「YouTubeキーワードって、とりあえずタグに20個入れておけばいいのだろうか」。動画の担当を任されたばかりの方から、こうした声をよく聞きます。記事のキーワードは検索ボリュームで決められたのに、YouTubeでは同じやり方が通じません。そこで手が止まってしまうのです。
結論からお伝えすると、YouTubeの検索需要に実数は公開されていません。公式に返ってくるのは、関心度を「非常に低い」から「非常に高い」で示す相対的な目盛りです。それでも、次の1本を決めるには十分でしょう。
この記事では、その数字が何のデータかの見分け方、決めた言葉の置き場所、公開後の答え合わせの手順をお伝えします。読み終えたときには、次の動画のタイトルを根拠つきで決められるはずです。
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先に結論:YouTubeキーワードは3手で決まる
まず最初に、結論からお伝えします。YouTubeのキーワードは、調べる道具を増やしても決まりません。次の3つを、この順番で踏むかどうかで決まります。
1つ目は、外部ツールが出す「YouTubeの月間検索数」を判断の土台にしないことです。あの数字は、提供している会社自身が推定だと書いているもので、YouTubeが公開した実測値ではありません。数字が並んでいると根拠に見えますが、土台にしてしまうと「なぜこの言葉を狙ったのか」を後から説明できなくなります。
2つ目は、公式に手に入るデータで需要があるかどうかを確かめることです。YouTube Studioのアナリティクスには[トレンド]タブがあり、自分の視聴者がYouTubeで何を検索しているかを見られます。
月に何回といった実数までは出ません。それでも「この言葉には関心がある」「ほとんどない」を見分けるには十分です。
3つ目は、公開したあとに自分のチャンネルの数字で答え合わせをすることです。狙った言葉で本当に見つけてもらえたかどうかは、出してみるまで誰にも分かりません。この答え合わせを仕組みにしておくと、次に狙う言葉が他人の推定値ではなく自分の記録から出てくるようになります。
読んでいる方の状況によって、急いで読むべき場所は変わります。次の表を目印にしてください。
| いまの状況 | 先に読む章 | そこで解けること |
|---|---|---|
| これからチャンネルを始める | 4つの別物/どこに置くか | 言葉を入れる場所の役割分担 |
| 出しているが見つけてもらえない | 数字で見えるか/答え合わせ | 需要の確かめ方と検証の周期 |
| 有料ツールを買うか迷っている | 数字で見えるか | その数字が何のデータかの見分け方 |
そもそも、なぜ動画の言葉選びにここまで手間をかけるのでしょうか。総務省の「令和7年通信利用動向調査」は、インターネット利用者34,322人分を集計した官庁統計です。この調査では、6〜12歳の層(1,751人)で「動画投稿・共有サイトの利用」が81.3%と全項目中の1位になり、「検索サービスの利用」の52.5%を28.8ポイント上回りました。令和7年通信利用動向調査 報告書 図表2−2(総務省・2026年5月29日公表/調査時点2025年8月末)
次の世代にとっては、調べる入口が検索窓ではなく動画のほうにある、ということになります。もっとも、利用者全体で見れば検索サービスが77.5%、動画投稿・共有サイトが63.6%ですから、いま順位がひっくり返っているわけではありません。押さえたいのは、入口が二本になっているという事実のほうです。
もうひとつ、当社の実測を1つだけ添えます。2026年8月5日にDataForSEOのSERP APIで「検索意図」というキーワードのGoogle検索結果を取得したところ、AIによる要約が表示され、その引用元4件のうち2件がYouTubeの動画でした。1キーワードの1回の取得なので一般化はできませんが、少なくとも動画の言葉選びはYouTubeの中だけで完結する話ではない、と言えます。Web検索側の決め方はSEOキーワード選定の手順をまとめた記事で整理しました。
「YouTubeキーワード」と呼ばれる4つの別物
社内で話が噛み合わなくなる原因は、たいてい言葉の指す先がずれていることにあります。YouTubeキーワードという一語には、実際には4つの別物が混ざっています。公式ヘルプでも別のページ・別の機能として扱われているものです。ここを切り分けるだけで、どこに時間をかけるべきかが決まります。

動画のタグは説明的なキーワード
1つ目は、動画1本ごとに設定するタグです。YouTube Studioで動画の詳細を開き、「すべて表示」を押した先にあります。
公式ヘルプはタグをこう定義しています。「タグとは、コンテンツを検索でヒットしやすくするために動画に追加できる説明的なキーワードです。」YouTube 動画にタグを追加する(YouTube ヘルプ)
同じページには「動画の検索時には、動画のタイトル、サムネイル、説明などのメタデータのほうがタグよりも重要な役割を果たします。」とも書かれています。公式の説明の時点で、タグはタイトルや説明文より後ろに置かれているわけです。ではタグにどこまで期待してよいのか、という話は「決めたYouTubeキーワードをどこに置くか」の章で詳しく扱います。
チャンネルキーワードは公式の説明が一文
2つ目は、チャンネル全体に紐づくチャンネルキーワードです。設定からチャンネル、基本情報と進んだ画面にあります。動画ごとのタグとは場所も単位も違う、別の設定だと考えてください。
この欄について公式ヘルプが書いているのは、次の一文だけでした。「この設定では、チャンネルに関連するキーワードを追加できます。」チャンネル設定の管理(YouTube ヘルプ)
今回の調査では、このキーワードが検索やおすすめにどう影響するかの説明、入力の形式、文字数の上限のいずれも、日本語版・英語版のどちらにも見当たりませんでした。解説記事でよく見る「500文字まで」という上限も、公式ヘルプでは確認できていません。
ここで気をつけたいのは、説明が無いことと効果が無いことは別だという点になります。公式が黙っているだけであって、効かないと書かれているわけではありません。
ですから判断としては、チャンネルの内容をそのまま短い言葉で書いて先に進むのが妥当です。ここで30分悩むより、視聴者が打っている言葉を1つ調べたほうが手応えは大きくなります。
タイトルと説明文が検索語と照合される
3つ目は、タイトルと説明文に書いた言葉です。ここが検索語と照らし合わされる本体になります。
YouTube検索の仕組みを説明したヘルプには、こう書かれています。「関連性を評価するために、タイトル、タグ、説明、動画コンテンツが検索クエリにどれだけ一致するかなど、さまざまな要素を調べます。」YouTube 検索の仕組み(YouTube ヘルプ)
同じページは、システムが優先する要素を挙げる前に「これらの要素の重要度は、検索タイプによって異なります。」と断ったうえで、関連性・エンゲージメント・品質の3つを並べています。エンゲージメントというのは、総再生時間のように、視聴者がその動画にどれだけ向き合ったかを表す指標のことです。
ここから読み取れることが2つあります。1つ目は、タグもこの一文では関連性の材料として名前が挙がっているので、「タグは順位に一切関係ない」とは言えないことです。2つ目は、重要度が検索の種類によって変わる以上、どの動画にも当てはまる一律のチェックリストは作りにくい、ということになります。
視聴者が実際に打つ検索語が需要そのもの
4つ目は、視聴者が実際に検索窓へ打ち込んでいる言葉です。1つ目から3つ目までが「自分が入れる言葉」だったのに対し、これだけは「相手が打つ言葉」であり、需要そのものになります。
公式ヘルプは、これを確認する場所を名指ししています。「視聴者が YouTube で何を検索しているのか確認するには、[トレンド] タブを使用します。」YouTube でトレンドを探す(YouTube ヘルプ)
場所はYouTube Studioのアナリティクスの中、上部のメニューにあります。ひとつ補足しておくと、ヘルプの別のページではこのタブが[調査]、英語版ではResearchと書かれたままです。ネット上の解説記事が「リサーチタブ」と呼んでいるのは、同じ場所を指しています。
4つを並べてみると、需要の話をしているのは4つ目だけだと分かります。残る3つは、決めた言葉をどこに置くかという設定の話でしかありません。なぜその言葉で検索するのかという考え方は、検索意図を整理した記事もあわせてご覧ください。
| 呼ばれ方 | 設定・確認する場所 | 公式ヘルプでの位置づけ |
|---|---|---|
| 動画のタグ | 動画の詳細>すべて表示 | タイトル・説明より重要度は下 |
| チャンネルキーワード | 設定>チャンネル>基本情報 | 説明は一文のみ |
| タイトル・説明文 | 動画の詳細 | 関連性の判断材料と明記 |
| 視聴者の検索語 | アナリティクス>トレンド | 確認手段が用意されている |
どこから手を付けるかで迷ったら、公式ヘルプが多く語っている順に時間を配ると考えてください。この表でいえば、下の2行から始めることになります。
YouTubeの検索需要はどこまで数字で見えるか
ここがこの記事の中心です。数字で見えないものと、公式に見えるものを順番に分けていきます。先に答えを言うと、月間何回という実数は公式には公開されていません。返ってくるのは関心度を高い・低いで示す相対的な目盛りで、それでも次に作る動画を1本決めるには足ります。

- ラッコキーワードの数字はGoogle検索のもの
- 推定値だと提供元自身が書いている
- APIに検索回数を返す窓口は用意されていない
- Studioの[トレンド]タブが公式の入口
- 数値は「非常に低い」から「非常に高い」
- 検索ワードランキングは公式に存在しない
ラッコキーワードの数字はGoogle検索のもの
日本語で調べるとき、最初に使われることが多いのがラッコキーワードです。ここに落とし穴が1つあります。YouTubeサジェストの結果画面に並ぶ月間検索数は、YouTubeの検索数ではありません。
提供元が公式のFAQで明言しています。「恐れ入りますが、Google以外の月間検索数データ(月間検索ボリューム)・SEO難易度データは提供しておりません。」「YouTube・楽天などのサジェストキーワード検索後の結果画面から取得できる月間検索数・SEO難易度は、Google検索におけるデータを取得・算出しています。」YouTube/楽天/Amazonなどの月間検索数(検索ボリューム)・SEO難易度は取得できますか?(ラッコキーワード公式FAQ)
言葉の一覧はYouTubeの検索候補から取ってきたもので、横に並ぶ数字はGoogle検索のものです。同じ画面に仲良く並んでいるので、出どころまで同じだと思ってしまいます。
この一覧が役に立たないという話ではありません。候補そのものはYouTube由来ですから、企画のヒントとしては十分に使えます。数字のほうだけを、YouTubeの需要として読まないようにしてください。
数字の性質そのものについては、検索ボリュームの読み方をまとめた記事とサジェストの仕組みを整理した記事もあわせてご覧ください。
推定値だと提供元自身が書いている
YouTube向けの海外ツールはどうでしょうか。こちらも、推定値であることを提供元が自社の公式ヘルプに書いています。
TubeBuddyがキーワードスコアの算出方法を説明したページには、こう書かれていました。「First and foremost, YouTube does not provide public search volume statistics on YouTube.」YouTubeは検索ボリュームの統計を公開していない、という意味になります。同じページには、この推定に外部の提供元としてkeywordtool.ioを使っていることも書かれていました。How is the Keyword Score Calculated in Keyword Explorer?(TubeBuddy公式ヘルプ・最終更新2025年7月18日)
月間検索数そのものを解説した別のページでは、もっと直接的です。「NOTE: The # of searches per month is an ESTIMATE.」と書かれています。さらに、業界全体について触れた一文もありました。「Whether it’s from us or a another company, none of us have exact results so we do our bests to give clear information and label on our part when it’s an estimate.」自社であれ他社であれ、正確な数値を持っている者はいない、という趣旨です。How is “# of Searches Per Month” in Keyword Explorer Calculated?(TubeBuddy公式ヘルプ・最終更新2023年6月2日)
ここで気づいておきたいことがあります。別々の2つのツールに見えても、片方の数字の出どころがもう片方だという場合があるのです。数を並べて突き合わせても、裏取りにならないことがあります。
vidIQも同じです。公式ヘルプには「vidIQ estimates the monthly searches on that keyword on YouTube (based on a 30-day rolling period).」とあります。粒度についても「it is possible for a 100,000 search volume and a 1,000,000 search volume to be in the same High bracket」と書かれていて、10万と100万が同じ「High」に入りうると認めているのです。Keywords Research(vidIQ公式ヘルプ)
APIに検索回数を返す窓口は用意されていない
なぜ各社が推定するしかないのでしょうか。YouTubeが開発者向けに公開している窓口を見ると、理由が分かります。
YouTube Data API v3のリファレンスに並ぶリソースを一つずつ見ても、検索ボリュームや検索回数を返すものはありません。Searchというリソースはありますが、そのlistメソッドの説明は「Returns a collection of search results that match the query parameters specified in the API request.」で、リクエストで指定した条件に一致する結果の一覧を返すものです。その言葉が何回検索されたかまでは返ってきません。YouTube Data API v3 リファレンス(Google for Developers)
Web検索の側には、Google広告のキーワードプランナーという公式の窓口が用意されています。YouTubeのほうには、今回確認した範囲でそれに当たる公式の窓口が見当たりません。道具そのものの選び方はキーワードツールの選び方をまとめた記事で扱っています。
Studioの[トレンド]タブが公式の入口
では公式は何を使えと言っているのでしょうか。動画の説明に関するヒントというページに、はっきり書かれています。
日本語版の原文は「YouTube アナリティクスや Google 広告のキーワード プランナーの [調査] タブを使用すると、人気のキーワードとその類義語を確認できます。」です。動画の説明に関するヒント(YouTube ヘルプ)
この日本語文は係り受けが読みにくく、キーワードプランナーに[調査]タブがあるように見えてしまいます。英語版では「Use the Research tab in YouTube Analytics and Google Ads Keyword Planner to identify popular keywords and their synonyms.」となっており、YouTubeアナリティクスのタブとGoogle広告のキーワードプランナーという2つの道具を並べて挙げた文だと分かります。
[トレンド]タブには、「ショート動画のコンテンツ ギャップ」というカードも並んでいました。コンテンツギャップそのものについて、公式は「視聴者が YouTube の特定の検索で十分な品質の検索結果を得られないとき、コンテンツ ギャップが発生します。」と説明しています。YouTube でトレンドを探す(YouTube ヘルプ)
ただし、このカードが表示するのはショート動画の検索キーワードです。長尺の動画の企画根拠にそのまま使えるわけではない点は、押さえておいてください。
それでも、需要はあるのに応える動画が足りていない場所から先に取るという考え方は、Web検索側のキーワード設計でも基本になります。競争の激しい言葉に正面から挑むより、勝ち目のある場所から入るほうが早いからです。
なお同じページの冒頭には、「2026 年 7 月より、YouTube Studio の新しいエクスペリエンスが段階的に導入されます。そのため、[トレンド] タブの表示が以前と異なる場合があります。」という告知が出ています。画面が解説と違って見えるときは、この移行の途中かもしれません。キーワードプランナー側の性質はキーワードプランナーの使い方をまとめた記事で整理しました。
数値は「非常に低い」から「非常に高い」
公式の入口で見えるのは、実数ではなく相対的な指標です。[トレンド]タブの「視聴者の関心度」というカードについて、公式ヘルプはこう説明しています。「視聴者の興味や関心は、1 週間に 1,000 回以上視聴された動画と過去 28 日間に視聴された動画に基づいており、関心度は非常に低い場合から非常に高い場合までさまざまです。」YouTube でトレンドを探す(YouTube ヘルプ)
この1文に、もとになるデータの条件と目盛りの粗さが両方入っています。集計されるのは週に1,000回以上視聴された動画と過去28日間の視聴で、返ってくるのは非常に低いから非常に高いまでの段階だけです。月に何回検索されたという実数は、ここにも出てきません。
ここが分かれ目です。実数が無いと決められないと考えるか、高いか低いかが分かれば決められると考えるかで、この先の進み方が変わります。
記事のキーワード選びなら、推定値を出す道具が何本もあるので、その中から拠りどころを1本選ぶという話になります。当社もそうしてきました。ところがYouTubeでは、前提が2つ違っています。先ほど見たとおり推定値の出どころが重なっていること、そして公式が出している相対スケールが別に用意されていることです。
この2つがあるので、順序そのものが入れ替わります。拠りどころは公式の相対スケールに置き、外部ツールは公式側で拾えなかった言葉を見つけるためだけに使います。相対値でも困らないのは、需要があるか無いかさえ分かれば「作るか作らないか」は決まるからです。どの推定値を信じるべきかで悩む時間は、まるごと要らなくなります。
検索ワードランキングは公式に存在しない
「YouTube検索ワードランキング」という言葉で探している方に、先に結論をお伝えします。検索キーワードのランキング表は、公式には公開されていません。3つの方向から確認しました。
1つ目は急上昇チャートです。公式ヘルプには「急上昇チャートはユーザーごとにパーソナライズされておらず、同一国内のすべての視聴者に対して同じ急上昇動画が表示されます。」とあり、並んでいるのは動画であって検索語ではありません。YouTube の急上昇チャート(YouTube ヘルプ)
2つ目はYouTubeチャートです。こちらもデイリー ミュージック ビデオ ランキングやウィークリー アーティスト ランキングなど、視聴回数や総再生時間に基づくものが並びます。検索キーワードのランキングは1つも含まれていません。YouTube チャートとインサイト(YouTube ヘルプ)
3つ目は、年末に公式ブログで発表される年間ランキングです。2025年の日本版で発表されたのは、注目されたトピック・トップ登録者増加クリエイター・トップ楽曲・トップショート楽曲の4カテゴリでした。ここにも検索語のランキングはありません。2025 年日本の YouTube 年間ランキング発表(YouTube 公式ブログ・2025年12月3日)
では代わりに何を見ればよいのでしょうか。見るのは、Studioの[トレンド]タブに出る自分の視聴者の上位検索キーワード、YouTubeの検索窓に出る候補、そして自分のチャンネルの実績という3つです。順番でいえば、最後の1つがいちばん強い材料になります。
参考までに、当社のWebサイト側の実測を1つ挙げます。自社メディアのSearch Consoleに2026年7月10日から8月6日までの28日間で記録された検索語556件・表示3,639回を、空白で区切って語数ごとに数えました。
結果は、1語が172件、2語が228件、3語が117件で、4語以上は39件の7.0%しかありません。表示回数で見ると4語以上は4.5%でした。
ここには限定が3つ付きます。1つ目は、当社1サイトの28日間の記録なので一般的な傾向とまでは言えないことです。2つ目は、空白で区切って数えているため、分かち書きをしない日本語では実際の語数より少なめに出ることになります。
3つ目は、1語より2語のほうが多いので、語数が増えるほど減ると言い切れないという点です。読み取れるのは、2語以上の範囲では掛け合わせを伸ばすほど検索する人が減っていく、というところまでになります。
掛け合わせの考え方そのものは、ロングテールキーワードを整理した記事で詳しく扱いました。
推定ツールに数字の出ない言葉を延々と掛け合わせるより、実際に人が打った記録を見るほうが早いのです。この章でお伝えしたいのは、この一点に尽きます。
- どの検索窓の数字ですか(YouTubeかGoogleか)
- 実数ですか、それとも高い・低いの相対値ですか
- いつ時点のデータですか(対象期間と最終更新)
キーワード選定から構成、AIによる一次執筆、人による編集、WordPress入稿まで一括で対応します。制作リソースの不足や、記事ごとの品質差にお困りの企業向けサービスです。
決めたYouTubeキーワードをどこに置くか
言葉が決まったら、次は置き場所です。YouTubeには言葉を入れられる欄がいくつもあり、それぞれ公式ヘルプの説明の量がまったく違います。ここでは4つの置き場所を、公式が何と書いているかだけを根拠に並べていきます。

タイトルは最も重要な言葉を冒頭に置く
最も時間をかける価値があるのはタイトルです。公式ヘルプの推奨はこうなっています。「視聴者にはタイトルの一部しか見えない場合もあります。そのため、タイトルは簡潔にし、最も重要な言葉を冒頭に置くようにしましょう。」サムネイルとタイトルに関するヒント(YouTube ヘルプ)
スマートフォンの一覧画面では、タイトルは途中で切れて表示されます。後ろに置いた言葉は、そもそも読まれないまま流れていくわけです。
ここで正確に読んでおきたい点があります。このページに「キーワード」という語は一度も出てきません。書かれているのは、簡潔にすること、最も重要な言葉を冒頭に置くこと、そして内容を正確に反映することの3つです。
ただし、キーワードについての記述が公式に無いわけではありません。次に見る説明文のヒントのページに、タイトルにも関わる指定が置かれていました。あわせて読むと、公式が求めている形がはっきりしてきます。
サムネイルとタイトルのヒントのページには「タイトルは動画の内容を正確に反映するものにしてください。そうでないと、視聴者が途中で視聴をやめ、動画の見つけやすさに影響する場合もあります。」ともあります。中身とずれたタイトルは、途中離脱を通じて見つけやすさそのものに跳ね返るという説明です。
なお、タイトルの文字数制限は100文字だと公式ヘルプに明記されています。YouTube 動画をアップロードする(YouTube ヘルプ)
説明文は最初の数行に動画の中身を書く
説明文で効いてくるのは、冒頭の数行です。公式ヘルプはこう書いています。「説明の上部の数行は最初に視聴者の目に留まるため、この部分に動画の説明を記載するようにしてください。」動画の説明に関するヒント(YouTube ヘルプ)
この欄については、公式がキーワードの使い方まで踏み込んでいます。「説明にキーワードを記載すると、視聴者が検索で動画を見つけやすくなります。」とあり、続けて「動画を説明する 1~2 語の主なキーワードを決めて、説明とタイトルの両方で目立つように使いましょう。」と書かれていました。
注目したいのは「1~2 語」という数の指定です。たくさん並べよとは書かれておらず、主なキーワードを絞ったうえで、説明とタイトルの両方で目立たせるように求めています。前の項でタイトルの話をしましたが、公式の指定はここでつながるわけです。
ですから、決めた言葉が動画の中身をきちんと表しているなら、素直に説明を書けば自然に入ってきます。今回確認した公式ヘルプの範囲では、無関係な語を足して数を増やすことを勧める記述は見当たりませんでした。
文字数の上限については、公式ヘルプの中で表記が2通りありました。アップロードのヘルプでは「動画の説明の文字数制限は 5,000 文字です。」、説明文のヒントのページでは「説明には半角 5,000 文字(全角 2,500 文字)まで使用できます。」となっています。どちらにしても、上限まで埋めるよう勧める記述は、この2ページのどちらにもありませんでした。
タグの役割は公式では「ごく小さなもの」
タグに毎回30分かけている方は、ここで配分を見直せます。公式ヘルプの記述を、条件の部分から続きまで通して引用します。
「タグは、スペルを間違えられやすいものが動画のコンテンツである場合に役に立つことがあります。」「その場合を除けば、動画の検索時にタグが果たす役割はごく小さなものです。」YouTube 動画にタグを追加する(YouTube ヘルプ)
役に立つのは、スペルを間違えられやすい言葉が動画の中身である場合に限られます。前半だけを切り出して「公式もタグは役に立つと言っている」と読むと、意味が反対側に振れてしまうのです。
入れすぎにも注意が要ります。同じページには「動画の説明にタグを過度に追加すると、スパム、欺瞞行為、詐欺の禁止に関するポリシーに違反することになります。」とあります。
とはいえ、タグは順位に一切関係ないとまでは言えません。前の章で見たとおり、検索の仕組みのページではタグが関連性の材料として名前を挙げられているからです。妥当な結論は、書かないのではなく、時間をかけすぎないというあたりに落ち着きます。
ハッシュタグは60個を超えると無効になる
ハッシュタグには、はっきりした上限があります。公式ヘルプの記述はこうです。「1 つの動画またはプレイリストに 60 個を超えるハッシュタグを追加すると、そのコンテンツのすべてのハッシュタグが無効になります。タグの数が多すぎる場合、アップロード動画や検索結果から動画が削除されることがあります。」ハッシュタグを使用してプレイリストや動画を探す(YouTube ヘルプ)
超えた分だけが無視されるのではありません。その動画のハッシュタグが全部まとめて無効になるという書き方です。
ここは解説記事と食い違いやすいところです。「15個まで」と書かれたものも見かけますが、今回確認した公式ヘルプに書かれている数字は60個でした。上限の数字を古いまま覚えていると、判断の前提がずれてしまいます。数を競う場所ではない、と考えておくのが安全です。
今泉の視点:私は、言葉をどこに入れるかより先に、公開後にどの数字で答え合わせをするかを決めるようにしています。順番が逆になった企画は、設定にいちばん時間をかけたのに、終わってみると何がよかったのか誰も説明できない状態になりがちです。
数字は多いほどよいものではありません。見る数字が2つ3つと並ぶと、結果の解釈が割れて次の一手が決まらなくなります。だから私は、公開前に「今回はこれで判断する」と1つだけ選び、企画メモの1行目に書くようにしています。
配分としては、タイトルと説明文と中身に時間を寄せて、タグとチャンネルキーワードは決めた言葉を短く置くだけで構いません。浮いた時間は、公開後に数字を見る30分に回してください。
| 置き場所 | 公式ヘルプの位置づけ | かける時間の目安 |
|---|---|---|
| タイトル | 重要な言葉を冒頭に・内容を正確に | いちばん長く |
| 説明文 | 上部の数行に説明・主な言葉は1〜2語 | 次に長く |
| タグ | 役割は「ごく小さなもの」 | 短く済ませる |
| ハッシュタグ | 60個超で全て無効 | 数個で止める |
| チャンネルキーワード | 説明は一文のみ | 一度決めたら触らない |
迷ったときの決め方は単純です。公式ヘルプが多くを語っている欄ほど、時間をかける価値があると考えてください。
公開後にYouTubeキーワードを答え合わせする
ここまでで、需要の確かめ方と置き場所が決まりました。残っているのは、狙いどおりだったかを確かめる工程です。ここが抜けると、次の企画のキーワードがまた他人の推定値に戻ってしまいます。
関連する調査を1つ挙げます。アルファノートが2026年6月29日に公表した、動画マーケティングを実施しているBtoB企業の担当者500名への調査では、最も重視するKPIを最大3つまで選ぶ設問で、「再生回数・インプレッション数」が41.6%と最多でした。サイト遷移数が36.0%、コンバージョン数が32.2%と続き、「特に設定していない」も18.2%あります。【2026年版】BtoB企業における動画マーケティングの実態調査(アルファノート・2026年6月29日)
すでに動画に取り組んでいる企業に絞った調査なので、日本企業全体の傾向とは読めません。それでも、2割近くが見る指標を決めないまま動画を出していることは読み取れます。再生回数は結果であって、狙った言葉が当たったかどうかは別の見方が要るのです。

率を見る前に母数が足りているか確かめる
公開直後にクリック率や視聴維持率を見て一喜一憂するのは、まだ早すぎます。母数が小さいうちは、率の指標が飛び飛びの値しか取らないからです。
当社の実測で説明します。自社メディアのSearch Consoleを2026年5月6日から8月3日までの90日間で集計したところ、表示のあった検索語は641本、表示は合計4,496回、クリックは9回でした。これを順位帯ごとに並べ直すと、上位ほどクリック率が高くなるという想定どおりの並びになりませんでした。
| 順位帯 | 検索語の本数 | 表示 | クリック | クリック率 |
|---|---|---|---|---|
| 1位 | 4本 | 28回 | 0回 | 0.0% |
| 6〜10位 | 65本 | 623回 | 5回 | 0.8% |
| 21〜50位 | 325本 | 2,623回 | 4回 | 0.15% |
最上位である1位帯だけが、下の帯を下回りました。理由は実力ではなく母数にあります。
1位帯のように表示が数十回しかない枠では、クリックが0回か1回かで率が一気に飛び、その間の値は原理的に存在しません。母数が小さいほど、率は粗い刻みでしか動かなくなるのです。次の表で刻みの幅を比べてみてください。
| 表示回数 | クリック1回あたりの率 | 実際に取りうる値 |
|---|---|---|
| 28回 | 3.6% | 3.6%刻み |
| 100回 | 1.0% | 1.0%刻み |
| 1,000回 | 0.1% | 0.1%刻み |
数字はすべて当社メディアのSearch Console実測(2026年8月6日取得・期間2026年5月6日〜8月3日)で、1サイトの記録なので一般化はできません。それでも、母数の小さい枠の率を読んでも判断材料にならないという構造そのものは、どこでも変わりません。
動画に置き換えると、公開して間もないチャンネルのクリック率や視聴維持率がこれに当たります。表示回数や視聴回数が一定たまるまで待ってから、率を見るようにしてください。
平均値どうしを突き合わせても答えは出ない
もう1つ、答えの出ない見方があります。外部の調査に載っている業界平均と、自分の管理画面に出ている平均を突き合わせることです。集計している軸が違うので、比べる先がそもそも存在しません。
自社メディアのある記事で、こんなことが起きました。同じくSearch Consoleの実測で、28日間のページ全体は259表示・3クリック、クリック率は約1.16%です。ところが同じ期間に、そのページで最も順位が高かった検索語は38表示・0クリック、つまりクリック率はゼロでした。
90日で見ると、ページ全体は596表示・8クリック、クリック率1.34%、平均掲載順位は20.2位になります。ここが落とし穴でした。この1行に出ている20.2位という順位は、6位台の検索語と40位台の検索語を平らにならして作った数字です。
実在しない「20.2位のページ」のクリック率を見ているようなものですから、外部調査の順位別クリック率の表と並べても意味を持ちません。動画でも事情は変わらず、外部ツールが出す平均クリック率と、自分のアナリティクスに出ている平均は別々の作り方をした数字になります。
比べるなら、同じ場所の数字どうしにしてください。先月の自分と今月の自分、あるいは動画Aと動画Bというように、集計の軸をそろえた比較だけが判断に使えます。記事と動画の役割分担についてはAI記事と動画の連携をまとめた記事もあわせてご覧ください。
見る周期を先に決めて仕組みに固定する
最後は、答え合わせを仕組みにする話です。ここは当社の失敗をそのままお伝えします。
2026年7月に流入戦略を見直したとき、伸びない理由の4つ目として「運用の問題: 計測→改善ループが今回まで未稼働だった(今回から隔週で稼働)」と記録しています。記事を作る工程は回っていたのに、数字を見て次を決める工程だけが誰の担当にもなっていなかったのです。対処として、隔週で分析・月次でAI引用の定点観測というように、周期を先に決めて仕組みに固定しました。
動画でも同じことが起こります。撮影・編集・公開までは予定表に入るのに、公開後に数字を見る時間だけは誰のカレンダーにも入りません。だからこそ、周期のほうを先に決めてしまってください。
判断の粗さも決めておくと迷いが減ります。1つ目は、数日の数字で良し悪しを決めず、最低でも2〜4週間のまとまりで見ることです。2つ目は、日次で見るもの・週次で見るもの・月次で見るものを分けておくことになります。この2つを決めておけば、順位の上下に毎日反応して企画がぶれる状態を避けられます。
記録の形も先に決めておきましょう。当社はキーワードの台帳を、1行につき記事1本・狙う言葉1つと決めています。動画に置き換えるなら、動画1本につき狙う言葉を1つだけ書いておく形です。1本に複数の言葉を書くと、当たったのがどれだったのか後から分からなくなります。
この記録が1行あるだけで、公開から数週間後にStudioの数字と突き合わせれば答え合わせは終わりです。狙った言葉で見つかっていれば次も同じ方向へ進み、見つかっていなければ言葉とタイトルのどちらを直すかを考えます。この判断が、毎回同じ手順でできるようになるのです。
なお公式ヘルプは、視聴されたかどうかが検索にも関わることを次のように説明しています。「エンゲージメント シグナルは、関連性を判断するための重要な指標です。指定のクエリで見つかった特定の動画について、総再生時間などの全体的なユーザー エンゲージメントを調べ、他のユーザーもその動画がそのクエリと関連性が高いと考えているかどうかを判断します。」YouTube 検索の仕組み(YouTube ヘルプ)
言葉を置いて終わりではなく、見られたかどうかまでが関連性の判断に入るということです。答え合わせは、次の企画のためだけの作業ではありません。
- 公開前1:狙う言葉を1つだけ決めて記録しましたか
- 公開前2:その言葉を[トレンド]タブで確かめましたか
- 公開前3:最も重要な言葉をタイトルの冒頭に置きましたか
- 公開前4:説明文の最初の数行に動画の中身を書きましたか
- 公開前5:公開後に見る数字を1つ決めましたか
- 公開後1:率を見る前に母数がたまるまで待ちましたか
- 公開後2:比べる相手は同じ場所の数字にしましたか
- 公開後3:狙った言葉で見つかっているか確かめましたか
- 公開後4:次に見る日をカレンダーに入れましたか
YouTubeキーワードのよくあるご質問
まとめ
YouTubeのキーワードは、外部ツールの推定値ではなく、公式に取れるデータで需要を確かめ、公開後の自分の数字で答え合わせをすることで決まります。日本語の調査ツールに並ぶ月間検索数はGoogle検索のものですし、海外ツールの数字も提供元自身が推定だと書いています。見に行く先は、YouTube Studioの[トレンド]タブです。
- 次の1本で狙う言葉を1つだけ決めて記録する
- その言葉の関心度を[トレンド]タブで確かめる
- 公開後に見る数字を1つ選び、見る日を決めておく
どこまで作り込むかはチャンネルの状況によって変わります。判断に迷う点があれば、お気軽にご相談ください。
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