キーワードツールの使い分け|工程への割り当てと調べ終わり

机に広げたノートとパソコンで作業する手元。言葉を調べる場面のイメージ

「無料のものを2つ3つ入れてみたけれど、数字が食い違っていてどれを信じればいいのか分からない」。キーワードツールを探している方から、よく伺う声です。比較記事を読んでも似た機能が並んでいて、選ぶ手がかりが見つからないという状態になりがちです。

街中文学は、月間4,500万セッション級メディアの支援実績を持つ立場から、日々キーワードの調査を回しています。使う道具の数は、実はそれほど多くありません。

お伝えしたいのは、本数を増やすより、工程に割り当てるほうが早く決まるということです。この記事を読めば、道具の配置と、調べ終わりの決め方が分かります。

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目次

先に結論:増やさず工程に割り当てます

まず最初に、結論からお伝えします。使う本数を増やすことより、次の3つのほうが結果を左右するのです。

1つ目は、工程ごとに向く道具が違うことです。キーワードを決めるまでには、候補を広げる・数字で絞る・実際の検索結果を見る、という3つの工程があります。1つの道具で全部をやろうとすると、どこかが弱くなりやすいのです。

2つ目は、数字が食い違ったら基準を1つ決めることです。同じ言葉でも道具によって数字は変わります。どれが正しいかを詰めても答えは出ないので、基準にするものを1つ決めて動かさないほうが早く進みます。

3つ目は、調べ終わりを先に決めることです。関連する言葉は次々に出てくるので、放っておくと終わりません。使う時間と集める本数を先に決めておけば、その時点の材料で判断できます。

場面 決めること 決めないとどうなるか
使い始めるとき どの工程にどれを使うか 1つの道具に全部を求めて詰まる
数字が合わないとき 基準にするものを1つ どれが正しいか比べ続けて止まる
調べているとき 止める時間と本数 調べ続けて記事に着手できない

この記事では、この3つをそれぞれ手順の形でお伝えします。特定のサービス名は挙げません。どれを使っても共通して効く部分だけを扱いましょう。

キーワードツールは何を出すのか

返ってくるのは、言葉の候補と、その言葉に付いた数字の2つだけです。ここを取り違えると、道具に期待しすぎることになります。3つに分けて見ていきます。

ノートに手描きされたグラフと定規、ペン。数字を書き出す場面のイメージ

出るのは候補と数字の2つです

検索ツール、調査ツール、分析ツール、リサーチと呼び方はいろいろありますが、返ってくるものは大きく2つです。言葉の候補と、その言葉に付いた数字になります。

候補というのは、自分では思いつかなかった言葉のことです。ある言葉を入れると、一緒に検索されている言葉や、後ろに付いてくる言葉が並んで出てきます。掛け合わせの一覧を作ってくれるものもあります。

数字のほうは、その言葉が月にどれくらい検索されているかの目安と、競い合いの激しさを表す指標です。この競い合いの激しさは、広告に出稿する人の多さを表すもので、検索結果で上位を取る難しさとは別のものになります。広告の単価まで出るものは、もともと広告のために作られた道具であることが多いためです。

そしてこの2つだけでは、どれを狙うかは決まりません。候補と数字を見てどれを選ぶかは、事業のほうから決めることになります。ここが後の工程の話につながります。

その数字は実測ではなく推定です

出てくる数字は、実測ではなくそれぞれの会社が出した推定です。どこから来ているのかを知っておくと、数字との付き合い方が変わります。

Googleは、外部のSEOツールについての案内でこう述べています。「サードパーティ ツールは、Google の内部ランキング データにアクセスすることも、パフォーマンスを保証することもできません。予測はすべてサードパーティ ツール独自の予測であり、一般的な予測と同様に、必ずしも実現するとは限りません。」サードパーティの SEO ツールに関するガイダンス(Google 検索セントラル)

これはツールを使うなという話ではありません。同じページは冒頭で、外部のツールを評価して公式の案内に沿っているかを確かめるための推奨事項だと述べています。使うなら性質を知っておこう、という趣旨なのです。

ではGoogle自身が出しているものはどうかというと、こちらも作り方は説明されています。Googleトレンドの案内には「Google トレンドでは、Google と YouTube の検索を集計、匿名化、分類し、ランダム サンプリングして提供しています。」と書かれています。Google トレンドを使ってみる(Google 検索セントラル)

これはトレンドについての説明であって、他の道具の仕組みまで同じだという話ではありません。ただ、数字というのは何らかの方法で作られたものだという点は共通しています。

数字の種類 何を表しているか 使いどころ
ツールの検索ボリューム その会社が出した推定 言葉どうしの大小を比べる
トレンドの数値 抜き出した一部からの集計 時期による動きを見る
自社の表示回数 実際に起きたことの記録 公開後の結果を確かめる

ですから数字は、絶対値ではなく大小を見るために使ってください。数字そのものの読み違えを避ける考え方は検索ボリュームの読み方をまとめた記事で整理しました。

無料と有料で変わるのは範囲です

無料と有料の違いは、数字の精度よりも扱える範囲に出ます。ここを知っておくと、無料のままで足りるかを判断できます。

サービスによって異なりますが、変わりやすいのは次のような部分です。

変わりやすいところ 記事を書く用途で効いてくるか
1日に調べられる回数 効く(何度も試す日に止まる)
一度に取り出せる候補の数 効く(広げる工程で足りなくなる)
過去にさかのぼれる期間 季節性を見るときだけ効く
他社サイトの状況まで見られるか 記事1本の判断には要らないことが多い

数字そのものの出どころが変わるわけではない、という点は押さえておいてください。

ですから、記事を月に数本作る程度であれば、無料の範囲で足りることが多いと考えてよいでしょう。回数制限に何度もぶつかるようになってから、有料を考えれば間に合います。

なお、広告のアカウントを使う道具では、出稿していないと数字が幅でしか表示されないことがあります。その場合の考え方はキーワードプランナーの使い方をまとめた記事で扱いました。

工程ごとに向く道具は違います

キーワードを決めるまでには3つの工程があり、それぞれ向く道具が違います。いま使っているものをこの3つの枠に当てはめ、空いた枠だけを足してください。まだ1つも持っていないなら、絞る枠から埋めるのがおすすめです。候補は検索窓を見れば手で集められますが、数字だけは道具がないと出せないためです。

壁に並べた付箋に1枚を足そうとしている手。工程ごとに分ける場面のイメージ

候補を広げる工程で使うもの

最初の工程では、自分では思いつかない言葉を集めます。ここでは数字を見ません。とにかく数を出します。

向いているのは、1つの言葉から関連する言葉を大量に並べてくれるものです。検索窓に出てくる候補を一覧にするもの、後ろに付く言葉を五十音順で出すもの、質問の形にして並べるものなどがあります。

この工程で数字を見始めると、手が止まります。「これはボリュームが小さいから」と削りながら進めると、拾えたはずの言葉が最初の段階で落ちてしまうのです。広げる工程では、削らずに全部残してください。

集めた言葉をどう扱うかは、関連キーワードの集め方をまとめた記事ロングテールキーワードの探し方をまとめた記事で扱いました。あわせてご覧ください。

数字で絞る工程で使うもの

次が、集めた言葉に数字を付けて並べ替える工程です。ここで初めて数字を見ます。

向いているのは、まとめて数字を出せるものです。1語ずつ調べていくと時間がかかるので、一覧を貼り付ければ全部に数字が付く形が使いやすくなります。

この工程で気をつけたいのが、数字の大きい順に並べただけで決めないことです。大きい言葉ほど競い合いも激しく、書いても届かないことがあります。事業に近いかどうかを、数字と並べて見てください。

工程 やること 枠を満たす条件 見ないもの
広げる 思いつかない言葉を集める 関連する語を一覧で出せること 数字
絞る 数字を付けて並べ替える 一覧を貼ると一括で数字が付くこと 細かい表現の違い
確かめる 実際の検索結果を見る 自分で検索して見ること 数字

いま使っているものを、この3つの枠に当てはめてみてください。1つで2枠を満たせるなら、それで構いません。足すのは空いた枠だけです。

絞る工程で使う数字そのものの出し方はキーワードプランナーの使い方をまとめた記事で扱いました。本記事は道具の配置に絞ってお伝えします。

検索結果を自分の目で見る工程

3つ目が、絞り込んだ言葉で実際に検索してみる工程です。ここには道具を置きません。自分で検索して、並んでいるページを見ます。

実際に見て判断すること自体は、キーワードを選ぶ場面で以前から言われてきたことです。本記事でお伝えしたいのは、これを工程として固定してしまうという点になります。気が向いたときに見るのではなく、絞り込みが終わったら、例外を作らない関門として扱っています。

固定するために決めるのは、誰がいつ見るか何をメモに残すかの2つです。当社では、絞り込んだ一覧を作った人がそのまま続けて見る形にし、言葉ごとに一行だけメモを残しています。

プロの判断基準:一行メモに残すこと
  • 並んでいるページの出し手を書きます(企業か個人か公的機関か)
  • 見送るなら理由を一言だけ残しておきます(重い・遠い・古い など)
  • いつ見直すかの時期も添えてください(3か月後・半年後 など)

このメモがあると、後から「なぜこの言葉を見送ったのか」を思い出せます。数字だけの一覧には、見送った理由が残りません。数か月後に同じ言葉を調べ直して、また同じ判断をする時間が省けるのです。

そして当社では、この3工程それぞれで使うものを固定しています。1つの道具で3つとも済ませようとすると、どこかが弱くなりやすいためです。とくに3つ目は道具では代われません。

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数字が食い違ったらどうするか

複数の道具を使うと、同じ言葉なのに数字が違うという場面に、いずれ出会います。ここで止まらないための決め方をお伝えします。3つに分けて見ていきましょう。

画面に並ぶ複数のグラフと数値。数字を見比べる場面のイメージ

食い違うのは当たり前です

数字が一致しないのは不具合ではありません。集計の前提が違えば結果も変わるという理由と、数字そのものの読み方は検索ボリュームの読み方をまとめた記事で扱いました。

本記事で扱うのは、その先です。ズレることが分かったうえで、何本の道具をどう使い分けるかという運用の話になります。

「どちらが正しいのか」を確かめに行くと、そこで時間を使い切ってしまいます。正解が出ない問いだからです。次の項目から、確かめずに進める形をお伝えします。

基準を1つ決めて動かさない

基準に選ぶ条件は1つだけです。毎回使えること。無料のもので月に何度も上限にぶつからないなら、それで足ります。

1つに統一して大小を見るという考え方そのものは、キーワードプランナーの使い方をまとめた記事でも扱いました。本記事でお伝えしたいのは、その基準を動かさないことと、動かすときに何をするかです。

問題が起きるのは、途中で基準を替えたときです。

  基準を動かさない場合 途中で替えた場合
先月の一覧との比較 そのまま並べられる 並べられない
見送った言葉の扱い 見送りのまま置いておける 判断をやり直すことになる
必要な作業 新しい言葉を足すだけ 過去の一覧を測り直す

ですから乗り換えるなら、過去の一覧もまとめて測り直してから切り替えてください。数十語であれば貼り付けるだけで済みますが、数百語をためてからだと手が止まります。乗り換えるなら早いほうが楽です。

2本目は答え合わせに使わない

では2本目以降は要らないのかというと、使いどころが1つだけあります。ただし答え合わせのためではありません。

使うのは、基準の数字がゼロに近いのに、実際には需要がありそうな言葉を拾うときです。新しく出てきた言葉や、地域を含む細かい言葉は、基準の道具では数字が出ないことがあります。

このとき2本目で見ると、数字が付くことがあります。ここで確かめているのは大小ではなく、見落としがないかどうかです。役割がまったく違います。

プロの判断基準:道具を増やすときの線引き
  • 1本目は基準として使い、優先順位はこれだけで決めます
  • 2本目は、数字が出なかった言葉を拾うためだけに使います
  • 同じ言葉に2つの数字が出たときは、基準のほうを採ってください

この線引きをしておかないと、道具を増やすほど決まらなくなります。比べる数字が増えるだけで、選ぶ基準は増えないからです。

調べ終わりをどこで決めるか

調べるのをやめる条件は、着手する前に決めておいてください。ここが決まっていないと、道具の使い方が上手になるほど終われなくなります。3つに分けて見ていきましょう。

机に置かれた時計とノート。時間を区切る場面のイメージ

調べていると進んだ気になります

キーワードツールには、使い始めると終われないという性質があります。これは意志の弱さの問題ではありません。

関連する言葉を開くと、そこからまた別の言葉が出てきます。数字を見れば、もう少し良い言葉があるのではないかと思えてくるでしょう。手を動かし続けているので、作業が進んでいる感覚もあります。

ところが記事は1本も進んでいません。2つの時間は、終わり方がまるで違うのです。

  増えているもの 終わりの合図
調べている時間 候補の一覧 自分で決めないと来ない
書いている時間 記事の本文 書き上がれば来る

この違いが、調査だけが伸びていく理由です。調べる時間と書く時間は別のものだと分けて考えてください。

この状態が続くと、着手そのものが遠のきます。半日かけて集めた一覧を前にして、結局どれから書けばよいか分からない、という形になりやすいのです。

止める条件を2つ先に決める

当社は着手する前に、止める条件を2つ決めています。調べ始めてから決めようとすると、まず決まりません。

プロの判断基準:調べ終わりの2条件
  • 時間:この調査に何分使うかを先に決めます(当社の目安は30分)
  • 本数:候補が何本たまったら止めるか、線を引いておきます(同じく30本)
  • どちらかに達したら、その時点の材料で判断してください

数字はテーマの広さで前後します。よく知っている分野なら短くなりますし、初めて扱う業界なら長めに取ります。大事なのは値そのものより、始める前に決めてあることです。

2つ決めるのは、片方だけだと抜け道ができるからです。時間だけを決めると候補が数本しかないまま終わりますし、本数だけを決めると集まらないまま時間が過ぎていきます。

そしてどちらかに達したら、その時点で持っているもので決めてください。「あと5分だけ」を許すと、条件を決めた意味がなくなります。

足りなければ書きながら足す

調べ切ってから書き始める必要はありません。止めることに抵抗があるとしたら、そう思い込んでいるからかもしれませんが、ここは切り離して構いません。

書き始めると、必要な言葉は自然に見えてきます。この見出しにはこの言葉があったほうがいい、と気づいたときに1語だけ調べればよいのです。そのときの調査は数分で終わります。

むしろ先に全部を集めようとすると、使わない言葉まで抱えることになります。集めた一覧のうち、実際に記事へ反映されるのは一部です。

止める条件を決めたうえで選び方そのものを整えたい場合は、キーワード選定のやり方をまとめた記事をご覧ください。何を基準に選ぶかが決まっていれば、調べる時間はさらに短くなります。

今泉の視点:キーワードの調査でいちばん時間が溶けるのは、道具が足りないときではありません。どれを信じるか決めていないときです。数字が2つ並ぶたびに手が止まります。

ですから私は、基準にするものを1つ決めて、あとは動かさないようにしています。その数字が実態とずれていても構いません。同じものさしで測り続けていれば、言葉どうしの大小は正しく出るからです。

もうひとつ、調べる時間は必ず先に区切ります。区切らずに始めた日は、夕方になっても一覧が増えているだけで、記事が1行も進んでいないということが起こります。

キーワードツールについてよくあるご質問

無料のキーワードツールだけで足りますか。

記事を月に数本作る程度であれば、足りることが多いです。無料と有料で変わるのは数字の精度よりも扱える範囲で、1日の調査回数・一度に取り出せる候補の数・さかのぼれる期間などに差が出ます。回数の上限に何度もぶつかるようになってから、有料を検討すれば間に合います。

基準にする道具を乗り換えるときは何をすればよいですか。

過去に調べた言葉の一覧を、新しい道具でまとめて測り直してから切り替えてください。基準が変わると、先月つけた優先順位と今月の数字が比べられなくなるためです。見送りに入れた言葉が、新しい道具では上位に来ることもあります。数十語のうちなら貼り付けるだけで済むので、乗り換えるなら早いほうが楽でしょう。

ツールは何本くらい使うのがよいですか。

本数を増やすことより、工程に割り当てることをおすすめします。候補を広げる・数字で絞る・実際の検索結果を見る、という3つの工程があり、それぞれ向くものが違うためです。数字を出す道具は1本を基準に決め、2本目は基準で数字が出なかった言葉を拾うためだけに使うと、比べる数字が増えて決まらなくなる状態を避けられます。

調べているうちに時間が過ぎてしまいます。

着手する前に、止める条件を2つ決めておいてください。この調査に何分使うかという時間と、候補が何本たまったら止めるかという本数です。どちらかに達したら、その時点の材料で決めます。足りない言葉は書きながら1語ずつ足せるので、調べ切ってから書き始める必要はありません。

まとめ

キーワードツールが返してくれるのは、言葉の候補と、その言葉に付いた数字の2つです。どれを狙うかまでは決めてくれません。そして数字は、それぞれの道具が独自に出した予測になります。

ですから本数を増やすのではなく、工程に割り当ててください。候補を広げる工程では数字を見ずに集め、絞る工程で数字を付け、最後は自分の目で検索結果を見ます。3つ目だけは道具では代われません。

  • 広げる工程:数字を見ずに候補を集めます
  • 絞る工程:基準にする道具を1つ決めて動かしません
  • 確かめる工程:自分で検索して並んでいるページを見ます

そして着手の前に、調べる時間と集める本数を決めておいてください。足りない言葉は、書きながら足せます。

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この記事を書いた人

株式会社街中文学 代表。DBSEO(データベース型SEO)・LLMO(AI検索最適化)・コンテンツマーケティングを専門に、東証上場企業や月間4,500万セッション級メディアのSEO支援を行ってきました。AIライティングSaaS「buncraft」を開発・運営。本メディアの全記事を執筆・監修しています。

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