 相手が案を出す 自社
サイトを直す 会社によって違う 自社
記事を書く 会社によって違う 自社
数字を読む ほぼ相手側 自社

表を見ていただくと、会社ごとに割れるのは真ん中の2つだけだと分かります。調べる工程と読む工程はどこに頼んでもおおむね含まれ、決めるのが自社であることも変わりません。

つまり、各社の案内を読み比べるときに見るべき箇所は限られています。サイトを直す作業と記事を書く作業が、範囲に入っているのかいないのか。ここさえ確かめれば、呼び名が何であっても中身は掴めるのです。

名前で決めると後から増えた作業でもめます

先に名前だけを決めてしまうと、困るのは契約したあとです。進めるうちに出てくる作業が、どちらの仕事なのか決まらなくなります。

SEOの仕事では、始める前に見えていなかったものが後から出てくることも珍しくありません。調べてみたら古いページが大量に残っていた、記事を出すには商品情報を社内で集め直す必要があった、といったことです。

このとき「コンサルティングだから助言まで」という線の引き方をすると、話が進みません。作業そのものが宙に浮き、結局どちらもやらないまま止まります。工程で印をつけてあれば、新しく出てきた作業も「これは直す工程だから相手側」と当てはめられるのです。

なお、どこに頼むかによって出てくる担当者の顔ぶれも変わります。会社の業態による違いはSEO会社を4つの型に分けて整理した記事で扱いました。任せる範囲と自社に残す範囲の切り分け方そのものはSEO外注で何を任せるかをまとめた記事をご覧ください。

肩書きや資格の呼び名も同じです

呼び名が定まらないのは、会社の名乗り方だけではありません。個人につく肩書きにも、同じことが起きています。

SEOスペシャリスト、SEOカウンセラーといった呼び方を目にすることがあります。これらの呼び方に、業界で決まった定義はありません。

この分野には民間の検定もあります。たとえば一般社団法人全日本SEO協会のSEO検定は、4級から1級までの4段階に分かれています。

ただし、検定を受けたかどうかと、名刺に書かれた肩書きが対応しているとは限りません。SEOに詳しい人を指す呼び方が、社内の役職名としてそのまま使われていることもあるからです。

肩書きの出どころ そこから分かること そこからは分からないこと
民間の検定に合格している 決められた範囲の知識を学んだこと 自社の工程のどこを担当するのか
会社が付けた役職名 その会社のなかでの立場や役割 自社の工程のどこを担当するのか

名刺に書かれた文字だけでは、その人が何を根拠にその肩書きを使っているのかまでは分かりません。肩書きが分かっても、自社の工程のどこを担当するのかは分からないままです。

ここでも確かめる先は、やはり工程のほうになります。

SEOコンサルティングはどこまで見てもらえるのか

範囲の話でつまずくのは、たいてい「頼めるかどうか」ではなく「頼んだあとに動くかどうか」のほうです。ここでは、境目がどこで決まるのかを3つの場面で見ていきます。

広いオフィスの中央にあるテーブルで打ち合わせをする人たち。支援の範囲が広がる様子のイメージ

サイトを直せる人がどこにいるか

当社が提案を作る前に必ず確かめているのは、そのサイトを直せる人がどこにいるのかです。社内にいるのか、制作会社に頼む形なのか、頼んだとしてどのくらいで動いてもらえるのか。ここを聞かずに提案を書くことはありません。

理由は単純で、提案は実装されて初めて数字に効くからです。指示書がどれだけ丁寧でも、手を動かす人がいなければ何も起きません。

そしてこの確認の結果によって、担う範囲そのものを変えています。直せる人が社内にいるなら、指示書を渡す形で足りるでしょう。

いっぽう、制作会社に毎回見積もりを取る必要があり、1つの修正に数週間かかるという状況なら、指示書を渡す形では現実的に止まってしまいます。その場合は実装まで含む形にしないと前へ進みません。

ですから、相談の場で「社内にサイトを直せる人がいません」と伝えることは、不利になりません。むしろ、その情報がないほうが合わない形の提案が出てきます。

記事を書く人が社内にいないとき

もう1つ境目になりやすいのが、記事を書く工程です。ここは範囲に含める会社と、含めない会社にはっきり分かれます。

含めない会社の場合、届くのは「この内容の記事をこの構成で書いてください」という指示までです。書くのは自社か、別の制作会社に頼むことになります。含める会社なら、取材から執筆まで引き受ける形になるでしょう。

どちらが良いという話ではなく、社内に書ける人がいるかどうかで決まります。ただし1つだけ気をつけたいのは、「書けます」と「続けられます」は別だということです。1本目は担当者が気合いで書けても、月に4本を1年続けるとなると話が変わってきます。

ですから、含めるかどうかを決めるときは、1年続けた場合の本数で考えてみてください。最初の数本ではなく、その先で判断するほうが安全です。費用の側から見た内訳はSEO対策費用の相場と内訳をまとめた記事で整理しています。

広告や制作まで広げるかどうか

「Webコンサルティング」「マーケティングコンサルティング」といった名称になると、扱う範囲はSEOの外側まで広がります。検索広告の運用、サイトのデザイン、問い合わせフォームの改善まで含むこともあるのです。

広い範囲を1社に任せる利点は、話がつながることにあります。検索で来た人がどのページで離れているのかという論点は、SEOだけを見ていると手が届きません。

いっぽうで、広さと深さは同時には得にくいものです。すべてを見る体制の会社では、SEOに割かれる時間が全体の一部になります。ここはどちらが優れているかではなく、いま自社が抱えている課題がどこにあるかで選ぶところでしょう。

判断に迷うときは、直近半年で困っていることを3つ書き出してみてください。3つとも検索に関することなら、範囲を広げる必要はまだありません。集客の後ろ側の話が混ざってくるなら、広い範囲を見る相手を探す価値があります。

そもそも課題がどこにあるのか自体を整理したい段階なら、民間だけが相談先ではありません。中小企業基盤整備機構が運営する中小企業支援を行う公的機関一覧(J-Net21)では、経営課題の種類ごとに公的な相談窓口がまとめられています。検索の話に絞る前に、事業全体の課題として一度整理しておくと、任せる範囲を決めやすくなるでしょう。

今泉の視点:範囲のご相談をいただいたとき、私は広いほうから提案しないようにしています。

広げた範囲は、そのまま発注いただいた側の手間にもなるからです。見る対象が増えれば、目を通す資料も、判断していただく回数も一緒に増えます。社内の人手が変わらないまま範囲だけを広げると、どの領域も進みが鈍くなってしまうのです。

ですので私は、初回のご提案で範囲を決めきりません。狭く始めておけば、必要になった時点で後から広げられます。逆に、広く始めたものを途中で外すのは、社内での説明が要るぶん手間がかかりました。

SEOコンサルティングについてよくあるご質問

担当者が途中で変わることはありますか。

担当者の交代は、契約が長くなるほど起こりうるものです。体制の変更や退職で入れ替わることがあり、避けられない場合もあります。

大事なのは、そのときに何が引き継がれるかです。前の担当者が見ていた数字と、途中で見送った案まで渡っていれば、新しい担当者は続きから入れます。契約の前に、引き継ぎの形を聞いておくと安心です。

社内にサイトを直せる人がいなくても依頼できますか。

社内にサイトを直せる人がいなくても、SEOコンサルティングは依頼できます。ただし、その状況を相談の最初に伝えてください。指示書を渡す形の支援は、受け取った側が実装できることを前提にしているためです。

直せる人がいない場合や、外部に頼むたびに数週間かかる場合は、実装まで含む形にしないと提案が手つかずのまま残ります。伝えておくことで不利になることはありません。むしろ、合わない形の提案を避けられるはずです。

最初の1か月では何が出てくるのですか。

現状の確認結果と、これから何をするかの方針が出てきます。順位や流入の変化は、この段階ではまだ現れません。

検索で見つけてもらうまでには段階があり、どこで止まっているのかを特定する作業に最初の時間が使われるからです。目に見える変化を期待していると進んでいないように感じるため、着手前に何が出てくるのかを確かめておくと落ち着いて進められます。

あとから支援の範囲を変えることはできますか。

支援の範囲は、契約の途中でも変えられます。最初に決めた範囲のまま1年続くほうが、むしろ少ないでしょう。調べて初めて分かることがあるため、3か月ほどの周期で見直しが入ります。

ただし変えるときは、工程のどこを動かすのかを言葉にしてください。「もう少しやってほしい」という伝え方だと、双方が別のものを思い浮かべたまま進んでしまいます。

まとめ

SEOコンサルティングという言葉には、業界で決まった中身がありません。だから呼び名を見比べても、何をしてもらえるのかは分からないままです。

確かめる先は名前ではなく工程です。次の2つを、工程ごとに1つずつ当てはめてみてください。

  • この工程で手を動かすのは、自社と相手のどちらか
  • この工程で決めるのは、自社と相手のどちらか

会社ごとに割れるのは、サイトを直す作業と記事を書く作業の2か所だけです。まずはこの6工程を紙に書き出し、2つの問いを1行ずつ埋めてみてください。

そのうえで、自社のサイトを直せる人がどこにいるのかを相談の場で先に伝えましょう。その一言で、返ってくる提案の形が変わります。

最後にもう1つ、誰が担当につくのかも忘れずに聞いてください。工程が同じでも、動かす人が見えているかどうかで、その後の進み方は変わってきます。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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